スーパー・コンチネンタル (列車れっしゃ)

「スーパー・コンチネンタル」の運行うんこう経路けいろ

スーパー・コンチネンタル（英語えいご: Super Continental）は、当初とうしょカナディアン・ナショナル鉄道てつどうが1955年ねんから、そしてその後ごはVIA鉄道てつどうが1977年ねんから1981年ねんに廃止はいしされるまで運行うんこうしていた、カナダの大陸たいりく横断おうだん旅客りょかく列車れっしゃである。1985年ねんに運行うんこうが再開さいかいされたが、1990年ねんに再度さいど廃止はいしされた。当初とうしょのカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの列車れっしゃはモントリオール - オタワ - トロント - ウィニペグ - サスカトゥーン - エドモントン - ジャスパー - バンクーバーの経路けいろを毎日まいにち運行うんこうしていた。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごのカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの旅客りょかく列車れっしゃ

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、カナディアン・ナショナル鉄道てつどうの旅客りょかく列車れっしゃは近代きんだい化かの必要ひつよう性せいが高たかく、1946年ねんから1950年ねんにかけて75両りょうの新形しんがた軽量けいりょう客車きゃくしゃの座席ざせき車しゃおよび寝台しんだい車しゃを購入こうにゅうした。しかし大戦たいせん後ごの資材しざい不足ふそくのために、カナディアン・ナショナル鉄道てつどうが安価あんかに購入こうにゅう可能かのうな車両しゃりょうの数かずは限かぎられてしまい、車内しゃないの工場こうじょうで古ふるい重量じゅうりょう客車きゃくしゃの改装かいそう計画けいかくを大だい規模きぼに実施じっしすることになった。最終さいしゅう的てきに合計ごうけい211両りょうの重量じゅうりょう客車きゃくしゃが新あたらしい内装ないそう、転ころがり軸受じくうけを備そなえた台車だいしゃ、密閉みっぺい窓まどに更新こうしんされた。しかしすぐに、改装かいそうした車両しゃりょうだけでは競争きょうそう力りょくを保たもつには不十分ふじゅうぶんであることが明あきらかとなり、1952年ねんに新型しんがた軽量けいりょう車両しゃりょうの大だい規模きぼな発注はっちゅうを行おこなった。発注はっちゅう内容ないようは、モントリオールのカナディアン・カー・アンド・ファウンドリーに対たいして218両りょうの座席ざせき車しゃと、シカゴのプルマン＝スタンダードに対たいして92両りょうの寝台しんだい車しゃ、20両りょうの食堂しょくどう車しゃ、17両りょうのパーラーカー、12両りょうのビュフェ兼けん寝台しんだい車しゃとなっていた。

運行うんこう開始かいし

新しん車両しゃりょうの納入のうにゅうは基本きほん的てきには1954年ねんまでに完了かんりょうしたが、カナディアン・ナショナル鉄道てつどうは従来じゅうらいの看板かんばん列車れっしゃ「コンチネンタル特急とっきゅう」を置おき換かえて新あたらしい大陸たいりく横断おうだんの看板かんばん列車れっしゃ「スーパー・コンチネンタル」の運行うんこうを開始かいししたのは1955年ねん4月がつ24日にちのことになった。これは偶然ぐうぜんではなく、ライバルのカナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうが新あたらしい流ながれ線形せんけい大陸たいりく横断おうだん列車れっしゃの「カナディアン」を運行うんこう開始かいししたのと同おなじ日びであった。しかし、新あたらしい黒くろと緑みどりに黄きで装飾そうしょくした塗装とそうをまとった新造しんぞう車両しゃりょうと改造かいぞう車両しゃりょうであっても、「スーパー・コンチネンタル」の車両しゃりょうはカナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうのバッド製せいオールステンレス車両しゃりょうに比くらべると見劣みおとりがした。またさらに重要じゅうような違ちがいとしては、「カナディアン」は景色けしきのよいドームカーを特色とくしょくとしていたが、「スーパー・コンチネンタル」には連結れんけつされていなかった。カナディアン・ナショナル鉄道てつどうは経済けいざい的てきな理由りゆうからドームカーは購入こうにゅうしないことにし、またモントリオール中央ちゅうおう駅えきにおいてかつてのカナディアン・ノーザン鉄道てつどうの通勤つうきん列車れっしゃが使用しようしていた架線かせんにドームカーが干渉かんしょうする可能かのう性せいがあるとしていた。1964年ねんにカナディアン・ナショナル鉄道てつどうは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくから中古ちゅうこのドームカーを購入こうにゅうし、エドモントンとバンクーバーの間あいだで使用しようすることにした。

カナディアン・ナショナル鉄道てつどうが完全かんぜんにディーゼル化かされたのは1960年ねんのことであったが、「スーパー・コンチネンタル」は当初とうしょから完全かんぜんにディーゼル機関きかん車しゃ牽引けんいんで、さまざまな機関きかん車しゃが用もちいられた。モントリオール・ロコモティブ・ワークス製せいFP-2・FP-4型かた、カナディアン・ロコモティブ・カンパニー製せいCライナーを東部とうぶで、またゼネラルモーターズ・ディーゼル製せいFP9型がたを西部せいぶで使用しようした。

