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シャシ (自動車じどうしゃ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

シャシ (えい: chassis[1]) という用語ようご多義たぎてきであり、

  • 自動車じどうしゃ基本きほん骨格こっかく
  • 自動車じどうしゃ基本きほん構造こうぞう基本きほん骨格こっかく + エンジン + 駆動くどうれつ + サスペンションなど)
  • 自動車じどうしゃ車輪しゃりん周囲しゅうい構造こうぞう機構きこうえい: undercarriage

上記じょうきのいずれかをす。シャーシ、シャシー、シャーシーとも表記ひょうきされる。

つまり「くるま基本きほん骨格こっかく」を場合ばあいと、「基本きほん骨格こっかく + 走行そうこう必要ひつよう不可欠ふかけつ装置そうちぐん」を場合ばあいと、「「自動車じどうしゃ自動車じどうしゃ車輪しゃりん周囲しゅうい構造こうぞう機構きこうあしまわり)」を場合ばあいがある。それぞれべつ意味いみではあるので、ひとつひとつ解説かいせつする。

くるま基本きほん骨格こっかく部分ぶぶん

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ランボルギーニ・アヴェンタドールのシャシ

シャシという用語ようごは、英語えいごらしい表現ひょうげんえば「frame フレーム」つまり日本語にほんごでは「わく(わく)」のことであり、自動車じどうしゃ大枠おおわく(おおわく)物理ぶつりてき骨格こっかくとなるフレームす。

シャシという用語ようごは、もともとはフランス語ふらんすごの「ふつ: châssis シャシ」であり、それが英語えいごけんでも使つかわれるようになり、アルファベットの「a」のうえにあるトンガリ帽子ぼうしかたちをしたアクセント記号きごう英語えいごけんでは脱落だつらくしてchassisとつづられるようになったわけである。

この意味いみでのシャシも、現在げんざいでも「シャシ」とばれている。英語えいごらしい表現ひょうげんびたいひとは「フレーム」とぶ。

ローリング・シャシ

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なお自動車じどうしゃ製造せいぞう歴史れきし変遷へんせんなかで、「chassis シャシ」という用語ようご骨格こっかく部分ぶぶんだけでなく、そこに動力どうりょくけいした状態じょうたいふくめてす、ということも(並行へいこうてきに)おこなわれるようになった。

だが、どちらも乱暴らんぼうに「シャシ」とんでしまっては、概念がいねんどうしの区別くべつがつかず、混乱こんらんきがちなので、動力どうりょくけいんだものにかんしては「ローリング・シャーシ (rolling chassis)」とけるのが正式せいしきかたである。(rolling chassisは「はし状態じょうたいのシャーシ」という意味いみ表現ひょうげんである)

ローリング・シャシは、(うえふし説明せつめいした)シャシ(=フレーム、基本きほん骨格こっかく)に、エンジントランスミッションドライブシャフトディファレンシャルステアリングギア、サスペンションなど、はしるための一連いちれん装置そうちんだ(した)『自動車じどうしゃとしての基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をす。この意味いみでのシャシは漢字かんじ表記ひょうきする場合ばあいは「車台しゃだい(しゃだい)」となる。これと対比たいひ区別くべつされる用語ようごは「body ボデー」であり、漢字かんじ表記ひょうきでは「車体しゃたい」である。

なおトラックなどの商用しょうようしゃ製造せいぞうするメーカーは、シャシのみ、ダッシュボードからまえボンネット)とシャシのみ(これは正式せいしきには「カウル・シャシ」とける)、運転うんてんせきとシャシのみ(これは正式せいしきには「キャブシャシ」とける)といった状態じょうたいでも車両しゃりょう出荷しゅっかしている。こうした状態じょうたい出荷しゅっかすることで、別途べっと特別とくべつ仕様しようのボデーをそうすることができる。こうしたれいとしては、キャンピングカー(モーターホーム)、消防しょうぼう自動車じどうしゃ救急きゅうきゅうしゃなどげられる。

ローリング・シャシの構成こうせい

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自動車じどうしゃ業界ぎょうかいでは基本きほんてきには英語えいごをカタカナにした表記ひょうき優先ゆうせんする習慣しゅうかんがある。漢字かんじ表現ひょうげん混乱こんらんのもととなりがちなので、カタカナ表記ひょうきのちにまわすのが一般いっぱんてき

