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救急きゅうきゅうしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
オーストリア救急きゅうきゅうしゃ

救急きゅうきゅうしゃ(きゅうきゅうしゃ)は、救急きゅうきゅう搬送はんそう必要ひつようきずやまいもの病院びょういんなどの医療いりょう施設しせつまで迅速じんそくかつ安全あんぜん搬送はんそうするための車両しゃりょうである。自動車じどうしゃのない時代じだいから救急きゅうきゅうしゃ存在そんざいし、人力車じんりきしゃ馬車ばしゃもちいられていた。自動車じどうしゃ発明はつめいされてからは自動車じどうしゃ主流しゅりゅうとなっている。寝台しんだいしゃくくりだが、救急きゅうきゅうしゃ公共こうきょう機関きかん医療いりょう機関きかんなどが保有ほゆう運用うんようし、寝台しんだいしゃ患者かんじゃ搬送はんそうしゃ医療いりょう機関きかん民間みんかん企業きぎょうなどが保有ほゆう運用うんようしている。

歴史れきし

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本格ほんかくてき救急きゅうきゅう搬送はんそう専用せんよう車両しゃりょうはじめてつくったのは、1800年代ねんだいはじめのナポレオン戦争せんそうでナポレオンぐん軍医ぐんいちょう任命にんめいされた外科げかドミニク・ジャン・ラレー(Dominique Jean Larrey)だとわれている。ドミニク・ジャン・ラレーは傷病しょうびょうしゃ迅速じんそく治療ちりょうのためにぐん救急きゅうきゅう部隊ぶたい編成へんせいし、戦場せんじょうであっても傷病しょうびょうしゃがいちはや野戦やせん病院びょういん搬送はんそうされるよう、専用せんよう馬車ばしゃ傷病しょうびょうしゃ野戦やせん病院びょういんまで搬送はんそうする仕組しくみをつくった。この野戦やせん病院びょういんまで負傷ふしょうしゃせる専用せんよう馬車ばしゃ最初さいしょ救急きゅうきゅうしゃだとされている。 なお、ドミニク・ジャン・ラレーは傷病しょうびょうしゃ軽傷けいしょう中傷ちゅうしょう重症じゅうしょうと、治療ちりょう優先ゆうせん順位じゅんいをつけ、最初さいしょ治療ちりょうすべきもの選別せんべつ(および決定けってい)するトリアージ仕組しくみをはじめて考案こうあんした人物じんぶつとしても有名ゆうめいである。

救急きゅうきゅうしゃという呼称こしょう英語えいごambulance)は、"ambulare"「ラテン語らてんごあるく・あるまわるの」から"hôpital ambulant"(フランス語ふらんすご移動いどうする病院びょういん)というラテン語らてんご起源きげんフランス語ふらんすごから派生はせいしたものが語源ごげんわれている。

このように救急きゅうきゅうしゃ歴史れきし戦争せんそう軍事ぐんじふか関係かんけいち、戦時せんじ国際こくさいほうした赤十字せきじゅうじしょうをつけた救急きゅうきゅうしゃ戦闘せんとうちゅうであっても攻撃こうげきされず傷病しょうびょうしゃ搬送はんそうすることがみとめられている。救急きゅうきゅうしゃ武装ぶそうゆるされていないため、衛生えいせいへい武装ぶそう解除かいじょしてから同乗どうじょうする必要ひつようがある。ただし発煙はつえんだん発射はっしゃなど防御ぼうぎょのための装置そうち搭載とうさいできる。