旅客りょかく列車れっしゃの衰退すいたい

トロントからバンクーバーへ向むけて出発しゅっぱつする「スーパー・コンチネンタル」、1970年ねん

1960年代ねんだいになると、新あたらしく建設けんせつされたトランスカナダハイウェイを走はしる自動車じどうしゃや航空機こうくうきとの競合きょうごうにより、カナダの旅客りょかく列車れっしゃは大おおきく衰退すいたいし始はじめた。しかし、ライバルのカナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうが「カナディアン」の運行うんこうに関心かんしんを失うしないつつあった時期じきであっても、カナディアン・ナショナル鉄道てつどうは積極せっきょく的てきに旅客りょかく列車れっしゃの運行うんこうに取とり組くんだ。カナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうのロッキー山脈さんみゃくを貫つらぬく路線ろせんの方ほうがより景色けしきが良よいという世間せけんの認識にんしきを変かえるために、カナディアン・ナショナル鉄道てつどうはミルウォーキー鉄道てつどうで「オリンピアン・ハイアワサ」の運行うんこうに使つかわれていた6両りょうの「スーパードームカー」（購入こうにゅう後ご「シーンラミックス」Sceneramicsという名前なまえに変更へんこうされた）を1964年ねんに購入こうにゅうした。この車両しゃりょうはウィニペグとバンクーバーの間あいだでの運行うんこうに投入とうにゅうされた。しかしカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの最大限さいだいげんの努力どりょくにかかわらず、1970年代ねんだいを通つうじて旅客りょかく数すうは減へり続つづけ、列車れっしゃは損失そんしつを出だしながら運行うんこうされていた。

VIA鉄道てつどうによる引ひき継つぎと1回かい目めの廃止はいし

1978年ねん4月がつ1日にちに、新あたらしく設立せつりつされた国営こくえい企業きぎょうであるVIA鉄道てつどうが公式こうしきにカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの旅客りょかく列車れっしゃ運行うんこうを引ひき継ついだ。VIA鉄道てつどうは1978年ねん10月がつ29日にちにはカナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうの旅客りょかく列車れっしゃの運行うんこうも引ひき継つぎ、その運行うんこうする大陸たいりく横断おうだん列車れっしゃが「カナディアン」と「スーパー・コンチネンタル」の2本ほんになった。VIA鉄道てつどうはこれらの列車れっしゃの再編さいへんを行おこない、「カナディアン」がトロント - バンクーバー間あいだの、「スーパー・コンチネンタル」がモントリオール - バンクーバー間あいだの列車れっしゃとなった。ウィニペグにおいて双方そうほうの列車れっしゃの間あいだで寝台しんだい車しゃの繋つなぎ替がえが行おこなわれた。「カナディアン」がVIA鉄道てつどうの最上級さいじょうきゅう大陸たいりく横断おうだん列車れっしゃに位置付いちづけられ、「スーパー・コンチネンタル」は2線せん級きゅうとされた。にもかかわらず、目先めさきの効きくマーケティングやガソリン価格かかくの高騰こうとう、インフレーションの進行しんこうなどの結果けっか、1980年代ねんだい初頭しょとうには旅客りょかく数すうは回復かいふくした。しかし1981年ねんのピエール・トルドー政権せいけんの予算よさんでは、VIA鉄道てつどうの列車れっしゃ運行うんこう距離きょりを20パーセント削減さくげんすることになった。「スーパー・コンチネンタル」は最初さいしょに廃止はいしとなる列車れっしゃとなった。

旅客りょかく列車れっしゃの廃止はいしは政治せいじ的てきに不人気ふにんきであることが示しめされ、その後ごの1984年ねんの選挙せんきょでカナダ進歩しんぽ保守党ほしゅとうが勝利しょうりしブライアン・マルルーニー政権せいけんとなって、1985年ねん6月がつ1日にちに運行うんこうが再開さいかいされた。しかしバンクーバーからエドモントン経由けいゆウィニペグまでの短縮たんしゅくされた運行うんこうで、「コンチネンタル」（大陸たいりくの）という名前なまえに似につかわしくないものとなった。トロントやモントリオールからサドバリーまでの区間くかんは廃止はいしとなり、サドバリー近郊きんこうのケープリオールからウィニペグまでの区間くかんは1週間しゅうかんに3本ほんの無名むめいの接続せつぞく列車れっしゃとなった。この期間きかんには、「スーパー・コンチネンタル」には新型しんがたのEMD F40PH型がたディーゼル機関きかん車しゃが投入とうにゅうされた。

1986年ねん2月がつ8日にち、ヒューマンエラーにより東ひがし行いき「スーパー・コンチネンタル」がカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの貨物かもつ列車れっしゃとアルバータ州しゅうヒントン近郊きんこうのデールハーストで衝突しょうとつ事故じこを起おこした。23人にんが亡なくなり、現代げんだいのカナダの鉄道てつどうにおいて最悪さいあくの事故じことなった。

詳細しょうさいは「ヒントン列車れっしゃ衝突しょうとつ事故じこ」を参照さんしょう

最終さいしゅう的てきな廃止はいし

1980年代ねんだい末まつには、連邦れんぽう政府せいふの予算よさんは非常ひじょうに厳きびしいものとなり、マルルーニー政権せいけんの1989年ねんの予算よさんはVIA鉄道てつどうにとって破滅はめつ的てきなものとなった。1990年ねん1月がつ14日にちに最終さいしゅう列車れっしゃがウィニペグおよびバンクーバーを発車はっしゃし、これをもって「スーパー・コンチネンタル」は廃止はいしとなった。これにより「カナディアン」がVIA鉄道てつどうで唯一ゆいいつの大陸たいりく横断おうだん列車れっしゃとなり、21世紀せいきの今日きょうにおいてもバンクーバーとトロントの間あいだを1週間しゅうかんに3本ほん運行うんこうしているが、本来ほんらいのカナダ太平洋たいへいよう鉄道てつどうの路線ろせんではなく、「スーパー・コンチネンタル」が走行そうこうしていたカナディアン・ナショナル鉄道てつどうの路線ろせんを走行そうこうするようになっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• Classic Trains, Spring 2005, Kalmbach Publishing, ISSN 1527-0718 pg. 67