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脊髄せきずいくもまく麻酔ますい

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
麻酔ますい > 区域くいき麻酔ますい > 脊髄せきずいみき麻酔ますい > 脊髄せきずいくもまく麻酔ますい
Durchführung einer Spinalanästhesie am sitzenden Patienten
脊椎せきついはりドイツばんから局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうしている。

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい(せきずいくもまくかますい)とは、くもまく局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうし、脊髄せきずいぜんこうをブロックする区域くいき麻酔ますい一種いっしゅである。脊椎せきつい麻酔ますいえい: spinal anesthesiaラテン語らてんごspinalis脊椎せきつい/脊髄せきずいの」とAnästhesie麻酔ますい」に由来ゆらい)または腰椎ようつい麻酔ますいえい: lumbar anesthesiaラテン語らてんごlumbalis腰部ようぶの」から)ともばれる。くもまくブロック (Sub-arachnoid Block: SAB)とばれることもある。

概要がいよう

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腰椎ようついあいだからのう脊髄せきずいえきなか局所きょくしょ麻酔ますいやく場合ばあいによっては薬剤やくざいも)を注射ちゅうしゃすることで、脊髄せきずい由来ゆらいする神経しんけい信号しんごう伝達でんたつ抑制よくせいされる。その結果けっか下半身かはんしん交感神経こうかんしんけいけい感覚かんかく神経しんけい運動うんどう神経しんけい一時いちじてき可逆かぎゃくてき遮断しゃだんされる。患者かんじゃ意識いしきたもたれる。こりうる副作用ふくさようとしては、てい血圧けつあつ背中せなかいたみなどがあり、かたまく穿刺せんし頭痛ずつう英語えいごばん麻酔ますい数日すうじつあいだこることがある。おもあつ合併症がっぺいしょう脊髄せきずい関連かんれんした血腫けっしゅ感染かんせん神経しんけい損傷そんしょう)はまれである。

局所きょくしょ麻酔ますいほうくらべて、すくない麻酔ますいやくりょうで、迅速じんそく強力きょうりょく麻酔ますい効果こうかられる[1]が、通常つうじょうはカテーテルを挿入そうにゅうしないため麻酔ますいやく持続じぞく投与とうよができず、短時間たんじかん手術しゅじゅつ適応てきおうかぎられる。また、頭蓋とうがいないあつ亢進こうしん凝固ぎょうこ異常いじょう血小板けっしょうばん減少げんしょうこう血栓けっせん療法りょうほうちゅう禁忌きんきとなる。

19世紀せいきまつとくアウグスト・ビーア英語えいごばんテオドール・タフィエ英語えいごばん(1857-1929)によって臨床りんしょう導入どうにゅうされたこの麻酔ますい方法ほうほうは、麻酔ますいもちいられたコカイン毒性どくせいや、麻酔ますいひど頭痛ずつうたか死亡しぼうりつ問題もんだいとなり、全身ぜんしん麻酔ますい進歩しんぽとともに麻酔ますい臨床りんしょうにおける重要じゅうようせいうしなっていった。20世紀せいきなかばより、はり改良かいりょうによる頭痛ずつう軽減けいげん局所きょくしょ麻酔ますいやく改良かいりょうによる毒性どくせい減少げんしょうモニタリング徹底てっていによる死亡しぼうりつ減少げんしょう、などにより麻酔ますいほうとしてさい評価ひょうかされるようになった。標準ひょうじゅんてき麻酔ますいほうとして、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい今日きょう下腹部かふくぶ骨盤こつばん下肢かし産科さんかおおくの手術しゅじゅつおこなわれている。これらの手術しゅじゅつでは、腰部ようぶまたは胸部きょうぶかたまくがい麻酔ますいなど、区域くいき麻酔ますい全身ぜんしん麻酔ますい代替だいたいとして、ないしは併用へいよう可能かのうである。

原理げんり

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解剖かいぼうがくてき基礎きそ脊髄せきずいくもまく麻酔ますい原理げんり

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Prinzip der Durchführung einer Spinalanästhesie, waagrechter Querschnitt (Transversalebene)
脊髄せきずいくもまく麻酔ますいしき横断おうだんめん
Prinzip der Durchführung einer Spinalanästhesie, senkrechter Querschnitt in der Körpermitte (Sagittalebene)
脊髄せきずいくもまく麻酔ますいじょうだんぞう

人間にんげん脊椎せきついは24椎骨ついこつからなり[注釈ちゅうしゃく 1][2]からだじく力学りきがくてき安定あんていせい確保かくほしている。これらは靭帯じんたい連結れんけつされ、それぞれがしいたい脊髄せきずいでは➀)とそのまくかこしいゆみ、2つのよこ突起とっき後方こうほうがわ)のとげ突起とっきからなる[2]脊髄せきずい神経しんけい椎骨ついこつ椎骨ついこつあいだからており[3]身体しんたい分節ぶんせつてき支配しはいし、運動うんどう機能きのう知覚ちかく可能かのうにし[4]、また自律じりつ神経しんけいけい線維せんいふくんでいる[5]

中枢ちゅうすう神経しんけいけい一部いちぶとして、脊髄せきずいずいまくかこまれている[6]内側うちがわから外側そとがわかって、脊髄せきずい直接ちょくせつせっしている軟膜くもまく、そして 外側そとがわ境界きょうかいとしてかたまくである。軟膜とくもまくあいだにはのう脊髄せきずいえき腔(くもまく)があり、のう脊髄せきずいえき循環じゅんかんしている。

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいさい、このくもまく腔はほそ中空ちゅうくうはり脊椎せきついはり)で穿刺せんしされる。はり皮膚ひふ椎骨ついこつとげ突起とっきあいだ靭帯じんたいとげじょう靱帯じんたい英語えいごばんとげあいだ靱帯じんたいドイツばん靱帯じんたい英語えいごばん)を貫通かんつうして、さらにかたまくがいの➂)(脂肪しぼう組織そしき血管けっかんたされ、ずいまく外側そとがわにある)をて、かたまくとくもまく貫通かんつうし、その先端せんたんがくもまく腔(の➁)で静止せいしする。局所きょくしょ麻酔ますいやくはこの腔内に注入ちゅうにゅうされ(ずい腔内投与とうよ英語えいごばん)、脊髄せきずい神経しんけいぜんこう作用さようし、神経しんけいインパルスを伝達でんたつする機能きのう一時いちじてき停止ていしさせる[7]

ヒトの発育はついく過程かていにおいて、脊柱せきちゅう脊髄せきずいよりもはや成長せいちょうするため、脊髄せきずいは(成人せいじん場合ばあいだい1/だい2腰椎ようつい脊髄せきずい円錐えんすいのレベルでわる[8]が、関連かんれんする脊髄せきずい神経しんけいあしがわがわ)に移動いどうつづけ、脊柱せきちゅうかんからてくる。それによって馬尾ばび形成けいせいされる。このような状況じょうきょうにより、脊髄せきずい損傷そんしょうすることなく中位ちゅうい腰椎ようついのレベルで穿刺せんしすることができる[9][10][11]

脊椎せきついはり

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Spinalnadeln vom Typ Quincke
脊椎せきついはりドイツばん
Anschliff verschiedener Spinalnadeltypen. A. Quincke (schneidend), B. Sprotte, C. Ballpen (beide atraumatisch)
さまざまなタイプの脊椎せきついはり先端せんたん[12]。A.クインケ(Quincke)はり、B.スプロッテ(Sprotte)はり、C.ボールペンはり(Aはカッティング、B、Cはいずれもカッティングはり

脊椎せきついはりとはもっぱ脊髄せきずいくもまく麻酔ますいないしは腰椎ようつい穿刺せんしもちいられる注射ちゅうしゃはり一種いっしゅである。くもまく穿刺せんしはり、脊麻はりともばれる[13]しめすように、薬液やくえき注入ちゅうにゅうするために中空なかぞらそととう穿刺せんしそととうまったり、くもまく腔に皮膚ひふ組織そしき靭帯じんたい組織そしきまないように「フタ」の役目やくめたすうちとう構成こうせいされる[13]。脊麻はりこまかければほそいほど、くもまく穿刺せんしともなずいえき漏出ろうしゅつすくないために麻酔ますい頭痛ずつうこりにくい[14]はりふとさはゲージ規格きかくあらわされ、単位たんい略号りゃくごうは"G"である。ふとさは22Gから29Gまであり[15]一番いちばんふとい22Gでも0.71mm、29Gでは0.31mmである[16]ながさは通常つうじょうやく7cmである[17]先端せんたん形状けいじょう鋭利えいりなカッティングはりと、スプロッテはりなどの先端せんたん鋭利えいりでないはりカッティングはり)とがあり、後者こうしゃかたまく損傷そんしょう軽微けいびむので麻酔ますい頭痛ずつう頻度ひんどひくいとされる[14]