くるまあしまわ部分ぶぶん

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モノコック構造こうぞう車両しゃりょうでは、フレームの役割やくわりはボデーがになうようになり、独立どくりつしたフレームはなくなった。モノコックボデーにおいてのシャシとは、エンジン、ドライブトレインのぞいたフロアパン、サスペンションアクスル)、ステアリングなどの「あしまわ」(えい: undercarriage アンダーキャリッジ)をすことも、並行へいこうてきに、おこなわれるようになった。

なおこの意味いみ使つか場合ばあいは、複数ふくすう概念がいねんどういち用語ようごしてしまうことによるだい混乱こんらんけるために、従来じゅうらいの『くるま基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をすためにはプラットフォームという用語ようごもちいられることもおおい。

歴史れきし自動車じどうしゃ製造せいぞう歴史れきしなかでの位置いちづけの変遷へんせん

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「シャシ」にわる概念がいねん「プラットフォーム」の登場とうじょう

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自動車じどうしゃ開発かいはつ基本きほん構成こうせい部品ぶひん意味いみでのシャシは、ボデーをえることでべつ車種しゃしゅ派生はせいさせることができる。1970年代ねんだいフォードが、ことなる種類しゅるい車種しゃしゅ開発かいはつするベースとなる『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をまとめて、「プラットフォーム」(えい: platform)とはじめた。その、『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をすシャシにわる言葉ことばとして「プラットフォーム」をもちいる自動車じどうしゃメーカーもえてきた。プラットフォームはボデー以外いがい走行そうこうにかかわる『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』を概念的がいねんてき用語ようごであり、具体ぐたいてきなパーツをすものではない。概念的がいねんてきといわれるおおきな要素ようそがボデーである。モノコック構造こうぞうのボデーはくるま構成こうせいするおおきなひとつの構造こうぞうたいである。従来じゅうらいフレームがになっていた骨格こっかく相当そうとう役割やくわりはボデーの機能きのうひとつであり、これはプラットフォームの一部いちぶくるま基本きほん構造こうぞうである。しかし、おなじボデーだが外見がいけんてき見栄みばえにかかわる部分ぶぶん(スタイル)などは具体ぐたいてき個別こべつ車種しゃしゅ変更へんこうされる部分ぶぶんであり、これはプラットフォームにはふくまれない。

モノコック構造こうぞう場合ばあい具体ぐたいてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』を意味いみするシャシはなく、概念的がいねんてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』としてのプラットフォームとして、具体ぐたいてきなボデー、エンジン、トランスミッション、パワートレイン、そして『あしまわ部分ぶぶん』としてのシャシが位置いちづけられる。また、フレーム構造こうぞうでは、概念的がいねんてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をプラットフォーム、具体ぐたいてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』をシャシと表現ひょうげんすることがあるがほぼ同義どうぎとなる。

漢字かんじ表記ひょうきの「車台しゃだい」は具体ぐたいてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』を意味いみするシャシの日本語にほんごやくとしてつくられたが、プラットフォームを説明せつめいする場面ばめんで、とく学術がくじゅつけいで、概念的がいねんてきな『基本きほん構成こうせい部分ぶぶん』を意味いみするプラットフォームをして「車台しゃだい」という漢字かんじ表現ひょうげん使つかわれることがある。

最近さいきん状況じょうきょう

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現在げんざい乗用車じょうようしゃおおくはモノコック構造こうぞう使用しようしており、フレームを使用しようしている乗用車じょうようしゃ数少かずすくなくなってきている。

ただし、トラックなどの重量じゅうりょうぶつあつか自動車じどうしゃではフレーム構造こうぞう主流しゅりゅうであり、ピックアップトラックやそれをベースとしたスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)では現在げんざいでも使用しようされている。フレーム構造こうぞうではないSUV、つまり、モノコック構造こうぞう乗用車じょうようしゃをベースにつくられたSUVはクロスオーバーしゃ、CUV、XUVなどとばれるようになっている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ chassisは単複たんぷく同形どうけい、つまり単数たんすうがた複数ふくすうがたまったおなつづりである。

関連かんれん項目こうもく

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