大衆たいしゅう自動車じどうしゃ普及ふきゅうはじめた1920年代ねんだい以降いこう救急きゅうきゅうしゃ自動車じどうしゃベースで製作せいさくされるようになり、救急きゅうきゅう搬送はんそう主要しゅよう手段しゅだんとして各国かっこく採用さいようされている。また、陸路りくろはし救急きゅうきゅうしゃ補完ほかんするために救急きゅうきゅうヘリ救急きゅうきゅう航空機こうくうき救急きゅうきゅうてい救急きゅうきゅうせんなどがあらたに開発かいはつされ運用うんようされている。ヨーロッパアメリカなどでは地方ちほう都市としあいだ距離きょりながく、山岳さんがく地域ちいきおおいことから搬送はんそう時間じかん短縮たんしゅくのため救急きゅうきゅうヘリがひろ普及ふきゅうしている。このように地形ちけいなどの事情じじょうで、救急きゅうきゅうヘリを使つかった搬送はんそうおおくにもある。

救急きゅうきゅうしゃ改良かいりょうかさねられており、先進せんしんこく中心ちゅうしん高度こうど救命きゅうめい処置しょちをしながら搬送はんそうできるよう車内しゃないのスペースを拡大かくだいしたり、ども専用せんよう新生児しんせいじ乳児にゅうじ幼児ようじ救急きゅうきゅうしゃつくるなど、高度こうど医療いりょう機器きき積載せきさいしてすべての年齢ねんれいそう対応たいおうできるよう救命きゅうめいりつ向上こうじょうはかっている。その一方いっぽう21世紀せいきはいってからも開発途上国かいはつとじょうこく紛争ふんそうつづ地域ちいきでは十分じゅうぶんかず救急きゅうきゅうしゃ整備せいびされていないか、傷病しょうびょうしゃ救急きゅうきゅうしゃ搬送はんそうする制度せいどいま整備せいびされていない状況じょうきょうつづいている。

構造こうぞう機能きのう

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本節ほんぶしでは、自動車じどうしゃ救急きゅうきゅうしゃについて説明せつめいする。

世界せかいてき救急きゅうきゅうしゃはトラック[注釈ちゅうしゃく 1]をベースにした車両しゃりょうと、商用しょうようワンボックスカーをベースにした車両しゃりょう商用しょうようバンをベースにした車両しゃりょう大半たいはんめている。
また、各国かっこくさだめる救急きゅうきゅうしゃ規格きかくたす必要ひつようがある。そのため、救急きゅうきゅうしゃよう改良かいりょう[注釈ちゅうしゃく 2][注釈ちゅうしゃく 3]ほどこ性能せいのう向上こうじょうさせた特装車とくそうしゃ艤装ぎそうされることがおおく、規格きかくとうにより価格かかくがある[注釈ちゅうしゃく 4]
車体しゃたいには地域ちいき住民じゅうみん外国がいこくじんにも救急きゅうきゅうしゃだと識別しきべつできるよう、「AMBULANCE」、「Emergency Medical Service(EMS)」、「所属しょぞくめい」、「緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう」、「スター・オブ・ライフ」などがえがかれている。
救急きゅうきゅうしゃ各国かっこく法律ほうりつわせ、緊急きんきゅう車両しゃりょうとしてサイレンアンプ青色あおいろ赤色あかいろ、または橙色だいだいいろ緑色みどりいろなどの回転かいてん警光とう、またはLED点滅てんめつ警光とう装備そうびしている。
また、救急きゅうきゅうしゃ専用せんよう塗装とそうほどこされており、世界せかいてきると白色はくしょく赤十字せきじゅうじ配色はいしょくである赤色あかいろまたは蛍光けいこう橙色だいだいいろラインの車両しゃりょうおおい。
ヨーロッパでは黄色おうしょく主体しゅたい蛍光けいこう黄色おうしょくみどり、または橙色だいだいいろのチェックがら模様もようがラインじょうほどこされている車両しゃりょうおおい。
アメリカではかく都市とし消防しょうぼう病院びょういん民間みんかん救急きゅうきゅうサービスごとに塗装とそうしょくちがい、白地しろじあかライン、白地しろじあおラインなど色々いろいろ車両しゃりょうがある。
日本にっぽんでは白地しろじあかいライン[注釈ちゅうしゃく 5]かれている車両しゃりょう多数たすうめている。
救急きゅうきゅうしゃ前面ぜんめんに「AMBULANCE」や「救急きゅうきゅう」などの文字もじかがみ文字もじ裏返うらがえし)でえがかれていることがあるが、これは救急きゅうきゅうしゃ後方こうほうから接近せっきんしていることをルームミラーやドアミラーしにとき認識にんしきさせるためである。
車内しゃない安定あんていした姿勢しせい処置しょちおこなえるようひろ空間くうかん確保かくほされており、ストレッチャーバックボードネックカラーなどの医療いりょう器材きざい毛布もうふAED外傷がいしょうよう応急おうきゅう処置しょちセット・酸素さんそボンベなどを搭載とうさいしている。
また、先進せんしんこく中心ちゅうしん救命きゅうめい救急きゅうきゅう処置しょちよう医療いりょう機器きき医薬品いやくひん搭載とうさいする救急きゅうきゅうしゃえている。

