モバイル決済けっさい

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（スマホ決済けっさいから転送てんそう）

モバイル決済けっさい（モバイルけっさい、英えい: Mobile payment、スマートフォン決済けっさい、スマホ決済けっさい）とは、一般いっぱんにスマホなどの携帯けいたい機器きき（モバイルデバイス）を介かいして実行じっこうされ、金融きんゆう上じょうの規制きせいの下したで運営うんえいされる決済けっさいサービスを指さす。

概要がいよう[編集へんしゅう]

消費しょうひ者しゃ（ユーザー）は、現金げんきんや小切手こぎって、またはクレジットカードなどで支払しはらう代かわりに、スマホなどの携帯けいたい機器ききを使用しようしてさまざまなサービスや商品しょうひんの支払しはらいを行おこなう。現金げんきんを使用しようしないキャッシュレスという概念がいねんには長ながい歴史れきしがあるが、このようなシステムをサポートする技術ぎじゅつが広ひろく利用りようできるようになったのは21世紀せいきになってからである。[1]

現在げんざい、モバイル決済けっさいは世界中せかいじゅうで採用さいようされているが、その方法ほうほうは様々さまざまである。[2][3] なお、「モバイル決済けっさいシステム」を主題しゅだいにした最初さいしょの特許とっきょは、2000年ねんに出願しゅつがんされている。[4]

Financial Accessの2009年ねんのレポートによると、世界せかいの成人せいじん人口じんこうの50％が銀行ぎんこう口座こうざを持もっていないと推定すいていされており、発展はってん途上とじょう国こくではそういった人口じんこうに金融きんゆうサービスを拡張かくちょうする手段しゅだんとしてモバイル決済けっさいが積極せっきょく的てきに導入どうにゅうされており[5]、モバイル決済けっさいは特とくにマイクロペイメント（少額しょうがく決済けっさい）の分野ぶんやでよく用もちいられている。 [6]

欧州おうしゅう決済けっさい評議ひょうぎ会かい（EPC）によると、モバイル決済けっさいは、新あらたな成長せいちょう機会きかいを実現じつげんするために、決済けっさいサービスプロバイダーやその他たの市場いちば参加さんか者しゃにとって重要じゅうような手段しゅだんとなっており、「新あたらしいテクノロジーは、運用うんよう効率こうりつを直接ちょくせつ改善かいぜんし、最終さいしゅう的てきにはコスト削減さくげんと取引とりひき量りょうの増加ぞうかをもたらす」としている。 [7]

様々さまざまな要素ようそ[編集へんしゅう]

モバイル決済けっさいには以下いかのような種々しゅじゅの要素ようそを組くみ合あわせた様々さまざまな形かたちが存在そんざいする。

サービス提供ていきょう事業じぎょう者しゃとしては、金融きんゆう機関きかんやクレジットカード会社かいしゃ[8] 、Googleなどのインターネット会社かいしゃ[9] 、モバイルネットワーク事業じぎょう者しゃなどの多おおくのモバイル通信つうしん会社かいしゃ、オレンジのw-HAなどの主要しゅような通信つうしんインフラストラクチャやエリクソンなどのスマートフォン多た国籍こくせき企業きぎょう[10] [11]、といった様々さまざまな主体しゅたいがモバイル決済けっさいサービスを提供ていきょうしている。

クレジットカード・デビットカード・プリペイドカード[編集へんしゅう]

シンプルなモバイル決済けっさいは、クレジットカード決済けっさいフローをモバイルに流用りゅうようしたものである。ただ、一々いちいちユーザーに携帯けいたい機器きき上じょうでクレジットカード情報じょうほうを入力にゅうりょくさせるプロセスはコンバージョン率りつを下さげるものとされている。

キャリア請求せいきゅう[編集へんしゅう]

