バッグバルブマスク (bag valve mask, BVM)とは、呼吸 こきゅう をしていない 、又 また は呼吸 こきゅう が不十分 ふじゅうぶん な患者 かんじゃ に陽 ひ 圧 あつ 換気 かんき を行 おこな うために一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられる手持 ても ち式 しき の装置 そうち である。アンビュ・バッグ (Ambu bag)という商品 しょうひん 名 めい 、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き (manual resuscitator)[1] や自己 じこ 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ (self-inflating bag)[2] という一般 いっぱん 的 てき な名称 めいしょう が知 し られている。
この装置 そうち は、訓練 くんれん を受 う けた専門 せんもん 家 か (救急 きゅうきゅう 隊員 たいいん など)のための病院 びょういん 外 がい の環境 かんきょう での蘇生 そせい キットの必須 ひっす 備品 びひん であり、また、病院 びょういん 内 ない でも、救急 きゅうきゅう 外来 がいらい やその他 た の重症 じゅうしょう 患者 かんじゃ の治療 ちりょう 現場 げんば で、救急 きゅうきゅう カート(crash cart)(英語 えいご 版 ばん ) にある標準 ひょうじゅん 備品 びひん の一部 いちぶ として頻繁 ひんぱん に用 もち いられている。アメリカ心臓 しんぞう 協会 きょうかい (AHA)の心肺 しんぱい 蘇生 そせい と緊急 きんきゅう 心臓 しんぞう 治療 ちりょう のガイドラインでは、米国 べいこく におけるBVMの使用 しよう 頻度 ひんど と重要 じゅうよう 性 せい を強調 きょうちょう し、「すべての医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ はバッグマスク装置 そうち の使用 しよう に精通 せいつう しているべきである」と勧告 かんこく している[3] 。BVMは、病院 びょういん 内 ない で、機械 きかい 式 しき 人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き が故障 こしょう している恐 おそ れがあるため検査 けんさ する必要 ひつよう がある場合 ばあい 、人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き 無 む しでは生命 せいめい 維持 いじ に支障 ししょう のある患者 かんじゃ の一時 いちじ 的 てき な換気 かんき に用 もち いられるが、そのような患者 かんじゃ の病院 びょういん 内 ない 搬送 はんそう 時 じ にも使用 しよう される。BVMには、主 おも に2つのタイプがある。1つは、空気 くうき で自己 じこ 膨張 ぼうちょう するタイプで、酸素 さんそ を追加 ついか することは可能 かのう だが、装置 そうち の機能 きのう 上 じょう は必 かなら ずしも必要 ひつよう ない。もう1つの主 おも なタイプの手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は、流量 りゅうりょう 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ (flow inflating bag)[注釈 ちゅうしゃく 1] と呼 よ ばれるもので、麻酔 ますい 導入 どうにゅう 時 じ や麻酔 ますい からの回復 かいふく 時 じ の患者 かんじゃ を換気 かんき するために、手術 しゅじゅつ 室 しつ などで多用 たよう されており[注釈 ちゅうしゃく 2] 、酸素 さんそ 配管 はいかん ないしはボンベ からの酸素 さんそ ないしは呼吸 こきゅう ガス(英語 えいご 版 ばん ) が使用 しよう する上 じょう では不可欠 ふかけつ である。
BVMを用 もち いて患者 かんじゃ を換気 かんき することは、しばしば「バギング "bagging "」と呼 よ ばれ[4] )、患者 かんじゃ の呼吸 こきゅう が不十分 ふじゅうぶん (呼吸 こきゅう 不全 ふぜん )または完全 かんぜん に停止 ていし した(呼吸 こきゅう 停止 ていし )場合 ばあい 、すなわち医学 いがく 的 てき 緊急 きんきゅう 事態 じたい (英語 えいご 版 ばん ) に通常 つうじょう 必要 ひつよう となる。BVMを用 もち いると、空気 くうき や酸素 さんそ を強制 きょうせい 的 てき に肺 はい に送 おく り込 こ み、膨 ふく らませることができるため、手動 しゅどう で陽 ひ 圧 あつ 換気 かんき を行 おこな うことが可能 かのう となる。口 くち 対 たい 口 くち 人工 じんこう 呼吸 こきゅう (英語 えいご 版 ばん ) またはポケットマスク (英語 えいご 版 ばん ) 併用 へいよう 口 こう 対 たい 口 くち 人工 じんこう 呼吸 こきゅう よりも、BVMの方 ほう が医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ に好 この んで用 もち いられる。
バッグバルブマスクのコンセプトは、1956年 ねん にドイツ人 じん 技師 ぎし ホルガー・ヘッセとそのパートナーであるデンマーク人 じん 麻酔 ますい 科 か 医 い ヘニング・ルーベンによって、吸引 きゅういん ポンプの初期 しょき 研究 けんきゅう に続 つづ いて開発 かいはつ された[5] 。ヘッセの会社 かいしゃ は後 のち にアンブA/S と改名 かいめい し、1956年 ねん からこの装置 そうち を製造 せいぞう 、販売 はんばい している。アンブバッグとは、アンブA/S社 しゃ の自己 じこ 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ蘇生 そせい 器 き のことで、現在 げんざい も自己 じこ 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ蘇生 そせい 器 き を製造 せいぞう ・販売 はんばい している[6] 。