運用うんよう

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救急きゅうきゅうしゃ運用うんようは、各国かっこく法令ほうれいにより様々さまざま形態けいたいをとる。
救急きゅうきゅうしゃ運用うんようする機関きかんは、しゅとして医療いりょう機関きかん救急きゅうきゅう専門せんもん機関きかん消防しょうぼう機関きかんなどであるが、くにによって状況じょうきょうおおきくことなる。日本にっぽんやイギリスなどでは、救急きゅうきゅう行政ぎょうせいサービスのひとつとして位置いちづけられ、自治体じちたい中央ちゅうおう政府せいふ主要しゅよう救急きゅうきゅうしゃ運用うんよう機関きかんとなっているが、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなどでは、かならずしも救急きゅうきゅう行政ぎょうせいサービスではなく、行政ぎょうせい救急きゅうきゅうしゃ運用うんようしている地域ちいきもあるが、民間みんかん企業きぎょう(EMS「緊急きんきゅう医療いりょうサービス」)が有料ゆうりょう救急きゅうきゅう搬送はんそう実施じっししている地域ちいきやボランティアがになっている地域ちいきすくなくない。
おおくのくに地域ちいきでは、救急きゅうきゅうしゃ必要ひつようとしているひと救急きゅうきゅうしゃ迅速じんそくべるようにするため、救急きゅうきゅうしゃ集中しゅうちゅうてき管理かんりする施設しせつ設置せっちし、救急きゅうきゅうしゃ出動しゅつどう要請ようせいする電話でんわ一元いちげんてき管理かんりしている。救急きゅうきゅうしゃしをおこなうための電話でんわ番号ばんごう通常つうじょう電話でんわ番号ばんごうとはちが緊急きんきゅう電話でんわあつかいをおこなっているくに地域ちいきおおく、おぼえやすく比較的ひかくてき桁数けたすうすくない電話でんわ番号ばんごう使用しようしている場合ばあいおおい。
救急きゅうきゅうしゃ搭乗とうじょうする人員じんいん運転うんてんしゅ医師いし救急きゅうきゅう隊員たいいんなどで、くに地域ちいきによって搭乗とうじょうすべき人員じんいんさだめられている。運転うんてんしゅくに地域ちいきによっては救急きゅうきゅう現場げんば救護きゅうご活動かつどうたずさわることがある。消防しょうぼう機関きかん警察けいさつ救急きゅうきゅうしゃ運用うんようしていたり、救急きゅうきゅう専門せんもん機関きかん設置せっちされて救急きゅうきゅうしゃ運用うんようになっているくに地域ちいきがあるなど、救急きゅうきゅうしゃ運用うんようする形態けいたい各国かっこくによってことなる。
救急きゅうきゅうしゃ人命じんめい救助きゅうじょのため迅速じんそくせいもとめられることから、おおくのくに地域ちいき緊急きんきゅう車両しゃりょう指定していされており、赤信号あかしんごうでも優先ゆうせんてき進行しんこうしたり、渋滞じゅうたいときでも対向たいこう車線しゃせんぎゃくそうして進行しんこうすることが可能かのうである。