使用しよう薬剤やくざい

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脊髄せきずいくもまく麻酔ますい効果こうか時間じかんは、使用しようする薬剤やくざいによってことなる。局所きょくしょ麻酔ますいやくは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこなさい使用しようされる標準ひょうじゅんてき薬剤やくざいである。これらは神経しんけいない拡散かくさんし、細胞さいぼうまくナトリウムチャネル遮断しゃだんし、ナトリウムイオンの流入りゅうにゅう減少げんしょうさせる。このようにして、活動かつどう電位でんい形成けいせいさまたげられ、神経しんけいにおける信号しんごう伝達でんたつができなくなる[18]

Strukturformeln von Bupivacain, eines der am häufigsten genutzten Lokalanästhetika
もっともよく使用しようされる局所きょくしょ麻酔ますいやくひとつであるブピバカイン構造こうぞうしき光学こうがく異性いせいたいち、ラセミたいとして市販しはんされている。

リドカインは、毒性どくせいひくいことから1950年代ねんだいから50ねん以上いじょう脊髄せきずいくもまく麻酔ますいこのんでもちいられてきたが[19]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいかんしては、麻酔ますいやくよりもむしろ一時いちじてき神経しんけい傷害しょうがい高率こうりつしょうじることが判明はんめい[20]、あまり使つかわれなくなった。ブピバカインひろ使用しようされている薬剤やくざいで、作用さよう時間じかんながく、リドカインとは対照たいしょうてき神経しんけい毒性どくせい発生はっせいりつひくいと報告ほうこくされている。とう比重ひじゅうおよびこう比重ひじゅう溶液ようえき両方りょうほう製剤せいざいとして市販しはんされている[21]メピバカイン[22]プリロカイン[23]ロピバカイン[24]なども薬理やくり学的がくてきには有効ゆうこうであるが、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい適応てきおうとした製剤せいざい日本にっぽんでは2023ねん現在げんざい市販しはんされていない[注釈ちゅうしゃく 2]。プロカインとメピバカインの作用さよう時間じかんやく1あいだ比較的ひかくてきみじか[26]外来がいらいおこなわれる短時間たんじかん処置しょち使用しようするには魅力みりょくてきである。しかし、エステルがた局所きょくしょ麻酔ますいやくであるプロカインは、アミドがたぞくするほか局所きょくしょ麻酔ますいやくよりもアレルギー反応はんのうのリスクがたか[27]日本にっぽんでは、かつては、エステルがたの0.3%ペルカミンS(ジブカイン)、ネオペルカミンS(ジブカインとパラブチルアミノ安息香あんそくこうさんジエチルアミノエチル塩酸えんさんしおごうざい)ももちいられていたが神経しんけい毒性どくせいうたがわれ、現在げんざい販売はんばいされていない[28]にテトカイン(テトラカイン)も使用しようされてきたが、日本にっぽんでは2023年度ねんどかぎりで販売はんばい終了しゅうりょうとなる見込みこみである[29]

薬剤やくざい添加てんかやく)との併用へいようは、局所きょくしょ麻酔ますいやく効果こうか長持ながもちさせ、副作用ふくさよう軽減けいげんすることを目的もくてきとしている。たとえば、オピオイド添加てんかがよくおこなわれている。この目的もくてきのために、フェンタニル[30]スフェンタニル英語えいごばん[31]のようなあぶら溶性ようせいのものが使用しようされ、脊髄せきずいこうかくにあるオピオイド受容じゅようたいかいして作用さようする[32]かゆみ呼吸こきゅう抑制よくせいといった典型てんけいてきなオピオイドの副作用ふくさようこることがある。モルヒネなどの水溶すいようせいオピオイド誘導体ゆうどうたいでは、呼吸こきゅう抑制よくせい鎮静ちんせい作用さようつよくなるため、患者かんじゃ長時間ちょうじかんモニターする必要ひつようがある[33]クロニジン[34]ケタミン[35]使用しようはあまり一般いっぱんてきではない[36]。アドレナリンは、その効果こうか延長えんちょうさせるために局所きょくしょ麻酔ますいほうでは添加てんかされるが、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでの使用しようにはてきさないとされる[37][注釈ちゅうしゃく 3]

麻酔ますい範囲はんい決定けってい要因よういん

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脊髄せきずいくもまく麻酔ますい効果こうか程度ていどは、注入ちゅうにゅうされた薬剤やくざいくもまくにどのようにひろがるかどうかに依存いぞんする。これはおもに、局所きょくしょ麻酔ますいやくそう投与とうよりょう比重ひじゅうによってまる[40]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいもちいられる局所きょくしょ麻酔ますいやくは、ずいえきおな比重ひじゅうとう比重ひじゅうえきと、グルコース添加てんかによってよりたか比重ひじゅうこう比重ひじゅうえきとに分類ぶんるいされる[41]とう比重ひじゅうえきだい部分ぶぶん穿刺せんし部位ぶいのくもまく腔にまる。しかし、比重ひじゅうはわずかに温度おんど依存いぞんするため、体内たいないでのゆたかにより、こう比重ひじゅうえきよりも拡散かくさん予測よそくむずかしくなる[42]こう比重ひじゅうえき重力じゅうりょくしたがって下方かほうしずむため、患者かんじゃ体位たいいによって麻酔ますいやくひろがりをコントロールできる。高位こうい麻酔ますいあたま低位ていい低位ていい麻酔ますいあたま高位こういとすることにより達成たっせいされる。とう比重ひじゅうえき同様どうようひろがりは、仰臥ぎょうが達成たっせいでき、サドルブロックは[43]で、側臥そくがでは片側かたがわ優位ゆうい麻酔ますい効果こうかられる[44]てい比重ひじゅうえき使用しよう例外れいがいてき場合ばあいにのみおこなわれる[45][46][注釈ちゅうしゃく 4]

麻酔ますいやく拡散かくさん影響えいきょうするその因子いんし決定けってい因子いんし)は、患者かんじゃ個々ここ変化へんかおおきいずいえきりょうとくもまく腔の空間くうかんてき条件じょうけんである。後者こうしゃ患者かんじゃ体格たいかく影響えいきょうされる。肥満ひまん妊娠にんしん腹水ふくすいなど、腹腔ふくこうない圧力あつりょくたかくなると、くもまく腔が圧迫あっぱくされ、それにおうじて投与とうよりょうらさなければならない[46]注射ちゅうしゃ速度そくど注入ちゅうにゅうされる総量そうりょう局所きょくしょ麻酔ますいやくずいえき意図いとてきな攪拌(Barbotageとばれる。脊椎せきついはり局所きょくしょ麻酔ますいやく充填じゅうてんしたシリンジを接続せつぞくし、ずいえき吸引きゅういんずい注入ちゅうにゅうすうかいかえ)は、麻酔ますいひろがりにそれほど影響えいきょうしない[45]

かたまくがい麻酔ますい腰椎ようつい穿刺せんしとのちが

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Schematische Darstellung von Spinalanästhesie (A) und Periduralanästhesie (B)
脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは穿刺せんしはりかたまくつらぬいてくもまく到達とうたつする(A)が、かたまくがい麻酔ますいでは穿刺せんしはりかたまく手前てまえかたまくがいまり、カテーテルが留置りゅうちされる(B)。