今日 きょう では、BVMの製造 せいぞう 業者 ぎょうしゃ は他 ほか にもいくつかある。オリジナルのアンブバッグのように、耐久 たいきゅう 性 せい があり、徹底的 てっていてき に洗浄 せんじょう した後 のち に再 さい 利用 りよう することを目的 もくてき としたものもある。また、安価 あんか で1人 ひとり の患者 かんじゃ 用 よう に使用 しよう されるものもある[6] 。
当初 とうしょ は1つのサイズで製造 せいぞう されていたBVMは、現在 げんざい では乳児 にゅうじ 、小児 しょうに 、成人 せいじん に用 もち いるためのサイズが用意 ようい されている[7] [8] 。
標準 ひょうじゅん 的 てき な構成 こうせい 部品 ぶひん [ 編集 へんしゅう ]
バッグバルブマスクは3つのパーツで構成 こうせい される。一 ひと つ目 め は患者 かんじゃ の顔 かお を覆 おお う柔軟 じゅうなん なマスク、二 ふた つ目 め はバッグへの空気 くうき の逆流 ぎゃくりゅう を防 ふせ ぐフィルタとバルブ(マスク内 ない の陽 ひ 圧 あつ を維持 いじ し、バッグの汚染 おせん を防 ふせ ぐ)、三 みっ つ目 め は患者 かんじゃ に空気 くうき を送 おく るために押 お す、柔 やわ らかいバッグ部分 ぶぶん 。
BVMは、開閉 かいへい 式 しき のバルブを介 かい してフェイスマスクに取 と り付 つ けられた柔軟 じゅうなん な空気 くうき 室 しつ (長 なが さ約 やく 1フィート の"バッグ")で構成 こうせい されている。フェイスマスクが適切 てきせつ に装着 そうちゃく され、バッグが押 お されると、患者 かんじゃ の肺 はい に空気 くうき を送 おく り込 こ まれる。バッグから手 て を離 はな すと、マスクと反対 はんたい 側 がわ の端 はし から周囲 しゅうい の空気 くうき または酸素 さんそ ボンベの減圧 げんあつ 弁 べん から供給 きょうきゅう される低圧 ていあつ 酸素 さんそ を吸引 きゅういん しつつ自己 じこ 膨張 ぼうちょう し、患者 かんじゃ の肺 はい からの呼気 こき は一方向 いちほうこう 弁 べん (Outlet port)を通 とお って周囲 しゅうい 環境 かんきょう (バッグ外 がい )に排出 はいしゅつ される[8] 。
バッグとバルブの組 く み合 あ わせは、マスクの代 か わりに、気道 きどう デバイスを取 と り付 つ けることも可能 かのう である。例 たと えば、気管 きかん チューブ やラリンジアルマスク を取 と り付 つ けることができる。小型 こがた の人工 じんこう 鼻 はな や、加湿 かしつ ・細菌 さいきん フィルターなども用 もち いることができる。
BVMは、酸素 さんそ ボンベに装着 そうちゃく しなくても、患者 かんじゃ に「ルームエア」(21%の酸素 さんそ )を供給 きょうきゅう するために用 もち いることができる。しかし、BVMは、別 べつ のバッグリザーバーに接続 せつぞく して、圧縮 あっしゅく 酸素 さんそ 源 げん から純 じゅん 酸素 さんそ を充填 じゅうてん することもでき、患者 かんじゃ に供給 きょうきゅう する酸素 さんそ の量 りょう をほぼ100%に増 ふ やすことも可能 かのう である[9] 。
バッグバルブマスクには、幼児 ようじ 、小児 しょうに 、成人 せいじん に適合 てきごう するように異 こと なるサイズがある[8] 。例 たと えば、1つの小児 しょうに 用 よう サイズのバッグを複数 ふくすう の顔 かお のサイズに対応 たいおう した異 こと なるマスクと用 もち いたり、小児 しょうに 用 よう マスクを顔 かお の小 ちい さい患者 かんじゃ 用 よう に大人 おとな 用 よう バッグと併用 へいよう したりすることがある。
本 ほん 装置 そうち のほとんどのタイプは使 つか い捨 す てであるため、一 いち 度 ど しか用 もち いられないが[8] 、洗浄 せんじょう して再 さい 利用 りよう できるように設計 せっけい されているものもある。
バッグバルブマスクを「押 お す」。「揉 も む」や「絞 しぼ る」とも表記 ひょうき される。
BVMは、救助 きゅうじょ 者 しゃ によって押 お されると、膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ内 ない のガスが一方向 いちほうこう 弁 べん を介 かい して患者 かんじゃ に強制 きょうせい 的 てき に送 おく り込 こ まれ、理想 りそう 的 てき 状況 じょうきょう においては(つまり気道 きどう 確保 かくほ が完璧 かんぺき ならば)、呼吸 こきゅう ガス はマスクを通 とお して患者 かんじゃ の気管 きかん 、気管支 きかんし 、肺 はい に送 おく り込 こ まれる。BVM換気 かんき が効果 こうか を発揮 はっき するためには、正常 せいじょう な成人 せいじん 男性 だんせい 患者 かんじゃ であれば、肺 はい に500~600ミリリットル の空気 くうき を送 おく り込 こ む必要 ひつよう があるが、補助 ほじょ 酸素 さんそ を供給 きょうきゅう する場合 ばあい は400ミリリットルで十分 じゅうぶん な場合 ばあい がある[4] 。大人 おとな の場合 ばあい は5~6秒 びょう に1回 かい 、幼児 ようじ や子供 こども の場合 ばあい は3秒 びょう に1回 かい 、バッグを押 お すと適切 てきせつ な呼吸 こきゅう 数 すう (大人 おとな の場合 ばあい は1分間 ふんかん に10~12呼吸 こきゅう 、子供 こども や幼児 ようじ は20呼吸 こきゅう )になる[10] 。
バギング(bagging)の様子 ようす 。左手 ひだりて はECクランプ法 ほう でマスクを顔 かお に密着 みっちゃく させている。