料金りょうきん制度せいど

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海外かいがい救急きゅうきゅうしゃ要請ようせいする場合ばあい、ほとんどのくに有料ゆうりょう[注釈ちゅうしゃく 6] であるため、海外かいがい旅行りょこうさい保険ほけんはいることを各国かっこく外務省がいむしょう(アメリカの場合ばあい国務省こくむしょう)が推奨すいしょう[注釈ちゅうしゃく 7][1] している。

日本にっぽん

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  • 救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい地方自治体ちほうじちたい消防しょうぼう本部ほんぶ直通ちょくつうでつながる緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう119」に日本語にほんごつたえる必要ひつようがある。最近さいきんでは外国がいこくじん観光かんこうきゃく増加ぞうかともな英語えいご中国ちゅうごくなど言語げんご対応たいおうする通訳つうやくコールセンターをかいした同時どうじ通訳つうやくサービス導入どうにゅう消防しょうぼう本部ほんぶえており、2021ねん開催かいさいされた東京とうきょうオリンピックでは全国ぜんこく政令せいれい指定してい都市とし消防しょうぼう本部ほんぶ導入どうにゅう[2]救急きゅうきゅうしゃぶのに国籍こくせき人種じんしゅ納税のうぜい有無うむ一切いっさいわない。利用りようりょう無料むりょうである。ただ、近年きんねん救急きゅうきゅうしゃ不適切ふてきせつ利用りよう[注釈ちゅうしゃく 8]対応たいおうするため、三重みえけん松阪まつさかでは、救急きゅうきゅうしゃ要請ようせいしたが、入院にゅういんいたらなかった場合ばあいには7700えん徴収ちょうしゅうすることをあきらかにした。同市どうしは、不適切ふてきせつ利用りようおさえ、たすけられるいのちたすけるためとしている[3]
ただし、通報つうほう内容ないようから消防しょうぼう通信つうしん司令しれいしついのちかかわる緊急きんきゅうせいとくたか判断はんだんされた場合ばあいには、消防しょうぼうから救急きゅうきゅう医療いりょう機関きかんたいしてドクターカー出動しゅつどう要請ようせいすることがある。その場合ばあいには医師いし看護かんご労働ろうどう時間じかん発生はっせいするため、医療いりょう機関きかんでの治療ちりょう支払しはらいのさいに「救急きゅうきゅう搬送はんそう診療しんりょうりょう」として料金りょうきん発生はっせいする(健康けんこう保険ほけん適用てきよう[4]
  • 医療いりょう機関きかん病院びょういん診療しんりょうしょ医院いいん、クリニックなど)も、独自どくじ救急きゅうきゅうしゃ所有しょゆうしている。患者かんじゃがその医療いりょう機関きかん外来がいらい受診じゅしんちゅう入院にゅういんちゅう転院てんいん搬送はんそう必要ひつようになった場合ばあい運用うんようされ、患者かんじゃ搬送はんそう料金りょうきん無料むりょうである。
  • 近年きんねんでは、救急きゅうきゅうしゃ病院びょういんまでのタクシーわりに要請ようせいしたり(今日きょう入院にゅういんするから病院びょういんれていってひとし)、意識いしきもしっかりしていて自分じぶん正常せいじょうあるける程度ていど軽症けいしょうされてかゆい・日焼ひやけしてはだがヒリヒリいたとう)での救急きゅうきゅう要請ようせい半数はんすう問題もんだいになっている。総務そうむしょう消防庁しょうぼうちょうによると、2020ねん出動しゅつどうしたうち、やく半数はんすう救急きゅうきゅうしゃでの搬送はんそう必要ひつようない救急きゅうきゅうしゃ要請ようせいであった[5]
上記じょうき理由りゆうにより以前いぜんから増加ぞうかしていた救急きゅうきゅう出場しゅつじょう新型しんがたコロナウイルス流行りゅうこうさら増加ぞうかし、救急きゅうきゅうたいつね出場しゅつじょうしている状態じょうたいとなり、消防署しょうぼうしょにほとんどかえることができない問題もんだい[注釈ちゅうしゃく 9]発生はっせいしている。
  • 救急きゅうきゅう安心あんしんセンター(電話でんわ番号ばんごう#7119)では、以上いじょう問題もんだいてん解決かいけつし、また救急きゅうきゅうしゃ判断はんだん医療いりょう機関きかんくべきかの判断はんだん相談そうだんできる窓口まどぐちとして開設かいせつされた[6]かく地方自治体ちほうじちたいでも救急きゅうきゅうしゃ適正てきせい利用りようびかけ、救急きゅうきゅうしゃ必要ひつようせいひく傷病しょうびょうしゃ利用りよう増加ぞうかおさえるみをしている。

