ジュアン (オングト部ぶ)

ジュアン（モンゴル語ご: J̌u’an,中国ちゅうごく語ご: 朮うけら安やす,? - 1313年ねん）は、14世紀せいき初頭しょとうに大だい元もとウルスに仕つかえたテュルク系けいオングト部族ぶぞく長ちょう。『元もと史し』などの漢文かんぶん史料しりょうでは朮うけら安やす(zhúān)と記しるされる。

オングト人じんは代々だいだいネストリウス派はキリスト教きりすときょうの教徒きょうとであったが、ジュアンの父ちちコルギスはモンテ・コルヴィノの布教ふきょうによりカトリックに改宗かいしゅうした。その際さい、モンテ・コルヴィノの本名ほんみょう「ジョヴァンニ(聖人せいじんヨハネに由来ゆらいしするイタリア語ご名めい)」にあやかって「ジュアン」と名付なづけられたという^[1]。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ジュクナンはチンギス・カンに投降とうこうしたオングト部ぶ族長ぞくちょうアラクシ・ディギト・クリの4世せい孫まご高こう唐王とうのうコルギスの息子むすこに当あたる。13世紀せいき末まつにオングト部ぶ族長ぞくちょうの地位ちいを継承けいしょうしたコルギスは文武両道ぶんぶりょうどうに長たけた優秀ゆうしゅうな人材じんざいであったが、カイドゥ・ウルスとの戦たたかいで捕虜ほりょになってしまい、カイドゥに投降とうこうすることを拒否きょひしたために遂ついに釈放しゃくほうされることなく亡なくなってしまった^[2]。

コルギスが捕虜ほりょとなった時とき、息子むすこのジュアンは未いまだ幼おさなかったため、代かわりにコルギスの弟おとうとジュクナンが1299年ねん(大徳だいとく3年ねん)に地位ちいを継承けいしょうすることとなった^[3]。ジュクナンもまたコルギスに劣おとらず文武ぶんぶに長たけた人材じんざいで、兄あにの事業じぎょうをよく守まもりオングト部ぶの統治とうちを安定あんていさせた。ジュクナンは兄あにの遺児いじであるジュアンを自みずからの息子むすこ以上いじょうに可愛かわいがり、その教育きょういくに大おおきく力ちからを注そそいだだけでなく兄あにの遺産いさんをよく守まもって成長せいちょう後ごに欠かけることなく引ひき渡わたしたという。1309年ねん(至大しだい2年ねん)、新あらたに即位そくいしたクルク・カーン(武たけ宗はじめカイシャン)の政策せいさくによってジュクナンは最高さいこうランクの趙ちょう王おうとされたが、翌よく1310年ねん(至大しだい3年ねん)には趙ちょう王おうの地位ちいをすぐにジュアンに譲ゆずってしまった^[4]。

新あらたにオングト部ぶ当主とうしゅとなったジュアンは始祖しそアラクシ以来いらいの伝統でんとうとして晋すすむ王おうカマラの娘むすめを娶めとり、キュレゲン(婿むこ)と称しょうした。ある日ひ、ジュアンは王おう博ひろしのトゴンと司馬しばの阿おもね昔むかし思おもえを呼よんで「先王せんおう(コルギス)は旅先たびさきの荒あら遠とおの地ちで亡なくなったが、神霊しんれいの加護かごはあるだろうか。願ねがいわくばお上かみの助たすけを得えて父ちちの遺体いたいを取とり戻もどして先祖せんぞ代々だいだいの墓地ぼちに葬ほうむりたいものだ」と語かたったという。トゴンらがこの言葉ことばを知ち院いんを通つうじてクルク・カーンを伝つたえたところ、クルク・カーンは「ジュアンはまさに孝子こうし」であると称賛しょうさんしてコルギスの遺体いたいを取とり戻もどす事業じぎょうを支援しえんするよう命めいじた。このようにコルギスの遺体いたいの回収かいしゅうが行おこなえるようになったのは、即位そくい前まえのクルク・カーンの活躍かつやくによってカイドゥ・ウルスが解体かいたいし中央ちゅうおうアジア方面ほうめんへの旅行りょこうが容易よういになったためと考かんがえられている^[5]。

こうしてトゴンの息子むすこシクトゥル、ジャルグチのエセンら19人にんはジャムチ(駅伝えきでん)を乗のり継ついでコルギスの埋葬まいそう地ちに赴おもむき、現地げんちで駐屯ちゅうとんするオチチェルやトガチ・バートルの軍団ぐんだんの護衛ごえいを得えて一いち行ぎょうは目的もくてき地ちに辿たどり着ついた。掘ほり返かえしたコルギスの遺体いたいはまだ生いきているかのようであり、一いち行ぎょうは遺体いたいを連つれて帰かえって先祖せんぞ代々だいだいの墓地ぼちに改あらためて葬ほうむった^[6]。