医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ は、BVMのマスク部分 ぶぶん が患者 かんじゃ の顔 かお の周 まわ りに適切 てきせつ に密着 みっちゃく されていること(つまり、適切 てきせつ な「マスクシール」を確保 かくほ すること)を確認 かくにん するよう指導 しどう される。そうしないと、肺 はい を強制 きょうせい 的 てき に膨 ふく らませるのに必要 ひつよう な圧力 あつりょく がかからない。バッグバルブマスクを使用 しよう して換気 かんき する際 さい に十分 じゅうぶん な密閉 みっぺい 性 せい を確保 かくほ するために、通常 つうじょう 、「ECクランプ法 ほう 」が用 もち いられる。医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ は、親指 おやゆび と人差 ひとさ し指 ゆび をマスクの上 うえ に「C 」の形 かたち に置 お き、残 のこ りの3本 ほん の指 ゆび でマスクの下 した の顎 あご を掴 つか んで「E 」の形 かたち にする。親指 おやゆび と人差 ひとさ し指 ゆび でマスクを下 した 方向 ほうこう に押 お さえ、残 のこ りの指 ゆび は頭 あたま を後 あと 傾 かたぶけ させ、下 しも 顎 あご を上方 かみがた に引 ひ き上 あ げる力 ちから を維持 いじ する。Cの指 ゆび は下 しも 方向 ほうこう 、Eの指 ゆび は上 うえ 方向 ほうこう に力 ちから をかけることになる。空 あ いている方 ほう の手 て で、バッグを使 つか った換気 かんき を行 おこな うことができる[11] 。一人 ひとり の救助 きゅうじょ 者 しゃ が片手 かたて でマスクシールを維持 いじ しながら、もう片方 かたがた の手 て でバッグを押 お そうとするのは困難 こんなん である。そのため、一般 いっぱん 的 てき なプロトコルでは、2人 ふたり の救助 きゅうじょ 者 しゃ を想定 そうてい している。1人 ひとり の救助 きゅうじょ 者 しゃ が両手 りょうて でマスクを患者 かんじゃ の顔 かお に当 あ て、漏 も れないマスクシールの維持 いじ に完全 かんぜん に集中 しゅうちゅう し、もう1人 ひとり の救助 きゅうじょ 者 しゃ がバッグを押 お し、呼吸 こきゅう (または1回 かい 換気 かんき 量 りょう )とタイミングに集中 しゅうちゅう する[12] 。
気管 きかん チューブ は、挿管 に熟練 じゅくれん を要 よう するが、BVMのマスク部分 ぶぶん の代用 だいよう となる。気管 きかん チューブは気管 きかん 内 ない で膨張 ぼうちょう 式 しき カフで密閉 みっぺい されているため、胃 い 内容 ないよう 逆流 ぎゃくりゅう 物 ぶつ が肺 はい に入 はい りにくく、強制 きょうせい 膨張 ぼうちょう 圧 あつ が肺 はい にのみかかり、不用意 ふようい に胃 い にかからないため、バッグバルブと患者 かんじゃ の間 あいだ の空気 くうき の通路 つうろ がより安全 あんぜん ・確実 かくじつ になる(以下 いか の「合併症 がっぺいしょう 」参照 さんしょう )。また、気管 きかん チューブは、心肺 しんぱい 蘇生 そせい の胸骨 きょうこつ 圧迫 あっぱく 中 なか であっても、常 つね に開 ひらけ 存 そん している安全 あんぜん な気道 きどう を維持 いじ することができる。BVMを用 もち いる場合 ばあい 、緊急 きんきゅう の状況 じょうきょう でフェイスマスクの顔面 がんめん 密着 みっちゃく を維持 いじ することが困難 こんなん である[13] のとは対照 たいしょう 的 てき である。
手動 しゅどう 式 しき 蘇生 そせい 器 き の種類 しゅるい [ 編集 へんしゅう ]
市販 しはん されている流量 りゅうりょう 膨張 ぼうちょう 式 しき の手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の一 いち 例 れい 。上 うえ から順 じゅん に、インターサージカル社 しゃ 製 せい のメイプルソンC回路 かいろ 、メイプルソンE回路 かいろ (供給 きょうきゅう 酸素 さんそ 濃度 のうど を下 さ げるためにベンチュリー弁 べん が取 と り付 つ けられている)、メイプルソンF回路 かいろ (ジャクソン・リース回路 かいろ の別名 べつめい )。自己 じこ 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ(self-inflating bag) : このタイプの手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は、病院 びょういん 内 ない および病院 びょういん 外 がい の環境 かんきょう で最 もっと もよく用 もち いられる標準 ひょうじゅん 的 てき な設計 せっけい である。自己 じこ 膨張 ぼうちょう 型 がた 手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の袋 ふくろ 部分 ぶぶん に用 もち いられる材料 ざいりょう は「形状 けいじょう 記憶 きおく 」を持 も っており、手動 しゅどう で圧縮 あっしゅく した後 のち 、呼吸 こきゅう の間 あいだ に自動的 じどうてき に再 さい 膨張 ぼうちょう する(次 つぎ の呼吸 こきゅう のために空気 くうき を取 と り込 こ む)ことを意味 いみ している。この装置 そうち は、単独 たんどく で用 もち いる(空気 くうき が供給 きょうきゅう される)ことも、酸素 さんそ 供給 きょうきゅう 源 げん と組 く み合 あ わせて100%に近 ちか い酸素 さんそ を送 おく 気 き することも可能 かのう である。このような特徴 とくちょう から、このタイプの手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は、病院 びょういん 内 ない や救急 きゅうきゅう 車 しゃ などの院外 いんがい での使用 しよう に適 てき している。
流量 りゅうりょう 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグ(flow inflating bag) : 麻酔 ますい バッグまたはジャクソン・リース回路 かいろ とも呼 よ ばれるこのタイプの手動 しゅどう 式 しき 蘇生 そせい 器 き は、バッグ部分 ぶぶん が弛緩 しかん しており、自力 じりき では再 さい 膨張 ぼうちょう しない形態 けいたい である。バッグを膨 ふく らませるためには、外部 がいぶ からの加圧 かあつ ガス供給 きょうきゅう が必要 ひつよう で、膨 ふく らんだら医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ が手動 しゅどう でバッグを押 お すか、患者 かんじゃ が自分 じぶん で呼吸 こきゅう している場合 ばあい は、バッグから直接 ちょくせつ 吸入 きゅうにゅう することができる。このような手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は、麻酔 ますい 導入 どうにゅう 時 とき や全身 ぜんしん 麻酔 ますい からの覚醒 かくせい 時 じ に多用 たよう され、麻酔 ますい 器 き に取 と り付 つ けられていることが多 おお く、麻酔 ますい ガスを用 もち いて患者 かんじゃ を換気 かんき することができる。