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは、注射ちゅうしゃはりかたずいまくかたまく)を貫通かんつうするため、注入ちゅうにゅうされた局所きょくしょ麻酔ますいやくクモまくのう脊髄せきずいえきなか自由じゆうひろがり、神経しんけい線維せんいがそこで麻酔ますいされる。一方いっぽうかたまくがい麻酔ますいでは、かたまくあなけない。カテーテルはかたまく外側そとがわかたまくがい挿入そうにゅうされるため、局所きょくしょ麻酔ますいやくおもずいまく外側そとがわ脊髄せきずいからつながる脊髄せきずい神経しんけい作用さようする。脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは、麻酔ますいいているレベルよりしたのすべての神経しんけい線維せんい、つまり下半身かはんしん全体ぜんたい薬剤やくざいずいえきちゅうへのひろがりにより麻酔ますいされるのにたいし、かたまくがい麻酔ますいでは、穿刺せんしレベルの対応たいおうする皮膚ひふ分節ぶんせつ中心ちゅうしん麻酔ますい効果こうかおよ[47]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは歩行ほこう不能ふのうもしくは困難こんなんとなるが、かたまくがい麻酔ますいでは歩行ほこう可能かのうである[注釈ちゅうしゃく 5]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは最小さいしょうりょう局所きょくしょ麻酔ますいやく強力きょうりょく鎮痛ちんつう効果こうかられるが、かたまくがい麻酔ますいでは同等どうとう鎮痛ちんつうるためには大量たいりょう局所きょくしょ麻酔ますいやく必要ひつようとなる。たとえば、帝王切開ていおうせっかいたいする局所きょくしょ麻酔ますいやくブピバカイン用量ようりょう脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは、7.5-12.5mgであるのにたいして、かたまくがい麻酔ますいでは100-150mg[30]と10ばい以上いじょうりょう必要ひつようになる。

腰椎ようつい穿刺せんしでは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいとほぼおな方法ほうほうでくもまく腔を穿刺せんしする。腰椎ようつい穿刺せんしは、ずいえきあつ測定そくてい診断しんだんようずいえきサンプリングに使用しようされ、中枢ちゅうすう神経しんけいけい感染かんせんしょう転移てんいうたがわれる場合ばあい抗体こうたい診断しんだんのためにおこなわれる[48]化学かがく療法りょうほうでは、腰椎ようつい穿刺せんしによって抗癌剤こうがんざいずい腔内英語えいごばん注入ちゅうにゅうされることもある[49]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい派生はせい手技しゅぎ

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Betäubte Dermatome bei einer mittelhohen Spinalanästhesie
皮膚ひふ分節ぶんせつ(デルマトーム)

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい通常つうじょう、1かい注射ちゅうしゃシングルショット)でおこなわれる。感覚かんかくブロックの範囲はんいによって、低位ていい皮膚ひふ分節ぶんせつTh12以下いか鼠径そけいレベル)[50]中位ちゅうい分節ぶんせつTh4~分節ぶんせつTh10まで、けんじょう突起とっきのレベル)[50]高位こうい分節ぶんせつTh4以上いじょう[51]乳首ちくびレベル)に区別くべつされる。脊髄せきずいくもまく麻酔ますい特殊とくしゅ形態けいたいとして、おも陰部いんぶ領域りょういき(S2-5)を支配しはいする仙骨せんこつ神経しんけい標的ひょうてきとしておこなわれるサドルブロックがある[50]

あまり一般いっぱんてきではないが、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいでは、カテーテルを挿入そうにゅうすることで、薬剤やくざい連続れんぞくてき投与とうよすることもできる(持続じぞく脊髄せきずいくもまく麻酔ますい、Continuous Spinal Anesthesia: CSA)[52]。もうひとつの派生はせい手技しゅぎとしては、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいかたまくがい麻酔ますい併用へいよう脊髄せきずいくもまく併用へいようかたまくがい麻酔ますい、Combined spinal epidural anesthesia: CSEA)がある。この場合ばあいかたまくがい麻酔ますいはりなかから脊椎せきついはりドイツばんすすめ、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこな[注釈ちゅうしゃく 6]。そのかたまくがいカテーテルをかたまくがい挿入そうにゅうする。このカテーテルから、必要ひつようおうじて薬剤やくざい投与とうよすることができ、また効果こうかてき術後じゅつご疼痛とうつう治療ちりょう可能かのうとなる[53]

適応てきおう禁忌きんき

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適応てきおう

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Kaiserschnitt
帝王切開ていおうせっかいおおくは脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこなわれている。

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい標準ひょうじゅんてき麻酔ますいほうで、比較的ひかくてき簡単かんたんおこなうことができ、すぐに効果こうかあらわれ、いたみを完全かんぜんのぞくことができる[1]下腹かふく外科げか手術しゅじゅつ鼠径そけいヘルニア手術しゅじゅつなど)、骨盤こつばん婦人ふじん手術しゅじゅつ泌尿器ひにょうき手術しゅじゅつ下肢かし整形せいけい外科げか手術しゅじゅつ外傷がいしょう手術しゅじゅつ血管けっかん手術しゅじゅつなどに使用しようできる、全身ぜんしん麻酔ますいかたまくがい麻酔ますい代替だいたいとなり麻酔ますいほうである。持続じぞく脊髄せきずいくもまく麻酔ますいは、術後じゅつご疼痛とうつう治療ちりょう継続けいぞくできる可能かのうせいもある[注釈ちゅうしゃく 7]一方いっぽう脊髄せきずいくもまく麻酔ますいは、うえ腹部ふくぶ胸部きょうぶより高位こうい手術しゅじゅつにはてきさない[54]

産科さんかでは、帝王切開ていおうせっかいのための脊髄せきずいくもまく麻酔ますい標準ひょうじゅんてき手技しゅぎである。ドイツでは1990年代ねんだいまで全身ぜんしん麻酔ますい主流しゅりゅうであったが、2005ねんまでには脊髄せきずいくもまく麻酔ますい優先ゆうせんされる麻酔ますいほうとして明確めいかく定着ていちゃくした[注釈ちゅうしゃく 8][55]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいは、にん全身ぜんしん麻酔ますいともなあやまえんリスクの増大ぞうだい回避かいひできる。しかし、緊急きんきゅう分娩ぶんべん脊髄せきずいくもまく麻酔ますいかたまくがい麻酔ますい十分じゅうぶん効果こうか発揮はっきするまでの時間じかんてない場合ばあいは、全身ぜんしん麻酔ますい依然いぜんとして必要ひつようである[56]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいは、悪性あくせい高熱こうねつリスク(死亡しぼうりつたか全身ぜんしん麻酔ますい合併症がっぺいしょう)のある患者かんじゃにおいて、このような合併症がっぺいしょう回避かいひする方法ほうほうのひとつである。また、気道きどう確保かくほ困難こんなんであることが予想よそうされ、かつ患者かんじゃ絶食ぜっしょく状態じょうたいでない場合ばあいには、全身ぜんしん麻酔ますいよりも脊髄せきずいくもまく麻酔ますい優先ゆうせんしたほうが[54]閉塞へいそくせいはい疾患しっかん気管支きかんし喘息ぜんそくCOPD)のある患者かんじゃも、全身ぜんしん麻酔ますい回避かいひしたほうがよい[57]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいがさまざまな合併症がっぺいしょう深部しんぶ静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうはいふさがせんしょう出血しゅっけつはい合併症がっぺいしょう)の発生はっせいりつ低下ていかさせ、死亡しぼうりつ低下ていかさせる可能かのうせいがあるとの指摘してきがある[58]が、決定的けっていてき評価ひょうかおこなうにはデータが不十分ふじゅうぶんである。脊髄せきずいくもまく麻酔ますいが、重度じゅうどしん疾患しっかんはい疾患しっかん既往きおうれき(Past medical history)英語えいごばん患者かんじゃにとって利点りてんがあるかどうかも議論ぎろんまととなっている[59]全身ぜんしん麻酔ますいたいする優位ゆういせいはまだ証明しょうめいされていない[60]

禁忌きんき

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絶対ぜったい禁忌きんきは、使用しようする麻酔ますいやくたいするアレルギー穿刺せんし部位ぶい局所きょくしょ感染かんせん治療ちりょう全身ぜんしん感染かんせんしょうきんしょう)、治療ちりょう循環じゅんかん血液けつえきりょう減少げんしょう英語えいごばん頭蓋とうがいないあつ亢進こうしん遺伝いでんてき凝固ぎょうこ障害しょうがいこう血栓けっせん療法りょうほうによるあきらかな出血しゅっけつ傾向けいこう下表かひょう参照さんしょう)である[61]。このようなこう血栓けっせんやくによる治療ちりょうは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこなまえに4時間じかんぶんヘパリン)または、12時間じかん予防よぼうてきてい用量ようりょうてい分子ぶんしりょうヘパリン)または24時間じかん治療ちりょうてき用量ようりょうてい分子ぶんしりょうヘパリン)中断ちゅうだんしなければならない。クロピドグレルは7にちまえから、チクロピジン10日とおかまえから中止ちゅうしし、クマリンけい薬剤やくざい(ワーファリンなど)服用ふくようPT-INR<1.4にたっしていなければならない。てい用量ようりょう(1にち100mgまで)のアセチルサリチルさん単独たんどくによる治療ちりょうでは、かつてはきゅうやく期間きかんもうけていたが、もはやきゅうやくする必要ひつようはない(ドイツ麻酔ますい科学かがく集中しゅうちゅう治療ちりょう学会がっかい(Deutschen Gesellschaft für Anästhesie und Intensivmedizin: DGAI)ドイツばん勧奨かんしょう[62]