これ以後いごのジュアンの事績じせきについてはほとんど知しられていないが、1312年ねん(皇すめらぎ慶けい元年がんねん)を最後さいごに史料しりょう上じょうに名前なまえが見みえなくなること^[7]、1314年ねん(皇すめらぎ慶けい3年ねん/延のべ祐ゆう元年がんねん)に新あらたな趙ちょう王おうが立たっていること^[8]などから、1312年ねん〜1314年ねん頃ごろに亡なくなったものと見みられる^[9]。

オングト駙馬王家おうけ[編集へんしゅう]

ビヌイ（Binui ＞Bīnūīبینوی）…アラクシの兄あに
- 北平きたひら王おうセングン（Senggün ＞鎮国/zhènguó,شنکوی/Shankūī）
  - 北平きたひら王おうネグデイ（Negüdei ＞聶古台だい/niègŭtái,اونکودای/Unkūdāī）
高こう唐王とうのうアラクシ・ディギト・クリ（Alaqši Digid Quri ＞阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと/ālàwùsītījíhūlǐ,اولاقوش تیکین قوری/Ūlāqūsh Tīkīn Qūrī）
- 高こう唐王とうのうブヤン・シバン（Buyan Šiban ＞不ふ顔かお昔むかし班はん/bùyánxībān）
  - 高こう唐王とうのうボヨカ（Boyoqa ＞孛要合あい/bóyàohé）
    - 高こう唐王とうのうクン・ブカ（Kün Buqa ＞君くん不ふ花はな/jūnbùhuā）
      - ナンギャダイ（Nangiadai ＞嚢加䚟/nángjiādǎi）
      - コリンチェク（Kölinček ＞邱隣察/qiūlínchá）
      - アントン（Antong ＞安やす童わらわ/āntóng）
    - アイ・ブカ（Ai Buqa ＞愛あい不ふ花はな/àibùhuā,ایبوقا/Āībūqā）
      - 高こう唐王とうのうコルギス（Körgis ＞闊里吉きち思おもえ/kuòlǐjísī,ایبوقا/Āībūqā）
        高こう唐王とうのうジュアン（J̌u’an ＞朮うけら安やす/zhúān）
      - エセン・カイミシュ（Esen Qaimiš ＞也先海うみ迷失/yĕxiānhǎimíshī）
      - アリバダイ（Aribadai ＞阿おもね里さと八はち䚟/ālǐbādǎi）
      - 高こう唐王とうのうジュクナン（J̌uqunan ＞朮うけら忽ゆるがせ難なん/zhúhūnán）
    - ジョリグ・ブカ（J̌oliγがんま Buqa ＞拙つたな里さと不ふ花はな/zhuōlǐbùhuā）
      - クシュタン（Quštanz ＞火ひ思おもえ丹に/huŏsīdān）

趙ちょう国こく公主こうしゅ[編集へんしゅう]

趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅアラカイ・ベキ(Alaqai begi,阿おもね剌海別べつ吉きち／Alāqāī Bīkīالاقای بیکی)…太ふとし祖そチンギス・カンの娘むすめで、アラクシらに嫁とつぐ
トゥムゲン公主こうしゅ(Tümügen,独どく木き干ひ)…睿宗トゥルイの娘むすめで、北平きたひら王おうネグデイに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅユレク(Yürek,月つき烈れつ)…世よ祖そクビライの娘むすめで、ボヨカの息子むすこ趙ちょう武たけ襄じょう王おうアイ・ブカに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅイェルミシュ(Yelmiš,葉は里さと迷失)…定宗さだむねグユクの娘むすめで、ボヨカの息子むすこ趙ちょう忠ただし襄じょう王おうクン・ブカに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅクダドミシュ(Qudadmiš,忽ゆるがせ答こたえ迭迷失しつ)…裕ひろし宗そうチンキムの娘むすめで、ブトゥの息子むすこ趙ちょう忠ただし献けんじ王おうコルギスに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅアイヤシュリ(Aiyaširi,愛あい牙きば失しつ里さと)…成なる宗むねテムルの娘むすめで、クダドミシュの死後しごコルギスに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅイリンチン(Irinǰin,亦また憐真)…クン・ブカの息子むすこ忠ちゅう烈れつ王おうナンギャダイに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅウイグル(Uyiγがんまur,回かい紇)…クン・ブカの息子むすこ趙ちょう康やすし禧王コリンチェクに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅアシ・クトゥルク(Asiqutuluq,阿おもね失しつ禿かぶろ魯)…アイ・ブカの息子むすこ鄃忠襄じょう王おうジュクナンに嫁とつぐ
趙ちょう国大こくだい長ちょう公主こうしゅスゲバラ(Sugabala,速はや哥八剌)…ナンギャダイの息子むすこ趙ちょう王おうマジャルカンに嫁とつぐ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ 高田たかだ2019,584頁ぺーじ
^ 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「敵てき誘さそえ使し降くだ、惟おもんみ正せい言げん不屈ふくつ、又また欲よく以女妻つま之の、闊里吉きち思おもえ毅然きぜん曰『我わが帝みかど婿むこ也、非ひ帝みかど後ご面めん命いのち、而再娶めと可か乎』。敵てき不ふ敢逼。帝みかど嘗遣其家臣かしん阿おもね昔むかし思おもえ特使とくし敵てき境さかい、見み於人衆しゅ中ちゅう、闊里吉きち思おもえ一見輒問両宮安否、次じ問とい嗣子しし何なん如、言げん未み畢、左右さゆう即そく引其去。明日あした、遣や使者ししゃ還かえ、不ふ復ふく再さい見み、竟不屈ふくつ死し焉」
^ 『元もと史し』巻まき20成なり宗むね本紀ほんぎ3,「［大徳だいとく三さん年ねん］十二月じゅうにがつ己おのれ酉とり……賜たまもの諸王しょおう朮うけら忽ゆるがせ難なん銀ぎん印しるし」
^ 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「子こ朮うけら安やす幼よう、詔みことのり以弟朮うけら忽ゆるがせ難なん襲かさね高だか唐王とうのう。朮うけら忽ゆるがせ難なん才識さいしき英えい偉えら、謹守成業せいぎょう、撫なで民みん禦衆、境内けいだい乂安。痛つう其兄死し節ぶし、遣や使つかい如京師し、表おもて請恤典てん、又また請翰林りん承うけたまわ旨むね閻復銘めいじ諸しょ石いし。教養きょうよう朮うけら安やす過か於己子こ、命いのち家臣かしん之の謹厚きんこう者しゃ掌てのひら其兄之の珍ちん服ふく秘ひ玩、待まち朮うけら安やす成立せいりつ、悉以付づけ之の。至大しだい二に年ねん、朮うけら忽ゆるがせ難なん加か封ふう趙ちょう王おう、即そく以譲朮うけら安やす」
^ 周しゅう2001,78-81頁ぺーじ
^ 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「三さん年ねん、朮うけら安やす襲かさね趙ちょう王おう、尚なお晋すすむ王女おうじょ阿おもね剌的納おさめ八はち剌公主ぬし。一いち日にち、召王傅でん脱だつ歓・司馬しば阿おもね昔むかし思おもえ謂いい曰『先王せんおう旅たび殯卜羅ら、荒あら遠とお之これ地ち、神霊しんれい将はた何なに依よ、吾われ痛心つうしん欲ほし無む生せい、若わか請於上じょう、得とく帰き葬そう先さき塋、瞑目めいもく無む憾矣』。二人言之知枢密院事也里吉尼以聞、帝みかど嗟悼久之ひさゆき、曰『朮うけら安やす孝子こうし也』。即そく賜たまもの阿おもね昔むかし思おもえ黄金おうごん一いち瓶びん、得とく脱だつ歡之子こ失しつ忽ゆるがせ都と魯・王おう傅でん朮うけら忽ゆるがせ難なん之子ゆきこ阿おもね魯忽都と・断だん事ごと官かん也先等とう一いち十じゅう九きゅう人にん、乗じょう駅えき以往いおう、復ふく賜たまもの従者じゅうしゃ鈔五百ひゃく貫かん。淇陽王おう月がつ赤あか察児・丞相じょうしょう脱だつ禾出八はち都と魯差兵へい五ご百ひゃく人にん、護まもる其行至いたり殯所、奠告啓けい視し、屍体したい如生、遂とげ得え帰き葬そう」
^ 『元もと史し』巻まき24仁じん宗むね本紀ほんぎ1,「［皇すめらぎ慶けい元年がんねん夏なつ四よん月がつ］辛からし未み…趙ちょう王おう汝なんじ安やす郡ぐん告つげ饑ひだる、賑にぎわい糧かて八はち百ひゃく石せき」
^ 『元もと史し』巻まき108表ひょう3諸王しょおう表ひょう,「趙ちょう王おう；阿おもね魯禿□□、延のべ祐ゆう元年がんねん封ふう」
^ 周しゅう2001,81頁ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

高田たかだ英樹ひでき『原典げんてん中世ちゅうせいヨーロッパ東方とうほう記き』名古屋大学出版会なごやだいがくしゅっぱんかい、2019年ねん
志茂しも碩せき敏さとし『モンゴル帝国ていこく史し研究けんきゅう正篇せいへん』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2013年ねん
周しゅう清きよし樹じゅ『元もと蒙こうむ史し札さつ』内ない蒙こうむ古こ大学だいがく出版しゅっぱん社しゃ、2001年ねん

