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ジョン・ハッセル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ジョン・ハッセル
Jon Hassell
「ストックホルム・ジャズ・フェスティヴァル'09」でのジョン・ハッセル（2009年ねん）
基本きほん情報じょうほう
生誕せいたん (1937-03-22) 1937年ねん3月22日にち
出身しゅっしん地ち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく テネシー州しゅうメンフィス
死没しぼつ (2021-06-26) 2021年ねん6月26日にち（84歳さい没ぼつ）
ジャンル アバンギャルド
ワールドミュージック
アンビエント
ミニマル・ミュージック
電子でんし音楽おんがく
職業しょくぎょう ミュージシャン、作曲さっきょく家か
担当たんとう楽器がっき トランペット
活動かつどう期間きかん 1968年ねん -
共同きょうどう作業さぎょう者しゃ ラ・モンテ・ヤング
テリー・ライリー
ブライアン・イーノ
ファラフィーナ
シアター・オブ・エターナル・ミュージック
マリアン・ザジーラ
テクノ・アニマル
アーニー・ディフランコ
ライ・クーダー
公式こうしきサイト www.jonhassell.com

ジョン・ハッセル（Jon Hassell、1937年ねん3月22日にち[1] - 2021年ねん6月26日にち）は、1960年代ねんだいから活躍かつやくするアメリカのトランペット奏者そうしゃであり作曲さっきょく家かである。ミニマリズムや、さまざまなワールドミュージック、そして自身じしんのトランペットを音響おんきょう信号しんごう処理しょりしたものからのアイデアを統合とうごうした「第だい四よん世界せかい (Fourth World)」という音楽おんがくコンセプトを開発かいはつしたことで最もっともよく知しられている[1]。その概念がいねんはブライアン・イーノと1980年ねんにコラボレーションしたアルバム『第だい四よん世界せかいの鼓動こどう (Fourth World, Vol. 1: Possible Musics)』に最初さいしょに明確めいかくに表現ひょうげんされている。また、シアター・オブ・エターナル・ミュージック、トーキング・ヘッズ、ファラフィーナ、ピーター・ガブリエル、アーニー・ディフランコ、テクノ・アニマル、ライ・クーダーといったアーティストとも仕事しごとをしてきた[1]。

略歴りゃくれき

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アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくテネシー州しゅうメンフィスで生うまれ[1]で、ニューヨーク州しゅうロチェスターにあるイーストマン音楽おんがく学校がっこうで修士しゅうし号ごうを取得しゅとくした。この間あいだ、ヨーロッパのセリエル音楽おんがく、特とくにカールハインツ・シュトックハウゼンの作品さくひんに関かかわったので、イーストマンでの修士しゅうし後ご、ケルンのニュー・ミュージック・コース（シュトックハウゼンが創設そうせつし監督かんとくしていた）に2年間ねんかん、留学りゅうがくして学まなんだ。ハッセルは1967年ねんにアメリカに戻もどり、ニューヨーク州しゅうバッファローでテリー・ライリーと出会であい、1968年ねんにライリーの独創どくそう的てきな作品さくひんとして知しられるアルバム『イン C』で最初さいしょの録音ろくおんを行おこなった。彼かれはバッファローで音楽おんがく学がくを専攻せんこうし、博士はかせ号ごうを取得しゅとくした。そして、ニューヨークで、ラ・モンテ・ヤングの「ドリームハウス」（別名べつめい、シアター・オブ・エターナル・ミュージック）に加くわわり演奏えんそうした。

1970年代ねんだい初頭しょとうにバッファローに戻もどったとき、ハッセルはキラニック・スタイルで歌うたうスペシャリストであるインド人じん、パンディット・プラン・ナートの音楽おんがくを紹介しょうかいされた。ハッセル、ヤング、マリアン・ザジーラ（ヤングの妻つま）、そしてライリーは、一緒いっしょにナートと学まなぶためにインドへと向むかった。ナートとの仕事しごとは、世界せかいの伝統でんとう的てきな音楽おんがくに対たいする彼かれの欲求よっきゅうを目覚めざめさせ、アルバム『Vernal Equinox』で、ナートが見みせたボーカル・テクニックを模倣もほうするためにトランペットを使用しようした。

彼かれは言いう：「1973年ねんからそれまでは、トランペットでラーガを奏かなでることに夢中むちゅうになっていました。その部屋へやに入いれる器用きようさが欲ほしかったし、他たの誰だれにもできないようなことができるようにしたいと思おもっていました。私わたしの目的もくてきは、特定とくていの国くにやジャンルの音楽おんがくであるとして単一たんいつの要素ようそを選えらぶことができないような横断おうだん的てきな瞬間しゅんかんに垂直すいちょく統合とうごうされた音楽おんがくを作つくることでした」[2]。

1980年ねんに、アルバム『第だい四よん世界せかいの鼓動こどう』でブライアン・イーノとコラボレーションした。1981年ねんにリリースされた『マラヤの夢語ゆめがたり - 第だい四よん世界せかい Vol.2』は、ピーター・ガブリエルが主催しゅさいする第だい1回かいウォーマッド・フェスティバルへの出演しゅつえんに導みちびいた。彼かれはデヴィッド・シルヴィアンの最初さいしょのソロ・アルバム『ブリリアント・トゥリーズ』、そして『シャーマンの言葉ことば』を楽器がっき演奏えんそうでフォローアップし、共同きょうどうで作曲さっきょくした。1980年代ねんだい後半こうはん、ハッセルはガブリエルのアルバム『パッション』という、マーティン・スコセッシ監督かんとくの映画えいが『最後さいごの誘惑ゆうわく』のサウンドトラック・アルバムに参加さんかした。ハッセルとピート・スカテューロは、テレビ番組ばんぐみ『ザ・プラクティス ボストン弁護士べんごしファイル』のエレクトロニックなテーマ音楽おんがくを作曲さっきょくしている。1989年ねん、ハッセルはティアーズ・フォー・フィアーズのアルバム『シーズ・オブ・ラヴ』に参加さんかした。