オンラインゲームやショッピングサイトでの利用りよう時じなどに、モバイル請求せいきゅうオプションを使用しようして支払しはらいを行おこなう。これは、携帯けいたい電話でんわ番号ばんごうとワンタイムパスワードや2段階だんかい認証にんしょうなどを使用しようし、携帯けいたい電話でんわの利用りよう料金りょうきんに加算かさんされて請求せいきゅうされるものである。これは、クレジットカードやデビットカードはもとより、ペイパルなどのオンライン決済けっさいすら必要ひつようとせず、銀行ぎんこうやクレジットカード会社かいしゃを完全かんぜんにバイパスする方法ほうほうであり、アジアの一部いちぶの地域ちいきでオンラインで購入こうにゅうされたすべてのデジタルコンテンツの70％は、この直接ちょくせつモバイル請求せいきゅう方式ほうしきを使用しようしているという。[12]

モバイル・デジタルウォレット[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「デジタルウォレット」を参照さんしょう

(デジタルウォレット英語えいご版ばん記事きじ参照さんしょう)

モバイルウォレットは、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどの情報じょうほうを紐ひもづけて、支払しはらい、及および支払しはらい情報じょうほうの管理かんりをする携帯けいたい向むけアプリでデジタルウォレットの一種いっしゅ。 [13]特筆とくひつすべきモバイルウォレットは次つぎのとおり。

なお、元々もともとはApple PayやGoogle Payのように、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどの情報じょうほうを紐ひもづけるだけのものであったが、最近さいきんは、各かく銀行ぎんこうと提携ていけいして銀行ぎんこう口座こうざそのものと直接ちょくせつ繋つなげたり、独自どくじのプリペイド型がたの電子でんし決済けっさいサービスを提供ていきょうするタイプのアプリも混在こんざいしている。

非ひ接触せっしょく近距離きんきょり無線むせん通信つうしん[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「近距離きんきょり無線むせん通信つうしん」を参照さんしょう
「非ひ接触せっしょく型がた決済けっさい」も参照さんしょう

近距離きんきょり無線むせん通信つうしん（NFC）は、主おもに実じつ店舗てんぽや宅配たくはいサービスでの購入こうにゅうの支払しはらいに使用しようされる。スマートカード（ICカード）と同様どうように、ICチップを搭載とうさいした携帯けいたい機器ききを使用しようして読よみ取とり機きに近ちかづけて支払しはらいを行おこなう。基本きほん的てきに別途べっとの認証にんしょうは必要ひつようとしないことが多おおい。支払しはらいはプリペイドカードなどから差さし引ひかれるか、キャリアまたは銀行ぎんこう口座こうざに直接ちょくせつ請求せいきゅうされる。

NFCを介かいしたモバイル決済けっさい方法ほうほうは、対応たいおうインフラや、利害りがい関係かんけいの複雑ふくざつなエコシステム（囲かこい込こみ経済けいざい圏けん）、標準ひょうじゅんの欠如けつじょ、といった幅広はばひろい普及ふきゅうに対たいする妨さまたげとなる重大じゅうだいな課題かだいに直面ちょくめんしている。 [14] [15]

QRコード決済けっさい[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「QRコード決済けっさい」を参照さんしょう

QRコードは1994年ねんから使用しようされている正方形せいほうけいの2Dバーコードである。 [16]　もともと倉庫そうこ内ないの製品せいひんを追跡ついせきするために使用しようされていたQRコードは、従来じゅうらいの（1Dバーコード）を置おき換かえるように設計せっけいされた。主おもな利用りよう方法ほうほうは以下いかの通とおり。

  • 支払しはらいを行おこなう人ひとの携帯けいたい機器ききに表示ひょうじされ、POSまたは支払しはらい先さきの別べつの携帯けいたい機器ききによってスキャンされる。
  • 1回かい限かぎり生成せいせいされた方法ほうほうで受取うけとり人じんによって提示ていじされ、支払しはらいを実行じっこうする人ひとによってスキャンさる。

銀行ぎんこう振込ふりこみシステム[編集へんしゅう]