台湾たいわん

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台湾たいわん救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい日本にっぽん同様どうよう緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「119」に台湾たいわんつたえる必要ひつようがある。中国ちゅうごくでもつうじる。自治体じちたい消防しょうぼう運用うんようする救急きゅうきゅうしゃる。
すうねんまえまで無料むりょうだったが、軽度けいど症状しょうじょう救急きゅうきゅうしゃび、救急きゅうきゅうしゃ運用うんよう支障ししょうをきたす問題もんだい深刻しんこくしたため、2012ねん12月に台北たいぺい重症じゅうしょうしゃ利用りよう有料ゆうりょうする条例じょうれい実施じっしした[7]費用ひようは600〜1800げんとされている。緊急きんきゅうようする場合ばあい従来じゅうらいどお無料むりょう。その各地かくち自治体じちたい追随ついずいし、同様どうようあるいは類似るいじ条例じょうれい制定せいていされた[8]条例じょうれい施行しこう緊急きんきゅうせいようする場合ばあい従来じゅうらいどお無料むりょうである。

中国ちゅうごく

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救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「120」(北京ぺきんのみ「120」または「999」)に中国ちゅうごくつたえる必要ひつようがある。中国ちゅうごく救急きゅうきゅうしゃ有料ゆうりょうで、搬入はんにゅうさき病院びょういん走行そうこう距離きょりおうじて料金りょうきん請求せいきゅうされる[9]北京ぺきんでは、2016ねん5がつから救急きゅうきゅうしゃ料金りょうきんメーターがけられ、初乗はつのり3kmまでが50げんやく850えん)、その1kmごとに7もと課金かきん、となった(以前いぜん統一とういつ料金りょうきん基準きじゅんがなかった)。欧米おうべいメディアはまわみち懸念けねんしている[10]地域ちいき病状びょうじょうによってことなるが、意識いしきがある傷病しょうびょうしゃ傷病しょうびょうしゃ家族かぞく場合ばあいなどでは料金りょうきん先払さきばらい(チャージ)しなければならない地域ちいきもあり、目安めやす金額きんがくよりおおめに料金りょうきんはらわないと乗車じょうしゃ拒否きょひされることもある。(あまったぶん病院びょういん到着とうちゃく精算せいさん)。本当ほんとうきるかぬかとった状況じょうきょうでなければさきにおかね支払しはらいをもとめられる[11]
中国ちゅうごく病院びょういんでは最初さいしょ窓口まどぐち一定いっていがくさきはらわなければならない。また、支払しはらいは受付うけつけだけでなく医師いし指名しめいりょう、カルテ作成さくせいりょう等々とうとう色々いろいろ場所ばしょならんでそれぞれの支払しはらいをませないと途中とちゅう治療ちりょう停止ていしする[11] ので注意ちゅうい必要ひつようである。きゅう病気びょうきやケガの場合ばあいそなえて、旅行りょこうまえ海外かいがい旅行りょこう傷害しょうがい保険ほけん加入かにゅうすることが推奨すいしょうされている[12]