主 おも に全身 ぜんしん 麻酔 ますい を行 おこな う麻酔 ますい 科 か 医 い が使用 しよう するが、麻酔 ますい 科 か 医 い や呼吸 こきゅう 療法 りょうほう 士 し [注釈 ちゅうしゃく 3] が関与 かんよ することもある病院 びょういん 内 ない の緊急 きんきゅう 事態 じたい にも使用 しよう される。通常 つうじょう 、病院 びょういん 外 がい では用 もち いられない。最近 さいきん のインド の研究 けんきゅう によると、これらの流量 りゅうりょう 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグは、自発 じはつ 呼吸 こきゅう の小児 しょうに にCPAP を提供 ていきょう するために用 もち いることができる。この研究 けんきゅう では、CPAPのこのモードは、限 かぎ られたリソース環境 かんきょう において費用 ひよう 対 たい 効果 こうか があることを引用 いんよう している[14] 。
通常 つうじょう の呼吸 こきゅう では、胸壁 きょうへき の筋肉 きんにく と横隔膜 おうかくまく が膨張 ぼうちょう すると、肺 はい はわずかな陰 かげ 圧 あつ で膨 ふく らむ。これにより、肺 はい が「引 ひ っ張 ぱ られて」開 ひら き、空気 くうき が肺 はい に入 はい り、弱 よわ い陰 かげ 圧 あつ で膨 ふく らむ。しかし、BVMを用 もち いると、他 た の陽 ひ 圧 あつ 換気 かんき と同様 どうよう に、加圧 かあつ された空気 くうき や酸素 さんそ で肺 はい を強制 きょうせい 的 てき に膨 ふく らませることになる。このため、マスク や気管 きかん チューブ を用 もち いた手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き では、さまざまな合併症 がっぺいしょう の危険 きけん 性 せい がある。合併症 がっぺいしょう は、肺 はい を過度 かど に膨張 ぼうちょう または加圧 かあつ することに関連 かんれん し、(1)胃 い を膨 ふく らませる、(2)過 か 膨張 ぼうちょう による肺 はい 損傷 そんしょう (容積 ようせき 損傷 そんしょう (volutrauma)(英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる)、(3)過 か 加圧 かあつ による肺 はい 損傷 そんしょう (圧 あつ 損傷 そんしょう (barotrauma)(英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる)を引 ひ き起 お こすことがある。
胃 い の膨張 ぼうちょう ・肺 はい への誤 あやま 嚥 えん [ 編集 へんしゅう ]
酸素 さんそ マスク を手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き と併用 へいよう する場合 ばあい 、強制 きょうせい 的 てき に送 おく り込 こ まれる空気 くうき や酸素 さんそ が肺 はい を膨 ふく らませることを意図 いと している。しかし、患者 かんじゃ から入 はい った空気 くうき は食道 しょくどう を通 とお って胃 い にも入 はい るため、バッグを強 つよ く押 お しすぎたり(肺 はい だけで吸収 きゅうしゅう するには空気 くうき の流 なが れが速 はや すぎる)、速 はや く押 お しすぎたり(余分 よぶん な空気 くうき が胃 い に流 なが れ込 こ む)すると、胃 い が膨張 ぼうちょう する可能 かのう 性 せい がある[15] 。胃 い の膨張 ぼうちょう は嘔吐 おうと とそれに続発 ぞくはつ する胃 い 内容 ないよう 物 ぶつ の肺 はい への誤 あやま 嚥 えん につながる可能 かのう 性 せい があり、これはバッグバルブマスク換気 かんき の主 おも な危険 きけん 性 せい として挙 あ げられている[16] 。ある研究 けんきゅう では、この影響 えいきょう は最 もっと も熟練 じゅくれん し経験 けいけん のある使用 しよう 者 しゃ でさえ避 さ けることが困難 こんなん であると示唆 しさ されており、「自己 じこ 膨張 ぼうちょう 式 しき バッグを用 もち いる場合 ばあい 、我々 われわれ の研究 けんきゅう では経験 けいけん のある麻酔 ますい 科 か 医 い でさえ吸気 きゅうき 時間 じかん を短 みじか くしすぎたり一 いち 回 かい 換気 かんき 量 りょう を多 おお くしすぎて換気 かんき した場合 ばあい があり、結果 けっか として胃 い が膨 ふく れるケースもあった」と述 の べられている[15] 。「胃 い の膨張 ぼうちょう は、逆流 ぎゃくりゅう 、(胃酸 いさん の)誤 あやま 嚥 えん 、そして場合 ばあい によっては死 し を引 ひ き起 お こすかもしれない複雑 ふくざつ な問題 もんだい である」と、この研究 けんきゅう 論文 ろんぶん は続 つづ けている。胃 い の膨張 ぼうちょう が強酸 きょうさん 性 せい の胃酸 いさん の嘔吐 おうと につながる場合 ばあい 、その後 ご の呼吸 こきゅう によってこれらの苛性 かせい 酸 さん が肺 はい に押 お し込 こ まれ、メンデルソン症候群 しょうこうぐん 、誤 あやま 嚥 えん 性 せい 肺炎 はいえん 、急性 きゅうせい 呼吸 こきゅう 窮迫 きゅうはく 症候群 しょうこうぐん 、「塩素 えんそ ガス暴露 ばくろ の被害 ひがい 者 しゃ に見 み られるのと同様 どうよう の肺 はい の傷害 しょうがい 」を含 ふく む生命 せいめい 危機 きき や致命 ちめい 的 てき な肺 はい 損傷 そんしょう を引 ひ き起 お こすことがある[15] 。胃 い への送 おく 気 き が嘔吐 おうと や逆流 ぎゃくりゅう を引 ひ き起 お こす危険 きけん 性 せい とは別 べつ に、嘔吐 おうと が起 お こらない場合 ばあい でも胃 い への送 おく 気 き が臨床 りんしょう 的 てき に問題 もんだい であることを示 しめ す報告 ほうこく が少 すく なくとも2件 けん 見 み つかっている。蘇生 そせい に失敗 しっぱい し死亡 しぼう した1例 れい では、生後 せいご 3ヶ月 かげつ の男児 だんじ の胃 い への送 おく 気 き により肺 はい に圧力 あつりょく がかかり、「有効 ゆうこう な換気 かんき ができなかった」[17] 。また、BVMによる胃 い の過 か 膨張 ぼうちょう で胃 い 破裂 はれつ を起 お こした合併症 がっぺいしょう も報告 ほうこく されている[18] 。不 ふ 注意 ちゅうい による胃 い の膨張 ぼうちょう の原因 げんいん 因子 いんし とリスクの程度 ていど が検討 けんとう されており[16] [19] 、ある研究 けんきゅう では、長時間 ちょうじかん の蘇生 そせい 中 ちゅう に患者 かんじゃ に送 おく られる空気 くうき の最大 さいだい 75%が、肺 はい ではなく胃 い に不注意 ふちゅうい で送 おく られることがあることが明 あき らかとなっている[19] 。
