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鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブリル77Eかたち
広島電鉄ひろしまでんてつ千田せんだ車庫しゃこ
2008ねん6がつ8にち

鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ(てつどうしゃりょうのだいしゃ)とは、鉄道てつどう車両しゃりょうにおいて、車体しゃたい直結ちょっけつされていない、自由じゆうのあるはし装置そうちのことである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

曲線きょくせんでのボギー台車だいしゃはたら

車両しゃりょう走行そうこうのための装置そうち総称そうしょうはし装置そうち(または走行そうこう装置そうち)であり、台車だいしゃとは、車体しゃたい直結ちょっけつされていない、自由じゆうのあるはし装置そうちのことである。

蒸気じょうき機関きかんしゃ動輪どうりんワム80000のようなじく貨車かしゃはし装置そうち台車だいしゃとはばない[1][2]。これらのはし装置そうち固定こてい軸受じくうけもしくは固定こてい車軸しゃじくばれる[注釈ちゅうしゃく 1]一方いっぽう旧式きゅうしき電気でんき機関きかんしゃ(EF58など)のあしまわりはボギー台車だいしゃとかなりことなったかたちだが、動輪どうりんふくめれっきとした台車だいしゃ通常つうじょうは1りょうにつきさき台車だいしゃしゅ台車だいしゃを2くみ構成こうせいされる)である[3]国鉄こくてつにおいてはボギー台車だいしゃ一軸いちじく台車だいしゃ機関きかんしゃしゅ台車だいしゃさき台車だいしゃしたがえ台車だいしゃには台車だいしゃ形式けいしき付与ふよしているが、固定こてい軸受じくうけには台車だいしゃ形式けいしき付与ふよしていない。

また熊本くまもと交通こうつうきょく9700かたち電車でんしゃのようなちょうていゆか電車でんしゃ(いわゆるライトレール)には、1車体しゃたい4りんとしつつ車軸しゃじくたない独立どくりつ車輪しゃりんを、それぞれ旋回せんかい可能かのうな4つの台車だいしゃ保持ほじしているものもある。

現在げんざいもっとおおもちいられている2じくボギー台車だいしゃは、みぎのように1車両しゃりょうあたり4じくを2じくずつのちいさな単位たんい分割ぶんかつし、車体しゃたいたいして回転かいてんできる(一部いちぶに3じくボギー台車だいしゃや4じくボギー台車だいしゃ、あるいはそれらを複数ふくすうわせていちまとまりとして使用しようするケースもある)。

鉄道てつどう車両しゃりょう車輪しゃりん車軸しゃじく固定こていされており(じくという)、初期しょき蒸気じょうき機関きかんしゃ客車きゃくしゃ貨車かしゃは4りん、すなわち2じくであった。車体しゃたい長大ちょうだい重量じゅうりょう増大ぞうだいにつれよりおおくの車輪しゃりん車軸しゃじく必要ひつようとなるが、2じく以上いじょう車体しゃたい固定こていすると曲線きょくせん通過つうか困難こんなんになる。また、2じくであっても、固定こていされた状態じょうたいでその間隔かんかく固定こていじく距)がながくなると、理想りそうてきにはじくがレールと直角ちょっかくになるべきところ、その角度かくどのずれ(アタックかく)がおおきくなるため、走行そうこう抵抗ていこうおおきくなり曲線きょくせん通過つうか困難こんなんになる。

ボギー台車だいしゃ曲線きょくせん追従ついしょうして回転かいてんできるため、曲線きょくせん通過つうか容易よういとなる。また、心地ごこち走行そうこう性能せいのうについても、たてゆらどうをボギーの2じくあいだ一旦いったん平準へいじゅんするのでれがすくなくなり、ばね装置そうちを2段階だんかいにできるてんでも固定こていじくしゃくらべて有利ゆうりである。ばね装置そうち台車だいしゃ構造こうぞう内部ないぶ完結かんけつする構造こうぞうとしたものがおおく、車体しゃたい台車だいしゃ機能きのうはなしがおこなわれるかたちになっていたが、近年きんねんは、まくらばね(後述こうじゅつ)を車体しゃたいとのあいだたせるかたちのものがえている。

とくふる機関きかんしゃ台車だいしゃについては、旅客りょかくしゃのボギー台車だいしゃとはおおきくことなるものがもちいられた。これについては機関きかんしゃ台車だいしゃ参照さんしょうされたい。

台車だいしゃ役割やくわり[編集へんしゅう]

台車だいしゃもうけられる種類しゅるいのばね

台車だいしゃ役割やくわりつぎのようなものである。

  • 車体しゃたい重量じゅうりょう車輪しゃりんかいしてレールつたえることで車体しゃたい保持ほじする。
  • 車体しゃたいをレールにそって安定あんていして高速こうそく走行そうこうさせる。
  • 車輪しゃりん回転かいてんによる推進すいしんりょくどう台車だいしゃ場合ばあい)および制動せいどうのブレーキりょく車体しゃたいつたえる。
  • 曲線きょくせんで、レールから車輪しゃりんつたわった横向よこむきのちから方向ほうこうえるちから)を車体しゃたいつたえる。同時どうじに、車輪しゃりんがカーブに沿うよう台車だいしゃ自身じしん回転かいてん可能かのうとする(ボギー台車だいしゃ)。
  • 走行そうこう線路せんろからつたわる振動しんどう衝撃しょうげきをなるべく車体しゃたいつたえないように減衰げんすいさせる。
  • 線路せんろ平面へいめんからのずれを補償ほしょう吸収きゅうしゅう)して、4つの車輪しゃりんがレールからかないようにする。
  • 駆動くどう装置そうち、ブレーキ装置そうちまれる。おおくの電気でんきしゃ場合ばあい動力どうりょく装置そうちとなるモーターむ。

このうちばね機能きのう回転かいてん機能きのう概要がいよう図示ずしするとみぎのとおりで、ばね機能きのう一般いっぱん種類しゅるいのばねで分担ぶんたんされる。

台車だいしゃ種類しゅるい[編集へんしゅう]

基本きほんてき分類ぶんるい[編集へんしゅう]

一軸いちじく台車だいしゃ
国鉄こくてつED62かたち電気でんき機関きかんしゃ14ごうのTR109かたち1じく中間なかま台車だいしゃ
佐久間さくまレールパーク)
ひとつのじく構成こうせいされる台車だいしゃ一軸いちじく台車だいしゃ東急とうきゅうデハ200かたち連接れんせつ台車だいしゃ (TS-501) や写真しゃしんED62電気でんき機関きかんしゃなかあいだ台車だいしゃ (TR109) などで採用さいようされている。
たん台車だいしゃ
函館はこだて交通こうつうきょく30かたち
たん台車だいしゃのBrill 21Eを装着そうちゃくする車両しゃりょうれい
古典こてんてき電車でんしゃ4りん単車たんしゃなどに、1車体しゃたいに1だいけられている台車だいしゃ[注釈ちゅうしゃく 2]台車だいしゃたいわくたいしてばねをかいしてけられているため、車体しゃたいたいする回転かいてんくびり)機能きのうたない。ラジアル式台しきだいしゃたん台車だいしゃじく前後ぜんご方向ほうこうにも可動かどうする構造こうぞうにして曲線きょくせん通過つうか性能せいのう向上こうじょうした台車だいしゃで、J.G.Brillしゃボールドウィン・ロコモティブ・ワークスしゃ、それに丹羽にわ工業こうぎょうしょなどが1910年代ねんだい製造せいぞうした。文献ぶんけんによっては「台車だいしゃわくゆうせず、じく直接ちょくせつ車体しゃたいけたもの」と一般いっぱんてきじくしゃ固定こてい軸受じくうけまぎらわしい定義ていぎにされることもある[4]が、固定こてい軸受じくうけがばねをかいしてひとつのじくたいわくけられているのにたいして、たん台車だいしゃふたつのじくがばねをかいして台車だいしゃわくけられ、その台車だいしゃわくがばねをかいしてたいわくけられている[注釈ちゅうしゃく 3]
ボギー台車だいしゃ
イコライザーしきさんじくボギー台車だいしゃれい
国鉄こくてつTR71かたち
電車でんしゃ客車きゃくしゃなどで1車体しゃたいに2だいけられる台車だいしゃ機関きかんしゃには使用しよう条件じょうけん要求ようきゅう性能せいのうおうじて1車体しゃたいに3だいないしは4だいける場合ばあいもある。
  • 2じくボギー台車だいしゃ
  • 3じくボギー台車だいしゃ
  • 4じく以上いじょうのボギー台車だいしゃ特殊とくしゅ日本にっぽんでは重量じゅうりょうぶつはこ大物おおものしゃもちいられるのみ。
  • 複式ふくしきボギー台車だいしゃ

機関きかんしゃ台車だいしゃ[編集へんしゅう]

機関きかんしゃでとくにきゅうかたちのものは、旅客りょかくしゃのボギー台車だいしゃとは様相ようそうおおきくことなる。蒸気じょうき機関きかんしゃ場合ばあい動輪どうりんじくばねをかいしてたいわく直接ちょくせつけられるが、さきしたがえたいわくたいして回転かいてん可能かのうなものは、さき台車だいしゃしたがえ台車だいしゃばれる。国鉄こくてつでは形式けいしきLT[注釈ちゅうしゃく 4]する。これらのうち、2じくしんさら後述こうじゅつ)を中心ちゅうしん回転かいてんするものは、ボギー台車だいしゃ一種いっしゅである。(元来がんらい旅客りょかくしゃのボギー台車だいしゃ歴史れきしてきには蒸気じょうき機関きかんしゃのそれにならったものである。鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ#ボギー台車だいしゃ誕生たんじょう参照さんしょう)。これにたいして1じくのものは一般いっぱんそとの1てん中心ちゅうしん回転かいてんして動輪どうりんとの位置いち関係かんけいでカーブに沿うようにされている。

また、日本にっぽんではEH10かたち以降いこう電気でんき機関きかんしゃは、頑丈がんじょうたいわく車体しゃたい連結れんけつけられ、ボギー台車だいしゃ駆動くどうするかたちであるが、それ以前いぜんきゅうかたち電気でんき機関きかんしゃは、蒸気じょうき機関きかんしゃ同様どうよう台車だいしゃわくたいわく)に動輪どうりんけられ、連結れんけつはその台車だいしゃわくもうけられていた。おおくの場合ばあい蒸気じょうき機関きかんしゃ同様どうようさき台車だいしゃもうけられるが、これにたいして動輪どうりん部分ぶぶん台車だいしゃしゅ台車だいしゃばれ、国鉄こくてつでは形式けいしきHT[注釈ちゅうしゃく 5]する。また、おおくの形式けいしき前後ぜんご台車だいしゃ中央ちゅうおう中間ちゅうかん連結れんけつばれる連結れんけつによって連結れんけつされ、牽引けんいんりょくもこの連結れんけつかいして伝達でんたつするかたちになっていた。さき台車だいしゃは、しゅ台車だいしゃ先端せんたんにさらに回転かいてんするようにけられ、カーブでガイドする役割やくわりになった[3][注釈ちゅうしゃく 6]