血小板けっしょうばん不足ふそく血小板けっしょうばん減少げんしょうしょう)は出血しゅっけつせい合併症がっぺいしょうのリスクをたかめる。脊髄せきずいくもまく麻酔ますい実施じっしできる絶対ぜったいてき下限かげんは、専門せんもん学会がっかいによってことなる。むしろ、血液けつえき凝固ぎょうこ全体ぜんたいてき状況じょうきょう考慮こうりょしなければならない[63]。ドイツのガイドラインでは脊髄せきずいくもまく麻酔ますいまえ血小板けっしょうばん濃縮のうしゅく製剤せいざい輸血ゆけつして血液けつえきちゅう血小板けっしょうばんすう増加ぞうかさせることは、50,000/μみゅーl未満みまんから推奨すいしょうされており、これを下限かげん目安めやすとすることができる。脊髄せきずいくもまく麻酔ますいよりふとはり使用しようするかたまくがい麻酔ますいでは、80,000/μみゅーl未満みまん血小板けっしょうばん輸血ゆけつ推奨すいしょうされている[64]一方いっぽう日本にっぽんのガイドラインでは、血小板けっしょうばんすうかんしては100,000/μみゅーl以上いじょうのぞましいとされ、50,000/μみゅーl未満みまんでは推奨すいしょうとされるものの輸血ゆけつかんしては記載きさいされていない[65]

相対そうたいてき禁忌きんきには、慢性まんせい背部はいぶつう抗生こうせい物質ぶっしつ治療ちりょうちゅう全身ぜんしん感染かんせん強直きょうちょくせい脊椎せきついえん重症じゅうしょう大動脈だいどうみゃくべん狭窄きょうさくしょうまたはその心臓しんぞう弁膜べんまくしょう脊髄せきずい空洞くうどうしょうはいだか血圧けつあつしょうふくまれる[61]。これらの疾患しっかんでは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい有益ゆうえきせい危険きけんせいばかりにかける必要ひつようがある[61]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいこう血栓けっせん療法りょうほう推奨すいしょう時間じかん間隔かんかく
薬剤やくざいめい 穿刺せんしまえきゅうやく期間きかん 穿刺せんし再開さいかい時間じかん
ぶんヘパリン 4–6あいだ[66][67] 1あいだ[66][67][68]
てい分子ぶんしりょうヘパリン予防よぼうてき投与とうよりょう 12あいだ[66][67][68] 4あいだ[66][67]
てい分子ぶんしりょうヘパリン治療ちりょうてき投与とうよりょう 24あいだ[66][67] 4あいだ[66][67]
フォンダパリヌクス 36–42あいだ[66][67]

36あいだ[69]

6–12あいだ[66][67]
ワーファリン PT-INR < 1.4[66][67]

PT-INR ≦ 1.2[70]

直後ちょくごより[66][67]
クロピドグレル 7にち[66][67][68] 直後ちょくごより[66][67]
プラスグレル 7–10にち[66][67] 6あいだ[66][67]
チクロピジン 10日とおか[66][67]

14にち[68]

直後ちょくごより[66][67]
アブシキシマブ英語えいごばん 48あいだ[66][67] 4あいだ[66][67]
チロフィバン英語えいごばん 8あいだ[66][67] 4あいだ[66][67]
プロスタサイクリン 0,5あいだ[66][67] 直後ちょくごより[66][67]
ダビガトラン > 34あいだ[66][67]

5にち[68]

4–6あいだ[66][67]
リバーロキサバン 22–26あいだ[66][67]

3にち[68]

4–6あいだ[66][67]
アピキサバン 26–30あいだ[66][67]

3にち[68]

4–6あいだ[66][67]
チカグレロル 5にち[66][67] 6あいだ[66][67]
シロスタゾール 42あいだ[66][67]

3にち[68]

5あいだ[66][67]
ジピリダモール 48あいだ[66][67] 直後ちょくごより[66][67]
アセチルサリチルさん きゅうやく不要ふよう[66][67][68] きゅうやく不要ふよう[66][67][68]

手技しゅぎ

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準備じゅんび

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麻酔ますいほう同様どうように、事前じぜん患者かんじゃ麻酔ますいとのあいだインフォームド・コンセントたれる。合併症がっぺいしょう十分じゅうぶん効果こうかられない場合ばあいには、麻酔ますいほう全身ぜんしん麻酔ますい変更へんこうしなければならないこともあるため、手術しゅじゅつ当日とうじつぜっ飲食いんしょく必要ひつようである[71]手術しゅじゅつまえぜん投薬とうやくとして、気持きもちをかせ緊張きんちょうやわらげるくすり鎮静ちんせいざい)が投与とうよされることもある。

緊急きんきゅうよう医薬品いやくひん器材きざい準備じゅんびしたうえ[72]静脈じょうみゃく確保かくほする[73]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいまたは側臥そくがおこな[74]では、助手じょしゅ患者かんじゃ前方ぜんぽうからささえる[43]患者かんじゃ基本きほんてきモニター心電図しんでんずモニタパルスオキシメトリー血圧けつあつ測定そくてい英語えいごばん)により継続けいぞくてきかんされる[75]

穿刺せんし手技しゅぎ

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Durchführung der Spinalanästhesie beim sitzenden Patienten. Der abtropfende Liquor zeigt die korrekte Lage der Kanüle an.
脊椎せきついはりからずいえき流出りゅうしゅつしている。

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこなうには、だい2腰椎ようついだい3腰椎ようつい(L2/L3)またはだい3腰椎ようついだい4腰椎ようつい(L3/L4)のあいだ脊椎せきついはりドイツばん穿刺せんしする[76]ふくすうかい消毒しょうどく局所きょくしょ浸潤しんじゅん麻酔ますいのち無菌むきん手技しゅぎで2つのとげ突起とっきあいだはりとげいれする。穿刺せんしは、とげ突起とっき平面へいめんたいして後方こうほうからまっすぐ正中せいちゅうほう、または10°のわずかながわ方偏かたへんはた正中せいちゅうほう)でおこなわれる[77]。あるいは、だい5腰椎ようついだい1せんしいあいだTaylorによるがわかたアプローチとばれる手技しゅぎもあり、この場合ばあいはりこううえちょうこつとげの1cm内側うちがわかつ下方かほうとげいれし、あたまがわ内側うちがわに45°~55°の角度かくどをつける[78]

背中せなかまるめる(いわゆる猫背ねこぜ)ことでとげ突起とっきあいだ距離きょりひろげることができるため、患者かんじゃ協力きょうりょく重要じゅうようである[74]とく高齢こうれいしゃでは、ほねした靭帯じんたいほそはり前進ぜんしんさまたげとなる。このため、ふとイントロデューサーはり使用しようすることもおお[79]。これが靭帯じんたい構造こうぞう貫通つらぬきとおしたら、そこから実際じっさいほそ穿刺せんしはり挿入そうにゅうし、クモまく腔に穿刺せんしする。穿刺せんしはり神経しんけいれると、穿刺せんしちゅうあし短時間たんじかんのしびれ(パレステジア英語えいごばん)がしょうじることがある[80]はりかたまく通過つうかすると、透明とうめいのう脊髄せきずいえきはりからしたたち、はりまさしくとげいれされたことがかる。

シリンジ局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうするまえに、透明とうめいずいえき脊椎せきついはりから流出りゅうしゅつつづけることを確認かくにんしておくべきである[81]じったずいえき血管けっかん穿刺せんしうたがわれる)やずいえき流出りゅうしゅつがない場合ばあいは、脊椎せきついはりいて再度さいど挿入そうにゅうする必要ひつようがある[82]。くもまく腔に適切てきせつりょう局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうしたのち効果こうかはほとんどすぐにあらわれ、あし臀部でんぶあたたかくなる感覚かんかくからはじまる。すうふん以内いないに、感覚かんかく低下ていか無痛むつうあらわれ、可動かどういき制限せいげんされる[83]一方いっぽう、この最初さいしょの5分間ふんかんは「時間じかん」としょうされ、自律じりつ神経しんけいのバランスがくずれることによる呼吸こきゅう循環じゅんかん激変げきへんしょうじやすく、厳重げんじゅうなモニタリングが必要ひつようである[83]

