スゴモロコ

スゴモロコ
分類ぶんるい
学名がくめい
	Squalidus chankaensis biwae; (Jordan and Snyder, 1900)

スゴモロコ（Squalidus chankaensis biwae）は、コイ目めコイ科かカマツカ亜あ科かに属ぞくする淡水魚たんすいぎょである。

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

本来ほんらいは琵琶湖びわこの固有こゆう亜種あしゅであったが、アユの放流ほうりゅうに混まじって関東平野かんとうへいやや高知こうち県けんなどに定着ていちゃくした^[1]。濃尾平野のうびへいやや西日本にしにほんには、別べつ亜種あしゅのコウライモロコが分布ぶんぷする^[2]。

全長ぜんちょうは9 - 12 cm^[1]。目めは大おおきく、体からだは細長ほそながい^[3]。吻から背鰭せびれまでの輪郭りんかくは直線ちょくせん的てきである^[2]。口くちひげは長ながく、眼めの経けい程度ていどの長ながさになる。体からだ色しょくは淡あわい黄き褐色かっしょくであり、不明瞭ふめいりょうなやや光沢こうたくをもった緑みどり褐色かっしょくの縦たて条じょうがある^[3]。背部はいぶにある鱗うろこの頂いただき部ぶには、暗色あんしょく斑まだらがある。産卵さんらん期きの雄ゆうは体からだがやや黒くろずみ、胸むねびれ周辺しゅうへん以外いがいに極きわめて小ちいさい白色はくしょくの追おい星ほしが出でる^[4]。別べつ亜種あしゅのコウライモロコや、同属どうぞくのデメモロコとしばしば混同こんどうされる。体型たいけい上じょうの違ちがいはあるものの、交雑こうざつなども多おおく見分みわけがつかない個体こたいも多おおい。

生態せいたい[編集へんしゅう]

琵琶湖びわこでは、群むれを作つくって水深すいしん5-10m程度ていどの砂すな泥どろ底そこに棲すみ、内うち湖こへはほとんど入はいらない^[1]。冬期とうきには、水深すいしん20-40mのやや深ふかい泥どろ底部ていぶへ移動いどうする^[4]。ミジンコなどの浮遊生物ふゆうせいぶつから小型こがたのスジエビやユスリカの幼虫ようちゅうなどの底そこ生せい生物せいぶつ、巻まき貝がいなどを食たべる^[4]。

琵琶湖びわこにおける産卵さんらん期きは6月がつ-7月がつで、1500-6000個この卵たまごを水深すいしん2-6mの砂すな泥どろ底そこに産うみ付つける。3日にちほどでふ化かし、成長せいちょうした稚魚ちぎょは、水深すいしん2-3mの泥どろ底そこで生活せいかつする^[4]。

人間にんげんによる利用りよう[編集へんしゅう]

ホンモロコの代用だいようとして、デメモロコとともに食用しょくようにされる^[4]。

保全ほぜん状じょう況きょう評価ひょうか[編集へんしゅう]

絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るい (VU)（環境省かんきょうしょうレッドリスト）

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ ^a ^b ^c 『増補ぞうほ改訂かいてい日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』154 - 155頁ぺーじ
^ ^a ^b 『山やま渓けいカラー名鑑めいかん日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』318頁ぺーじ
^ ^a ^b 『小学館しょうがくかんの図鑑ずかんZ 日本にっぽん魚類ぎょるい館かん』105頁ぺーじ
^ ^a ^b ^c ^d ^e 原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ類るい図鑑ずかん(1976)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

宮地みやじ傳三郎でんざぶろう、川かわ那な部ぶ浩哉ひろや・水野みずの信彦のぶひこ『原色げんしょく日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ類るい図鑑ずかん』（全ぜん改訂かいてい新版しんぱん）保育ほいく社しゃ、1976年ねん、181-183頁ぺーじ。ISBN 978-4-586-30032-7。
細谷ほそや和かず海うみ(スゴモロコ部分ぶぶん)『山やま渓けいカラー名鑑めいかん日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』山やまと渓谷社けいこくしゃ、1989年ねん。ISBN 4-635-09021-3。
川瀬かわせ成しげる吾われ(スゴモロコ部分ぶぶん)『小学館しょうがくかんの図鑑ずかんZ 日本にっぽん魚類ぎょるい館かん』小学館しょうがくかん、2018年ねん。ISBN 978-4-09-208311-0。
細谷ほそや和かず海うみ『山やま渓けいハンディ図鑑ずかん15 増補ぞうほ改訂かいてい日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』山やまと渓谷社けいこくしゃ、2019年ねん。ISBN 978-4-635-07043-0。