6どうじくをもつFかたち機関きかんしゃで、2じくボギー台車だいしゃ3くみもちいるものは、カーブをがるときに線路せんろへのよこあつおおきくならないよう、中間ちゅうかん台車だいしゃよこどうしやすい特殊とくしゅ構造こうぞうもちいられる。動輪どうりんのないなかあいだ台車だいしゃ が、じくじゅう調整ちょうせいのためにもうけられる場合ばあいもある。また固定こていした3じくボギー台車だいしゃとすると中央ちゅうおうじくよこあつおおきくなるので、DE10かたちディーゼル機関きかんしゃなどでは1じくごとに可動かどう特殊とくしゅかたちもちいられている。ふるいタイプの機関きかんしゃには、3じく台車だいしゃおおもちいられ、うち2じくのみ動輪どうりんなど、さまざまなタイプがあった。

動力どうりょく有無うむによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

動力どうりょく台車だいしゃおよ電動でんどう台車だいしゃ
動力どうりょくしゃにおいて、台車だいしゃ減速げんそく歯車はぐるま駆動くどう装置そうちいているものを動力どうりょく台車だいしゃとくしゅ電動でんどういているものは電動でんどう台車だいしゃ[5]
ただし旧式きゅうしき電気でんき機関きかんしゃ動輪どうりんいている台車だいしゃしたがえ台車だいしゃわせて使つか関係かんけいで「しゅ台車だいしゃ」と[6]
付随ふずい台車だいしゃ
客車きゃくしゃ貨車かしゃ電車でんしゃなどの付随ふずいしゃもちいられる駆動くどう装置そうちのない台車だいしゃ[7]一般いっぱん制動せいどう装置そうち(ブレーキ装置そうち装備そうびされている。動力どうりょくしゃにおいても、機関きかんしゃではじくおも調整ちょうせい気動車きどうしゃでは1エンジンしゃ電車でんしゃではMT調整ちょうせいなどで、一部いちぶ台車だいしゃ付随ふずい台車だいしゃとする場合ばあいもある。
ただし通常つうじょう蒸気じょうき機関きかんしゃ旧式きゅうしき電気でんき機関きかんしゃ前後ぜんごにある曲線きょくせん通過つうか運転うんてん円滑えんかつにするための台車だいしゃは「さき台車だいしゃ」「したがえ台車だいしゃ」とばれる[8]。また、一部いちぶ蒸気じょうき機関きかんしゃではブースターしょうし、したがえ台車だいしゃ小型こがた蒸気じょうき機関きかんによる駆動くどう装置そうちけて始動しどう加速かそく補助ほじょにのみこれを使用しようするケースが存在そんざいしたが、これは動輪どうりんふくめない。

車両しゃりょうへの位置いちによる名称めいしょう[編集へんしゅう]

連接れんせつ台車だいしゃれい江ノ島えのしま電鉄でんてつ300かたち電車でんしゃ
連接れんせつ台車だいしゃはし台車だいしゃ関節かんせつ台車だいしゃ
車体しゃたいなが電車でんしゃなどで車体しゃたい常時じょうじ分割ぶんかつしない連結れんけつにし、その連結れんけつ部分ぶぶんひろじょうこころさらをもうけてこれを台車だいしゃしんさらわせたもの[9]おおくの場合ばあいボギー台車だいしゃ使用しようされるが、1じく台車だいしゃ使つかわれる場合ばあいもある。
たいして連接れんせつしゃくるまはし設置せっちされる連接れんせつ構造こうぞうではない台車だいしゃはし台車だいしゃばれることもある。
連接れんせつしゃ車体しゃたいに2つの台車だいしゃもうけるボギぼぎしゃ比較ひかくして、編成へんせいにおける台車だいしゃかずすくなくなるが、その得失とくしつについては当該とうがい項目こうもく参照さんしょうされたい。
中間ちゅうかん台車だいしゃ
ボギぼぎしゃに3だい以上いじょう台車だいしゃけられている場合ばあい中間なかま部分ぶぶん設置せっちされた台車だいしゃ名称めいしょうおおくの場合ばあいボギー台車だいしゃ使用しようされるが、1じく台車だいしゃ使つかわれる場合ばあいもある。
さき台車だいしゃしたがえ台車だいしゃ

全体ぜんたい構造こうぞう[編集へんしゅう]

台車だいしゃ荷重かじゅう伝達でんたつ順序じゅんじょ
車体しゃたい
1 車体しゃたい支持しじ装置そうち
上下じょうげ左右さゆうどう回転かいてんける部分ぶぶん
2 台車だいしゃわく
3 じくばこ支持しじ装置そうち
上下動じょうげどうける部分ぶぶん
4 じくばこ - 軸受じくうけじく回転かいてんける)
5 じく車軸しゃじく - 車輪しゃりん
レール

おおくの旅客りょかくしゃ使用しようされている台車だいしゃではおおむねみぎのようになっている。通常つうじょう1では回転かいてん機構きこうと、車体しゃたい台車だいしゃわくあいだ上下じょうげ左右さゆうどうけるばねとその振動しんどう減衰げんすいさせるダンパーの機構きこう、3ではじくばこ台車だいしゃわくあいだ上下動じょうげどうけるばねおよびダンパーの機構きこうもうける。1を車体しゃたい支持しじ装置そうち、3をじくばこ支持しじ装置そうちとよぶ。両者りょうしゃは、おおくの種類しゅるい考案こうあん実用じつようされてきた。なお車体しゃたい支持しじ装置そうちには一般いっぱん前後ぜんご牽引けんいんりょく伝達でんたつする装置そうちまれる。また、列車れっしゃめる制動せいどう装置そうち(ブレーキ)や、動力どうりょく台車だいしゃでは、駆動くどう装置そうち搭載とうさいされる。

台車だいしゃ前後ぜんご方向ほうこう固定こていされ、車体しゃたい台車だいしゃあいだ牽引けんいんりょく・ブレーキりょく伝達でんたつする。(なお前後ぜんご左右さゆうはそれぞれ列車れっしゃ進行しんこう方向ほうこうと、それに直交ちょっこうする枕木まくらぎ方向ほうこう上下じょうげ垂直すいちょく方向ほうこうとし、回転かいてんはこの垂直すいちょくじくまわりの回転かいてんとする[注釈ちゅうしゃく 7])。

じくがレールに沿って進行しんこうするため、基本きほんてき左右さゆう方向ほうこううごきが拘束こうそくされ、車体しゃたいれや曲線きょくせんしょうじる左右さゆう相対そうたい移動いどう台車だいしゃおおきく負担ふたん吸収きゅうしゅうすること、操舵そうだのためにみずか回転かいてんさせる必要ひつようがないことが、自動車じどうしゃのサスペンションとおおきくことなるてんとしてげられる。

ばね重量じゅうりょう・ばねあいだ重量じゅうりょう[編集へんしゅう]

みぎのようにしきてき車体しゃたい - ばね - じく垂直すいちょくならんでいるとして、レールにより上下動じょうげどうしょうじた状態じょうたいでは、一般いっぱんにはばねよりした重量じゅうりょうかるいほど、車輪しゃりん容易よういにレールに追随ついずいすることになり、またばねをかいして車体しゃたいあたえる振動しんどう衝撃しょうげきすくなくなる。一般いっぱんには鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃでは通常つうじょう台車だいしゃわくじくばこあいだにあるじくばねのした相当そうとうする。また、じくばこ以下いかのばね重量じゅうりょうほどではないがじくばねとまくらばねのあいだ、つまり台車だいしゃわくなどの質量しつりょうかるいことがのぞましく、ばね重量じゅうりょうとばねあいだ重量じゅうりょう軽量けいりょうにはさまざまな工夫くふうがされてきた。

車体しゃたい支持しじ装置そうち[編集へんしゅう]

車体しゃたい支持しじ方式ほうしき[編集へんしゅう]

上面うわつらからたボルスタレス台車だいしゃ (TR235D)

車体しゃたい支持しじ装置そうち構成こうせい要素ようそ[編集へんしゅう]

主要しゅよう車体しゃたい支持しじ機構きこう構成こうせい要素ようそ
スイングハンガー方式ほうしき インダイレクトマウント方式ほうしき ダイレクトマウント方式ほうしき ボルスタレス方式ほうしき
車体しゃたい
こころさらがわ受 (Y) まくらばね (V+H) まくらばね (Y+V+H)
うえまくら ボルスタ 台車だいしゃわく
まくらばね (V) まくらばね (V+H) こころさらがわ受 (Y)
しもまくら 台車だいしゃわく
まくらつり (H) [注釈ちゅうしゃく 8]
台車だいしゃわく

主要しゅよう車体しゃたい支持しじ機構きこうごとに、車体しゃたい台車だいしゃわくあいだ荷重かじゅう伝達でんたつする構成こうせい要素ようそみぎひょうしめす。略号りゃくごうはそれぞれ、つぎ運動うんどうおこなうことをしめす。