『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5
『元もと史し』巻まき116列伝れつでん13
『蒙こうむ兀児史記しき』巻まき23列伝れつでん5

[1] 高田たかだ2019,584頁ぺーじ

[2] 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「敵てき誘さそえ使し降くだ、惟おもんみ正せい言げん不屈ふくつ、又また欲よく以女妻つま之の、闊里吉きち思おもえ毅然きぜん曰『我わが帝みかど婿むこ也、非ひ帝みかど後ご面めん命いのち、而再娶めと可か乎』。敵てき不ふ敢逼。帝みかど嘗遣其家臣かしん阿おもね昔むかし思おもえ特使とくし敵てき境さかい、見み於人衆しゅ中ちゅう、闊里吉きち思おもえ一見輒問両宮安否、次じ問とい嗣子しし何なん如、言げん未み畢、左右さゆう即そく引其去。明日あした、遣や使者ししゃ還かえ、不ふ復ふく再さい見み、竟不屈ふくつ死し焉」

[3] 『元もと史し』巻まき20成なり宗むね本紀ほんぎ3,「［大徳だいとく三さん年ねん］十二月じゅうにがつ己おのれ酉とり……賜たまもの諸王しょおう朮うけら忽ゆるがせ難なん銀ぎん印しるし」

[4] 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「子こ朮うけら安やす幼よう、詔みことのり以弟朮うけら忽ゆるがせ難なん襲かさね高だか唐王とうのう。朮うけら忽ゆるがせ難なん才識さいしき英えい偉えら、謹守成業せいぎょう、撫なで民みん禦衆、境内けいだい乂安。痛つう其兄死し節ぶし、遣や使つかい如京師し、表おもて請恤典てん、又また請翰林りん承うけたまわ旨むね閻復銘めいじ諸しょ石いし。教養きょうよう朮うけら安やす過か於己子こ、命いのち家臣かしん之の謹厚きんこう者しゃ掌てのひら其兄之の珍ちん服ふく秘ひ玩、待まち朮うけら安やす成立せいりつ、悉以付づけ之の。至大しだい二に年ねん、朮うけら忽ゆるがせ難なん加か封ふう趙ちょう王おう、即そく以譲朮うけら安やす」

[5] 周しゅう2001,78-81頁ぺーじ

[6] 『元もと史し』巻まき118列伝れつでん5阿おもね剌兀思おもえ剔吉忽ゆるがせ里さと伝でん,「三さん年ねん、朮うけら安やす襲かさね趙ちょう王おう、尚なお晋すすむ王女おうじょ阿おもね剌的納おさめ八はち剌公主ぬし。一いち日にち、召王傅でん脱だつ歓・司馬しば阿おもね昔むかし思おもえ謂いい曰『先王せんおう旅たび殯卜羅ら、荒あら遠とお之これ地ち、神霊しんれい将はた何なに依よ、吾われ痛心つうしん欲ほし無む生せい、若わか請於上じょう、得とく帰き葬そう先さき塋、瞑目めいもく無む憾矣』。二人言之知枢密院事也里吉尼以聞、帝みかど嗟悼久之ひさゆき、曰『朮うけら安やす孝子こうし也』。即そく賜たまもの阿おもね昔むかし思おもえ黄金おうごん一いち瓶びん、得とく脱だつ歡之子こ失しつ忽ゆるがせ都と魯・王おう傅でん朮うけら忽ゆるがせ難なん之子ゆきこ阿おもね魯忽都と・断だん事ごと官かん也先等とう一いち十じゅう九きゅう人にん、乗じょう駅えき以往いおう、復ふく賜たまもの従者じゅうしゃ鈔五百ひゃく貫かん。淇陽王おう月がつ赤あか察児・丞相じょうしょう脱だつ禾出八はち都と魯差兵へい五ご百ひゃく人にん、護まもる其行至いたり殯所、奠告啓けい視し、屍体したい如生、遂とげ得え帰き葬そう」

[7] 『元もと史し』巻まき24仁じん宗むね本紀ほんぎ1,「［皇すめらぎ慶けい元年がんねん夏なつ四よん月がつ］辛からし未み…趙ちょう王おう汝なんじ安やす郡ぐん告つげ饑ひだる、賑にぎわい糧かて八はち百ひゃく石せき」

[8] 『元もと史し』巻まき108表ひょう3諸王しょおう表ひょう,「趙ちょう王おう；阿おもね魯禿□□、延のべ祐ゆう元年がんねん封ふう」

[9] 周しゅう2001,81頁ぺーじ

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