(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ブピバカイン - Wikipedia コンテンツにスキップ

ブピバカイン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
IUPAC命名めいめいほうによる物質ぶっしつめい
臨床りんしょうデータ
発音はつおん [bjuːˈpɪvəkn]
販売はんばいめい Marcaine, Sensorcaine, Posimir, others
Drugs.com monograph
ライセンス EMA:リンクUS Daily Med:リンク
胎児たいじ危険きけん分類ぶんるい
  • AUえーゆー: A [3]
法的ほうてき規制きせい
投与とうよ経路けいろ Parenteral, topical, implant
薬物やくぶつ動態どうたいデータ
生物せいぶつがくてき利用りようのうn/a
血漿けっしょうタンパク結合けつごう95%
代謝たいしゃLiver
作用さよう発現はつげんWithin 15 min[4]
半減はんげん3.1 hours (adults)[4]
8.1 hours (neonates)[4]
作用さよう持続じぞく時間じかん2 to 8 hr[5]
排泄はいせつKidney, 4–10%
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
38396-39-3 チェック
73360-54-0 チェック
ATCコード N01BB01 (WHO)
PubChem CID: 2474
IUPHAR/BPS 2397
DrugBank DB00297 チェック
ChemSpider 2380 チェック
UNII Y8335394RO チェック
KEGG D07552  チェック
ChEBI CHEBI:60789 ×
ChEMBL CHEMBL1098 チェック
化学かがくてきデータ
化学かがくしきC18H28N2O
分子ぶんしりょう288.44 g·mol−1
物理ぶつりてきデータ
融点ゆうてん107 - 108 °C (225 - 226 °F)
テンプレートを表示ひょうじ

ブピバカインえい: Bupivacaine)とは、アミドがた分類ぶんるいされる長時間ちょうじかん作用さようがた局所きょくしょ麻酔ますいやくひとつである[4]商品しょうひんめいマーカインちから毒性どくせいつよいが、てい濃度のうどではひく運動うんどう遮断しゃだん効果こうかたか感覚かんかく遮断しゃだん効果こうか、すなわち分離ぶんり麻酔ますい作用さよう局所きょくしょ麻酔ますいやくくらべてつよい。ちからおなじアミドがた局所きょくしょ麻酔ますいやくであるリドカインの4ばいである[6]区域くいき麻酔ますいでは、麻酔ますい目的もくてき組織そしき支配しはいする神経しんけい周囲しゅうい、または脊柱せきちゅうかんかたまくがい注射ちゅうしゃされる[4]。すなわち、ブピバカインは浸潤しんじゅん麻酔ますい神経しんけいブロックかたまくがい麻酔ますい脊髄せきずいくもまく麻酔ますいなどにもちいられる。作用さよう時間じかんながくするために、少量しょうりょうエピネフリン混和こんわしてもちいると作用さよう持続じぞく時間じかん延長えんちょうする[4]通常つうじょう注入ちゅうにゅう15ふん以内いない作用さようはじめ、2~8あいだ持続じぞくする[4][5]こり副作用ふくさようには、眠気ねむけ筋肉きんにく痙攣けいれん耳鳴みみな視野しや変化へんかてい血圧けつあつ不整脈ふせいみゃくなどがある[4]こう濃度のうどブピバカイン(0.75%)は産科さんか麻酔ますいには禁忌きんきである[7]。ブピバカインは1957ねん発見はっけんされた[8]世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)必須ひっす医薬品いやくひんモデル・リスト[9]収載しゅうさいされている。 ブピバカインはジェネリック医薬品いやくひんとして入手にゅうしゅ可能かのうである[4][10]

適応てきおう[編集へんしゅう]