こころさらがわ受部ぶん国鉄こくてつTR43かたち
スイングハンガー方式ほうしき採用さいようする台車だいしゃの、かさばんばねによるまくらばね。(国鉄こくてつTR43かたち
中心ちゅうしんピン・こころさら
車体しゃたい底部ていぶから下向したむきにとつになった部分ぶぶんうえこころさら)が、うえまくらまたはまくらはりうえに凹になった円形えんけいあな下心したごころさら)にはめまれ、垂直すいちょく荷重かじゅうけ、回転かいてんおこない、牽引けんいんりょく伝達でんたつする。またすりどう摩擦まさつにより過大かだい回転かいてんおさえるようになっている。詳細しょうさいは、まくらばりの機構きこう参照さんしょう
がわ
うえまくらまたはまくらはり左右さゆう設置せっちされ、車体しゃたい傾斜けいしゃにのみ荷重かじゅう負担ふたんする場合ばあいと、つね荷重におも支持しじ負担ふたんする場合ばあいとがある。歴史れきしてきには前者ぜんしゃほうがよりふるい。一般いっぱんこすいたすりどう抵抗ていこうにより回転かいてん案内あんないするが、車体しゃたい傾斜けいしゃにのみ荷重かじゅう負担ふたんするタイプの一部いちぶには台車だいしゃがわにローラーを設置せっちするものもあった[10]。また、一般いっぱんには台車だいしゃ1だいにつきこころさら左右さゆうに1くみずつ設置せっちされるが、ふるい3じくボギー台車だいしゃではかく車輪しゃりんあいだまくらはりごとにがわ受を構造こうぞうであったため、左右さゆう2くみ設置せっちした。
みぎ写真しゃしんこころさらがわ部分ぶぶん中央ちゅうおうの、車体しゃたいまくらはりからしたすように固定こていされた円筒えんとうがた部品ぶひんそこ接触せっしょくするのがしんさらおく上下じょうげ接触せっしょく状態じょうたいがわ受がえる。この形式けいしきのようにふる設計せっけい台車だいしゃでは、一般いっぱんしんさらぜん荷重かじゅう負担ふたんするため、曲線きょくせん通過つうかなどの車体しゃたい傾斜けいしゃ以外いがいには左右さゆうがわ受は接触せっしょくしない。
まくら
スイングハンガー方式ほうしき場合ばあい2つあり、うえまくらしもまくらばれあいだまくらばねをもつ。したまくらまくらつりで台車だいしゃわくげられ、これがゆらどうすることで振動しんどう吸収きゅうしゅうする装置そうちをなす。詳細しょうさいまくらもり方式ほうしきとその欠点けってん参照さんしょう
まくらつり
台車だいしゃわく内部ないぶよこはり、またはがわはり外側そとがわからしもまくらげるリンク。線路せんろ方向ほうこうゆらどう許容きょようするタイプと、枕木まくらぎ方向ほうこうゆらどう許容きょようするタイプの2しゅ存在そんざいする。みぎ写真しゃしん(TR43かたちまくらばね)では台車だいしゃわく内側うちがわからまくらつりがげられ、枕木まくらぎ方向ほうこうゆらどう許容きょようするようにリンクが構成こうせいされている。(下記かきまくらばねふし写真しゃしんのDT21Bかたちでは台車だいしゃわく外側そとがわからげられている)。おおくの場合ばあい下部かぶひらくハの字形じけいにされ、ゆらどうさいして中心ちゅうしん復元ふくげんするちからあたえるとともに、まくら中心ちゅうしん、すなわちこころさら部分ぶぶん上下動じょうげどうすくなくなるように構成こうせいされている。一部いちぶではT字形じけいのリンクとその左右さゆう小型こがたのリンクをわせ、みじかいリンクちょうでよりながいリンクと等価とうか作用さようられるようにしたものも存在そんざいする。一方いっぽう機関きかんしゃなかあいだ台車だいしゃなど、よこあつちいさくしなくてはならないものは、リンクをながくしたり、等価とうかてきながくなる機構きこう採用さいようしたりして、復元ふくげんりょく極力きょくりょくちいさくしている。
まくらばり(ボルスタ)
うえまくらを1つにえたものとることもできる(英語えいごではまくらもBolsterである)。詳細しょうさいまくらばりの機構きこうおよびインダイレクトマウント方式ほうしき参照さんしょう
まくらばね
車体しゃたい台車だいしゃわくあいだもうけられるばね装置そうちふるくはおも上下動じょうげどうけるものであったが、おおくの方向ほうこう運動うんどうけるものに発展はってんしてきて、材質ざいしつ機構きこう変化へんかとともに台車だいしゃなかでも役割やくわり分担ぶんたん変動へんどうはげしい部分ぶぶんである。スイングハンガー方式ほうしきではまくら装置そうちなか、インダイレクトマウント方式ほうしきではボルスタのしたと、車体しゃたいとはなれて台車だいしゃ内部ないぶにあるが、ダイレクトマウント方式ほうしき・ボルスタレス方式ほうしきではボルスタや台車だいしゃわく車体しゃたいとのあいだ位置いちして直接ちょくせつ車体しゃたい支持しじする。詳細しょうさいまくらばね参照さんしょう
みぎ写真しゃしんまくらばね)の形式けいしきではふくれつかさばんばねを上下じょうげかいわせにわせたまくらばね本体ほんたいが、台車だいしゃわく内側うちがわからまくらつりでげられたしもまくらっている。また、じくばこあいだ連結れんけつするローワーレール(しもじくばこもりひかえ写真しゃしん手前てまえがわうつっているよこ方向ほうこうはがねぼう)とばれる補強ほきょうはりわたしてあり、まくらりによる枕木まくらぎ方向ほうこうのスイングのさいにこれと干渉かんしょうするため、まくら可動かどう範囲はんい制約せいやくがあることがわかる。

前後ぜんご方向ほうこうちから伝達でんたつ[編集へんしゅう]

車体しゃたい台車だいしゃ具体ぐたいてきには台車だいしゃわく)とのあいだ相対そうたい運動うんどうかんして、まくらばねは上下じょうげ左右さゆう方向ほうこう運動うんどう吸収きゅうしゅうするが、前後ぜんご方向ほうこうについては相対そうたいてき固定こていしてじく車体しゃたいあいだしょうじる前後ぜんご方向ほうこうちから、すなわち牽引けんいんりょくやブレーキりょく伝達でんたつする必要ひつようがある。(なおじく台車だいしゃわくとのあいだ伝達でんたつ下記かきじくばこ支持しじ装置そうちおこなう)。

スイングハンガー方式ほうしき、インダイレクトマウント方式ほうしきにおいては車体しゃたいうえまくらまたはまくらばり(ボルスタ)のあいだしんさら中心ちゅうしんピンで伝達でんたつされるが、そこから台車だいしゃわくあいだにはまくらばねが介在かいざいする。またダイレクトマウント方式ほうしきにおいては車体しゃたいとボルスタのあいだに、ボルスタレス台車だいしゃでは車体しゃたい台車だいしゃわくあいだまくらばねが介在かいざいする。しかしまくらばねは一般いっぱんよこ方向ほうこう剛性ごうせいひくく、ちから伝達でんたつにはてきしない。そのため以下いかのように様々さまざま方式ほうしきもちいられてきた。

まくらもり方式ほうしき
スイングハンガー方式ほうしきなかでもふる台車だいしゃではうえまくら台車だいしゃわくあいだに「すりばん」をもうけ、相互そうごゆらどうする両者りょうしゃ接触せっしょくさせることで、前後ぜんご牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなまくらもり方式ほうしき主流しゅりゅうであった。しかしまくらもりは、構造こうぞう簡単かんたん安価あんか一方いっぽうで、台車だいしゃれにより摩耗まもうし「がたつき」をこしやすいことが欠点けってんである。詳細しょうさいボルスタアンカー#まくらもり方式ほうしきとその欠点けってん参照さんしょうされたい。
ボルスタアンカー
うえ欠点けってん克服こくふくするものとして登場とうじょうしたのがボルスタアンカーである。ボルスタアンカーは、まくらばねの上端じょうたん下端かたん前後ぜんご方向ほうこう拘束こうそくし、牽引けんいんりょくやブレーキりょく伝達でんたつするもので、そのうごきは拘束こうそくしない。スイングハンガー方式ほうしきではうえまくら台車だいしゃわくあいだに、インダイレクトマウント方式ほうしきではボルスタと台車だいしゃわくあいだもうけられる。詳細しょうさいボルスタアンカー#ボルスタアンカーのバリエーション参照さんしょうされたい。
一方いっぽうダイレクトマウント方式ほうしきにおいては車体しゃたいとボルスタのあいだもうけられる。詳細しょうさいボルスタアンカー#牽引けんいんりょく伝達でんたつするボルスタアンカー参照さんしょうされたい。
近畿車輛きんきしゃりょうKD-97かたち台車だいしゃ
ボルスタアンカーとヨーダンパを併設へいせつする台車だいしゃれい車体しゃたいまくら結合けつごうするボルスタアンカー(うえ)と、車体しゃたい台車だいしゃわくあいだ振動しんどう吸収きゅうしゅうするヨーダンパ(した)がまくらはりしたならんでけられている。
牽引けんいん装置そうち
まくらばりをたないボルスタレス台車だいしゃには、牽引けんいん装置そうちもうけられて回転かいてん運動うんどうなどは拘束こうそくせずに前後ぜんごちから車体しゃたい台車だいしゃわくあいだ伝達でんたつする。もんがたいたばねZリンク1ほんリンク積層せきそうゴムしきなどの方式ほうしき存在そんざいする。
なおボルスタレス台車だいしゃにおいては、上記じょうきボルスタアンカーと類似るいじした外観がいかんていするが牽引けんいんりょく伝達でんたつおこなうのではないヨーダンパもうけられていることもおおい。また、ごく一部いちぶのボルスタアンカー台車だいしゃでは、高速こうそくへび行動こうどう対策たいさくとしてヨーダンパを併設へいせつしたれい存在そんざいする。その詳細しょうさいボルスタアンカー#ヨーダンパとボルスタアンカー参照さんしょうされたい。

ばね・ダンパーの種類しゅるい[編集へんしゅう]

まくらばね[編集へんしゅう]

スイングハンガー方式ほうしき台車だいしゃのコイルばねによるまくらばねひだり)。上下じょうげ方向ほうこう振動しんどう減衰げんすいさせるオイルダンパーもうけられている。みぎはウイングばねじくばこもりしきじくばこ支持しじ装置そうち。(国鉄こくてつDT21Bかたち
  • 金属きんぞくばね
    • いたばねどう重量じゅうりょうではコイルばねより負担ふたん荷重かじゅうちいさいが、内部ないぶ摩擦まさつ損失そんしつがあって振動しんどう減衰げんすいさせるはたらきがあり、ふるくはまくらばねにこのんでもちいられた。
    • コイル(づるき)ばね:ダンパーで振動しんどう減衰げんすいさせる手法しゅほう一般いっぱんしてからよくもちいられた。
    • エリゴばね金属きんぞくのコイルばねにつつじょうにゴムを被覆ひふくしたもので、ゴムによる(とく高周波こうしゅうはの)振動しんどう減衰げんすい期待きたいできる。ゴミやゆきなど異物いぶつみをふせ効果こうかもある。
    • トーションバー・スプリング(ねじりぼうばね S.I.Gしき 日本にっぽん車両しゃりょう):金属きんぞくぼうのねじりにたいする復元ふくげんりょくによる弾性だんせい利用りようしたもの。
  • ゴムばね
  • 空気くうきばね鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ参照さんしょう
    • ベローズかたちたて蛇腹じゃばらがたになったもので、垂直すいちょく荷重かじゅうけるが、よこ変形へんけいにはよわい。
    • ダイアフラムかたち:おわんをせたようなかたちで、垂直すいちょく荷重かじゅうのほか、よこ変形へんけいにも復元ふくげんりょくはたらくが用途ようとによってその特性とくせいことなる。

