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こころタンポナーデ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

こころタンポナーデ(しんタンポナーデ、ふつ: tamponnade péricardique、えい: cardiac tamponade、どく: Perikardtamponade)とは、心臓しんぞう心臓しんぞうおお心外しんがいまくあいだ液体えきたい大量たいりょう貯留ちょりゅうすることによって心臓しんぞうはくどう阻害そがいされた状態じょうたいである。容易ようい心不全しんふぜん移行いこうしていたるため、早期そうき解除かいじょ必須ひっすである。

とく胸部きょうぶ外傷がいしょう大動脈だいどうみゃく解離かいりうえぎょう大動脈だいどうみゃくがたとうだい血管けっかん損傷そんしょう原因げんいん場合ばあい急速きゅうそくいた可能かのうせいたかく、早期そうき診断しんだん手術しゅじゅつ必須ひっすであり、また手術しゅじゅついたった場合ばあい救命きゅうめいりつはきわめてひくい。

上記じょうき以外いがい原因げんいん場合ばあいは、こころ穿刺せんしにてはいえきおこなえば症状しょうじょう急速きゅうそく消失しょうしつする。

メカニズム

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心臓しんぞうはくどうというはげしい運動うんどうやすみなくつづけているが、それによる周囲しゅうい臓器ぞうきとの摩擦まさつ最小限さいしょうげんおさえるための仕組しくみが心外しんがいまくである。表面ひょうめん平滑へいかつなこのまくによって、スムーズなはくどう可能かのうとなっている。しかしこころまく腔には通常つうじょう少量しょうりょう潤滑油じゅんかつゆ役割やくわりをする液体えきたいがわずかに存在そんざいするのみで、非常ひじょうせま空間くうかんである。そこに大量たいりょう液体えきたいなんらかの理由りゆう貯留ちょりゅうすると、心臓しんぞう圧迫あっぱくし、その運動うんどうとく拡張かくちょう運動うんどういちじるしく阻害そがいし、容易ようい心不全しんふぜんおこす。これがしんタンポナーデをおこ原理げんりである。

診断しんだん

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  • しんエコーにてこころまくあきらかな液体えきたい貯留ちょりゅうみとめるため診断しんだん容易よういであるが、臨床りんしょうてきにはしんエコーを実施じっしする判断はんだん重要じゅうようである。みゃくあつ低下ていかなど、注目ちゅうもくしづらい症候しょうこう診断しんだん端緒たんしょとしなければならないため、診断しんだんおくれることもおおい。臨床りんしょうてきには、下記かきBeckのさんちょう重要じゅうようとなる。
  1. 血圧けつあつ動脈どうみゃくあつ低下ていか
  2. 静脈じょうみゃくあつ上昇じょうしょう
  3. 心音しんおん微弱びじゃく
※また、心電図しんでんずうえではlow voltageをていすることがおおい。

治療ちりょう

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  • 上記じょうきのようにしん穿刺せんしにて容易ようい治療ちりょうできるが、だい血管けっかん損傷そんしょう原因げんいん場合ばあい穿刺せんしによって大量たいりょう出血しゅっけつこしてあっというあいだしん停止ていしいた危険きけんせいたかい。そのうたがいがすこしでもある場合ばあいは、人工じんこう心肺しんぱい自己じこ回収かいしゅう装置そうち準備じゅんびしたうえ手術しゅじゅつしつなどで慎重しんちょう実施じっしすべきである。

原因げんいんとなる疾患しっかん

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