ブピバカインは局所きょくしょ浸潤しんじゅん末梢まっしょう神経しんけいブロック交感神経こうかんしんけいブロックかたまくがい麻酔ますい仙骨せんこつ麻酔ますい英語えいごばん適応てきおうがある[7]日本にっぽん承認しょうにんされている麻酔ますい方法ほうほうは、かたまくがい麻酔ますい[11]伝達でんたつ麻酔ますい[11]脊髄せきずいくもまく麻酔ますい腰椎ようつい麻酔ますい[11]、となっており、局所きょくしょ浸潤しんじゅんふくまれていない。かたまくがい麻酔ますい伝達でんたつ麻酔ますい最大さいだい投与とうよりょう極量きょくりょう)は体重たいじゅうkgあたり2mgまでとされている[12]血管けっかんへの吸収きゅうしゅうふせ作用さよう時間じかん延長えんちょうするためにエピネフリンと併用へいようされることもある。 海外かいがいでのみ入手にゅうしゅ可能かのうな0.75%(こう濃度のうど)の製剤せいざいたま麻酔ますい英語えいごばん使用しようされる[13]。ブピバカインは陣痛じんつうかたまくがい麻酔ますい無痛むつう分娩ぶんべん)や術後じゅつご疼痛とうつう管理かんりもっと一般いっぱんてき使用しようされてきた局所きょくしょ麻酔ますいやくであった[14]が、すくなくとも日本にっぽんにおいては、より毒性どくせいひく長時間ちょうじかん作用さようせい局所きょくしょ麻酔ますいやくである、レボブピバカインロピバカイン使用しようえてきている。ブピバカインのリポソーム製剤せいざい商品しょうひんめいEXPAREL)は、ブピバカインの通常つうじょう溶液ようえきよりも鎮痛ちんつう効果こうかたかいことがしめされている[15][16](2023ねん現在げんざい日本にっぽんでは承認しょうにん)。

ブピバカインとIがたコラーゲンざい混合こんごうやく(fixed-dose combination: FDC)英語えいごばん商品しょうひんめいザラコール(Xaracoll))は、成人せいじん鼠径そけいヘルニア手術しゅじゅつ英語えいごばん術後じゅつご24あいだまでの術後じゅつご鎮痛ちんつう適応てきおうがある[17][18](2023ねん現在げんざい日本にっぽんでは承認しょうにん)。

ブピバカイン(商品しょうひんめいポジミール(Posimir))は、関節かんせつきょうかたほうしも腔に投与とうよすることで、かがみかたほうじょあつじゅつ英語えいごばんこう72あいだまでの術後じゅつご鎮痛ちんつう効果こうかるために、成人せいじんにおいて適応てきおうがある[19][20](2023ねん現在げんざい日本にっぽんでは承認しょうにん)。なお、Posimirは5mlたんかい投与とうよバイアル中あるちゅうに660mgのブピバカインを含有がんゆうし、濃度のうどは132mg/mLである[21]日本にっぽんでのブピバカイン製剤せいざい最高さいこう濃度のうどは1バイアル20mlちゅうに100mgを含有がんゆうする0.5%(5mg/mL)製剤せいざい[11]であり、これと比較ひかくすると桁違けたちがいにこう濃度のうどこう用量ようりょうである。

かたまくがい麻酔ますいでの使用しよう[編集へんしゅう]

ブピバカインは1980年代ねんだいからかたまくがい麻酔ますい一般いっぱんてきもちいられるようになったが、これはてい濃度のうど使用しようした場合ばあい運動うんどうブロックが軽微けいびでも、十分じゅうぶん感覚かんかくブロックがられるためである(分離ぶんり麻酔ますい[22]反面はんめん、ブピバカインと同様どうよう長時間ちょうじかん作用さようせい局所きょくしょ麻酔ますいやくであるエチドカインではブピバカインほどの分離ぶんり麻酔ますい効果こうか[22]。この特性とくせいは、患者かんじゃ離床りしょうさまたげないので、かたまくがい麻酔ますいによる無痛むつう分娩ぶんべん術後じゅつご鎮痛ちんつうとく有用ゆうようである[22]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいようだか比重ひじゅう製剤せいざいのアンプル

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいへの適応てきおう拡大かくだい[編集へんしゅう]