代表だいひょう的てきなものとして、スウェーデンのSwishというシステムがあげられる。 [17] 2012年ねんに大手おおて各かく銀行ぎんこうが共同きょうどうで設立せつりつし、2017年ねんには人口じんこうの66％がしており大だい成功せいこうを収おさめている。 [18]　また、デンマークのMobilePayとノルウェーのVippsもそれぞれの国くにで人気にんきがあるものとなっている。直接ちょくせつおよび即時そくじの銀行ぎんこう振込ふりこみを実現じつげんしており、参加さんか銀行ぎんこうを利用りようしていないユーザーには、クレジットカードによる請求せいきゅうも並行へいこうして使用しようされている。

インドでは、Unified Payments Interfaceと呼よばれる新あたらしい直接ちょくせつ銀行ぎんこう振込ふりこみシステムが登場とうじょうし、このシステムにより、ユーザーは自分じぶんの銀行ぎんこう口座こうざから直接ちょくせつ、リアルタイムで他たのユーザーや企業きぎょうに送金そうきんすることができる。これはインドで徐々じょじょに非常ひじょうに人気にんきのあるサービスになりつつあり、2018年ねん10月がつのように約やく100億おくドル相当そうとうの毎月まいつきの支払しはらいを処理しょりしている。 [19]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ “Pre-1900 Utopian Visions of the 'Cashless Society'”. MPRA (2012年ねん). 2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。
  2. ^ GSMA Mobile Money Deployment Tracker from wirelessintelligence.com Archived November 23, 2011, at the Wayback Machine.
  3. ^ “Japanese Drive Mobile Payment Market”. Ericsson.com (2010年ねん11月2日にち). 2011年ねん9月がつ19日にち閲覧えつらん。
  4. ^ Mobile payment system, (2000-12-11), https://patents.google.com/patent/US20020073027A1/en 2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。 
  5. ^ “Half the World is Unbanked”. FinancialAccess.org (2009年ねん). 2014年ねん12月22日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。
  6. ^ Micro-payment systems and their application to mobile networks, InfoDev report, Jan 2006 accessed at Archived September 26, 2007, at the Wayback Machine.
  7. ^ “White Paper on Mobile Payments”. European Payments Council. European Payments Council (2016年ねん). 2017年ねん2月がつ2日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “Stamatis Karnouskos, IEEE Communications Surveys & Tutorials, Vol. 6, No. 4, pp. 44–66, 2004.”. 2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。
  9. ^ “Mobile payment apps – a fresh perspective on online finances” (2014年ねん2月がつ). 2014年ねん2月がつ28日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。
  10. ^ “Ericsson launches mobile phone banking services”. Reuters.com. 2012年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
  11. ^ “Ericsson Money Services brings connected mobile money to Europe”. Ericsson.com. 2012年ねん12月16日にち閲覧えつらん。
  12. ^ Feig (2007年ねん6月がつ25日にち). “Mobile Payments: Look to Korea”. Banktech.com. 2017年ねん11月17日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2011年ねん9月がつ19日にち閲覧えつらん。
  13. ^ “Mobile Wallet” (英語えいご). www.investopedia.com. 2018年ねん6月がつ8日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “VDC: NFC Adoption Will Be Slower Than Expected”. RFID Journal (2008年ねん3月がつ3日にち). 2011年ねん9月がつ19日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “Ericsson and Aconite collaborate on mobile contactless payments”. Mobile Payments Today. 2013年ねん2月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2013年ねん1月がつ25日にち閲覧えつらん。
  16. ^ “History of QR Code”. qrcode.com. 2015年ねん10月がつ16日にち閲覧えつらん。
  17. ^ “Swish”. Getswish.se. 2017年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  18. ^ [http://www.soi2017.se/the-swedes-and-the-internet-2017-summary/ The Swedes and the Internet 2017 summary (See the Swedish version for correct statistics)
  19. ^ “UPI Product Statistics” (英語えいご). NPCI. (2017年ねん3月がつ31日にち). https://www.npci.org.in/product-statistics/upi-product-statistics 2018年ねん11月16日にち閲覧えつらん。 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

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