肺 はい 損傷 そんしょう と空気 くうき 塞 ふさが 栓 せん [ 編集 へんしゅう ]
気管 きかん チューブを挿管すると、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の開口 かいこう 部 ぶ から肺 はい に直接 ちょくせつ 、気密 きみつ の通路 つうろ ができるため、意図 いと しない胃 い の膨張 ぼうちょう や胃酸 いさん の吸引 きゅういん による肺 はい 損傷 そんしょう の可能 かのう 性 せい を排除 はいじょ できることが主 おも な利点 りてん の1つである。しかし、偶発 ぐうはつ 的 てき な強制 きょうせい 過 か 膨張 ぼうちょう (容積 ようせき 損傷 そんしょう (volutrauma)(英語 えいご 版 ばん ) または圧 あつ 損傷 そんしょう (barotrauma)(英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる)による肺 はい の損傷 そんしょう パターンとは別 べつ に、肺 はい のリスクは高 たか くなる。スポンジ状 じょう の肺 はい 組織 そしき はデリケートであり、過度 かど の膨張 ぼうちょう は急性 きゅうせい 呼吸 こきゅう 窮迫 きゅうはく 症候群 しょうこうぐん (ICU で長時間 ちょうじかん の人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き によるサポートを必要 ひつよう とし、生存 せいぞん 率 りつ の低下 ていか (例 れい :50%)と1日 にち あたり3万 まん ドルにも上 のぼ る顕著 けんちょ な医療 いりょう 費 ひ の増加 ぞうか をもたらす可能 かのう 性 せい がある[20] 。肺 はい の容積 ようせき 損傷 そんしょう も圧 あつ 損傷 そんしょう も、気胸 ききょう を生 しょう じる可能 かのう 性 せい がある。少 すく なくとも1つの公表 こうひょう された報告 ほうこく では、「BVMによる換気 かんき 中 なか に突然 とつぜん 緊張 きんちょう 性 せい 気胸 ききょう を発症 はっしょう した患者 かんじゃ 」について述 の べられている[21] 。さらに、BVMを用 もち いて肺 はい を誤 あやま って過 か 膨張 ぼうちょう させ、「心臓 しんぞう が大量 たいりょう の空気 くうき を含 ふく み」、「大動脈 だいどうみゃく と肺 はい 動脈 どうみゃく が空気 くうき で満 み たされた」という空気 くうき 塞 ふさが 栓 せん と呼 よ ばれる「ほぼ一律 いちりつ に致命 ちめい 的 てき 」な状態 じょうたい になったという報告 ほうこく が少 すく なくとも1つある。しかし、この症例 しょうれい は95歳 さい の女性 じょせい であり、著者 ちょしゃ らは、この種 たね の合併症 がっぺいしょう はこれまで未熟 みじゅく 児 じ にしか報告 ほうこく されていなかったと指摘 してき している[22] 。
BVMの合併症 がっぺいしょう による公衆 こうしゅう 衛生 えいせい 上 じょう のリスク [ 編集 へんしゅう ]
手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の合併症 がっぺいしょう による公衆 こうしゅう 衛生 えいせい 上 じょう のリスクは、2つの要因 よういん によると考 かんが えられている。(1)BVMが広 ひろ く用 もち いられていること(リスク曝露 ばくろ の可能 かのう 性 せい が高 たか い)、および(2)医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ による制御 せいぎょ 不能 ふのう 、偶発 ぐうはつ 的 てき な強制 きょうせい 的 てき 過 か 膨張 ぼうちょう から患者 かんじゃ を保護 ほご できないことが明 あき らかであること。
人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き は一時 いちじ 的 てき な換気 かんき 補助 ほじょ によく用 もち いられ、特 とく にフロー膨張 ぼうちょう 型 がた (自動 じどう 膨張 ぼうちょう 型 がた でない、ジャクソン・リース回路 かいろ や麻酔 ますい 器 き の用 よう 手 しゅ 換気 かんき 回路 かいろ )は、通常 つうじょう の手術 しゅじゅつ 中 ちゅう の麻酔 ますい 導入 どうにゅう /回復 かいふく 時 じ に用 もち いられる。したがって、ほとんどの国民 こくみん は、全身 ぜんしん 麻酔 ますい を伴 ともな う手技 しゅぎ を受 う ける際 さい に、生涯 しょうがい に一 いち 度 ど は「バッグで換気 かんき される」可能 かのう 性 せい がある。また、新生児 しんせいじ の多 おお くは、出生 しゅっしょう 直後 ちょくご に正常 せいじょう な呼吸 こきゅう を促 うなが すために、新生児 しんせいじ サイズの手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き を使 つか った人工 じんこう 呼吸 こきゅう が行 おこな われるため、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は誕生 たんじょう 時 じ に最初 さいしょ に出会 であ う治療 ちりょう 用 よう 医療 いりょう 機器 きき の一 ひと つとなっている。また、前述 ぜんじゅつ の通 とお り、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は重症 じゅうしょう 患者 かんじゃ の緊急 きんきゅう 人工 じんこう 呼吸 こきゅう に推奨 すいしょう される第 だい 一 いち 選択 せんたく の機器 きき であり、病院 びょういん 内 ない だけでなく、消防 しょうぼう 、救急 きゅうきゅう 、クリニックなどの院外 いんがい 診療 しんりょう の場 ば でも用 もち いられている。