ダンパー[編集へんしゅう]

ダンパー種類しゅるいにはつぎのようなものがある。

  • 垂直すいちょく方向ほうこう
    • ダンパー:まくらばねやじくばねの振動しんどう減衰げんすいする。(まくらばねのダンパーは上記じょうきまくらばね」ふし写真しゃしん参照さんしょう)。
  • 水平すいへい方向ほうこう
    • ヨーダンパー:ボルスタレス台車だいしゃにおいて、車体しゃたいとのあいだにレール方向ほうこうかれ、台車だいしゃへび行動こうどうおさえる。
    • 左右さゆうどうダンパー:車体しゃたい床下ゆかした中心ちゅうしんピンと台車だいしゃ枕木まくらぎ方向ほうこうむすび、車体しゃたい左右さゆうどうおさえる。

振動しんどう制御せいぎょ装置そうち[編集へんしゅう]

車体しゃたい傾斜けいしゃ装置そうち[編集へんしゅう]

  • 自然しぜんしき
  • 強制きょうせいしき
  • 制御せいぎょ自然しぜんしき

台車だいしゃわく[編集へんしゅう]

構造こうぞう概要がいよう[編集へんしゅう]

台車だいしゃわくとは、車体しゃたい支持しじ装置そうちじくばこ支持しじ装置そうち中間ちゅうかん位置いちする構造こうぞうぶつす。車体しゃたい重量じゅうりょう均等きんとうかく車輪しゃりん配分はいぶんし、かくじく平行へいこうたもつ。イコライザーのない台車だいしゃではイコライザーの作用さよう分担ぶんたんするが、3じくボギーではまさしく釣合つりあいはり作用さようにはならない。台車だいしゃ進行しんこう方向ほうこうにおいてみた場合ばあい両側りょうがわたてがわはりがあり、よこよこはりでそれらを結合けつごうする。横向よこむきのはり本数ほんすう形態けいたい種類しゅるいによりさまざまで、はしもうけられるはしはりがあることもある。車輪しゃりん一般いっぱん両側りょうがわがわはり内側うちがわ位置いちする(下記かきインサイドフレームの場合ばあい外側そとがわになる)。じくばこ支持しじ装置そうち荷重かじゅうがわはり真下ましたからかかるのがのぞましいが、国鉄こくてつTR10かたちなどイコライザー台車だいしゃでは構造こうぞうじょういばねの中心ちゅうしんがわはり中心ちゅうしんとずれることもあり、これを解消かいしょうするためイコライザーをがわはり内外ないがいもうけるなどのさくもとられる。

そのしゅ電動でんどうやブレーキなどさまざまな装置そうちけるためにももちいられる。

台車だいしゃわく種類しゅるい[編集へんしゅう]

台車だいしゃわく構造こうぞうとしては、ふるくはかたちこう板材いたざいをリベット締結ていけつによりてる構造こうぞう鋳物いもの使用しようした構造こうぞう、プレス成形せいけいされた鋼材こうざい溶接ようせつ組立くみたてする構造こうぞうなどがある[11]

  • ひしわく台車だいしゃ
    • 台車だいしゃわく側面そくめん形状けいじょうたいらこうてたじくばこつきひしわくがたにし、これにまくらばねけをもうけてこころざらつきまくらじくけたもの。台車だいしゃわく形状けいじょう菱形ひしがたなのでこのがある。日本にっぽんではおも貨車かしゃ使用しようされた[12]
  • アーチバー
    • 1920年代ねんだい貨車かしゃと、一部いちぶ客車きゃくしゃようわく主要しゅよう部材ぶざいゆみアーチかたちのもので、じくばこ固定こていしき日本にっぽんでは国鉄こくてつTR20がたなど。
  • ベッテンドルフ
    • じくばこ固定こていしき貨車かしゃようで、アーチバーの強度きょうど剛性ごうせい向上こうじょうさせたもの。初期しょきかたち鋼材こうざいてたものと、量産りょうさんせいたかめた一体いったい鋳造ちゅうぞうのものがある。ベッテンドルフしゃ特許とっきょ公開こうかいにより、類型るいけい多数たすう存在そんざいする。日本にっぽんでは国鉄こくてつTR41がたなど。
  • アンドリュー(アンドリュース)
    • 貨車かしゃようわく形態けいたい鋳鋼ちゅうこうせいベッテンドルフに類似るいじするが、じくばこべつたいとし、上下じょうげたいわくじくばこはさ構造こうぞう
  • ヴァルカン
    • 貨車かしゃよう。アンドリューを簡素かんそし、じくばこの緊定を1ほんボルトにしたもの。
  • インサイドフレーム(内側うちがわはり / 内側うちがわわくしき
    • がわはりがわわく)と軸受じくうけが車輪しゃりん内側うちがわにある構造こうぞう。レールに直接ちょくせつはたら電磁でんじ吸着きゅうちゃくブレーキなど、いわゆるトラックブレーキ(台車だいしゃの Truck ではなく、軌道きどうの Track)の装備そうびと、その保守ほしゅ都合つごう形状けいじょうPCCカーLRT路面ろめん電車でんしゃ採用さいようれいおおい。
      これとはべつに、ゴムタイヤのみを走行そうこうもちいた台車だいしゃでは、タイヤはばやトレッド寸法すんぽう問題もんだいと、頻繁ひんぱんなタイヤ交換こうかん対応たいおうすべく、内側うちがわはりわくしきとなっている。
  • いただいわくしき
    • がわわくうす鋼板こうはんてによって構成こうせいするもの。19世紀せいきごろからヨーロッパの鉄道てつどうにおいて多用たようされ、だい世界せかい大戦たいせん貨車かしゃよう中心ちゅうしんにヨーロッパメーカーでの製作せいさくつづいている。日本にっぽんでは雨宮あまみや製作所せいさくしょ花巻はなまき電鉄でんてつ下野げや電気でんき鉄道てつどう、それに京王けいおう電気でんき軌道きどうけなど電車でんしゃようとしてこのんで製作せいさくし、同社どうしゃ倒産とうさん消滅しょうめつ日本にっぽん鉄道てつどう自動車じどうしゃがこれを模倣もほうした台車だいしゃ各地かくち私鉄してつ供給きょうきゅうした。また、日立製作所ひたちせいさくしょ製造せいぞうした国鉄こくてつED15かたちなどの初期しょき本線ほんせんよう電気でんき機関きかんしゃにも採用さいようされている。このたね台車だいしゃでは、構造こうぞうじょうじくばこ支持しじ機構きこうとして一般いっぱんにウィングばね方式ほうしき使用しようされる。

台車だいしゃわく構成こうせい要素ようそ[編集へんしゅう]

うえからると「H」のかたちをしているのが特徴とくちょうであり、レールと平行へいこう左右さゆう外側そとがわ位置いちする2ほんがわはりと、このがわはりつな中心ちゅうしんよこはりから構成こうせいされる。

  • がわはり前後ぜんごじくばこ支持しじ装置そうち接続せつぞくして、じく台車だいしゃわくたいして保持ほじする。
  • よこはり:2ほんがわはりつな部分ぶぶんす。しゅ電動でんどう歯車はぐるまばこ装置そうち、ブレーキなどの装置そうちけられる。
  • はしはりがわはりはしつな部分ぶぶんす。上記じょうきがわはりよこはりだけでは必要ひつよう装置そうち搭載とうさいれない場合ばあいなどに台車だいしゃわくけられる。はしはり存在そんざいする場合ばあい台車だいしゃわくが「」のかたちとなるのが特徴とくちょうである。

じくばこ支持しじ装置そうち[編集へんしゅう]

構造こうぞう概要がいよう[編集へんしゅう]

じくばこ支持しじ装置そうちとは、じくじくばこ台車だいしゃわくたいして保持ほじする機構きこうまたは装置そうちのことをす。自動車じどうしゃのサスペンションに相当そうとうするもので、じくばこ上下じょうげにコイルばねなどをかいして十分じゅうぶん可動かどうできるようにする[注釈ちゅうしゃく 9]一方いっぽう前後ぜんご左右さゆうにはたいしてはかた抑制よくせいすることで、一般いっぱん高速こうそく安定あんていせい重視じゅうしするもの(新幹線しんかんせんようなど)は前後ぜんごをよりかたく、曲線きょくせん通過つうかせい重視じゅうしするものは前後ぜんごをやややわらかく抑制よくせいする[注釈ちゅうしゃく 10]。また1だい車中しゃちゅう前後ぜんご車軸しゃじくをレールに直角ちょっかくになるよう積極せっきょくてき操舵そうださせる構造こうぞう台車だいしゃもある。

前述ぜんじゅつのように車体しゃたい支持しじ装置そうち車体しゃたい台車だいしゃわくあいだ変位へんいけるのにたいし、じくばこ支持しじ装置そうち台車だいしゃわくかくじくばこ(2じくボギーでは4つ)あいだ変位へんいけ、軌道きどう不整ふせい、レール、カーブくちなどで前後ぜんごたかさがちがったり4りんどういち平面へいめんからはずれたりする場合ばあいには、まずその変位へんいけることになる。これは車両しゃりょう高速こうそく安全あんぜん走行そうこうするさいには、台車だいしゃ装備そうびされたじくつね平行へいこうたもちながら、刻々こくこく変化へんかする線路せんろ状況じょうきょうにおいて正確せいかく追従ついしょうする必要ひつようがあるためである。なおまくらばねとじくばねの分担ぶんたん関係かんけいについては鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ参照さんしょう

以前いぜんは、上下じょうげ案内あんないにスライドレールの役割やくわりをするじくばこもり(ペデスタル)をもうけてじくばこすべらせ台車だいしゃわくとのあいだじくばねをかいする方式ほうしきや、ばね支持しじにイコライザーをかいしてじくばこささえる方式ほうしきおおもちいられたが、じくばこもり磨耗まもうすると騒音そうおんへび行動こうどう発生はっせいしやすくなり、強度きょうど摩擦まさつ部分ぶぶんのため保守ほしゅかる問題もんだいがあった。そのじくばこもりもちいず、上下じょうげ案内あんないとばね支持しじ上下じょうげにたわむこう剛性ごうせいいたばねでおこなうものや、リンクをもちいるものなど、様々さまざまかたちてきている。

