ジョン・シンガー・サージェント

ジョン・シンガー・サージェント John Singer Sargent
ウフィツィ美術館びじゅつかんにあるジョン・シンガー・サージェントの自画じが像ぞう（1906年ねん）
誕生たんじょう日び	(1856-01-12) 1856年ねん1月がつ12日にち
出生しゅっしょう地ち	トスカーナ大公たいこう国こく、フィレンツェ
死没しぼつ年ねん	1925年ねん4月がつ14日にち(1925-04-14)（69歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち	イギリスイギリス、ロンドン
国籍こくせき	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
芸術げいじゅつ分野ぶんや	絵画かいが
教育きょういく	エコール・デ・ボザール（パリ）
代表だいひょう作さく	『マダムXの肖像しょうぞう』 『エル・ハレオ』 『エドワード・D・ボイトの娘むすめたち』 『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』 『ロクノーのレディ・アグニュー』
影響えいきょうを受うけた 芸術げいじゅつ家か	カロリュス＝デュラン, レオン・ボナ, ディエゴ・ベラスケス

ジョン・シンガー・サージェント（John Singer Sargent, 1856年ねん1月がつ12日にち - 1925年ねん4月がつ14日にち）は、19世紀せいき後半こうはんから20世紀せいき前半ぜんはんのアメリカの画家がか。フランスで美術びじゅつ教育きょういくを受うけ、おもにロンドンとパリで活動かつどうした。上流じょうりゅう社交しゃこう界かいの人々ひとびとを描えがいた優雅ゆうがな肖像しょうぞう画がで知しられる。

生涯しょうがい

サージェントは1856年ねん、アメリカ人じん医師いしの子ことしてトスカーナ大公たいこう国こくのフィレンツェに生うまれ、少年しょうねん時代じだいをイタリアで過すごしている。12歳さいの1868年ねんから1869年ねんにかけて、ローマでドイツ系けいアメリカ人じんのカール・ヴェルシュという画家がかのアトリエに通かよい、絵えを学まなんだ。1870年ねんには故郷こきょうのフィレンツェに戻もどり、アカデミア・デッレ・ベッレ・アルティに通かよっている。1874年ねん、18歳さいの時ときにはパリに出でて、カロリュス＝デュランに師事しじするとともに、エコール・デ・ボザール (官立かんりつ美術びじゅつ学校がっこう) にも通かよっている。こうしてアカデミックな美術びじゅつ教育きょういくを受うけた彼かれは1877年ねんからサロン・ド・パリ（官かん展てん）に出品しゅっぴんするようになる。1874年ねんから1879年ねんまでデュランのもとで修業しゅぎょうした後のち、イタリア、スペインを旅行りょこう。この間あいだ、特とくにベラスケスの影響えいきょうを受うける。

サージェントは、1884年ねん、パリのサロンに出品しゅっぴんした『マダムXの肖像しょうぞう』という肖像しょうぞう画が（ニューヨーク、メトロポリタン美術館びじゅつかん蔵くら）によってスキャンダルにまきこまれることとなる。この肖像しょうぞう画がは当初とうしょ『・・夫人ふじんの肖像しょうぞう』という題名だいめいで発表はっぴょうされたものだが、明あきらかに当時とうじの実在じつざいの女性じょせいであるゴートロー夫人ふじん（アメリカ出身しゅっしんで、フランス人じん銀行ぎんこう家かのピエール・ゴートローと結婚けっこんした）を描えがいたものであると見みなされた。この絵えは人妻ひとづまを描えがいたものとしてはあまりにも官能かんのう的てきであり品しながないとして、当時とうじの批評ひひょう家かから非難ひなんされたのである。サージェントが翌よく1885年ねん、パリを離はなれてロンドンに居きょを構かまえたのは、この絵えをめぐるスキャンダルから逃にげるためであったといわれる。