麻酔ますい範囲はんい調節ちょうせつ

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麻酔ますい範囲はんい決定けってい要因よういんふしべたようにデルマトーム参考さんこうに、麻酔ますい範囲はんい判定はんていおこなう。こう比重ひじゅうえき場合ばあい、くもまく腔に局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうしてからの麻酔ますい領域りょういきひろがりはぶん単位たんい変化へんかするため、麻酔ますい効果こうか判定はんていしきかいおこな必要ひつようがある[83]こう比重ひじゅうえき使用しようすれば、患者かんじゃ体位たいいによって麻酔ますい領域りょういきひろがりを調節ちょうせつできる(なか高位こうい麻酔ますい、サドルブロック、左右さゆうどちらかのかた麻酔ますい[84]。しかし、麻酔ますい領域りょういき脊髄せきずい高位こうい波及はきゅうしすぎると、呼吸こきゅう困難こんなんしょうじる[85]むねずいレベルの麻酔ますいどう部位ぶいからの神経しんけい支配しはいける肋間ろっかんすじ筋力きんりょく低下ていかこる。さらに麻酔ますい領域りょういき高位こういけいずいレベルにおよぶと、だい4けい神経しんけいぶんえだであるよこへだた神経しんけい麻痺まひし、よこへだた神経しんけい支配しはいされる横隔膜おうかくまくまでが麻痺まひする可能かのうせいがある[85]実際じっさいは、よこへだた神経しんけい強大きょうだい運動うんどう神経しんけいであるため、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいもちいられるような少量しょうりょう局所きょくしょ麻酔ますいやくでは、横隔膜おうかくまく運動うんどう停止ていしするほどの麻痺まひまれであるとされる[86]脊髄せきずいくもまく麻酔ますい合併がっぺいする呼吸こきゅう停止ていしてい血圧けつあつともな延髄えんずい呼吸こきゅう中枢ちゅうすうへのりゅう低下ていか主因しゅいんとされる[86]上肢じょうし筋肉きんにく運動うんどう支配しはい大半たいはんけい神経しんけいなので、上肢じょうし麻酔ますい効果こうかおよべば、かたから下位かいすで麻酔ますい効果こうかおよんでいる(皮膚ひふ分節ぶんせつ参照さんしょう)。麻酔ますいやくによるブロックはほそ神経しんけい線維せんいからじゅん効果こうかあらわれることがられており、交感神経こうかんしんけいぬるさとし痛覚つうかく触覚しょっかく圧覚あっかく運動うんどう神経しんけいというじゅんにブロックされていく[87]痛覚つうかく判定はんていおこなうピンプリックテスト、あつしさとし判定はんていおこなうコールドサインテスト、運動うんどう神経しんけい判定はんていおこなうBromageスケールが有名ゆうめいである。必要ひつようなレベルの麻酔ますい効果こうかられなかった場合ばあいふたたびくもまく腔を穿刺せんし麻酔ますいやく追加ついかするか、麻酔ますい方法ほうほうおおくは全身ぜんしん麻酔ますい)にえる[42]

ピンプリックテスト

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痛覚つうかく刺激しげきかんじるかを調しらべるテストである。はりなどとがったもの(ただ出血しゅっけつしない程度ていど)を皮膚ひふにあててチクチクするかどうかをたずねる[88]

コールドサインテスト

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ぬるさとし消失しょうしつ確認かくにんするテストである。アルコール綿めん皮膚ひふにあててつめたいかどうかをたずねる[88]

Bromageスケール

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Bromageスコアともばれる[89]運動うんどう機能きのう評価ひょうか尺度しゃくどである。かかとひざ十分じゅうぶんうごかせる場合ばあいはⅠ(ブロックされていない)、ひざがやっとうご場合ばあいはⅡ(不完全ふかんぜんブロック)、かかとのみがうご場合ばあいはⅢ(ほぼ完全かんぜんブロック)、かかとひざうごかない場合ばあいはⅣ(完全かんぜんブロック)となる[89]

麻酔ますいやく注射ちゅうしゃしたのち使用しようする薬剤やくざい手術しゅじゅつ部位ぶいにもよるが、1~4あいだ手術しゅじゅつ可能かのうである[90]。ストレス軽減けいげんのため、適切てきせつ薬剤やくざいおもミダゾラムなどのベンゾジアゼピンけい)の静脈じょうみゃくない投与とうよにより、患者かんじゃ鎮静ちんせいされることもある[90]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいの「固定こてい時間じかん」という以前いぜん概念がいねん現在げんざいでは時代遅じだいおくれとかんがえられており、注入ちゅうにゅうされた麻酔ますいやくがくもまく腔内で上昇じょうしょうすることにより合併症がっぺいしょうしょうじる可能かのうせいがあるため、手術しゅじゅつぜん期間きかんちゅう専門せんもんスタッフとモニタリングによって患者かんじゃ監視かんしする必要ひつようがある。手術しゅじゅつ終了しゅうりょうすると、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい効果こうかがある程度ていど回復かいふくするまで、麻酔ますい回復かいふくしつ(Post-anesthesia care unit: PACU)英語えいごばんでモニタリングを継続けいぞくする[91][92][93]

副作用ふくさよう合併症がっぺいしょう

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脊髄せきずいくもまく麻酔ますい比較的ひかくてきよくみられる副作用ふくさようは、てい血圧けつあつ[94]じょみゃく[94]背部はいぶつう[79][95]嘔吐おうと[95]のほか、術後じゅつごかたまく穿刺せんし頭痛ずつう英語えいごばん尿にょうである。これらの問題もんだい通常つうじょう継続けいぞくてきモニタリングにより麻酔ますいがすぐにづき、後遺症こういしょうなく治療ちりょうされる[96][97]

じゅうあつし循環じゅんかん障害しょうがいや、直接的ちょくせつてき損傷そんしょう感染かんせん出血しゅっけつによる永続えいぞくてき神経しんけい損傷そんしょうなどのおもあつ合併症がっぺいしょうはまれな事象じしょうである。これらの頻度ひんど決定けっていすることは困難こんなんである。問題もんだいてんとしては、十分じゅうぶん患者かんじゃすうゆうする研究けんきゅうがないこと、これらの研究けんきゅうにおける損傷そんしょう定義ていぎ不正ふせいかく多様たようであること(異質いしつであること)、手術しゅじゅつ手技しゅぎ自体じたい体位たいい既存きそんの(おそらく未知みちの)疾患しっかん、または自然しぜん発生はっせいてき事象じしょう出血しゅっけつ感染かんせん)など、可能かのうせいのある損傷そんしょうじょとの鑑別かんべつがしばしば困難こんなんであることなどがげられる[98][99]

循環じゅんかんけい合併症がっぺいしょう

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下肢かし爆傷ばくしょうからの出血しゅっけつ止血しけつするためにターニケット(止血しけつたい大腿だいたいかれているが、これをゆるめるとさい出血しゅっけつし、血圧けつあつ低下ていかする。このターニケットは外傷がいしょう以外いがいに、下肢かし手術しゅじゅつにももちいられる。

動脈どうみゃく血圧けつあつ低下ていかてい血圧けつあつ)は脊髄せきずいくもまく麻酔ますいもっと一般いっぱんてき副作用ふくさようで、おおくの患者かんじゃこる。これは、下半身かはんしん交感神経こうかんしんけいけい麻酔ますい交感神経こうかんしんけい遮断しゃだん[100]により血管けっかんひろがり(血管けっかん拡張かくちょう英語えいごばん)、循環じゅんかん血液けつえきりょう相対そうたいてき減少げんしょうするため、心臓しんぞうへの還流かんりゅうりょう減少げんしょうすることによる[101]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいひろがりがおおきいほど、血圧けつあつ降下こうか作用さよう顕著けんちょになる。心拍しんぱくすう低下ていかじょみゃく)やともなうこともある。