じくばこ支持しじ方式ほうしき[編集へんしゅう]

上述じょうじゅつのとおり、きわめて多岐たきわたるため、構造こうぞう詳細しょうさいは、可能かのう場合ばあい代表だいひょうてき形式けいしきげてそれへのリンクをもってかえる。

じくばこもりしき(ペデスタルしき[編集へんしゅう]

じくばこもり式台しきだいしゃ国鉄こくてつTR43かたち
じくばこうえたんれつしきじくばね(コイルばね)がえる。じくばこ両側りょうがわたてのガイドがじくばこもり。そのしたがわよこふさいでいるのがじくばこもりひかえ
ペデスタルしきじくばこ支持しじ装置そうちうご

比較的ひかくてきふる様式ようしきじくばこ支持しじ方式ほうしき後述こうじゅつイコライザーしきでも一般いっぱんじくばこ案内あんないにはじくばこもりもちいるが、じくばこもりしき(ペデスタルしき)としょうするときには、イコライザーをもちいない方式ほうしきなかでの名称めいしょうとして使つかうことがしばしばある。ただ、じくばこもりじくばこあいだにすりばんもうける必要ひつようがあるため、定期ていきてきにすりばん交換こうかん必要ひつようである[13]。そのなかでもばねの種類しゅるい配置はいちにより種類しゅるいかれる。

  • いたばね
  • コイルばね
    • 単式たんしきじくばね):台車だいしゃじくばこ上部じょうぶたんれつしきのばね(コイルばね単独たんどくぼうゴム・いたばねなどとわせたものなどがある)をもちいたもので、構造こうぞう簡単かんたんなため日本にっぽんでは一般いっぱんてきひろもちいられた[注釈ちゅうしゃく 11]台車だいしゃわくじくばねをれる部分ぶぶんたかくなるので床下ゆかした隙間すきまちいさいものにはかない欠点けってんがある[14]
    • 複式ふくしき(ウイングばね):台車だいしゃじくばこじょうにあるじくばねのわりに、じくばこ軸受じくうけを中心ちゅうしんとして「つばさ」をもうけ、じくばねを2けて比較的ひかくてきやわらかいばねをもちいたもの。軸受じくうけのつばさわりにじくばねしきおなじくばこもちいてつりぼう使用しようしたものもある。じくばねしきより左右さゆう場所ばしょ欠点けってんがあるが振動しんどう性能せいのうやわらかいばねをもちいられるつよみがある[15]
    • ゲルリッツしき(ドイツしき / 住友すみともしき):本来ほんらいはドイツで開発かいはつされたじくばこ支持しじ機構きこうまくらばね機構きこうがセットとなったものをすが、日本にっぽんではそのうちじくばこ支持しじ機構きこう部分ぶぶんのみを模倣もほうしたものをこのんだ。鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ参照さんしょう

イコライザーしき[編集へんしゅう]

イコライザー式台しきだいしゃれい
日本にっぽん車輛しゃりょう D14)

はりしきともいう。ボギー台車だいしゃじくばこうえにそれぞれ支点してんもうけてじく距の方向ほうこうにそれぞれのじくばこおさえるようにはりもうけ、その中央ちゅうおうにばねじょう荷重かじゅうをかけたもの。じくばこじょう直接ちょくせつばねがないのでじくばこ前後ぜんご運動うんどうおさえてじく相互そうご平行へいこうたもち、じくばこにかかる荷重かじゅういがよくおこなわれるつよみがあるが、はりそとからの点検てんけん・ブレーキ調整ちょうせいなどの邪魔じゃまになる[16]おもはりがばね重量じゅうりょうとなるてんでは軌道きどう保守ほしゅじょう不利ふりであるため国鉄こくてつでは昭和しょうわ初期しょきまで[注釈ちゅうしゃく 12]大手おおて私鉄してつでは1950ねんころまでの台車だいしゃおおもちいられた(アメリカではかなり後年こうねんまで多用たよう[注釈ちゅうしゃく 13])。 イコライザーのないタイプでは台車だいしゃわくがイコライザーの代理だいりをすることになるが、劣悪れつあく軌道きどうでは負担ふたんもある[17]

じくばこもりのないもの[編集へんしゅう]

  • 円筒えんとう案内あんないしき(ウイングばね):上下じょうげ案内あんないに、たてにしたじゅう円筒えんとううちとうそととう)をもちいて相互そうごすべらせるもの。これには、乾式かんしき円筒えんとう案内あんない方式ほうしき湿式しっしき円筒えんとう案内あんない方式ほうしきがあり、前者ぜんしゃうちとうそととうとのあいだに、たい磨耗まもうせい良好りょうこうたいすりレジンのすりどうとう挿入そうにゅうした構造こうぞうとしており、後者こうしゃそととうなかあぶられて、うちとう底部ていぶ複数ふくすうしょうあなけた密閉みっぺい構造こうぞうとし、あぶら粘性ねんせい抵抗ていこう利用りようしたオイルダンパの役割やくわりすりどうするうちつつそととうあいだ潤滑じゅんかつ役割やくわりっている。両者りょうしゃとも、うちとうそととう外側そとがわ保護ほご円筒えんとうおおうことで塵埃じんあい進入しんにゅうふせいでいる。じくばねの内部ないぶ取付とりつけられており、製造せいぞう会社かいしゃ技術ぎじゅつ導入どうにゅうさきによりさまざまな呼称こしょうがある。鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ参照さんしょう
  • いたばね支持しじしき(ミンデンしき
    • ミンデンドイツしき前後ぜんごいちまいずつのいたばねでじくばこ位置いちさだめるもの。ただし水平すいへい支持しじかたすぎるといたばねが上下じょうげにたわむこともできないので、台車だいしゃ中心ちゅうしんからとおがわ垂直すいちょくいたばねで支持しじ剛性ごうせいげている。具体ぐたいれい東武とうぶ8000けい電車でんしゃ#前期ぜんきかたち参照さんしょう
    • Sミンデンしき台車だいしゃ中心ちゅうしんがわからびた上下じょうげまいいたばねでじくばこ位置いちさだめるものであり、じくばこ支持しじ装置そうちのサイズをコンパクトにすることができるがじくばこ支持しじ剛性ごうせいたか傾向けいこうがある。Sかたちミンデンしきまたはかたいたばねしきともぶ。具体ぐたいれい東武とうぶ8000けい電車でんしゃ#後期こうきがた参照さんしょう
    • ISしき:ミンデンドイツしき類似るいじするが、いたばねの支持しじ部分ぶぶんにゴムブッシュをかいして水平すいへい方向ほうこう支持しじ剛性ごうせいげ、いたばねのたわみを許容きょようする。ミンデンしきより台車だいしゃ前後ぜんご方向ほうこうのサイズをちいさくできる。
    • SUミンデンしき:SミンデンしきにU字形じけいゴムをいれてじくばこ支持しじ剛性ごうせいげたもの[18]
  • じくはりしき下記かきモノリンクしきともているが、じくばこ一体いったいとなったじくはりスイングアーム)を、台車だいしゃわくがわはりちかくの1かしょでゴムブッシュをかいして支持しじする。ゴムブッシュは緩衝かんしょうようであり、簡素かんそ構造こうぞう部品ぶひん点数てんすうすくないため、コストダウンがはかれる。車軸しゃじくじくはり支点してん中心ちゅうしん回転かいてん運動うんどうするため、車軸しゃじく上下じょうげともなじく距が変化へんかする。
  • リンクしき
    • アルストムしきじくばこ前後ぜんこうたかさのことなる2つの支点してんがあり、それと台車だいしゃわくがわ支点してんとをつなぐ、水平すいへいおなながさの2ほんのリンクで位置決いちぎめをおこなう。たかさのことなる2ほんのリンクとじくばことでワッツリンク英語えいごばん構成こうせいされ、じく上下動じょうげどうともなってじくばこ回転かいてんするものの、ほぼ直線ちょくせん運動うんどうとなるためじく距の変化へんか無視むしできる。かく支点してんには緩衝かんしょうようのゴムブッシュが嵌入かんにゅうされている。
    • モノリンクしき:1ほんリンクしきともう。じくはりしきとはことなり、台車だいしゃわくがわはりじくばこあいだ可動かどうの1ほんのリンクでゴムブッシュをかいして支持しじする。ゴムブッシュは緩衝かんしょうようであり、ゴムブッシュの2かしょ可動かどうするため、リンクだけではじくばこ前後ぜんご位置いち固定こていできないので、じくばねの周囲しゅうい部分ぶぶん円筒えんとうじょうになってける。
  • 積層せきそうゴムしき鉄板てっぱんはさむなどして積層せきそうしたゴムが、圧縮あっしゅく方向ほうこうにはかたく、剪断(ななめにずれる)方向ほうこうにはやわらかいという特性とくせい利用りようしたもの。じくばこ案内あんないだけでなく、じくばねの代替だいたいも(程度ていどはあるが)ゴムがおこなう。下記かきはそれぞれゴムの方向ほうこうことなる。
    • シェブロンしき山形やまがた断面だんめん鉄板てっぱんとゴムばん交互こうごかさねたばねを、ぜんややうえからハの字形じけいはさむことで、上下じょうげやわらかく支持しじする。この積層せきそうばねは、左右さゆう車軸しゃじく枕木まくらぎ方向ほうこう復元ふくげんりょくる(ずれを防止ぼうしする)ため「山形やまがた」(ゆるい Λらむだ かたち)になっていることから、「シェブロン」ばねとばれる。下記かきFT2がたのようにうえからべつのゴムで荷重かじゅう支持しじする場合ばあいもある[注釈ちゅうしゃく 14]
    • 円錐えんすい積層せきそうゴムしき:ゴムと鋼板こうはん円錐えんすいじょうかさねた円錐えんすい積層せきそうゴムを、ウイングばねと類似るいじ位置いちじくばこ両側りょうがわ設置せっちする。円錐えんすい積層せきそうゴムは、たて上下じょうげ)にやわらかく、よこ水平すいへい方向ほうこう)にかた特性とくせいがあり、円筒えんとう案内あんないしき構造こうぞうているが、案内あんないじくばねの両者りょうしゃねるため、メンテナンスフリーはかることができる。
  • じくばこ一体いったいしき貨車かしゃおおもちいられる。じくばこ台車だいしゃわく一体いったいで、とくじくばこ支持しじ装置そうちべるものはたないが、ここにふくめる。
  • じくばこ直結ちょっけつしき貨車かしゃおおもちいられる。下記かきFT1のように台車だいしゃわくとのあいだぼうゴムをはさむものもじくばこ直結ちょっけつしきとされる[20]