脊髄せきずいくもまく麻酔ますいようとう比重ひじゅう製剤せいざいアンプル。フルマゼニルのいち製品せいひん(アネキセートTM)のアンプルと酷似こくじしており[23]あやまくすり懸念けねんされる。

日本にっぽんでは、商品しょうひんめいマーカインとして1969ねん販売はんばい開始かいしとなっているが、適応てきおう伝達でんたつ麻酔ますいかたまくがい麻酔ますいかぎられていた[11]局所きょくしょ麻酔ますいやくしゅたる適応てきおうとしては脊髄せきずいくもまく麻酔ますいがあり、テトラカインネオペルカミンSTMなどがもちいられていた。一方いっぽう脊髄せきずいくもまく麻酔ますいもちいたさいすぐれた特性とくせい報告ほうこくされ、1980年代ねんだいから、他国たこく脊髄せきずいくもまく麻酔ますいにももちいられるようになった(米国べいこくでの脊髄せきずいくもまく麻酔ますいへの適応てきおう承認しょうにんは1984ねん[24])。日本にっぽんでも適応てきおう拡大かくだい待望たいぼうされていたが、マーカインは保存ほぞんりょうであるパラベン含有がんゆうし、パラベンのくもまく投与とうよ安全あんぜんせい確立かくりつであることから、長年ながねん適応てきおうがい状況じょうきょうつづいていた[25]。パラベンを含有がんゆうしない脊髄せきずいくもまく麻酔ますい専用せんよう製剤せいざい治験ちけんおこなわれ、適応てきおう拡大かくだいとなったのははつ販後30ねん以上いじょう経過けいかした2000ねんである[25]。なお、投与とうよりょう上限じょうげん20mg(4mL)は、てい血圧けつあつなどの可逆かぎゃくてき有害ゆうがい事象じしょう用量ようりょう増加ぞうかとともにえることから臨床りんしょう試験しけん設定せっていされたものである[26]おな濃度のうどでも、比重ひじゅうことなるとちからことなる。たとえば、おな運動うんどうブロックをるのに必要ひつようりょうこう比重ひじゅう/とう比重ひじゅう = 0.72ととう比重ひじゅうほうちからひく[27]

禁忌きんき[編集へんしゅう]

ブピバカインは、ブピバカインまたはアミドがた局所きょくしょ麻酔ますいやくたいする過敏かびん反応はんのう既往きおう患者かんじゃには禁忌きんきである。 また、静脈じょうみゃくない区域くいき麻酔ますい(Bierブロック)ではターニケット操作そうさ失敗しっぱいによるちゅう濃度のうど上昇じょうしょう産科さんかはた頸管ブロックでも、薬剤やくざい全身ぜんしん吸収きゅうしゅう懸念けねんから、しん停止ていし続発ぞくはつする危険きけんせいがあるため禁忌きんきである。 0.75%製剤せいざいは、蘇生そせい抵抗ていこうせいしん停止ていしとの関連かんれんがあるため、分娩ぶんべんかたまくがい麻酔ますいでは禁忌きんきである[28]かたまくがい麻酔ますいもちいる場合ばあいには、大量たいりょう出血しゅっけつやショック状態じょうたい患者かんじゃ注射ちゅうしゃ部位ぶいやその周辺しゅうへん炎症えんしょうのある患者かんじゃ敗血症はいけつしょう患者かんじゃにも禁忌きんきである[11]脊髄せきずいくもまく麻酔ますいもちいる場合ばあいはさらに、ずいまくえんはいしろ脊髄せきずいえん脊髄せきずいなどの中枢ちゅうすう神経しんけいけい疾患しっかん患者かんじゃ脊椎せきつい結核けっかく脊椎せきついえん転移てんいせい腫瘍しゅようなどの活動かつどうせい疾患しっかんのある患者かんじゃ禁忌きんきとなる[29]

副作用ふくさよう[編集へんしゅう]