この血液けつえき低下ていかは、とく循環じゅんかん血液けつえきりょう減少げんしょう英語えいごばん患者かんじゃ顕著けんちょであるため、あきらしつえきドイツばん脊髄せきずいくもまく麻酔ますいおこなまえ予防よぼうてき点滴てんてき静脈じょうみゃく注射ちゅうしゃし、このような循環じゅんかん血液けつえきりょう不足ふそくおぎなう。出血しゅっけつ体位たいい変換へんかん操作そうさたい解除かいじょてい血圧けつあつ助長じょちょうする[102]てい血圧けつあつ治療ちりょうには、点滴てんてきによる循環じゅんかん血液けつえきりょう増加ぞうか頭部とうぶをわずかにげるトレンデレンブルグ[103]必要ひつようであれば薬物やくぶつ投与とうよおこなう。カフェドリン・テオドレナリンドイツばん商品しょうひんめいアクリノール)、エフェドリン[104]フェニレフリン、またはまれにノルアドレナリンなどのカテコールアミン誘導体ゆうどうたい使用しようされる。じょみゃく場合ばあいは、アトロピンまたはオルシプレナリンドイツばん使用しようされる[105]血圧けつあつまたは心拍しんぱくすう障害しょうがい通常つうじょう効果こうかてき治療ちりょうできるが、しん停止ていしいたるような重症じゅうしょうがたこることはまれである(やく3/10,000)[106]

かたまく穿刺せんし頭痛ずつう

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かたまく穿刺せんし頭痛ずつう(Post Dural Puncture Headache: PDPH)英語えいごばん脊髄せきずいくもまく麻酔ますい不快ふかい副作用ふくさようひとつであるが、通常つうじょう良好りょうこうである。その発生はっせいじょは、かたまく穿孔せんこう部位ぶいからののう脊髄せきずいえき漏出ろうしゅつによる[107]のう脊髄せきずいえきはこの漏出ろうしゅつから漏出ろうしゅつし、漏出ろうしゅつりょうさんせいりょう上回うわまわるとのう脊髄せきずいえき腔にかげあつしょうじる。いたみに敏感びんかんのう構造こうぞうずいまく血管けっかん大脳だいのうがま)の牽引けんいん代償だいしょうてき血管けっかん拡張かくちょうなどがわさって、頭痛ずつうしょうじると推定すいていされている[107]。この症候群しょうこうぐんは、アウグスト・ビーア英語えいごばんによる脊髄せきずいくもまく麻酔ますい報告ほうこくですでに言及げんきゅうされていた(1899ねん下記かき参照さんしょう)。

頭痛ずつうは、使用しようした脊椎せきついはりドイツばんにもよるが、25Gのクインケはりで3-25%、Whitacreはりで0-14.5%と、カッティングはり発生はっせいりつひく[107]頭痛ずつうの90%は処置しょち3にち以内いないに、66%は最初さいしょの48時間じかん以内いない発症はっしょうする[107]患者かんじゃよこになっているときに改善かいぜんし、すわったりったりしたとき、または患者かんじゃあたまったりはらあつたかまったりしたときに悪化あっかする。穿刺せんし頭痛ずつうは、嘔吐おうと、めまい、こう硬直こうちょく背部はいぶつうひかりおとたいする過敏かびんしょうふく視覚しかく障害しょうがい発生はっせいだい346脳神経のうしんけい刺激しげきによる)[108]聴力ちょうりょく低下ていか耳鳴みみなともなうこともある[109]

治療ちりょうおもに、安静あんせい十分じゅうぶん水分すいぶん補給ほきゅう鎮痛ちんつうざいによる保存ほぞんてき治療ちりょうおこなわれる。これらの措置そち奏功そうこうしない場合ばあいは、さまざまなおかせかさねてき治療ちりょうほうもちいられるが、かたまくがい自己じこパッチそのなかもっと選択せんたくされる方法ほうほうかんがえられており、奏功そうこうりつはちわりえる[110]。これは、患者かんじゃから血液けつえき無菌むきんてき採取さいしゅし、腰椎ようつい穿刺せんし部位ぶいのレベルで再度さいど穿刺せんしし、血液けつえきかたまくがい注入ちゅうにゅうするものである。これによりずいまく穿孔せんこう圧迫あっぱくされ、閉鎖へいさされる。

かたまく穿刺せんし頭痛ずつう予防よぼうのためのもっと重要じゅうよう対策たいさくは、カッティング[注釈ちゅうしゃく 9](ペンシルポイント先端せんたん)の可能かのうかぎほそ穿刺せんしはり使用しようすることである。このはりは、直径ちょっけいおおきく、先端せんたんななめに研磨けんまされたカッティングはり(クインケはりなど)にくらべて、頭痛ずつう発生はっせいりつがはるかにひくい(0.5~1%)[111][112]。1979ねん導入どうにゅうされたスプロッテはりカッティングさきはしは、麻酔ますいペインクリニックのGünter Sprotte(1945年生ねんせい)がPajunkしゃ共同きょうどう開発かいはつしたものである[113]

神経しんけいがくてき合併症がっぺいしょう

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神経しんけい損傷そんしょうは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいによるいちてき損傷そんしょうてきしょうじる損傷そんしょうとに分類ぶんるいすることができる。一次いちじてき損傷そんしょうじょは、注射ちゅうしゃはりによる機械きかいてき損傷そんしょうまたは注入ちゅうにゅうされた溶液ようえき神経しんけい毒性どくせいにより、てき損傷そんしょうじょは、感染かんせんしょうおよび体内たいない空間くうかん占有せんゆうする性質せいしつ出血しゅっけつしゅこぶ効果こうか(Mass effect)英語えいごばん下記かき参照さんしょう)であり、これらは神経しんけい圧迫あっぱくすることによって損傷そんしょうこしうる[114]

手術しゅじゅつこる神経しんけい損傷そんしょうは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいによるはり損傷そんしょうによるものはまれであり、手術しゅじゅつ体位たいい(Surgical positions)英語えいごばん手術しゅじゅつそのもの、または既往きおうれき(Past medical history)英語えいごばんなどの独立どくりつした要因よういん結果けっかであることがおおい。脊髄せきずいくもまく麻酔ますいによる脊髄せきずい神経しんけい損傷そんしょう発生はっせいりつは3.8/10,000と推定すいていされ、そのおおくは可逆かぎゃくてきである[98]

一過いっかせい神経症しんけいしょうじょう

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一過いっかせい神経症しんけいしょうじょう(Transent Neurological Symptoms: TNS)とは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいあし放散ほうさんする左右さゆう対称たいしょう臀部でんぶつう[115]のことで、通常つうじょう麻酔ますいすう時間じかん以内いないはじまり、数日すうじつ以内いないにまたおさまる。これは局所きょくしょ麻酔ますいやく毒性どくせいによるもので、患者かんじゃやく1%にみられる[注釈ちゅうしゃく 10]。しかし、リドカインを使用しようした場合ばあい、その割合わりあい有意ゆういたかくなる[116][117]

まれにこる馬尾ばび症候群しょうこうぐん(0.02-0.16/10,000)[98]原因げんいんも、局所きょくしょ麻酔ますいやく神経しんけい毒性どくせいによる。下肢かし脱力だつりょく排尿はいにょう排便はいべん障害しょうがい生殖せいしょく感覚かんかく障害しょうがい臨床りんしょう徴候ちょうこうである。この障害しょうがいはしばしば永続えいぞくてきである[114]

出血しゅっけつ

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はり脊柱せきちゅうかんすすめるさい血管けっかん損傷そんしょうすると、かたまくがいまた脊柱せきちゅう管内かんないでの出血しゅっけつこすことがある。しかし、このような方法ほうほうで腔内血腫けっしゅしょうじることは非常ひじょうにまれであり、その頻度ひんどは1:220,000と推定すいていされる[118]凝固ぎょうこ障害しょうがい罹患りかんしている患者かんじゃこう血栓けっせんやく服用ふくようしている患者かんじゃでは、リスクがわずかに増加ぞうかする(やく160,000ぶんの1)[118]臨床りんしょうてきには、血腫けっしゅによる圧迫あっぱくレベル以下いかの、反射はんしゃ消失しょうしつドイツばん筋力きんりょく低下ていか感覚かんかく障害しょうがい顕著けんちょであり、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい効果こうか消失しょうしつしたのち判明はんめいする。脊髄せきずい出血しゅっけつ永続えいぞくてき神経しんけい損傷そんしょうこす可能かのうせいがあるため、うたがわしい症例しょうれいではMRI検査けんさ実施じっしし、診断しんだん確定かくていする必要ひつようがある[119]出血しゅっけつによる神経しんけい圧迫あっぱく確認かくにんされた場合ばあいは、ただちに外科げかてき治療ちりょうしいゆみ切除せつじょじゅつ英語えいごばん)をおこなわなければならない[119]予防よぼうほうとしては、出血しゅっけつけるために、こう血栓けっせんやく投与とうよ脊髄せきずい近傍きんぼう穿刺せんしあいだには一定いってい間隔かんかくけなければならない(上表じょうひょう参照さんしょう[62][114][120]