ブレーキ装置そうち[編集へんしゅう]

鉄道てつどう車両しゃりょう使用しようされるブレーキ装置そうち多種たしゅ多様たようなものがあるが、ここでは、台車だいしゃ搭載とうさいされ、空気圧くうきあつ油圧ゆあつによってしょうじたちからをてこ機構きこうにより増幅ぞうふくし、車輪しゃりんやブレーキディスクに摩擦まさつ機械きかいてきなブレーキりょくつたえてじく抑止よくしする基礎きそブレーキ装置そうちについて説明せつめいする。

基礎きそブレーキ装置そうち種類しゅるい[編集へんしゅう]

基礎きそブレーキ装置そうち

せい車輪しゃりんの踏面をおさえる踏面ブレーキしきと、せいじく搭載とうさいされるブレーキディスクをおさえるディスクブレーキしきがある。

  • 踏面ブレーキしき車輪しゃりんの踏面にせいしつける方式ほうしき以下いかの2つの方式ほうしきがある。
    • かたしき車輪しゃりん片側かたがわからのみせいけられる方式ほうしき
    • りょうかかしき車輪しゃりん両側りょうがわから同時どうじせいけられる方式ほうしき
  • ディスクブレーキしき車軸しゃじく取付とりつけたブレーキディスクに両側りょうがわがらせいはさみつける方式ほうしき。ディスクが位置いちにより以下いか方式ほうしきがある。
    • がわブレーキ:車輪しゃりんはさむようにけられたブレーキディスクをせいおさえる方式ほうしき下記かきじくディスクをけるのがスペースじょう困難こんなん電動でんどう台車だいしゃ使用しようされることがおおい。国内こくないでは新幹線しんかんせんよう台車だいしゃなどに使用しようされている。
    • じくディスクブレーキ:車軸しゃじく車輪しゃりんあいだけられたブレーキディスクをせいおさえる方式ほうしき国内こくないでは在来ざいらいせん新幹線しんかんせんよう台車だいしゃなどの付随ふずい台車だいしゃ使用しようされている。
    • じくはしディスクブレーキ:車輪しゃりんより外側そとがわ車軸しゃじくはしけられたブレーキディスクをせいおさえる方式ほうしき路面ろめん電車でんしゃよう台車だいしゃなどで使用しようされている。

基礎きそブレーキ装置そうち構成こうせい要素ようそ[編集へんしゅう]

  • せい車輪しゃりんまたはブレーキディスクにけられ、制動せいどうりょく発生はっせいさせる部品ぶひん鋳鉄ちゅうてつ、レジン、しょう結合けつごうきんなどの材料ざいりょう使用しようされる。
  • ブレーキシリンダー:ブレーキ作動さどう空気くうきタンクから圧縮あっしゅく空気くうきがシリンダーにながなかにあるピストンを作動さどうさせる装置そうち
  • ブレーキてこ:ブレーキ作動さどう、ピストンが作動さどうすることによりロッドがうごき、てこの原理げんりによりせいうごかし車輪しゃりんの踏面またはブレーキディスクに押付おしつけブレーキを作動さどうさせる装置そうち

駆動くどう装置そうち[編集へんしゅう]

電車でんしゃ動力どうりょくげんによる回転かいてんりょくじくつたえる装置そうち駆動くどう装置そうち[21]

駆動くどう装置そうち構成こうせい[編集へんしゅう]

電車でんしゃ電気でんき機関きかんしゃ電気でんきしき気動車きどうしゃ・ディーゼル機関きかんしゃふく[編集へんしゅう]

気動車きどうしゃ・ディーゼル機関きかんしゃ場合ばあい電気でんきしきのぞく)[編集へんしゅう]

  • 動力どうりょく伝達でんたつ装置そうち気動車きどうしゃ場合ばあいはエンジンが車体しゃたい設置せっちされるが、この動力どうりょくじくつたえる部分ぶぶん動力どうりょく伝達でんたつ装置そうち[21]。(機械きかいしきおよび液体えきたいしき気動車きどうしゃくわしくは気動車きどうしゃ・ディーゼル機関きかんしゃ動力どうりょく伝達でんたつ方式ほうしき参照さんしょう
    • 減速げんそく歯車はぐるま減速げんそく電車でんしゃ台車だいしゃ装備そうびされた電動でんどう車軸しゃじくとのあいだもうけられた減速げんそく歯車はぐるまによって動力どうりょく減速げんそくさせ車輪しゃりん回転かいてんりょく伝達でんたつする。気動車きどうしゃ減速げんそく台車だいしゃ装備そうびされており減速げんそく歯車はぐるまによって液体えきたい変速へんそくから推進すいしんじく伝達でんたつされた動力どうりょくをさらに減速げんそくさせ車輪しゃりん回転かいてんりょく伝達でんたつする。
    • 推進すいしんじく車体しゃたいられたエンジンの動力どうりょくつたえるための車体しゃたいからじくわたじく自在じざい継手つぎてそなえて、車体しゃたいじくあいだ変位へんい吸収きゅうしゅうする。
  • 逆転ぎゃくてん車両しゃりょう進行しんこう方向ほうこうえる装置そうち逆転ぎゃくてん歯車はぐるまぐん減速げんそく機内きない内蔵ないぞう台車だいしゃ装備そうびしている方式ほうしき液体えきたい変速へんそく後部こうぶせい逆転ぎゃくてんクラッチと歯車はぐるまぐん装備そうびする方式ほうしきがある[22]

じくばこ組立くみたて[編集へんしゅう]

じくばこ組立くみたてとは、軸受じくうけ車軸しゃじくおさめられているところであり、車体しゃたい荷重かじゅうまくらばねと台車だいしゃわくからじくばこ支持しじ装置そうちかいしてり、また車輪しゃりん発生はっせいした駆動くどうりょくじくばこ支持しじ装置そうちかいして台車だいしゃわくつたえ、さらに、こころさら中心ちゅうしんピン・まくらはり(ボルスタ)・ボルスタアンカをかいするかまたは牽引けんいん装置そうちかいして車体しゃたいつたえる部分ぶぶんである。たんじくばことも[21]基本きほん構成こうせい要素ようそじくばこからだ軸受じくうけ

  • じくばこたい軸受じくうけおさめる構造こうぞうたいじくばこ支持しじ装置そうち構成こうせい要素ようそであるばねやゴムがく。
  • 軸受じくうけ通常つうじょうじくばこたいおさめられており、車体しゃたい荷重かじゅう回転かいてんする車軸しゃじくつたえる重要じゅうよう部分ぶぶんである。むかし車両しゃりょうじくばこなかにオイルをたし軸受じくうけ車軸しゃじくあいだあぶらまく方式ほうしきくらがたひら軸受じくうけ使用しようされていた。戦後せんご摩擦まさつ抵抗ていこうすくないコロ軸受じくうけ使用しようさるようになり、上下じょうげ方向ほうこうじく方向ほうこう荷重かじゅうふくれつ円錐えんすいコロ軸受じくうけ採用さいようされた。しかし軸受じくうけ自体じたい左右さゆううごきがまったくいと車輪しゃりんのフランジ磨耗まもうおおきく、保守ほしゅにも問題もんだいるので、じく方向ほうこう変位へんいけるスラスト受[注釈ちゅうしゃく 15]併用へいようした摩擦まさつ抵抗ていこうすくないふくれつ円筒えんとうコロ軸受じくうけ上下じょうげ荷重かじゅうつ)+たま軸受じくうけじく方向ほうこう荷重かじゅうつ)[注釈ちゅうしゃく 16]使用しようされている[23]最近さいきんでは軽量けいりょうされ、上下じょうげ方向ほうこうじく方向ほうこう荷重かじゅう受持うけもち、荷重かじゅうたいあつすぐ騒音そうおん振動しんどうすくなく小型こがた潤滑じゅんかつざいのグリースの寿命じゅみょうながい、密封みっぷうふくれつ円錐えんすいコロ軸受じくうけ緩衝かんしょうゴムによる支持しじわせる方法ほうほうられている。
  • その軸受じくうけ潤滑じゅんかつ装置そうちなど。

じく[編集へんしゅう]

じくとは、車輪しゃりん車軸しゃじくてたもので、駆動くどう装置そうちによる動力どうりょくつたえられ、レール走行そうこうする部分ぶぶんである。

  • 車軸しゃじくりょうはし軸受じくうけ部分ぶぶん(ジャーナル)とその内側うちがわ左右さゆう車輪しゃりん圧入あつにゅうするこころもうけられており、また左右さゆうしんあいだには駆動くどう台車だいしゃでは駆動くどう歯車はぐるま装置そうち取付とりつ車座くるまざ)がもうけられ、付随ふずい台車だいしゃでは一定いっていふとまた中央ちゅうおう部分ぶぶんみちほそめたテーパーじょうになっており、ディスクブレーキ装着そうちゃく台車だいしゃではブレーキディスクの取付とりつもうけられている[23]
  • 車輪しゃりんには、踏面を形成けいせいしているタイヤの部分ぶぶんをリムに相当そうとうするしんきばめしたタイヤ車輪しゃりんと、タイヤとしん一体いったいつくられたいち体圧たいあつ廷車がある。タイヤ車輪しゃりんは、磨耗まもうしたタイヤだけ取替とりかえられるが、しょうきばめ部分ぶぶん弛緩しかんわりそんなどの欠点けってんがあるため、現在げんざいではあまり使用しようされなくなり、いち体圧たいあつ廷車がほとんどをめている[24]

その装置そうち[編集へんしゅう]

その台車だいしゃ装備そうびされる装置そうちるいとしては、以下いかのようなものがある。

特殊とくしゅ台車だいしゃ[編集へんしゅう]

操舵そうだ台車だいしゃ・ラジアル台車だいしゃじく操舵そうだ機構きこうつき台車だいしゃ[編集へんしゅう]