局所きょくしょ麻酔ますいやく比較ひかくして、ブピバカインはしるあきらこころ毒性どくせいがある[30]。しかしながら、まさしく投与とうよされていれば薬物やくぶつ有害ゆうがい反応はんのうはまれである。ほとんどの反応はんのうは、注射ちゅうしゃ部位ぶいからの吸収きゅうしゅう促進そくしん偶発ぐうはつてき血管けっかんない注入ちゅうにゅう、または代謝たいしゃ分解ぶんかいおくれによってこされる。 しかし、アレルギー反応はんのうこることもまれにある[28]

臨床りんしょうてき重大じゅうだい有害ゆうがい事象じしょうはブピバカインの血管けっかん経由けいゆでの全身ぜんしん吸収きゅうしゅう起因きいんし、おも中枢ちゅうすう神経しんけいけいおよびこころ血管けっかんけいおかされる。 通常つうじょう血漿けっしょうちゅう濃度のうど比較的ひかくてきひくいときに中枢ちゅうすう神経しんけいけい影響えいきょうされる。 初期しょきには、皮質ひしつ抑制よくせい経路けいろ選択せんたくてき阻害そがいされ、神経しんけい細胞さいぼう興奮こうふん症状しょうじょうこす。 血漿けっしょうちゅう濃度のうどたかくなると、抑制よくせいせい経路けいろ興奮こうふんせい経路けいろ両方りょうほう抑制よくせいされ、中枢ちゅうすう神経しんけいけい抑制よくせいこし、昏睡こんすい状態じょうたいおちいることもある。 血漿けっしょうちゅう濃度のうどたかくなるとこころ血管けっかんけいへの影響えいきょうしょうじるが、こころ血管けっかんけい虚脱きょだつてい濃度のうどでもこりうる[31]中枢ちゅうすう神経しんけいけいへの有害ゆうがい作用さようは、こころ毒性どくせいせまっていることをしめしている可能かのうせいがあり、注意深ちゅういぶか監視かんしすべきである[28]

毒性どくせい副作用ふくさようは、ブピバカインによる脊髄せきずいくもまく麻酔ますいなかにもこりうる。 これらの作用さようには、パレステジア英語えいごばん麻痺まひ呼吸こきゅう呼吸こきゅう抑制よくせい便びん失禁しっきん尿にょう失禁しっきんなどがある[注釈ちゅうしゃく 1]。 さらに、ブピバカインは関節かんせつ腔への持続じぞく注入ちゅうにゅう軟骨なんこつ融解ゆうかい英語えいごばんこすことがある[28]

ブピバカインは、かたまくがい麻酔ますいちゅうあやまって静脈じょうみゃくない投与とうよされたさいすうにん死亡しぼうしゃしている[32]

りょう投与とうよ治療ちりょう[編集へんしゅう]

動物どうぶつ実験じっけん[33][34]では、一般いっぱん入手にゅうしゅ可能かのう静脈じょうみゃくない脂質ししつ乳剤にゅうざいであるイントラリピッド英語えいごばんが、局所きょくしょ麻酔ますいやく過剰かじょう投与とうよ続発ぞくはつするじゅうあつこころ毒性どくせい治療ちりょう有効ゆうこうであることがしめされており、この方法ほうほう成功せいこうしたヒトの症例しょうれい報告ほうこくもある[35][36]。この治療ちりょうをよりひろ普及ふきゅうさせる計画けいかく発表はっぴょうされている[37]

妊産婦にんさんぷ授乳じゅにゅうへの使用しよう[編集へんしゅう]

ブピバカインは胎盤たいばん通過つうかするため、胎児たいじ危険きけん分類ぶんるいCの薬物やくぶつである。 しかし、産科さんか麻酔ますいにおけるせいさんでの使用しよう承認しょうにんされている。 ブピバカインは母乳ぼにゅうなか排泄はいせつされる。 授乳じゅにゅう中止ちゅうしするリスクとブピバカインを中止ちゅうしするリスクについて医療いりょうしゃ患者かんじゃはなうべきである[28]

関節かんせつきょう下手へた術後じゅつごかたかぶと上腕じょうわん関節かんせつ軟骨なんこつ融解ゆうかい[編集へんしゅう]