オーストラリア

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オーストラリアで救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「000」(警察けいさつおよび消防しょうぼう共通きょうつう番号ばんごう)に英語えいごつたえる必要ひつようがある。オーストラリアじん(オーストラリア国籍こくせき以外いがい外国がいこくじんはすべて有料ゆうりょう料金りょうきんしゅうによってことなる。初乗はつのりは1まんえん-6まんえんほどで、タクシーのように搬送はんそう距離きょりおうじた加算かさんおこなわれるため料金りょうきん高額こうがくになる場合ばあいおおい。とくに、夜間やかん休日きゅうじつ割増わりましさらたかくなるため救急きゅうきゅう医療いりょうすべてをカバーした保険ほけん加入かにゅうしておく必要ひつようがある[13]
搬送はんそうされた病院びょういん救急きゅうきゅう医療いりょう受診じゅしん手術しゅじゅつ入院にゅういんをした場合ばあい医療いりょうすうひゃくまんえん単位たんい金額きんがくになることがあるため注意ちゅうい必要ひつようである。

アメリカ

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救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「911」(警察けいさつおよび消防しょうぼう共通きょうつう番号ばんごう)に英語えいごつたえる必要ひつようがある。救急きゅうきゅうしゃ料金りょうきんしゅうによりことなる。搬入はんにゅうさき病院びょういん指定してい出来できない。ニューヨークしゅうでは600ドルほど請求せいきゅうされる[14]カリフォルニアしゅうでは、基本きほん料金りょうきんタクシーのように搬送はんそう距離きょりおうじた加算かさんおこなわれる。救急きゅうきゅうしゃなかける応急おうきゅう処置しょちにも医療いりょう発生はっせいする。イリノイしゅうシカゴでは、いち救命きゅうめい処置しょち基本きほん料金りょうきん2,342ドル、救命きゅうめい処置しょち基本きほん料金りょうきんは2,734ドル、酸素さんそ使用しようりょうかかわらず)28ドル、1マイルごとに19ドル課金かきんされる[15]
搬送はんそうされた病院びょういん救急きゅうきゅう医療いりょう受診じゅしん手術しゅじゅつ入院にゅういんをした場合ばあい医療いりょうすうひゃくまんえん単位たんい金額きんがくになることがあるため注意ちゅうい必要ひつようである。民間みんかん有料ゆうりょう救急きゅうきゅうしゃ派遣はけん会社かいしゃ存在そんざいし、搬入はんにゅうさき病院びょういんえらべるサービスがある。

フランス

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フランスで救急きゅうきゅうしゃ場合ばあい緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「15」SAMU(Service d' Aide Medicale Urgente)にフランス語ふらんすごつたえる必要ひつようがある。SAMU通報つうほうした場合ばあい通報つうほう内容ないようは24あいだ待機たいきしている医師いしによってトリアージされ、軽傷けいしょう判断はんだんされた場合ばあい電話でんわ応急おうきゅう処置しょち方法ほうほう指導しどうされたあと、自分じぶんちかくの診療しんりょうしょくよううながされる。重症じゅうしょう判断はんだんした場合ばあいSAMUのヘリコプターをばすこともある。なお、SAMU救急きゅうきゅうしゃしろ主体しゅたいしょく)、ヘリコプターども医師いしかなら同乗どうじょうする。救急きゅうきゅうしゃ利用りよう料金りょうきん地域ちいきによって基本きほん料金りょうきんやく60ユーロ)に走行そうこう距離きょり料金りょうきんやく2ユーロごとキロメートル)が加算かさんされる距離きょり課金かきんしき[16] と、30ふんあたりやく250ユーロの利用りよう時間じかん課金かきんしきがある。
消防しょうぼう機関きかん緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「18」またはEU共通きょうつう緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「112」に通報つうほう消防しょうぼう救急きゅうきゅうしゃあか主体しゅたいしょく)をこと可能かのうだが、フランスでは医師いし早期そうきから処置しょちをしてもらえるSAMU への通報つうほう一般いっぱんてきである。消防しょうぼう機関きかんによる応急おうきゅう手当てあて搬送はんそう場合ばあい無料むりょう

