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坐骨ざこつ神経痛しんけいつう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
坐骨ざこつ神経痛しんけいつう
別称べっしょう sciatic neuritis, sciatic neuralgia, lumbar radiculopathy
前方ぜんぽうから右足みぎあし坐骨ざこつ神経しんけい
発音はつおん [sˈætɪkə]
概要がいよう
診療しんりょう 整形せいけい外科げかがく, 神経しんけいがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 M54.3-M54.4
ICD-9-CM 724.3
MedlinePlus 000686
eMedicine emerg/303
MeSH D012585

坐骨ざこつ神経痛しんけいつう(ざこつしんけいつう、SciaticaSciatic Neuralgia)とは、 こしからあしくだっていくいたみを特徴とくちょうとする病状びょうじょうである[1]あくまで症状しょうじょうであり、病名びょうめいではない。ひとからだにおいてさまざまな原因げんいんにより、坐骨ざこつ神経しんけい刺激しげきされることに起因きいんする神経痛しんけいつうである。いたは、あしうしろ、外側そとがわ前方ぜんぽうなどでもこる可能かのうせいがある[2]発症はっしょうおもいものをげるような活動かつどうのち突然とつぜんこることがおおいが、徐々じょじょ発症はっしょうすることもある[3]いたみはよく、たれるような感覚かんかくわれる[1]通常つうじょう症状しょうじょうからだ片側かたがわだけにあらわれる[2]。しかしながら特定とくてい原因げんいんによって両側りょうがわいたみがしょうじることもある[2]腰痛ようつう時々ときどきられる[2]患部かんぶあしあしのさまざまな部分ぶぶんなどで脱力だつりょくかんやしびれがしょうじることもある[2]

坐骨ざこつ神経痛しんけいつうやく90%は椎間板ついかんばんヘルニア原因げんいんであり、腰椎ようついまたは仙骨せんこつ神経しんけい圧迫あっぱくによる[4]。ほかにも脊椎せきついすべりしょう腰部ようぶ脊柱せきちゅうかん狭窄きょうさくしょうなしじょうすじ症候群しょうこうぐん骨盤こつばん腫瘍しゅよう妊娠にんしん原因げんいんかんがえられる[2]ラセーグテスト診断しんだんたすけになりえる[2]。このテストは対象たいしょうしゃ仰向あおむけによこたわらせ、あしげるといたみがひざしたがる場合ばあい陽性ようせい判断はんだんするものである[2]だい部分ぶぶんのケースでは医用いようイメージング不要ふようである[5]。しかしながらちょう膀胱ぼうこう機能きのうおかされている、感覚かんかくいちじるしい喪失そうしつもしくは衰弱すいじゃくがある、症状しょうじょう長年ながねんつづく、または腫瘍しゅようもしくは感染かんせん懸念けねんがある場合ばあい画像がぞう撮影さつえいもちいられる[5]鑑別かんべつ疾患しっかんとして股関節こかんせつ疾患しっかん初期しょき帯状疱疹たいじょうほうしん発疹はっしん形成けいせいまえ)がある[2]

初期しょき治療ちりょうはたいてい鎮痛ちんつうやくである[5]一般いっぱんてきには、人々ひとびと能力のうりょく最大限さいだいげん発揮はっきしている通常つうじょう活動かつどうつづけることが推奨すいしょうされる[2]坐骨ざこつ神経痛しんけいつう解消かいしょう必要ひつようなのは時間じかんのみである。やく90%の人々ひとびと症状しょうじょうは6週間しゅうかん以内いない解決かいけつする[5]疼痛とうつう重症じゅうしょうであり、かつ6週間しゅうかん以上いじょうつづ場合ばあいは、手術しゅじゅつ選択肢せんたくしになりえる[5]手術しゅじゅつ疼痛とうつう改善かいぜんさせることがおおいが、その長期ちょうきてき利益りえき不明ふめいである[2]神経痛しんけいつう合併症がっぺいしょうとして、正常せいじょう腸管ちょうかん機能きのうまたは膀胱ぼうこう機能きのう障害しょうがいをもたらしている場合ばあいには、手術しゅじゅつ必要ひつようなこともある[5]。ステロイド、ガバペンチンプレガバリン治療ちりょうねつこおりカイロプラクティックなどの治療ちりょうほうエビデンス限定げんていてきであるか不明ふめいである[2][6][7]

ゆうびょうりつ定義ていぎにもよるが、人々ひとびとがある時点じてん坐骨ざこつ神経痛しんけいつうっている割合わりあいは1~40%以下いかである[8][4]もっとおおいのは40-50だいであり、女性じょせいよりも男性だんせいおお[5][2]。この症状しょうじょう古代こだいよりられており[2]、1451ねんごろには sciatica という言葉ことば使つかわれていた[9]

症状しょうじょう

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坐骨ざこつ神経しんけい走行そうこう沿い、いちがわ大腿だいたいめんからあしまで放散ほうさんするいたみが特徴とくちょうてきである。low back painよりつよいちがわ下肢かしつうあしかつまさき放散ほうさんするいたみ、いたみとどう領域りょういき異常いじょう感覚かんかくラセーグ徴候ちょうこう陽性ようせい、1つの神経しんけい由来ゆらいする神経症しんけいしょうじょうによって坐骨ざこつ神経痛しんけいつう診断しんだんされる、 その健康けんこう状態じょうたい体調たいちょうによっていたさや箇所かしょわることもある。