ブピバカインは軟骨なんこつたいして毒性どくせいがあり、その関節かんせつない注入ちゅうにゅう関節かんせつきょう下手へた術後じゅつごかたかぶと上腕じょうわん関節かんせつ軟骨なんこつ融解ゆうかい英語えいごばんにつながる可能かのうせいがある[38]

薬理やくりがく[編集へんしゅう]

くすり力学りきがく[編集へんしゅう]

ブピバカインは電位でんい依存いぞんせいナトリウムチャネル細胞さいぼうない部分ぶぶん結合けつごうし、神経しんけい細胞さいぼうへのナトリウム流入りゅうにゅう遮断しゃだんすることでだつ分極ぶんきょくふせぐ。 だつ分極ぶんきょくがなければ、疼痛とうつう信号しんごう開始かいし伝導でんどうこらない。

薬物やくぶつ動態どうたいがく[編集へんしゅう]

ブピバカインおよび局所きょくしょ麻酔ますいやく全身ぜんしん吸収きゅうしゅう速度そくどは、投与とうよされる薬物やくぶつ用量ようりょうおよび濃度のうど投与とうよ経路けいろ投与とうよ部位ぶい血管けっかん多寡たか製剤せいざいちゅうエピネフリン有無うむ依存いぞんする[39]さん解離かいり定数ていすうpKaは8.2、蛋白たんぱく結合けつごうりつは95%、分配ぶんぱい係数けいすう346とあぶら溶性ようせい蛋白たんぱく結合けつごうりつたか[12]

化学かがく構造こうぞう[編集へんしゅう]

リドカイン同様どうように、ブピバカインもアミドがた局所きょくしょ麻酔ますいやくである。芳香ほうこうぞくざんもと炭化たんか水素すいそくさりは、以前いぜん局所きょくしょ麻酔ますいやくのようにエステル結合けつごうではなく、アミド結合けつごう結合けつごうしている。 その結果けっか、アミドがた局所きょくしょ麻酔ますいやく安定あんていせいたかく、アレルギー反応はんのうこしにくい。 リドカインとはことなり、ブピバカイン(およびメピバカインロピバカインレボブピバカイン)の末端まったんアミノ部分ぶぶんピペリジンたまきうちふくまれる。すなわち、これらの化合かごうぶつはピペコリルキシリジンと総称そうしょうされる[14]。ブピバカインは光学こうがく異性いせいたいち、ラセミたいとして市販しはんされている[40]光学こうがく分割ぶんかつされてS(-)からだのみとして商品しょうひんされたレボブピバカインはラセミたいのブピバカインやR(+)からだのブピバカインよりもてい毒性どくせいであり、日本にっぽんでは2008ねん発売はつばいされた[40]

社会しゃかい文化ぶんか[編集へんしゅう]

承認しょうにんじょうきょう[編集へんしゅう]

2020ねん9がつ17にち欧州おうしゅう医薬品いやくひんちょう(EMA)の欧州おうしゅう医薬品いやくひん委員いいんかい(CHMP)は、術後じゅつご疼痛とうつう治療ちりょう目的もくてきとした医薬品いやくひんExparelの販売はんばい承認しょうにん推奨すいしょうする肯定こうていてき意見いけん採択さいたくした[41]。この医薬品いやくひん申請しんせいしゃはPacira Irelandしゃである[41]リポソーム製剤せいざいであるExparel liposomalは2020ねん11月に欧州おうしゅう連合れんごう(EU)で医療いりょうようとして承認しょうにんされた[42]

Durectしゃは、ブピバカインの術後じゅつごようなま分解ぶんかいせい放出ほうしゅつ制御せいぎょ薬物やくぶつ送達そうたつシステムを開発かいはつしている。 2010ねんだいIIIしょう臨床りんしょう試験しけん完了かんりょうした[43]じょざいのSAVER-Bupicaineとして上市かみいちされ、かた関節かんせつきょう術後じゅつご疼痛とうつうへの有効ゆうこうせい作為さくいじゅうめくらけんプラセボ対照たいしょう試験しけん証明しょうめいされている[44]