安全 あんぜん ガイドラインの遵守 じゅんしゅ [ 編集 へんしゅう ]
手動 しゅどう 式 しき 蘇生 そせい 器 き には1回 かい 換気 かんき 量 りょう の調節 ちょうせつ 機能 きのう がなく、一回 いっかい の呼吸 こきゅう で肺 はい を強制 きょうせい 的 てき に膨 ふく らませる空気 くうき の量 りょう は、操作 そうさ 者 しゃ がバッグをどれだけ押 お すかに依存 いぞん する。手動 しゅどう 式 しき 蘇生 そせい 器 き の使用 しよう に伴 ともな う危険 きけん 性 せい を受 う けて、アメリカ心臓 しんぞう 協会 きょうかい [3] とヨーロッパ蘇生 そせい 協議 きょうぎ 会 かい (European Resuscitation Council) (英語 えいご 版 ばん ) [23] から、患者 かんじゃ にとって安全 あんぜん な推奨 すいしょう 最大 さいだい 1回 かい 換気 かんき 量 りょう (または呼吸 こきゅう 量 りょう )と人工 じんこう 呼吸 こきゅう 速度 そくど が明記 めいき されたガイドラインが発行 はっこう された。制御 せいぎょ されていない手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の使用 しよう による合併症 がっぺいしょう や死亡 しぼう の頻度 ひんど を評価 ひょうか した研究 けんきゅう は知 し られていないが、多 おお くの査読 さどく 付 つ き研究 けんきゅう により、確立 かくりつ された安全 あんぜん ガイドライン があるにもかかわらず、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き による過 か 膨張 ぼうちょう の発生 はっせい 率 りつ は、医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ の訓練 くんれん や技術 ぎじゅつ レベルとは無関係 むかんけい に「蔓延 まんえん 」[24] していることがわかった。別 べつ の臨床 りんしょう 研究 けんきゅう では、「手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き による1回 かい 換気 かんき 量 りょう には大 おお きなばらつきがある」とし、「手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は正確 せいかく な換気 かんき に適 てき した装置 そうち ではない」と結論 けつろん 付 つ けている[25] 。手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き を緊急 きんきゅう に頻繁 ひんぱん に用 もち いる別 べつ の高 こう 技能 ぎのう 集団 しゅうだん (救急 きゅうきゅう 救命 きゅうめい 士 し )の別 べつ の評価 ひょうか では、「一見 いっけん 十分 じゅうぶん な訓練 くんれん を受 う けているように見 み えるが、救急 きゅうきゅう 救命 きゅうめい 士 し は病院 びょういん 外 がい での心肺 しんぱい 蘇生 そせい 中 なか に常 つね に患者 かんじゃ を過 か 換気 かんき にしている」ことがわかり、同 おな じ研究 けんきゅう グループは「不注意 ふちゅうい な過 か 換気 かんき の見落 みお としが、現在 げんざい 心 しん 停止 ていし からの生存 せいぞん 率 りつ がひどいことになっている原因 げんいん かもしれない」と結論 けつろん を出 だ している[24] 。2012年 ねん に発表 はっぴょう された査読 さどく 付 つ き研究 けんきゅう では、新生児 しんせいじ における制御 せいぎょ 不能 ふのう な過 か 膨張 ぼうちょう の発生 はっせい 可能 かのう 性 せい を評価 ひょうか し、「すべてのパラメータについて、実際 じっさい に行 おこな われた値 ね と現行 げんこう のガイドライン値 ち の間 あいだ に大 おお きな不一致 ふいっち が観察 かんさつ された」こと、「職業 しょくぎょう や取 と り扱 あつか い技術 ぎじゅつ にかかわらず...88.4%が過剰 かじょう な圧力 あつりょく をかけ、一方 いっぽう ...73.8%が推奨 すいしょう される換気 かんき 容積 ようせき の範囲 はんい を超 こ えた」とし、「対象 たいしょう 研究 けんきゅう 集団 しゅうだん の大 だい 多数 たすう が、換気 かんき 時 じ に不注意 ふちゅうい な過 か 呼吸 こきゅう 、過剰 かじょう な圧力 あつりょく と換気 かんき 容積 ようせき を伴 ともな っていた」と結論 けつろん 付 つ けている[26] 。最近 さいきん 、過 か 換気 かんき の問題 もんだい が、成人 せいじん における小児 しょうに 用 よう サイズの手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の使用 しよう 、またはより高度 こうど な流量 りゅうりょう 膨張 ぼうちょう 式 しき (または「メイプルソンC」回路 かいろ )の手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の使用 しよう で解決 かいけつ 出来 でき るかどうかを評価 ひょうか するためにさらなる検討 けんとう がなされた。「小児 しょうに 用 よう 自己 じこ 膨張 ぼうちょう バッグにより、最 もっと もガイドラインと一致 いっち した換気 かんき が実現 じつげん された」が、「3つの装置 そうち すべてで模擬 もぎ 心 しん 停止 ていし 時 じ に患者 かんじゃ が過 か 換気 かんき された」ためガイドラインへの完全 かんぜん 準拠 じゅんきょ にはならなかった[27] 。
ガイドラインの不 ふ 遵守 じゅんしゅ は過 か 換気 かんき と過 か 膨張 ぼうちょう 、どちらに起因 きいん するか [ 編集 へんしゅう ]