操舵そうだ台車だいしゃじく操舵そうだ機構きこうによりじく方向ほうこうえて曲線きょくせんをスムーズに通過つうかできるようにした台車だいしゃである[25]普通ふつう台車だいしゃ車体しゃたいたいして回転かいてんすることにより曲線きょくせん区間くかんなめらかに通過つうかすることができるが、それでもなお1だいしゃの2りんじく一定いってい間隔かんかく(ホイールベース)をたもって平行へいこう支持しじされているため、じくとレールが完全かんぜん直角ちょっかくにはならず、車輪しゃりんとレールとのあいだにアタックかく攻撃こうげきかくとも。レールの円弧えんこ接線せっせん車輪しゃりん進行しんこう方向ほうこうのなす角度かくど。)が発生はっせいして車輪しゃりんのフランジやレールを磨耗まもうさせるだけでなく騒音そうおん(きしりおんやゴロゴロおと)を発生はっせいさせる。もし、各々おのおの車軸しゃじく延長線えんちょうせんがレールの曲線きょくせん中心ちゅうしん曲線きょくせん半径はんけい中心ちゅうしん)をとおるように変位へんいさせることができればアタックかくが0となり、車輪しゃりんのフランジやレールの磨耗まもう一層いっそうすくなくなり騒音そうおん発生はっせいおさえ、さらにスムーズに通過つうかすることができるようになる。

このため、たん台車だいしゃにおいて、2つのじくのそれぞれ左右さゆうそなわるじくばこをクロスアンカーリンクたすき結合けつごうし、台車だいしゃわくじくばこ位置いち関係かんけい可変かへんさせることで曲線きょくせん通過つうかよこあつ低減ていげん目指めざラジアル台車だいしゃ研究けんきゅう開発かいはつされるなど、比較的ひかくてき早期そうきから自己じこ操舵そうだのアイデアは注目ちゅうもくされていた[注釈ちゅうしゃく 17]。だが、この方式ほうしきはラジアル台車だいしゃ機構きこうをボギー台車だいしゃ応用おうようして1970年代ねんだい実用じつようされたみなみアフリカのシェッフェル台車だいしゃなどをふくめ、一般いっぱんじくばこ前後ぜんご方向ほうこう支持しじ剛性ごうせい意図いとてき低下ていかさせることになる。このてんは1980年代ねんだいにカナダのバンクーバーで実用じつようされたスカイトレインようMark Iの操舵そうだリンク方式ほうしき[注釈ちゅうしゃく 18]でも同様どうようで、高速こうそく走行そうこうには支持しじ剛性ごうせい決定的けっていてき不足ふそくへび行動こうどう発生はっせいしやすくなるという、致命ちめいてき弱点じゃくてんかかえていた[注釈ちゅうしゃく 19]

そのため、1だいしゃなか完結かんけつする自己じこ操舵そうだ機構きこう高速こうそく鉄道てつどうけとして実現じつげんするにあたっては、直進ちょくしんじくばこについて前後ぜんご支持しじ剛性ごうせい確保かくほと、曲線きょくせん通過つうか前後ぜんご支持しじ剛性ごうせい低減ていげんによる操舵そうだ性能せいのう確保かくほという、矛盾むじゅんした要素ようそ両立りょうりつつよもとめられた。さらに、日本にっぽんでは自然しぜんしき車両しゃりょう導入どうにゅう本格ほんかくともない、曲線きょくせん区間くかんでのよこあつ軽減けいげん軌道きどう保守ほしゅ観点かんてんからとくつよ要求ようきゅうされるようになり、自然しぜんしきわせることを主眼しゅがんとした自己じこ操舵そうだ台車だいしゃ研究けんきゅう開発かいはつ本格ほんかくした[注釈ちゅうしゃく 20]。このてんについてある程度ていど解決かいけつられるようになったのは1980年代ねんだい中盤ちゅうばんはいって以降いこうのことで、まず1986ねん日本にっぽん国鉄こくてつがDT953かたち台車だいしゃとして、制御せいぎょ自然しぜん同様どうよう軌道きどう曲線きょくせん情報じょうほうをあらかじめ制御せいぎょ装置そうち記録きろくし、ATS地上ちじょうによる位置いち情報じょうほう速度そくど情報じょうほうから曲線きょくせん進入しんにゅう検知けんち油圧ゆあつにより強制きょうせい自己じこ操舵そうだおこなうという方式ほうしき開発かいはつ381けい電車でんしゃ装着そうちゃくして本線ほんせん走行そうこう試験しけんおこなわれた。

この方式ほうしきはただちに実用じつようされることはなかったが、こうした実験じっけんデータの蓄積ちくせきとその研究けんきゅう進展しんてんで、1だいしゃに2くみずつそなわるじくのいずれか一方いっぽうじくばこ台車だいしゃわく水平面すいへいめんにおける位置いち関係かんけい固定こていとし、一方いっぽうのみを操舵そうだ可能かのうとすることで曲線きょくせん直線ちょくせん双方そうほうでの特性とくせい両立りょうりつ可能かのう見通みとおしがち、1990年代ねんだい以降いこう、JR東海とうかいの383けい電車でんしゃ[注釈ちゅうしゃく 21]皮切かわきりに日本にっぽんのJR各社かくしゃ中心ちゅうしん制御せいぎょ自然しぜんしゃわせるかたち自己じこ操舵そうだ台車だいしゃ導入どうにゅうするケースがえている。

このほか、リニアモーター地下鉄ちかてつ車両しゃりょうではその構造こうぞうじょう一般いっぱんてき回転かいてんしき電動でんどう駆動くどう装置そうち接合せつごう不要ふようであることから操舵そうだ機構きこうもちいた台車だいしゃ採用さいようされており、じくばこ積層せきそうゴムをもちいることで自己じこ操舵そうだ機構きこう台車だいしゃ使用しようされている(はん強制きょうせい操舵そうだ台車だいしゃ[25]

現在げんざい実用じつようされているのは以下いか各種かくしゅである。

  • かくボギー台車だいしゃそなわるじくばこ一方いっぽうについて支持しじ剛性ごうせいやわらかい設定せっていとする方式ほうしき
  • かくボギー台車だいしゃりょうじくばこをリンクで結合けつごうして変位へんい可能かのうとし、かく車軸しゃじく変位へんいかく均等きんとうにする方式ほうしき
  • 台車だいしゃない前後ぜんこうしゅ電動でんどうおよびしき駆動くどう装置そうちじく全体ぜんたい台車だいしゃ中心ちゅうしん付近ふきんのピボットを中心ちゅうしんにして曲線きょくせんにあわせて台車だいしゃわくたいして転向てんこうする方式ほうしき
    • スイス国鉄こくてつRe450かたち最高さいこう速度そくど130km/h)、スイス、モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道てつどうGDe4/4かたちなど
  • 台車だいしゃない前後ぜんこうしゅ電動でんどうおよびしき駆動くどう装置そうちじく全体ぜんたい台車だいしゃ中心ちゅうしん付近ふきんのピボットを中心ちゅうしんにして曲線きょくせんにあわせて台車だいしゃわくたいして転向てんこうするのにくわえ、さらに前後ぜんごしゅ電動でんどう駆動くどう装置そうちじくをリンクで結合けつごうして2じく車軸しゃじく変位へんいかく均等きんとうにする方式ほうしき
  • 曲線きょくせん区間くかん車体しゃたいたいして台車だいしゃ回転かいてんすると、車体しゃたい台車だいしゃ位置いち関係かんけい変化へんかをリンク機構きこうによりじくつたえ、両輪りょうりんじく延長線えんちょうせん曲線きょくせん中心ちゅうしん指向しこうするように角度かくどあたえられる方式ほうしき
  • 台車だいしゃそのものを転向てんこう制御せいぎょする方式ほうしき

マキシマム・トラクションボギー[編集へんしゅう]

リスボン市電しでん336ごう

2じくボギー台車だいしゃのうち片側かたがわだけを動輪どうりんとする場合ばあい使用しようされ、車輪しゃりんみち前後ぜんごちがえて動輪どうりんとなる一方いっぽうだいみちとし、こころさら位置いちをもどうじくがわ偏倚へんいさせた構造こうぞう粘着ねんちゃくりょく強化きょうかはかった台車だいしゃである。ブリルしゃ特許とっきょった「Eureka Maximum-Traction Truck 22E」(ユーリカ・マキシマム・トラクション・トラック 22E)は、台車だいしゃ中心ちゅうしんピンのい「仮想かそうこころさら方式ほうしき」や、曲線きょくせん区間くかんしたがえ小径しょうけい)の荷重かじゅうして脱線だっせんふせぐ「スプリングコンプレッサー」の採用さいよう特徴とくちょうとする。

マキシマム・トラクション台車だいしゃはオタマジャクシのようにあたまりながらはしるため、高速こうそく走行そうこうすると脱線だっせん危険きけんおおきくなるという問題もんだいがある[26]

偏心へんしん台車だいしゃ[編集へんしゅう]

紀州きしゅう鉄道てつどうキハ600かたち日本にっぽん車両しゃりょうせいND208Bかたち偏心へんしん台車だいしゃ
動力どうりょく台車だいしゃのみまくらばねが駆動くどうじくっている

気動車きどうしゃようの1じく駆動くどうの2じくボギー台車だいしゃ車体しゃたい支持しじ装置そうちじくあいだ中央ちゅうおうではなくどうじくがわかたよらせることによりどうじくにかかるじくじゅう増大ぞうだいさせ粘着ねんちゃく性能せいのう向上こうじょうさせた台車だいしゃ。1930年代ねんだい日本にっぽん車輌しゃりょう技術ぎじゅつでは実用じつようてきな1だいしゃ2じく駆動くどうや2エンジン連動れんどう制御せいぎょ開発かいはつできなかったため気動車きどうしゃ走行そうこう性能せいのう確保かくほのため偏心へんしん台車だいしゃかたボギぼぎしゃ開発かいはつされた。マキシマム・トラクション台車だいしゃ偏心へんしん台車だいしゃ一種いっしゅであるが、気動車きどうしゃよう偏心へんしん台車だいしゃ日本にっぽん独自どくじのものとされ[27]日本車輌製造にっぽんしゃりょうせいぞう製造せいぞうした大隅おおすみ鉄道てつどうむけ気動車きどうしゃ嚆矢こうしとする。採用さいようしゃおおくは1930年代ねんだいせいだが、1だいしゃ1じく駆動くどうのままで一定いってい粘着ねんちゃく性能せいのう確保かくほできることから戦後せんごせい気動車きどうしゃにも大分おおいた交通こうつうくまのべ鉄道てつどうをはじめいくつかの私鉄してつだいさんセクター気動車きどうしゃ採用さいようれいがあり、2015ねん時点じてんでの日本にっぽん国内こくないにおける最終さいしゅう製造せいぞう事例じれいは1988ねん製造せいぞう由利ゆり高原こうげん鉄道てつどうYR1000かたちYR1005(新潟鐵工所にいがたてっこうじょせい)となる。

式台しきだいしゃ車体しゃたい傾斜けいしゃ装置そうちつき台車だいしゃ[編集へんしゅう]

台車だいしゃ歴史れきし[編集へんしゅう]