感染かんせん

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一回いっかいほう脊髄せきずいくもまく麻酔ますい持続じぞくほうではなく)感染かんせんせい合併症がっぺいしょう非常ひじょうにまれである[121]かんがえられる原因げんいんは、既存きそん感染かんせんしょうからのきん拡散かくさん汚染おせんされた脊椎せきついはりドイツばん不十分ふじゅうぶん無菌むきん手技しゅぎによる穿刺せんしで、病原びょうげんたいがくもまく腔やかたまくがい腔に侵入しんにゅうすることである。こりうる症状しょうじょうは、ずいまく炎症えんしょうずいまくえん)とかたまくがい腔(かたまく骨膜こつまくあいだ)の膿瘍のうよう英語えいごばん形成けいせいである。頻度ひんどかんする信頼しんらいできる数値すうちられていない。カテーテル処置しょちのリスクはおおきくことなり、1:1,000~1:100,000と推定すいていされているが、一回いっかい穿刺せんし発生はっせいすることはまれである。脊髄せきずいくもまく麻酔ますい無関係むかんけい発生はっせいする膿瘍のうよう(1まんぶんの0.2~1.2)との鑑別かんべつ困難こんなんである[121]もっと一般いっぱんてき病原びょうげんたいブドウ球菌きゅうきんであり[121]、この細菌さいきん皮膚ひふ細菌さいきんくさむらにおいて高率こうりつつねざいしていることから、穿刺せんし部位ぶい徹底的てっていてき消毒しょうどく穿刺せんしさい厳密げんみつ無菌むきん手技しゅぎ重要じゅうようせいしめしている[122]

ずいまくえん通常つうじょう麻酔ますいから数日すうじつ発熱はつねつこう硬直こうちょくずいまく刺激しげき症状しょうじょう頭痛ずつうなどの症状しょうじょうあらわれる[122]うたがいがあれば、まとしぼった抗生こうせい物質ぶっしつ療法りょうほう治療ちりょうできるようにするために、ずいえき検査けんさによって病原びょうげんたい特定とくていしなければならない[122]きわめてまれこる無菌むきんせいずいまくえん病原びょうげんたい検出けんしゅつされない特殊とくしゅかたである。その原因げんいんとしては穿刺せんし器材きざい洗浄せんじょう物質ぶっしつたいする炎症えんしょう過敏かびん反応はんのう可能かのうせい報告ほうこくされている[123]

かたまくがい膿瘍のうよう英語えいごばんじゅうあつし合併症がっぺいしょうである。症状しょうじょうはさまざまで、発熱はつねつ背部はいぶつう神経しんけい障害しょうがいなどがある[121]こう感度かんど診断しんだんほうとして、とく画像がぞう診断しんだんMRI)がある。治療ちりょうてきには抗生こうせい物質ぶっしつ使用しようされ、ほとんどの症例しょうれい早期そうき外科げかてき治療ちりょう必要ひつようである[121]症例しょうれいの3ぶんの1にはじゅうあつし神経しんけい障害しょうがいのこり、さらに3ぶんの1には軽度けいど神経しんけい障害しょうがいのこる。敗血症はいけつしょう発症はっしょうによる死亡しぼうりつやく10~15%である[114][121][124]

その副作用ふくさよう

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背部はいぶつう英語えいごばん患者かんじゃやく13%が報告ほうこくする[125]が、手術しゅじゅつ体位たいい英語えいごばんとの因果いんが関係かんけいむずかしい。尿にょうは、もちいられる局所きょくしょ麻酔ますいやく種類しゅるい濃度のうどによって、程度ていど時間じかんことなる[126]が必発である[127]原因げんいんは、膀胱ぼうこうそらにするはたらきを交感神経こうかんしんけいけい抑制よくせいてき影響えいきょうと、そのぎゃくはたらきをもつふく交感神経こうかんしんけいけい促進そくしんてき影響えいきょう均衡きんこうである[128]治療ちりょうには、滅菌めっきん使つかてカテーテル留置とめおき必要ひつよう場合ばあいがある[127]

じゅうあつし副作用ふくさようは、くすり過剰かじょう投与とうよされた場合ばあいなど、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい脊髄せきずい高位こういきすぎることである。麻酔ますい効果こうかがくもまく全体ぜんたいひろがると、ぜん脊髄せきずいくもまく麻酔ますいぜん脊麻ばれる[129][130]意識いしき障害しょうがい呼吸こきゅう停止ていしこることがあり、必要ひつようであれば気管きかん挿管人工じんこう呼吸こきゅうカテコラミン療法りょうほうおこなわねばならない[130]適切てきせつ治療ちりょうにより、通常つうじょう完全かんぜん回復かいふく可能かのうである[131]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい技術ぎじゅつてき失敗しっぱい穿刺せんし困難こんなんはりがり、ごくまれにはり破損はそん)は、脊椎せきついはり直径ちょっけい直接ちょくせつ依存いぞんする。標準ひょうじゅんてきはり(25ゲージ)では、この割合わりあいは5%未満みまんであるが、はりほそくなると増加ぞうかする。はりふとさがおおきいほど穿刺せんし頭痛ずつう発生はっせいりつたかくなるため、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい成功せいこうりつ合併症がっぺいしょうはトレードオフの関係かんけいにある[96][97]

歴史れきし

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腰部ようぶずいえき腔の最初さいしょ穿刺せんしは、1891ねんキールハインリヒ・クインケ英語えいごばんおこなったが、これはずいえき診断しんだんサンプリングのためであった。かれは、この目的もくてきのために先端せんたんななめにカットした穿刺せんしはり(クインケはり)を開発かいはつした[132]

アウグスト・ビーア英語えいごばん (1861–1949)、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいのパイオニア

1898ねん8がつ24にちおなじくキールで、外科医げかいアウグスト・ビーア英語えいごばん助手じょしゅのアウグスト・ヒルデブラント(1868~1954)が、コカイン注射ちゅうしゃする相互そうご実験じっけん脊髄せきずいくもまく麻酔ますい成功せいこうした[133][134]。 コカインを注射ちゅうしゃした結果けっか、「ずねてつのハンマーでつよ打撃だげき」や「睾丸こうがんつよしたりったり」しても、いたみをかんじなくなった。その両者りょうしゃとも嘔吐おうとともなはげしい後頭部こうとうぶつう発症はっしょうした[135]

ジェームズ・レナード・コーニング英語えいごばん(1855–1923)、アメリカの神経しんけい学者がくしゃ脊髄せきずいみきブロックのパイオニア

米国べいこくジェームズ・レナード・コーニング(James Leonard Corning)英語えいごばんは、ビーアらの発表はっぴょうの13ねんまえの1885ねんにすでに同様どうよう実験じっけんおこなっており、脊髄せきずいちか組織そしきにコカインを注射ちゅうしゃし、あし生殖せいしょくのしびれが観察かんさつされた[136]。この過程かてい脊髄せきずいくもまく麻酔ますい達成たっせいされたのか、それとも薬剤やくざいがその手前てまえ靭帯じんたい組織そしき投与とうよされたのかは議論ぎろん余地よちがある(後年こうねん、コーニングがおこなったのは脊髄せきずいくもまく麻酔ますいではなく、かたまくがい麻酔ますいであったことがしめされた[137])。1898ねん動物どうぶつ実験じっけん脊髄せきずいくもまく麻酔ますい研究けんきゅうしたことをビーアは1899ねん発表はっぴょうした[138]。しかし、ビーアの助手じょしゅであったヒルデブラントは同年どうねんにビーアのもとり、そのはビーアの脊髄せきずいくもまく麻酔ますいにおける功績こうせき否定ひていするような発表はっぴょうかえした[135]。ビーアが最初さいしょ発表はっぴょうさいにコーニングの業績ぎょうせき引用いんよう記載きさいしなかったこともあり、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい最初さいしょ成功せいこうしたのはビーアとコーニングのどちらであるかにかんして、論争ろんそうとなった[135]今日きょうでは、コーニングは脊髄せきずいくもまく麻酔ますい実験じっけんてき理論りろんてき前提ぜんてい条件じょうけんつくげたと評価ひょうかされ、ビーアは脊髄せきずいくもまく麻酔ますい臨床りんしょうへの応用おうようとその定着ていちゃく成功せいこうしたと評価ひょうかされている[135]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますい最初さいしょったアメリカじんサンフランシスコ外科医げかいダドリー・テイト(Dudley Tait)、グイド・E・カグリエリ(Guido E. Caglieri)[139]ニューオーリンズ血管けっかん外科医げかいルドルフ・マタス(Rudolph Matás、1860-1957)で、1899ねん[140]フェリックス・A・ラルー(Felix A. Larue)、 ヘルマン・B・ゲスナー(Hermann B. Gessner) そしてキャロル・アレン(Carroll Allen)の協力きょうりょく痔核じかく手術しゅじゅつ実施じっしした[141][142]