ロンドンに落おち付ついた彼かれは、同地どうちでも肖像しょうぞう画家がかとしての地歩ちほを固かためた。ロンドンのロイヤル・アカデミーにはすでに1882年ねんから出品しゅっぴんしており、1897年ねんには同どうアカデミー正会員せいかいいんとなっている。この間あいだ、1891年ねんにはボストン公共こうきょう図書館としょかんの壁画へきが制作せいさくを開始かいしするなど、父ちちの祖国そこくアメリカの文化ぶんかにも貢献こうけんしている。また、1887年ねんにはパリ近郊きんこうのジヴェルニーで制作せいさくしていた印象派いんしょうはの巨匠きょしょうモネを訪問ほうもんしている。

サージェントは1905年ねん頃ごろからほぼ毎年まいとしアメリカを訪問ほうもんしており、1916年ねんにはボストン美術館びじゅつかんのロトンダ（円形えんけい大だいホール）の天井てんじょう画が制作せいさくを依よ嘱しょくされている。彼かれは、古代こだいギリシャ神話しんわ・ローマ神話しんわから想そうを得えた天井てんじょう画がのほか、装飾そうしょくレリーフのデザイン、ロトンダの空間くうかん全体ぜんたいの設計せっけいを担当たんとうし、1925年ねんの死しの直前ちょくぜんまで制作せいさくに関かかわっている。

肖像しょうぞう画家がかとして知しられるサージェントだが、1907年ねん頃ごろからは肖像しょうぞう画がの注文ちゅうもんを断ことわり、以後いごの晩年ばんねんは水彩すいさいの風景ふうけい画がをおもに制作せいさくしている。1925年ねん、ロンドンで没ぼっした。

代表だいひょう作さく

• 『マダムX（ゴートロー夫人ふじん）』1884年ねん　メトロポリタン美術館びじゅつかん
• 『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』1885-1887年ねん　テート・ギャラリー：当時とうじ日本にっぽんから輸出ゆしゅつされていた盆ぼん提灯ちょうちんが多おおく配はいされ、また咲さいているユリも日本にっぽんから球根きゅうこんが輸出ゆしゅつされていたヤマユリである（花はなの中心ちゅうしんにある黒くろい斑点はんてんと黄色きいろい芒すすきはヤマユリに特徴とくちょう的てき）。当時とうじのヨーロッパ画壇がだんを席巻せっけんしていたジャポニスムの影響えいきょうがうかがわれる。エンヤの『On My Way Home』のミュージックビデオでは、この情景じょうけいが実写じっしゃで再現さいげんされている。
• 『エドワード・D・ボイトの娘むすめたち』1882年ねん　ボストン美術館びじゅつかん
• 『ロクノーのレディ・アグニュー』1892-93年ねん　スコットランド国立こくりつ美術館びじゅつかん
• 『毒どくガスをあびて（Gassed）』1919年ねん 帝国ていこく戦争せんそう博物館はくぶつかん

ギャラリー

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  『エル・ハレオ』（1882年ねん）
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  『ミス・ヴィッカース』（1884年ねん）
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  『ロバート・ルイス・スティーヴンソン』（1885年ねん）

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  『スペインの踊おどり子こ』（1879-82年ねん頃ごろ）
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  『エドワード・D・ボイトの娘むすめたち』（1882年ねん）
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  『硫黄いおうマッチ』（1882年ねん）
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  『マダムXの肖像しょうぞう（ゴートロー夫人ふじん）』（1884年ねん）
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  『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』（1885 - 1887年ねん）
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  『朝あさの散歩さんぽ』（1888年ねん）
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  『ロクノーのレディ・アグニュー』（1892-93年ねん）
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  『フレデリック・ロー・オルムステッド』（1895年ねん）
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  『セオドア・ルーズベルト』（1903年ねん）
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  『ジェーン・デ・グレーンとウィルフリッド・デ・グレーン』（1907年ねん）

関連かんれん項目こうもく

• デトロイト美術館びじゅつかん