台車だいしゃ形式けいしきめい[編集へんしゅう]

通常つうじょう鉄道てつどう車両しゃりょう形式けいしきめいとはべつに、台車だいしゃたいしても形式けいしきめい付与ふよされる。

国鉄こくてつでは、1929ねん実施じっしされた台車だいしゃ形式けいしき称号しょうごう整理せいりもとづき、ボギー台車だいしゃTRのち形式けいしきごとに数字すうじけてんでいたが、1949ねん実施じっしされた台車だいしゃ形式けいしき命名めいめい基準きじゅん改正かいせいにより、動力どうりょく台車だいしゃについてはDT数字すうじ形式けいしきあらためた。TRはTruckのりゃくであるが、(MTはしゅ電動でんどう形式けいしき使つかわれていたため)電動でんどうのDをしてDTとした[28]私鉄してつよう台車だいしゃは、メーカーの形式けいしきをそのまま使つかうことがおおいが、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ独自どくじけることもある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 固定こてい軸受じくうけたん台車だいしゃなどとばれることもあるが、固定こてい軸受じくうけたん台車だいしゃ一軸いちじく台車だいしゃはそれぞれ構造こうぞうことなるものである。
  2. ^ 英語えいごのsingle truck car が由来ゆらいとされる。
  3. ^ ばね装置そうち固定こていじくしゃが1段階だんかいなのにたいたん台車だいしゃは2段階だんかいにあるということでもある。
  4. ^ 英語えいごのLeading Truck(さき台車だいしゃ)の頭文字かしらもじより。
  5. ^ HはドイツのHaupt(おも)から。
  6. ^ りょうはしいているが、双方向そうほうこう運転うんてんされるので、一般いっぱん両方りょうほうともさき台車だいしゃう。
  7. ^ 厳密げんみつにはの2じく回転かいてんもあるがこれは上下動じょうげどう分解ぶんかいしてける。
  8. ^ 実際じっさいにはうえまくら - 台車だいしゃわくあいだ一連いちれん装置そうち左右さゆうどうおこなう)をなしているが、これで代表だいひょうさせる。
  9. ^ 貨車かしゃよう中心ちゅうしんに、構造こうぞう簡素かんそのために固定こていまたはそれにちか構造こうぞう採用さいようするものも存在そんざいする。
  10. ^ 汽車きしゃ製造せいぞうのエコノミカル・トラックやバッドしゃのパイオニアがた台車だいしゃのように、円筒えんとうがたじくばこけるようにぼうゴムをけ、上下じょうげ前後ぜんごどう許容きょようする構造こうぞうのものも存在そんざいする。
  11. ^ とく東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうせい台車だいしゃでは1990年代ねんだいまでこのタイプの台車だいしゃがメインとしてつくられていた。
  12. ^ ただし、1958ねん製造せいぞう開始かいしされた国鉄こくてつDD13かたちディーゼル機関きかんしゃでは、初期しょきがた理由りゆう不明ふめいながらイコライザー式台しきだいしゃ採用さいようされた。2がた以降いこうはウイングばねしき変更へんこうされている。
  13. ^ ことに長大ちょうだい編成へんせい列車れっしゃ沿線えんせん人家じんかすらまれな地域ちいき運行うんこうし、脱線だっせん対応たいおう基本きほんてきにすべて列車れっしゃ乗務じょうむいんだけでおこな必要ひつようがあるアメリカの鉄道てつどうでは、台車だいしゃ軌道きどうへの追従ついしょうせいすこしでもげて脱線だっせん可能かのうせいらすことは、他国たこくでの事例じれい比較ひかくして非常ひじょう切実せつじつ課題かだいである。
  14. ^ ふくあいゴム支持しじ方式ほうしき」という。(外部がいぶリンク「台車だいしゃ近影きんえい該当がいとうページ)
  15. ^ じく方向ほうこう変位へんいける方法ほうほうとしては、たま軸受じくうけ緩衝かんしょうゴムを組合くみあわせとたま軸受じくうけさらばねの組合くみあいわせによりじくばこ内部ないぶじく方向ほうこう変位へんいける緩衝かんしょう方式ほうしきと、じくばこ外部がいぶじく方向ほうこう変位へんいける外部がいぶ緩衝かんしょう方式ほうしきがある。
  16. ^ 円筒えんとうコロの外側そとがわ装備そうびされている。
  17. ^ この方式ほうしき考案こうあんしたのは大手おおて機関きかんしゃメーカーとしても著名ちょめいであったボールドウィン・ロコモティブ・ワークス (BLW) しゃで、このたねのクロスアンカーの利用りようによるじく操舵そうだは、蒸気じょうき機関きかんしゃよう1じくこころこうさき台車だいしゃというかたちでこれよりはや時期じき考案こうあんされていた。
  18. ^ かくじく支持しじするじくばこ一方いっぽうについて前後ぜんご方向ほうこう支持しじ剛性ごうせい確保かくほ操舵そうだ回転かいてん運動うんどう中心ちゅうしんとし、もう一方いっぽうじくばこ台車だいしゃ回転かいてんかくおうじてリンクで操舵そうださせる方式ほうしきかくじくしんさら中心ちゅうしんとしててん対称たいしょう前後ぜんご方向ほうこう支持しじ剛性ごうせいたかじくばこによって支持しじされる。
  19. ^ このような事情じじょうから、20世紀せいきちゅう開発かいはつ実用じつようされた自己じこ操舵そうだ台車だいしゃはほぼ例外れいがいなく最高さいこう速度そくどひく路面ろめん電車でんしゃ貨車かしゃ、それに山岳さんがく線区せんくよう機関きかんしゃなどかく台車だいしゃ固有こゆうの1へび行動こうどう発生はっせいする速度そくどいきよりもひく速度そくどいきで、しかもきゅう曲線きょくせん区間くかんかかえる線区せんく運用うんようされる車両しゃりょう適用てきようされるにとどまった。
  20. ^ それに先立さきだち、1970ねん試作しさくされた自然しぜんしき試験しけんしゃである591けい電車でんしゃでは軌道きどうよこあつ低減ていげん主眼しゅがんをおいて連接れんせつ構造こうぞう採用さいようし、かく連接れんせつ台車だいしゃ前後ぜんご車体しゃたいとのリンク結合けつごうによる自己じこ操舵そうだ機構きこうんで試験しけんおこなわれた。だが、これはぎゃくりょうはし通常つうじょう台車だいしゃから軌道きどうにかかるよこあつ過大かだいとなるという現象げんしょう発生はっせいしたため、連接れんせつ構造こうぞう共々ともども量産りょうさん採用さいよう断念だんねんされている。
  21. ^ 近畿車輛きんきしゃりょう台車だいしゃくびかくおうじたじく操舵そうだかくをリンクにより機械きかいてきあたえる方式ほうしき)と住友金属工業すみともきんぞくこうぎょうじくばこ前後ぜんこう支持しじ剛性ごうせい進行しんこう方向ほうこうおうじ、前後ぜんご非対称ひたいしょう設定せっていする方式ほうしき)の2しゃにより試作しさくされたC-DT955だいしゃを381けい装着そうちゃくして長期ちょうき試験しけん実施じっししたのち実用じつよう

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 吉川よしかわ1989。
  2. ^ 持永もちなが芳文よしふみ宮本みやもと昌幸まさゆき 編著へんちょ 『鉄道てつどう技術ぎじゅつ140ねんあゆみ』 コロナしゃ2012ねん p160、p162。
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  4. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1000・1002「【台車だいしゃ種類しゅるい】6 たん台車だいしゃ
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  6. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1000「【台車だいしゃ種類しゅるい】1 しゅ台車だいしゃ
  7. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1000・1002「【台車だいしゃ種類しゅるい】4 付随ふずい台車だいしゃ
  8. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1000「【台車だいしゃ種類しゅるい】2 さき台車だいしゃおよびしたがえ台車だいしゃ
  9. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1000「【台車だいしゃ種類しゅるい】5 関節かんせつ台車だいしゃ
  10. ^ 日本にっぽん車輛しゃりょう製品せいひん案内あんない 昭和しょうわ5ねん(NSKがたトラック)』 p.15
  11. ^ 野元のもとひろし電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ』p.97
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  13. ^ たとえばRP515 p.27 - 28。これをける場合ばあいはりじくばこもりしきじくばねじくばこもりしきなどとしょうする場合ばあいもある。(『鉄道てつどう車両しゃりょうハンドブック』、p.201 - 202。)
  14. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1002「【台車だいしゃ種類しゅるい】10 じくばね式台しきだいしゃ
  15. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1002「【台車だいしゃ種類しゅるい】11 ウィングばね式台しきだいしゃ
  16. ^ 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうへん鉄道てつどう辞典じてん下巻げかん)』、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう発行はっこう、1958ねん、p.1002「【台車だいしゃ種類しゅるい】12 つりいばり式台しきだいしゃ
  17. ^ RP515 p.44。
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • 日本車輌製造にっぽんしゃりょうせいぞう日本にっぽん車輛しゃりょう製品せいひん案内あんない 昭和しょうわ5ねん(NSKがたトラック)』、1930ねん
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  • 吉川よしかわ文夫ふみお台車だいしゃ歴史れきし過程かてい」 p.10 - 15。
  • 伊原いはら一夫かずお鉄道てつどう車両しゃりょうメカニズム図鑑ずかん』グランプリ出版しゅっぱん、1987ねんISBN 978-4906189649NCID BN02088631 
  • 久保田くぼたひろし鉄道てつどう車両しゃりょうハンドブック』、グランプリ出版しゅっぱん、1997ねん
  • ヴォルフガング・シヴェルブシュ ちょ 加藤かとう二郎じろう やく鉄道てつどう旅行りょこう歴史れきし - じゅうきゅう世紀せいきにおける空間くうかん時間じかん工業こうぎょう』、法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱんきょく、1982ねん
  • 日本にっぽん機械きかい学会がっかい へん鉄道てつどう車両しゃりょうのダイナミクス』電気でんきしゃ研究けんきゅうかい、1994ねんISBN 4-88548-074-4 
  • 宮本みやもと昌幸まさゆき図解ずかい雑学ざつがく 電車でんしゃのしくみ』、ナツメしゃ、2005ねん
  • 野元のもとひろし電車でんしゃ基礎きそ講座こうざ』(初版しょはん交通こうつう新聞しんぶんしゃ、2013ねんISBN 978-4-330-28012-7 
  • 鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ (2006). 鉄道てつどう技術ぎじゅつ用語ようご辞典じてん. 丸善まるぜん. ISBN 978-4-621-07765-8 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]