フランスじんテオドール・タフィエ(Théodore Tuffier)英語えいごばん(1857-1929)は、1899ねんに泌尿生殖せいしょく外科げか手術しゅじゅつ脊髄せきずいくもまく麻酔ますい推奨すいしょうした[143][144]。フランスのピエール・マリー(Pierre Marie)英語えいごばんジョルジュ・ギラン(Georges Guillain)英語えいごばんシャルル・アシャール(Charles Achard)ドイツばんなどの医師いしも、坐骨ざこつ神経痛しんけいつう腰痛ようつうのような腰部ようぶ下肢かし神経痛しんけいつう治療ちりょうにコカインのくもまく注射ちゅうしゃおこなっていた[145]

コカインは麻酔ますいもちいられはじめた当初とうしょから毒性どくせいたかさが問題もんだいされ、1903ねんにフランスのエルネスト・フルノー(Ernest Fourneau)英語えいごばんによる局所きょくしょ麻酔ますいやくストバインフランス語ふらんすごばん、1928ねんのEislebによるテトラカインなど、毒性どくせいひく様々さまざま合成ごうせい局所きょくしょ麻酔ますいやく開発かいはつされるとともに、ずいえきよりたか比重ひじゅう薬液やくえきもちいる(1930ねん、McLellland)ことによって麻酔ますい範囲はんい調節ちょうせつ容易よういとなり、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい安全あんぜんせいたかまっていった[146]

20世紀せいき初頭しょとう脊髄せきずいくもまく麻酔ますいはいったんは産科さんか医療いりょう定着ていちゃくした。しかし不慣ふなれな医師いしが、モニタリング軽視けいししてこの麻酔ますい頻繁ひんぱんった結果けっか合併症がっぺいしょう頻発ひんぱつし、この麻酔ますいほうたいする信用しんよう失墜しっついした[147]当時とうじ脊髄せきずいくもまく麻酔ますい死亡しぼうりつは1/1000であり、局所きょくしょ麻酔ますい全身ぜんしん麻酔ますいよりもはるかに高率こうりつであり、帝王切開ていおうせっかい死亡しぼうりついたっては1/139であると報告ほうこくされた[147]産科さんか麻酔ますい専門せんもんとした医師いしグリーンヒルはにんたいするあらゆる麻酔ますいなかもっと危険きけんであると結論けつろんづけた[147]分娩ぶんべんは「自然しぜん分娩ぶんべん」や「精神せいしん予防よぼうほう」が推奨すいしょうされ、1950年代ねんだいまでのこの時代じだいは、後世こうせい、「産科さんか麻酔ますい暗黒あんこく時代じだい」とばれた[147]。しかし、24あいだ体制たいせい産科さんか麻酔ますいサービスが1940ねんから1950ねんあいだにアメリカで確立かくりつされるとともに、脊髄せきずいくもまく麻酔ますい身体しんたいおよぼす影響えいきょう解明かいめいされ、安全あんぜんせい向上こうじょうしていった[147]今日きょうでは、帝王切開ていおうせっかいおこなさいには脊髄せきずいくもまく麻酔ますいまたはかたまくがい麻酔ますい標準ひょうじゅんてき処置しょちとなっている[148]

1951ねんWhitacreHart先端せんたんどん脊椎せきついはりドイツばん、ペンシルポイントはり開発かいはつした。このはり臨床りんしょう導入どうにゅうされたことで、それまでかなりの割合わりあい患者かんじゃ経験けいけんしていた脊髄せきずいくもまく麻酔ますい頭痛ずつう割合わりあい大幅おおはば減少げんしょうした[149]

手術しゅじゅつちゅう穿刺せんし部位ぶい脊椎せきついはりのこ最初さいしょ持続じぞく脊髄せきずいくもまく麻酔ますいは、外科げかH. P. ディーンによって1907ねんにはすでにおこなわれていた[150]。1940年代ねんだいにカテーテルをのこ方式ほうしき改良かいりょうされたが[79]、カテーテルをれるためには通常つうじょうよりもふとはりでくもまく穿刺せんしせねばならず、かたまく穿刺せんし頭痛ずつう重症じゅうしょうする懸念けねんがあった。十分じゅうぶんほそいカテーテルの開発かいはつによってこの手技しゅぎ確立かくりつされ、許容きょようできるほどひくかたまく穿刺せんし頭痛ずつう発生はっせいりつ達成たっせいされるようになったのは、1980年代ねんだいになってからであった[79]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 頚椎けいつい7,胸椎きょうつい12、腰椎ようつい5としてけい24。せんしい5しい(3-5)は癒合ゆごうして仙骨せんこつとなっている。
  2. ^ 脊髄せきずいくもまく麻酔ますいかんしては2023ねん現在げんざい日本にっぽん製剤せいざいとして使用しよう可能かのうなのはブピバカインとテトラカインのである[25]
  3. ^ 市販しはんされている脊髄せきずいくもまく麻酔ますいようのブピバカイン製剤せいざいにはアドレナリンが添加てんかされていない[38]が、症例しょうれい報告ほうこくとしてはアドレナリン添加てんかによる作用さよう時間じかん延長えんちょう報告ほうこくれいがある[39]
  4. ^ てい比重ひじゅうえきによる脊髄せきずいくもまく麻酔ますい日本にっぽんではテトラカインによっておこなうことができたが、2024年度ねんど以降いこう販売はんばい中止ちゅうしにより不可能ふかのうとなる見込みこみである。詳細しょうさいテトラカインこう参照さんしょう
  5. ^ 胸部きょうぶかたまくがい麻酔ますいでは麻酔ますい範囲はんいむねずい周辺しゅうへんまるために歩行ほこう可能かのうだが、腰部ようぶかたまくがい麻酔ますいでは、麻酔ますい範囲はんいこしずい周辺しゅうへんとなり、下肢かし運動うんどう神経しんけい影響えいきょうおよぶために歩行ほこうむずかしくなる。
  6. ^ この方法ほうほうは、かたまくがい麻酔ますい脊髄せきずいくもまく麻酔ますい穿刺せんし部位ぶいおな場所ばしょであり、はりなかからはりとおす、すなわち、"Needle through needle"とばれる方法ほうほうである。には、かたまくがい麻酔ますい脊髄せきずいくもまく麻酔ますい別々べつべつ穿刺せんししいあいだからおこな方法ほうほうもある。
  7. ^ 2023ねん現在げんざい日本にっぽんでは専用せんようのカテーテルが販売はんばいされておらず、おこなうことがむずかしい。
  8. ^ 日本にっぽんでは、戦前せんぜん戦後せんごから一貫いっかんして帝王切開ていおうせっかい麻酔ますい脊髄せきずいくもまく麻酔ますい標準ひょうじゅん麻酔ますいほうである。
  9. ^ カッティングはcutting、すなわち、はりさき穿刺せんしともなってとげにゅう経路けいろにあるずいまくなどの組織そしき傷害しょうがいすることを意味いみする。反対はんたいカッティング、non-cuttingであり、atraumatic(外傷がいしょうせい)ともしょうされる。
  10. ^ 近年きんねんは、脊髄せきずいくもまく麻酔ますいにリドカインがほぼ、もちいられなくなり、発症はっしょうりつ低下ていかしているものとかんがえられる。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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