外傷がいしょうの3ちょう

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外傷がいしょうの3ちょう相互そうご関連かんれんしている

外傷がいしょうの3ちょう英語えいご: Trauma triad of death、bloody vicious cycle、deadly triad)は、重症じゅうしょう外傷がいしょうにおいて不良ふりょう原因げんいんとなる3つの因子いんしのこと。これが出現しゅつげんした場合ばあい外科げかてき治療ちりょうにおいてはダメージコントロール手術しゅじゅつ(DCS)が検討けんとうされる。

なお、いわゆるさん徴候ちょうこうせつの3徴候ちょうこう瞳孔どうこう反応はんのう停止ていし呼吸こきゅう停止ていししん停止ていし)」とはことなるものである。

古典こてんてきには、下記かきの3項目こうもく外傷がいしょうの3ちょうとしてられている[1]

  1. てい体温たいおん(hypothermia)
    体温たいおん34.0℃以下いか
  2. 代謝たいしゃせいアシドーシス(Metabolic acidosis)
    動脈血どうみゃくけつpH 7.2未満みまん
  3. 血液けつえき凝固ぎょうこ障害しょうがい(coagulopathy)
    PTAPTTが50%以上いじょう延長えんちょう

しかし、これら3つの条件じょうけん完全かんぜんそろったときにはすで回復かいふく困難こんなん状況じょうきょうおちいっていることがおおいことから、より早期そうき判断はんだんするための基準きじゅん検討けんとうされている。たとえば日本医科大学にほんいかだいがく千葉ちばきたそう病院びょういん救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンター松本まつもとしょうは、

  1. 体温たいおん35.5℃未満みまん
  2. 塩基えんき過剰かじょう(BE) 7.5mmol/L未満みまん[よう検証けんしょう]
  3. 収縮しゅうしゅく血圧けつあつ<90mmHg

のいずれか1項目こうもくでもたしていれば、外傷がいしょうの3ちょうじゅんじてDCSを検討けんとうすることを提唱ていしょうしている[2]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ 吉野よしの篤人あつひと「damage control surgery(DCS),およびplanned reoperation 外傷がいしょう処置しょち」『今日きょう治療ちりょう指針ししん 2011年版ねんばん医学書院いがくしょいん、2011ねんISBN 978-4-260-01105-1 
  2. ^ 松本まつもとしょう「damage control surgery(DCS),およびplanned reoperation 外傷がいしょう処置しょち」『今日きょう治療ちりょう指針ししん 2012年版ねんばん医学書院いがくしょいん、2012ねんISBN 978-4260014120