イタリア

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救急きゅうきゅうしゃ公営こうえいのものは緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「118」またEU共通きょうつう緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごう「112」でぶことができ、料金りょうきん滞在たいざい許可きょかしょうコーディチェ・フィスカーレ納税のうぜい有無うむとうわず無料むりょう[17]搬入はんにゅうさき病院びょういん指定していはできない。
公営こうえい救急きゅうきゅうしゃぶときはほとんど英語えいごつうじないため、イタリアつたえる必要ひつようがある。民間みんかん有料ゆうりょう救急きゅうきゅうしゃ派遣はけん会社かいしゃ存在そんざいし、搬入はんにゅうさき病院びょういんえらべるサービスがある。おなじく有料ゆうりょうだが私立しりつ総合そうごう病院びょういんでは病院びょういん独自どくじ救急きゅうきゅうしゃ搬入はんにゅうしてもらうサービスもある。私立しりつ総合そうごう病院びょういんではほとんどの病院びょういん英語えいごつうじる。
ドイツで救急きゅうきゅうしゃ場合ばあいEU共通きょうつう緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごうの「112」(消防しょうぼう機関きかん)にドイツつたえる必要ひつようがある。救急きゅうきゅうしゃ利用りようりょう有料ゆうりょう通報つうほう内容ないようおうじて医師いし同乗どうじょうする専用せんよう救急きゅうきゅうしゃ(ノートアルツトワーゲン)が手配てはいされる。医師いし同乗どうじょうする場合ばあい利用りよう料金りょうきんやく100ユーロほどプラスされる。救急きゅうきゅうしゃ利用りよう料金りょうきん救急きゅうきゅう隊員たいいんほどこ応急おうきゅう処置しょち内容ないよう走行そうこう距離きょりによって料金りょうきんおおきくわるが、最低さいていでもやく300ユーロから500ユーロほどかかる。ドイツでは搬送はんそうされる傷病しょうびょうしゃ以外いがい一般人いっぱんじん救急きゅうきゅうしゃへの同乗どうじょう許可きょかされていないため(傷病しょうびょうしゃ家族かぞくであっても許可きょかされない)、同行どうこうしゃはタクシーで搬送はんそうされる病院びょういんかうことになる[18]
ドイツの救急きゅうきゅうしゃ軽症けいしょう傷病しょうびょうしゃ搬送はんそうできるKrankenwagen(クランケンワーゲン)[注釈ちゅうしゃく 10] と、
おも消防しょうぼう機関きかん配備はいびされている中等ちゅうとうしょう傷病しょうびょうしゃ対応たいおうできるRettungswagen(レットゥングスワーゲン)[注釈ちゅうしゃく 11]
いのちにかかわる重症じゅうしょう傷病しょうびょうしゃ対応たいおうできるNotarztwagen(ノートアルツトワーゲン)[注釈ちゅうしゃく 12] がある。