経済けいざい[編集へんしゅう]

ブピバカインはジェネリック医薬品いやくひんとして入手にゅうしゅ可能かのうである[4][10]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ これらの作用さようは、脊髄せきずい全般ぜんぱんへの麻酔ますい作用さようによるもので、この麻酔ますい方法ほうほう付随ふずいする必発てきなもので、一過いっかせいである。ただし、医師いしによる厳重げんじゅう経過けいか観察かんさつ必要ひつようである。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Marcaine- bupivacaine hydrochloride injection, solution Marcaine with epinephrine- bupivacaine hydrochloride and epinephrine bitartrate injection, solution”. DailyMed. 2021ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  2. ^ Sensorcaine MPF- bupivacaine hydrochloride injection, solution”. DailyMed. 2021ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  3. ^ Bupivacaine Use During Pregnancy”. Drugs.com (2020ねん4がつ13にち). 2020ねん9がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i j Bupivacaine Hydrochloride”. The American Society of Health-System Pharmacists. 2015ねん6がつ30にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2015ねん8がつ1にち閲覧えつらん
  5. ^ a b Cambridge textbook of accident and emergency medicine. Cambridge: Cambridge University Press. (1997). p. 194. ISBN 9780521433792. オリジナルの2015-10-05時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151005030600/https://books.google.ca/books?id=m0bNaDhkaukC&pg=PA194 
  6. ^ a b ただしなお, 横山よこやま (2007). かたまくがい麻酔ますいもちいる局所きょくしょ麻酔ますいやく特徴とくちょう. 日本にっぽん臨床りんしょう麻酔ますい学会がっかい 27 (5): 445–455. doi:10.2199/jjsca.27.445. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/27/5/27_5_445/_article/-char/ja/. 
  7. ^ a b Shafiei, Fourutan T.; McAllister, Russell K.; Lopez, Javier (2023), Bupivacaine, StatPearls Publishing, PMID 30422478, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK532883/ 2023ねん7がつ9にち閲覧えつらん 
  8. ^ Pharmacology and physiology for anesthesia : foundations and clinical application. Philadelphia, PA: Elsevier/Saunders. (2013). p. 291. ISBN 9781437716795. オリジナルの2016-05-12時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160512191237/https://books.google.ca/books?id=s8CXrbimviMC&pg=PT306 
  9. ^ World Health Organization model list of essential medicines: 22nd list (2021). Geneva: World Health Organization. (2021). hdl:10665/345533. WHO/MHP/HPS/EML/2021.02 
  10. ^ a b Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2015 Deluxe Lab-Coat Edition. Jones & Bartlett Learning. (2015). p. 22. ISBN 9781284057560 
  11. ^ a b c d e f マーカインちゅう0.125%/マーカインちゅう0.25%/マーカインちゅう0.5%”. www.info.pmda.go.jp. 2023ねん7がつ9にち閲覧えつらん
  12. ^ a b 公益社こうえきしゃだん法人ほうじん日本にっぽん麻酔ますい学会がっかい 2019, p. 126.
  13. ^ Lexicomp. “Bupivacaine (Lexi-Drugs)”. 2014ねん4がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  14. ^ a b c Basics of Anesthesia. Churchill Livingstone. (November 2, 2006) 
  15. ^ “Liposomal bupivacaine versus traditional bupivacaine for pain control after total hip arthroplasty: A meta-analysis”. Medicine 96 (25): e7190. (June 2017). doi:10.1097/MD.0000000000007190. PMC 5484209. PMID 28640101. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5484209/. 
