ジョン・サマーズ (初代しょだいサマーズ男爵だんしゃく)

サマーズ男爵だんしゃくジョン・サマーズ（ゴドフリー・ネラー画が）

サマーズ男爵だんしゃくジョン・サマーズ（John Somers, Baron Somers, PC, FRS, 1651年ねん3月4日にち - 1716年ねん4月がつ26日にち）は、イギリスの貴族きぞく・政治せいじ家か。弁護士べんごしから政治せいじ家かに転身てんしん、イギリスの指導しどう者しゃ層そうにまで上のぼり詰つめた。

生涯しょうがい

1651年ねん、ウスターシャーで同名どうめいの弁護士べんごしジョン・サマーズの息子むすことして生うまれた。ウォルソールのグラマースクール、オックスフォおっくすふぉード大学どだいがくのトリニティ・カレッジを出でてミドル・テンプルで法律ほうりつを勉強べんきょう、1676年ねんに弁護士べんごしに就職しゅうしょくした。

政治せいじ家かではなかったがホイッグ党とうと親密しんみつになり王位おうい排除はいじょ法案ほうあんを支援しえん、1688年ねんにイングランド王おうジェームズ2世せいの信仰しんこう自由じゆう宣言せんげんに反対はんたいして投獄とうごくされた7人にんの主教しゅきょう裁判さいばんでは弁護べんごに努つとめ注目ちゅうもくされた。同年どうねんに名誉めいよ革命かくめいが起おこりジェームズ2世せいが逃亡とうぼう、新あらたに即位そくいしたウィリアム3世せい・メアリー2世せい夫妻ふさいに忠誠ちゅうせいを誓ちかい、翌よく1689年ねんに法案ほうあん作成さくせい委員いいん会かいに属ぞくして権利けんり章典しょうてんの起草きそうに尽力じんりょくした。また、ジェームズ2世せいが退位たいいしてウィリアム3世せい・メアリー2世せいが即位そくいしたとする下院かいんの宣言せんげんを掲かかげ革命かくめいの正当せいとう性せいを主張しゅちょう、反対はんたいする上院じょういんを納得なっとくさせて両者りょうしゃの即位そくいに貢献こうけんした。

これらの功績こうせきが認みとめられ、法務ほうむ次長じちょう職しょくを与あたえられ政界せいかいに進出しんしゅつ、1692年ねんに法務ほうむ総裁そうさいに昇進しょうしん、翌よく1693年ねんには国璽尚書こくじしょうしょに任命にんめいされた。そしてホイッグ党とう中心ちゅうしんの政権せいけん（ジャントー）が誕生たんじょうするとその一員いちいんに選えらばれ、1695年ねんからウィリアム3世せい不在ふざいのイングランド国政こくせいを任まかされるメンバーの1人ひとりにまでなった。同年どうねんの銀貨ぎんか改鋳かいちゅう問題もんだいではジョン・ロックやアイザック・ニュートン、同おなじジャントーのハリファックス伯はくチャールズ・モンタギューらと共ともに取とり組くみ、1697年ねんにウィリアム3世せいから男爵だんしゃくに叙じょせられ大だい法官ほうかんに転任てんにんした。また、1698年ねんから1703年ねんまで王立おうりつ協会きょうかいの会長かいちょうも務つとめた。

しかし、トーリー党とうが議会ぎかいで勢力せいりょくを伸のばすと批判ひはんにさらされ、私わたし掠かすめ船せん船長せんちょうキャプテン・キッドへの出資しゅっし及およびキッドの海賊かいぞく化かに対たいする責任せきにん追及ついきゅう、スペイン領土りょうど相続そうぞく問題もんだいに絡からみウィリアム3世せいとフランスの極秘ごくひ交渉こうしょうに協力きょうりょくしていたことを非難ひなんされ1700年ねんに大だい法官ほうかんを罷免ひめん、翌よく1701年ねんに弾劾だんがい裁判さいばんを受うけた（裁判さいばんは中止ちゅうし、罪つみに問とわれずに終おわる）。1702年ねんにウィリアム3世せいが亡なくなりアンが即位そくいすると政権せいけんから遠とおざけられたが、1706年ねんにスコットランドとイングランドの合同ごうどう交渉こうしょう委員いいんに選えらばれ批准ひじゅんにこぎつけ、1708年ねんに枢密院すうみついん議長ぎちょうとして与党よとうに復帰ふっき、アンの信頼しんらいを得えて相談役そうだんやくとして政治せいじに携たずさわった。

1710年ねん、トーリー党とうのロバート・ハーレーとヘンリー・シンジョンらに政権せいけんを奪うばわれると枢密院すうみついん議長ぎちょうを辞任じにんして再度さいど下野げや、1714年ねんにアンが死去しきょ、遠縁とおえんのジョージ1世せいが即位そくいしてハーレーらが失脚しっきゃくすると無任所むにんしょ大臣だいじんに選えらばれ、2年ねん後ごの1716年ねんに65歳さいで亡なくなった。独身どくしんで子供こどもが無ないためサマーズ男爵だんしゃく位いは1代だいで消滅しょうめつしたが、姉妹しまいメアリーはチャールズ・コックスと結婚けっこん、1784年ねんに2人ふたりの孫まごである大だい甥おいのチャールズ・コックスが新設しんせつの形かたちでサマーズ男爵だんしゃくに叙じょせられた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 友清ともきよ理り士し『イギリス革命かくめい史し（下した）』研究けんきゅう社しゃ、2004年ねん。
• 松村まつむら赳たけし・富田とみた虎男とらお編へん『英えい米べい史し辞典じてん』P700、研究けんきゅう社しゃ、2000年ねん。
• 友清ともきよ理り士し『スペイン継承けいしょう戦争せんそう マールバラ公こう戦記せんきとイギリス・ハノーヴァー朝あさ誕生たんじょう史し』彩いろどり流りゅう社しゃ、2007年ねん。

司法しほう職しょく
先代せんだい サー・ジョージ・トレビー	法務ほうむ次長じちょう 1689年ねん - 1692年ねん	次代じだい サー・トマス・トレヴァー
先代せんだい サー・ジョージ・トレビー	法務ほうむ総裁そうさい 1692年ねん - 1693年ねん	次代じだい サー・エドワード・ワード
公職こうしょく
先代せんだい 委員いいん会かい制せい	国璽尚書こくじしょうしょ 1693年ねん - 1697年ねん	次代じだい サー・ネイサン・ライト （国璽尚書こくじしょうしょ）
	大だい法官ほうかん 1697年ねん - 1700年ねん
先代せんだい ペンブルック伯はく	枢密院すうみついん議長ぎちょう 1708年ねん - 1710年ねん	次代じだい ロチェスター伯はく
名誉めいよ職しょく
先代せんだい プリマス伯はく	ウスターシャー治安ちあん判事はんじ 1715年ねん - 1716年ねん	次代じだい パーカー男爵だんしゃく
イングランドの爵位しゃくい
先代せんだい 新設しんせつ	サマーズ男爵だんしゃく 1697年ねん - 1716年ねん	次代じだい 消滅しょうめつ