種類しゅるい

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根性こんじょう坐骨ざこつ神経痛しんけいつう腰椎ようついせい坐骨ざこつ神経痛しんけいつう
坐骨ざこつ神経しんけい圧迫あっぱくされて、いたみがおこるタイプの神経痛しんけいつう椎間板ついかんばんヘルニアが原因げんいんとなっているケースがおおい。
なしじょうすじせい坐骨ざこつ神経痛しんけいつう
なしじょうすじによる神経しんけい圧迫あっぱくによってこるもの。
症候しょうこうせい坐骨ざこつ神経痛しんけいつう
神経しんけい圧迫あっぱく原因げんいんではないため、まだ原因げんいんくわしく解明かいめいされておらず、治療ちりょう困難こんなん

診断しんだん

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ラセーグ徴候ちょうこうのテスト

もっと使つかわれている診断しんだんほうラセーグ徴候ちょうこうるためのあしげであり、これはあしをまっすぐばしてげたさいに、30から70において坐骨ざこつ神経しんけいのへのいたみが再現さいげんされるなら陽性ようせいとみなすものである[10]。この検査けんさ坐骨ざこつ神経痛しんけいつう患者かんじゃにおいてはやく90%が陽性ようせいとなるのだが、しかし陽性ようせいであったひとやく75%では坐骨ざこつ神経痛しんけいつうではない[4]坐骨ざこつ神経痛しんけいつう罹患りかんしていないほうのあしをまっすぐげると、罹患りかんしているがわあし坐骨ざこつ神経痛しんけいつうしょうじることがある。これはフェジェルツタイン徴候ちょうこう(Fajersztajn sign)としてられている[11]。これはラセーグ徴候ちょうこうよりも、より椎間板ついかんばんヘルニア特定とくていする徴候ちょうこうとなりえる[11]せきくび屈曲くっきょく、頸静脈じょうみゃく両側りょうがわ圧迫あっぱくといった脊椎せきついないあつ上昇じょうしょうさせる運動うんどうは、坐骨ざこつ神経痛しんけいつう悪化あっかさせる可能かのうせいがある[11]

治療ちりょう

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やいと治療ちりょうでは殿しんがりあつてんうけたまわ扶穴いんもんあな浮郄あな胞肓あな秩辺あなゆだねちゅうあなそとうけたまわすじあなりょういずみあなかんとべあなこころざししつあな大腸だいちょう兪穴ゆだねあなかげたにあなきょくいずみあなうちひざぶたあなうみあなうちすきあなうちひざあなちくまろうどあな夾脊あな局所きょくしょ治療ちりょうおこない、いたみを軽減けいげんすることを目的もくてきとする場合ばあいもある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Sciatica”. 7 January 2017てんオリジナルよりアーカイブ。2 July 2015閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n Ropper, AH; Zafonte, RD (26 March 2015). “Sciatica.”. The New England Journal of Medicine 372 (13): 1240–8. doi:10.1056/NEJMra1410151. PMID 25806916. 
  3. ^ T.J. Fowler; J.W. Scadding (28 November 2003). Clinical Neurology, 3Ed. CRC. p. 59. ISBN 978-0-340-80798-9. https://books.google.com/books?id=k56tZUQ8RfkC&pg=PA59 
  4. ^ a b c Valat, JP; Genevay, S; Marty, M; Rozenberg, S; Koes, B (April 2010). “Sciatica.”. Best Practice & Research. Clinical Rheumatology 24 (2): 241–52. doi:10.1016/j.berh.2009.11.005. PMID 20227645. 
  5. ^ a b c d e f g Slipped disk: Overview” (October 9, 2014). 8 September 2017てんオリジナルよりアーカイブ。2 July 2015閲覧えつらん
  6. ^ Markova, Tsvetio (2007). “Treatment of Acute Sciatica”. Am Fam Physician 75 (1): 99–100. PMID 17225710. オリジナルの2016-02-02時点じてんにおけるアーカイブ。. http://www.aafp.org/afp/2007/0101/p99.html. 
  7. ^ “Anticonvulsants in the treatment of low back pain and lumbar radicular pain: a systematic review and meta-analysis”. CMAJ 190 (26): E786–E793. (July 2018). doi:10.1503/cmaj.171333. PMC 6028270. PMID 29970367. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6028270/. 
  8. ^ “Risk factors for first time incidence sciatica: a systematic review”. Physiother Res Int 19 (2): 65–78. (June 2014). doi:10.1002/pri.1572. PMID 24327326. 
  9. ^ Simpson, John (2009). Oxford English dictionary (2nd ed.). Oxford: Oxford University Press. ISBN 978-0199563838 
  10. ^ “Low back pain”. BMJ 328 (7448): 1119–21. (May 2004). doi:10.1136/bmj.328.7448.1119. PMC 406328. PMID 15130982. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC406328/. 
  11. ^ a b c Ropper, Allan H. (2014). Adams and Victor's Principles of Neurology. Samuels, Martin A., Klein, Joshua P. (Tenth ed.). New York. pp. Chapter 11. Pain in the Back, Neck, and Extremities. ISBN 9780071794794. OCLC 857402060. https://accessmedicine.mhmedical.com/book.aspx?bookid=690 

関連かんれん

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