  16. ^ “Local Infiltration Analgesia With Liposomal Bupivacaine Improves Pain Scores and Reduces Opioid Use After Total Knee Arthroplasty: Results of a Randomized Controlled Trial”. The Journal of Arthroplasty 33 (1): 90–96. (January 2018). doi:10.1016/j.arth.2017.07.024. PMID 28802777. 
  17. ^ FDA approval letter”. U.S. Food and Drug Administration (FDA) (2020ねん8がつ28にち). 2020ねん9がつ2にち閲覧えつらん この記事きじには現在げんざいパブリックドメインとなったつぎ出版しゅっぱんぶつからの記述きじゅつふくまれています。
  18. ^ "FDA Approves Xaracoll (bupivacaine HCl) Implant, a Non-opioid, Drug-device Treatment Option for Acute Postsurgical Pain Relief for up to 24 Hours Following Open Inguinal Hernia Repair in Adults" (Press release). Innocoll Pharmaceuticals. 31 August 2020. PR Newswireより2020ねん9がつ2にち閲覧えつらん
  19. ^ https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/appletter/2021/204803Orig1s000ltr.pdf en:Template:Bare URL PDF
  20. ^ "Durect Corporation Announces U.S. FDA Approval of Posimir For Post-Surgical Pain Reduction for up to 72 Hours Following Arthroscopic Subacromial Decompression" (Press release). Durect Corporation. 2 February 2021. PR Newswireより2021ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  21. ^ https://www.facebook.com/Drugscom.+“Posimir Injection: Package Insert” (英語えいご). Drugs.com. 2023ねん7がつ9にち閲覧えつらん
  22. ^ a b c Miller 2007, p. 461.
  23. ^ https://twitter.com/chopper8111362/status/1699983903015268784”. X (formerly Twitter). 2023ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  24. ^ These highlights do not include all the information needed to use BUPIVACAINE SPINAL safely and effectively. See full prescribing information for BUPIVACAINE SPINAL.  BUPIVACAINE SPINAL (bupivacaine hydrochloride in dextrose injection) for subarachnoid injection Initial U.S. Approval: 1984”. dailymed.nlm.nih.gov. 2023ねん8がつ19にち閲覧えつらん
  25. ^ a b 医薬いやくインタビューフォーム マーカインちゅう脊麻よう0.5%とう比重ひじゅう マーカインちゅう脊麻よう0.5%こう比重ひじゅう”. サンド株式会社かぶしきがいしゃ. 2023ねん8がつ19にち閲覧えつらん
  26. ^ アストラゼネカ株式会社かぶしきがいしゃ 2010, p. 215.
  27. ^ Parums, Dinah V. (2023-08-01). “Editorial: First Regulatory Approval for Allogeneic Pancreatic Islet Beta Cell Infusion for Adult Patients with Type 1 Diabetes Mellitus” (英語えいご). Medical Science Monitor 29. doi:10.12659/MSM.941918. ISSN 1643-3750. PMC PMC10403990. PMID 37525584. https://www.medscimonit.com/abstract/index/idArt/941918. 
  28. ^ a b c d e f g Bupivacaine (Lexi-Drugs)”. 2014ねん4がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  29. ^ マーカインちゅう脊麻よう0.5%とう比重ひじゅう/マーカインちゅう脊麻よう0.5%こう比重ひじゅう”. www.info.pmda.go.jp. 2023ねん7がつ9にち閲覧えつらん
  30. ^ “[Cardiotoxicity of local anesthetics]”. Cahiers d'Anesthésiologie 41 (6): 589–598. (1993). PMID 8287299. 
  31. ^ Australian Medicines Handbook. Adelaide. (2006). ISBN 978-0-9757919-2-9 
  32. ^ Filipino nurse dies in UK due to wrong use of anaesthetic”. ABS-CBN Interactive (2014ねん1がつ28にち). 2007ねん7がつ9にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  33. ^ “Pretreatment or resuscitation with a lipid infusion shifts the dose-response to bupivacaine-induced asystole in rats”. Anesthesiology 88 (4): 1071–1075. (April 1998). doi:10.1097/00000542-199804000-00028. PMID 9579517. 