「過 か 換気 かんき 」は、(1)1分間 ふんかん あたりの多 おお すぎる換気 かんき 回数 かいすう 、(2)大 おお きすぎて患者 かんじゃ の通常 つうじょう の肺活量 はいかつりょう を超 こ える換気 かんき 、または(3)その両方 りょうほう の組 く み合 あ わせによって起 お こり得 え る。手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き を用 もち いる場合 ばあい 、装置 そうち 内 ない に内蔵 ないぞう された安全 あんぜん 調整 ちょうせい 機能 きのう によって人工 じんこう 呼吸 こきゅう の速度 そくど や量 りょう を物理 ぶつり 的 てき に制御 せいぎょ することができないため、上記 じょうき のように、アメリカ心臓 しんぞう 協会 きょうかい [3] やヨーロッパ蘇生 そせい 協議 きょうぎ 会 かい (European Resuscitation Council) (英語 えいご 版 ばん ) [23] が概説 がいせつ する人工 じんこう 呼吸 こきゅう の速度 そくど (10回 かい /分 ぶん )や量 りょう (5~7mL/kg体重 たいじゅう )の指定 してい 安全 あんぜん ガイドラインを超 こ えて、医療 いりょう 者 しゃ が過度 かど に換気 かんき を行 おこな っていることが研究 けんきゅう で示 しめ されている。 多 おお くの研究 けんきゅう が、現在 げんざい のガイドラインを超 こ える人工 じんこう 呼吸 こきゅう は心肺 しんぱい 蘇生 そせい 時 じ の血 ち 流 りゅう を阻害 そがい する可能 かのう 性 せい があると結論 けつろん 付 つ けているが、これらの知見 ちけん に関連 かんれん する前 ぜん 臨床 りんしょう 実験 じっけん では、現在 げんざい のガイドラインを超 こ える吸気 きゅうき 量 りょう の供給 きょうきゅう が行 おこな われている。例 たと えば、過 か 換気 かんき の効果 こうか を換気 かんき 回数 かいすう と換気 かんき 量 りょう と同時 どうじ に評価 ひょうか している[24] [28] 。2012年 ねん に発表 はっぴょう されたより新 あたら しい研究 けんきゅう では、(1)ガイドラインに準拠 じゅんきょ した吸気 きゅうき 量 りょう による過 か 換気 かんき 、(2)ガイドラインに準拠 じゅんきょ した換気 かんき 回数 かいすう による過 か 換気 かんき 、(3)(1)と(3)の両方 りょうほう を伴 ともな うガイドライン非 ひ 準拠 じゅんきょ の組 く み合 あ わせ、の個別 こべつ の効果 こうか を評価 ひょうか することにより、このテーマに関 かん する知見 ちけん が拡大 かくだい された[29] 。この研究 けんきゅう では、現在 げんざい のガイドラインの3倍 ばい 以上 いじょう の過 か 換気 かんき (例 たと えば、1分間 ふんかん に33回 かい の換気 かんき )は心肺 しんぱい 蘇生 そせい の妨 さまた げにはならないかもしれず、このことは、1回 かい 換気 かんき 量 りょう をガイドラインの範囲 はんい 内 ない に保 たも つことができれば、過大 かだい な呼吸 こきゅう 数 すう の臨床 りんしょう 的 てき 危険 きけん 性 せい を個別 こべつ に軽減 けいげん できる可能 かのう 性 せい があることを示唆 しさ している[29] 。また、ガイドラインを超 こ える1回 かい 換気 かんき 量 りょう で換気 かんき した場合 ばあい 、低 てい 換気 かんき 量 りょう では一過 いっか 性 せい の血 ち 流 りゅう 低下 ていか が観察 かんさつ されたが、1回 かい 換気 かんき 量 りょう と換気 かんき 速度 そくど の両方 りょうほう が同時 どうじ に過剰 かじょう になった場合 ばあい は血 ち 流 りゅう 低下 ていか が持続 じぞく することがわかった。このことは、ガイドラインを超 こ える1回 かい 換気 かんき 量 りょう が副作用 ふくさよう の主要 しゅよう 機構 きこう であり、換気 かんき 速度 そくど がこれらの効果 こうか を倍加 ばいか するものとして機能 きのう することを示唆 しさ している[29] 。過大 かだい な速度 そくど と換気 かんき 量 りょう の両方 りょうほう が心肺 しんぱい 蘇生 そせい 中 ちゅう の血 ち 流 りゅう 障害 しょうがい の副作用 ふくさよう を引 ひ き起 お こすことが判明 はんめい した先行 せんこう 研究 けんきゅう と同様 どうよう に[24] [28] 、間隔 かんかく の狭 せま い高 こう 頻度 ひんど 換気 かんき のために、過大 かだい な換気 かんき の完全 かんぜん 呼気 こき が可能 かのう な時間 じかん が不十分 ふじゅうぶん となり、肺 はい が換気 かんき の間 あいだ に完全 かんぜん 呼気 こき ができなくなる(換気 かんき の「スタッキング」ともいう)場合 ばあい も複雑 ふくざつ な要因 よういん として挙 あ げられる[29] 。用 よう 手 しゅ 換気 かんき の安全 あんぜん 面 めん における最近 さいきん の進歩 しんぽ は、ガイドラインで指定 してい された適切 てきせつ な呼吸 こきゅう 回数 かいすう の間隔 かんかく で、聴覚 ちょうかく 的 てき または視覚 しかく 的 てき なメトロノーム 音 おと や点滅 てんめつ 光 こう を発 はっ する計時 けいじ 補助 ほじょ 装置 そうち の使用 しよう が増加 ぞうか していることであると考 かんが えられる。ある研究 けんきゅう では、これらの装置 そうち を使用 しよう すると、換気 かんき 回数 かいすう に関 かん するガイドラインをほぼ100%遵守 じゅんしゅ できる可能 かのう 性 せい があるとしている[30] 。この進歩 しんぽ により、ガイドラインを逸脱 いつだつ した過剰 かじょう な手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き の使用 しよう に関連 かんれん する「速度 そくど の問題 もんだい 」が解決 かいけつ されたように見 み えるが、「量 りょう の問題 もんだい 」には対処 たいしょ できないかもしれない。すなわち、換気 かんき 速度 そくど がガイドライン内 ない で維持 いじ されても、過 か 膨張 ぼうちょう による合併症 がっぺいしょう が依然 いぜん として起 お こりうるため、手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き は患者 かんじゃ に危険 きけん なものとなり続 つづ けるかもしれない。