ハッセルは2021年ねん6月がつ26日にちに亡なくなった[3][4]。前年ぜんねんから健康上けんこうじょうの問題もんだいを抱かかえていたという[5]。

スタイル

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ハッセルは「世界せかいのエスニックなスタイルと高度こうどなエレクトロニック・テクニックを組くみ合あわせるという特徴とくちょうを持もち、統一とういつされた原始げんし的てきかつ未来みらい的てきなサウンド」である彼かれの作品さくひんを説明せつめいするために「第だい四よん世界せかい」という用語ようごをつくり出だした[1]。西洋せいよう以外いがいの伝統でんとう的てきな音楽おんがくに加くわえて、ハッセルのスタイルに見受みうけられる、マイルス・デイヴィスによる電子でんし楽器がっきの導入どうにゅうや、モーダルなハーモニー、そして控ひかえめなリリシズムといった点てんから、評論ひょうろん家かはマイルス・デイヴィスからの影響えいきょうについて注目ちゅうもくしている[6]。録音ろくおんでもライブ演奏えんそうでも、ハッセルは西洋せいようの楽器がっき（キーボード、ベース、エレクトリックギター、パーカッション）を使つかって、モーダルで眠ねむりを誘さそうグルーヴをつくり、その上うえでナートによるキラニック・ボーカルのような微分びぶん音おんを活用かつようしたトランペットによるフレーズを演奏えんそうする[7]。

ディスコグラフィ

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ソロ・アルバム

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  • Vernal Equinox (1977年ねん)
  • Earthquake Island (1978年ねん)
  • 『第だい四よん世界せかいの鼓動こどう』 - Fourth World, Vol. 1: Possible Musics (1980年ねん) ※with ブライアン・イーノ
  • 『マラヤの夢語ゆめがたり - 第だい四よん世界せかい Vol.2』 - Dream Theory in Malaya: Fourth World Volume Two (1981年ねん) ※旧きゅう邦題ほうだい『第だい四よん世界せかい／ドリーム・セオリー・イン・マラヤ』
  • 『マジック・リアリズム』 - Aka / Darbari / Java: Magic Realism (1983年ねん)
  • 『パワー・スポット』 - Power Spot (1986年ねん)
  • The Surgeon of the Nightsky Restores Dead Things by the Power of Sound (1987年ねん)
  • 『フラッシュ・オヴ・ザ・スピリット』 - Flash of the Spirit (1988年ねん) ※with ファラフィーナ
  • 『シティ:ワークス・オブ・フィクション』 - City: Works of Fiction (1990年ねん)
  • 『ヴォイスプリント』 - Voiceprint (1990年ねん) ※EP。with 808ステイト
  • Dressing for Pleasure (1994年ねん) ※with Bluescreen
  • Personals (1994年ねん) ※EP。with Bluescreen
  • Sulla Strada (1995年ねん) ※with I Magazzini
  • Lurch - Nederlands Danstheater II (1996年ねん) ※EP。with Bluescreen
  • The Vertical Collection (1997年ねん) ※with Peter Freeman (Bluescreen Project)
  • Fascinoma (1999年ねん)
  • Hollow Bamboo (2000年ねん) ※with ライ・クーダー、Ronu Majumdar
  • Magic Realism, Vol. 2: Maarifa Street (2005年ねん)
  • Last Night the Moon Came Dropping Its Clothes in the Street (2009年ねん)
  • Listening To Pictures (Pentimento Volume One) (2018年ねん)
  • Seeing Through Sound (Pentimento Volume Two) (2020年ねん)

参加さんかアルバム

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書誌しょし

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  • Mark Prendergast, The Ambient Century. New York and London, Bloomsbury Publishing, 2000, ISBN 978-0747557326
  • Jon Hassell, program notes from Vernal Equinox. Lovely Music, LML 1021, 1977.

参考さんこう

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c d e Ankeny, Jason. “Jon Hassell”. AllMusic. January 3, 2011閲覧えつらん。
  2. ^ Prendergast, Mark J.. “Sound on Sound”. Jonhassell.com. 11 August 2009閲覧えつらん。
  3. ^ Pescovitz, David (2021年ねん6月がつ27日にち). “Jon Hassell, pioneering electronic musician, RIP”. Boing Boing. https://boingboing.net/2021/06/26/jon-hassell-pioneering-electronic-musician-rip.html 27 June 2021閲覧えつらん。 
  4. ^ “JON HASSELL, SONIC EXPLORER” (英語えいご). Vinyl Connection (2021年ねん6月がつ27日にち). 27 June 2021閲覧えつらん。
  5. ^ “Jon Hassell, Influential Avant-Garde Composer, Dies at 84”. Pitchfork. Pitchfork. 27 June 2021閲覧えつらん。
  6. ^ Gilbert, Mark. L. Macy: “Jon Hassell”. Grove Music Online. November 7, 2007閲覧えつらん。
  7. ^ Jon Pareles, "Jon Hassell with Trumpet and Electronics," New York Times September 21, 1989: p. C15, ProQuest Platinum, Online (November 6, 2007).

外部がいぶリンク

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