  34. ^ “Lipid emulsion infusion rescues dogs from bupivacaine-induced cardiac toxicity”. Regional Anesthesia and Pain Medicine 28 (3): 198–202. (2003). doi:10.1053/rapm.2003.50041. PMID 12772136. 
  35. ^ “Successful use of a 20% lipid emulsion to resuscitate a patient after a presumed bupivacaine-related cardiac arrest”. Anesthesiology 105 (1): 217–218. (July 2006). doi:10.1097/00000542-200607000-00033. PMID 16810015. 
  36. ^ “Successful resuscitation of a patient with ropivacaine-induced asystole after axillary plexus block using lipid infusion”. Anaesthesia 61 (8): 800–801. (August 2006). doi:10.1111/j.1365-2044.2006.04740.x. PMID 16867094. 
  37. ^ “Lipid emulsion to treat overdose of local anaesthetic: the gift of the glob”. Anaesthesia 61 (2): 107–109. (February 2006). doi:10.1111/j.1365-2044.2005.04494.x. PMID 16430560. 
  38. ^ “Articular cartilage and local anaesthetic: A systematic review of the current literature”. Journal of Orthopaedics 12 (Suppl 2): S200–S210. (December 2015). doi:10.1016/j.jor.2015.10.005. PMC 4796530. PMID 27047224. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4796530/. 
  39. ^ bupivacaine hydrochloride (Bupivacaine Hydrochloride) injection, solution”. FDA. 2014ねん4がつ21にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  40. ^ a b 山蔭やまかげ道明みちあき (2009). あたらしい局所きょくしょ麻酔ますいやくレボブピバカイン概要がいよう. 日本にっぽん臨床りんしょう麻酔ますい学会がっかい 29: 275-289. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/29/3/29_3_275/_pdf. 
  41. ^ a b Exparel: Pending EC decision”. European Medicines Agency (EMA) (2020ねん9がつ17にち). 2020ねん9がつ21にち閲覧えつらん Text was copied from this source which is © European Medicines Agency. Reproduction is authorized provided the source is acknowledged.
  42. ^ Exparel liposomal EPAR”. European Medicines Agency (EMA) (2020ねん9がつ15にち). 2020ねん12月11にち閲覧えつらん
  43. ^ Bupivacaine Effectiveness and Safety in SABER Trial (BESST)”. ClinicalTrials.gov (2010ねん1がつ20日はつか). 2011ねん12月27にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん3がつ1にち閲覧えつらん
  44. ^ Ekelund, Anders; Peredistijs, Andrejs; Grohs, Josef; Meisner, Jon; Verity, Neil; Rasmussen, Sten (2022-05-01). “SABER-Bupivacaine Reduces Postoperative Pain and Opioid Consumption After Arthroscopic Subacromial Decompression: A Randomized, Placebo-Controlled Trial”. Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons. Global Research & Reviews 6 (5): e21.00287. doi:10.5435/JAAOSGlobal-D-21-00287. ISSN 2474-7661. PMID 35584248. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35584248/. 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • アストラゼネカ株式会社かぶしきがいしゃ『マーカインちゅう脊麻よう0.5%等比とうひおもおよびマーカインちゅう脊麻よう0.5%とう比重ひじゅうかんする資料しりょう』アストラゼネカ株式会社かぶしきがいしゃ、2010ねん9がつ3にち 
  • 公益社こうえきしゃだん法人ほうじん日本にっぽん麻酔ますい学会がっかいV 局所きょくしょ麻酔ますいやく」『麻酔ますいやくおよび麻酔ますい関連かんれんやく使用しようガイドライン』(だい3はんだい4てい公益社こうえきしゃだん法人ほうじん日本にっぽん麻酔ますい学会がっかい、2019ねん5がつ28にちhttps://anesth.or.jp/files/pdf/local_anesthetic_20190905.pdf 
  • Miller, Ronald ちょ武田たけだ純三じゅんぞう わけ『ミラー麻酔ますい科学かがく』メディカルサイエンスインターナショナル、2007ねん4がつ1にちISBN 9784895924658 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • Bupivacaine” (英語えいご). PubChem. U.S. National Library of Medicine. 2023ねん7がつ9にち閲覧えつらん - ブピバカインの特性とくせいについて詳述しょうじゅつされている。