現在 げんざい 、安全 あんぜん ガイドラインの範囲 はんい 内 ない で、あらかじめ設定 せってい された医師 いし の指示 しじ による換気 かんき 量 りょう を確実 かくじつ に供給 きょうきゅう できる唯一 ゆいいつ の機器 きき は、電源 でんげん または圧縮 あっしゅく 酸素 さんそ による動力 どうりょく 源 げん を必要 ひつよう とし、操作 そうさ には高度 こうど な訓練 くんれん が必要 ひつよう で、一般 いっぱん 的 てき に使 つか い捨 す ての手動 しゅどう 蘇生 そせい 器 き よりも数 すう 百 ひゃく から数 すう 千 せん ドル高 たか い機械 きかい 式 しき 人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き である。
追加 ついか コンポーネントと機能 きのう [ 編集 へんしゅう ]
マスクとバッグの間 あいだ (バルブの前 ぜん または後 ご )にフィルターを設置 せっち し、バッグの汚染 おせん を防止 ぼうし することがある[31] 。
呼気 こき 終末 しゅうまつ 陽 ひ 圧 あつ [ 編集 へんしゅう ]
気道 きどう 陽 ひ 圧 あつ 維持 いじ のため、PEEP弁 べん (英語 えいご 版 ばん ) コネクタを装備 そうび した機器 きき がある[32] [33] [34] 。
吸入 きゅうにゅう 薬 やく を気流 きりゅう 中 ちゅう に注入 ちゅうにゅう できるように、バルブ部分 ぶぶん にカバー付 つ き注入 ちゅうにゅう ポートが組 く み込 こ まれている場合 ばあい がある[33] 。これは、重度 じゅうど の気管支 きかんし 痙攣 けいれん の患者 かんじゃ の治療 ちりょう で想定 そうてい されている[35] 。
圧力 あつりょく モニタリング機器 きき を取 と り付 つ けることができるように、バルブ部分 ぶぶん に別 べつ のカバー付 つ きポートがあり、救助 きゅうじょ 者 しゃ が強制 きょうせい 換気 かんき 中 ちゅう に発生 はっせい する陽 ひ 圧 あつ の値 ね を継続 けいぞく 的 てき にモニター することができる[33] [34] 。
小児 しょうに 用 よう と成人 せいじん 用 よう には、偶発 ぐうはつ 的 てき な肺 はい の過 か 圧 あつ を防止 ぼうし するための圧力 あつりょく 開放 かいほう 弁 べん (ポップアップ弁 べん )が装備 そうび されていることが多 おお い[36] [34] 。
機器 きき の収納 しゅうのう 機能 きのう [ 編集 へんしゅう ]
バッグの中 なか には、折 お りたたんで収納 しゅうのう できるように設計 せっけい されているものがある[37] 。折 お りたたんで保管 ほかん するように設計 せっけい されていないバッグは、長期間 ちょうきかん 圧縮 あっしゅく して保管 ほかん すると弾力 だんりょく 性 せい が失 うしな われ、換気 かんき 効果 こうか が低下 ていか することがある。折 お りたたみ式 しき のデザインには長 ちょう 軸 じく 方向 ほうこう に切 き り込 こ み線 せん があり、通常 つうじょう のバッグの加圧 かあつ 方向 ほうこう とは異 こと なる切 き り込 こ み線 せん の基点 きてん でバッグが折 お りたたまれるようになっている[37] 。
戦場 せんじょう でのバッグバルブマスク使用 しよう [ 編集 へんしゅう ]
気道 きどう 閉塞 へいそく は戦場 せんじょう での外傷 がいしょう の主 おも な死因 しいん である[38] 。戦場 せんじょう での気道 きどう 管理 かんり は、民間 みんかん のそれとは大 おお きく異 こと なる。戦場 せんじょう では、顎 あご 顔面 がんめん 外傷 がいしょう が気道 きどう 閉塞 へいそく の主 おも な原因 げんいん である。この外傷 がいしょう は、もがく患者 かんじゃ 、歪 いが んだ解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 構造 こうぞう 、血液 けつえき によって複雑 ふくざつ になることが多 おお く[39] 、これらの外傷 がいしょう はしばしば、付随 ふずい する血管 けっかん 損傷 そんしょう による著 いちじる しい出血 しゅっけつ を伴 ともな う[40] 。
軍隊 ぐんたい の救急 きゅうきゅう 隊員 たいいん は、「暗闇 くらやみ 、敵 てき の砲撃 ほうげき 、資材 しざい の制限 せいげん 、避難 ひなん 時間 じかん の延長 えんちょう 、独特 どくとく の死傷 ししょう 者 しゃ 輸送 ゆそう の問題 もんだい 、医療 いりょう に影響 えいきょう を及 およ ぼす指揮 しき ・戦術 せんじゅつ 的 てき 決定 けってい 、敵 てき 地 ち 環境 かんきょう 、医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ の経験 けいけん レベル」など、極端 きょくたん な課題 かだい に直面 ちょくめん している[41] 。彼 かれ らはしばしば、背負 せお っている装備 そうび だけを用 もち いて複数 ふくすう の死傷 ししょう 者 しゃ を治療 ちりょう しなくてはならない。そのため、スペースが最 もっと も重要 じゅうよう であり、ポケットBVMのようなコンパクトなバッグバルブマスクが、救急 きゅうきゅう キット内 ない の貴重 きちょう なスペースを節約 せつやく するために作成 さくせい されている。
^ 英語 えいご 版 ばん からの初 はつ 訳者 やくしゃ 注 ちゅう )原文 げんぶん では、manual resuscitator (flow-inflation)と表記 ひょうき されているが、日本 にっぽん では「ジャクソン・リース回路 かいろ 」の呼称 こしょう が一般 いっぱん 的 てき 。2023/06/01
^ ジャクソン・リース回路 かいろ が手術 しゅじゅつ 室 しつ で用 もち いられる状況 じょうきょう は、新生児 しんせいじ の麻酔 ますい や蘇生 そせい 時 じ など。
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麻酔 ますい 法 ほう 薬剤 やくざい 手技 しゅぎ 原理 げんり ・理論 りろん 周 しゅう 術 じゅつ 期 き 評価 ひょうか 機器 きき (英語 えいご 版 ばん ) 合併症 がっぺいしょう サブスペシャリティ 職種 しょくしゅ ・人物 じんぶつ 歴史 れきし 学会 がっかい 出版 しゅっぱん 物 ぶつ
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