おもなメーカー

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 小型こがた中型ちゅうがた大型おおがたピックアップトラックひとしふくむ。
  2. ^ サスペンション耐久たいきゅうせい操縦そうじゅう安定あんていせい確保かくほ傷病しょうびょうしゃ医療いりょう機器ききおおきな振動しんどうあたえないようにするため。
  3. ^ 市街地しがいちで「減速げんそく停止ていしまた徐行じょこう発進はっしん加速かそく」という走行そうこうパターンがおおいため、救急きゅうきゅうしゃ専用せんようセッティング(加速かそく重視じゅうし)のギア変更へんこうされていることがおおい。
  4. ^ れいとして、ベース車種しゃしゅおな日本にっぽんのトヨタせいだか規格きかく救急きゅうきゅうしゃ(3代目だいめ現行げんこうがた)の車両しゃりょう本体ほんたい価格かかくやく1せんすうひゃくまんえんであるのにたいし、2Bがたトヨタ救急きゅうきゅうしゃ車両しゃりょう本体ほんたい価格かかくやく500まんえん
  5. ^ ラインがかれていない自治体じちたいもあり、大阪おおさか消防局しょうぼうきょくでは白色はくしょく車体しゃたい使用しよう(バックドアのみ白地しろじあかいライン)している。
    また、ラインのいろあかでなく青色あおいろ熱海あたみ消防しょうぼう本部ほんぶ)や緑色みどりいろ亀山かめやま消防しょうぼう本部ほんぶ)の自治体じちたいもある。
  6. ^ 無料むりょう場合ばあいでも搬入はんにゅうさき病院びょういん指定していはできないため、中心ちゅうしんのホテルや公共こうきょう交通こうつう機関きかんからとおはなれた地域ちいき病院びょういん搬送はんそうされてしまう場合ばあいがある。
  7. ^ 外国がいこくじん対象たいしょう救急きゅうきゅうしゃ利用りよう料金りょうきん医療いりょうはほとんどが高額こうがくなので注意ちゅういびかけている。また、海外かいがい旅行りょこう保険ほけんやクレジットカードの付帯ふたい保険ほけんでは治療ちりょう費用ひようとう一度いちど全額ぜんがく自分じぶんえて帰国きこく治療ちりょう費用ひようとう請求せいきゅうする後払あとばら方式ほうしき場合ばあいがあるので注意ちゅうい必要ひつようである。
  8. ^ タクシーわりの利用りようや、はなしいてしいなど緊急きんきゅうせいがない事案じあんでの救急きゅうきゅうしゃ利用りようす。救急きゅうきゅうしゃ適正てきせい利用りようのおねが”. 東京とうきょう消防庁しょうぼうちょう. 2024ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  9. ^ 救急きゅうきゅう隊員たいいん傷病しょうびょうしゃ搬送はんそうさき病院びょういんぎ、消防署しょうぼうしょかえ途中とちゅうあらたに救急きゅうきゅう出場しゅつじょう指令しれいはいるため、休息きゅうそく食事しょくじ水分すいぶん補給ほきゅうやトイレなどにくことができない過酷かこく連続れんぞく労働ろうどう状態じょうたいのこと。
  10. ^ 日本にっぽん2Bがた標準ひょうじゅん救急きゅうきゅうしゃ病院びょういん救急きゅうきゅうしゃ相当そうとう
  11. ^ 日本にっぽんこう規格きかく救急きゅうきゅうしゃ相当そうとう
  12. ^ 日本にっぽんドクターカー相当そうとう

出典しゅってん

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  1. ^ 日本国にっぽんこく 外務省がいむしょう 海外かいがい旅行りょこう保険ほけん加入かにゅうのおすすめ 日本国にっぽんこく 外務省がいむしょうホームページ2018ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ “119ばん多言たげん対応たいおうに 五輪ごりんけ100%導入どうにゅうへ ”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん 電子でんしばん (日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ). (2018ねん7がつ4にち). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32588840U8A700C1CR0000/ 2018ねん8がつ15にち閲覧えつらん 
  3. ^ 救急きゅうきゅうしゃ有料ゆうりょう” 入院にゅういんなしなら7700えん 「出動しゅつどう限界げんかい三重みえ松阪まつさか導入どうにゅう”. 2024ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  4. ^ 常陸ひたち大宮おおみやホームページ
  5. ^ され&日焼ひやけ」で119ばんなぜ? だれでも無料むりょう日本にっぽんだけ、悪質あくしつ利用りよう増加ぞうかもとめられる対策たいさく海外かいがいとのちがいとは(くるまのニュース)”. Yahoo!ニュース. 2023ねん7がつ2にち閲覧えつらん
  6. ^ #7119(救急きゅうきゅう安心あんしんセンター事業じぎょう関連かんれん情報じょうほう(総務そうむしょう消防庁しょうぼうちょう)
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