蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ の運転 うんてん 台 だい から見 み たイギリスの腕木 うでき 式 しき 信号 しんごう 機 き と門 もん 形 がた 支持 しじ 物 ぶつ
信号 しんごう 保安 ほあん (しんごうほあん)とは、鉄道 てつどう において列車 れっしゃ の安全 あんぜん を保 たも ち、特 とく に衝突 しょうとつ を防 ふせ ぐために用 もち いられる装置 そうち やシステム、運行 うんこう 規定 きてい の総称 そうしょう である。固定 こてい された線路 せんろ を移動 いどう し、運転 うんてん 士 し が障害 しょうがい 物 ぶつ を視認 しにん してからでは止 と めることができないほど高速 こうそく で走行 そうこう する列車 れっしゃ は、特 とく に衝突 しょうとつ に弱 よわ い。このため、アメリカ ではウェッブ・ボール(Webb C. Ball)を1891年 ねん に時刻 じこく 調整 ちょうせい 責任 せきにん 者 しゃ (general time inspector)に任命 にんめい し、鉄道 てつどう 用 よう の時計 とけい の厳正 げんせい な管理 かんり に努 つと めることになった。また、イギリス では、アーマー鉄道 てつどう 事故 じこ をきっかけとして1889年 ねん 鉄道 てつどう 規制 きせい 法 ほう (Regulation of Railways Act 1889)が成立 せいりつ し、閉塞 へいそく や連動 れんどう 装置 そうち などの様々 さまざま な安全 あんぜん 装置 そうち が導入 どうにゅう されることになった。
列車 れっしゃ の制御 せいぎょ は、多 おお くの場合 ばあい 、各 かく 区間 くかん の責任 せきにん 者 しゃ (例 たと えば信号 しんごう 手 しゅ や駅長 えきちょう )から通行 つうこう 許可 きょか を乗務 じょうむ 員 いん に与 あた える形 かたち で行 おこな われている。運行 うんこう のための一連 いちれん の手続 てつづ きと、運行 うんこう に用 もち いられる設備 せつび をまとめて、イギリスでは"method of working"、アメリカでは"method of operation"、オーストラリア では"safeworking"などと呼 よ ぶ。全 すべ ての方式 ほうしき で必 かなら ずしも物理 ぶつり 的 てき な信号 しんごう 装置 そうち を必要 ひつよう とするわけではない。また単線 たんせん の鉄道 てつどう に限定 げんてい されている方式 ほうしき もある。
1830年 ねん に初 はじ めての実用 じつよう 的 てき な鉄道 てつどう である、リバプール・アンド・マンチェスター鉄道 てつどう が開通 かいつう した時点 じてん では、まだ電信 でんしん も電話 でんわ も発明 はつめい される前 まえ であった[ 注釈 ちゅうしゃく 1] 。実際 じっさい に列車 れっしゃ に乗 の って移動 いどう して情報 じょうほう を伝達 でんたつ する以上 いじょう に速 はや く情報 じょうほう を伝 つた える手段 しゅだん はなく、現在 げんざい のように信号 しんごう 設備 せつび を用 もち いて列車 れっしゃ の運行 うんこう の安全 あんぜん を図 はか ることはできなかった。このため情報 じょうほう 伝送 でんそう に頼 たよ らずに列車 れっしゃ の保安 ほあん を行 おこな う方式 ほうしき が工夫 くふう された。
単線 たんせん 区間 くかん では正面 しょうめん 衝突 しょうとつ の危険 きけん が大 おお きく、十分 じゅうぶん な安全 あんぜん を確保 かくほ することができないものと考 かんが えられて、当初 とうしょ のイギリスの鉄道 てつどう はほとんど複線 ふくせん で建設 けんせつ が進 すす められた。一方 いっぽう で、アメリカでは人口 じんこう が少 すく なく経済 けいざい 性 せい の観点 かんてん から単線 たんせん での鉄道 てつどう 敷設 ふせつ が進 すす み、単線 たんせん に対応 たいおう した保安 ほあん 方式 ほうしき が考案 こうあん された。
設備 せつび の観点 かんてん でもっとも単純 たんじゅん な保安 ほあん 方式 ほうしき は、単 たん に決 き められた時刻 じこく 表 ひょう に厳正 げんせい に基 もと づいて列車 れっしゃ を運行 うんこう させることである。全 すべ ての乗務 じょうむ 員 いん が熟知 じゅくち しているべき、固定 こてい された時刻 じこく 表 ひょう が作成 さくせい される。各 かく 列車 れっしゃ は、決 き められた時刻 じこく に決 き められた区間 くかん を走 はし り、それ以外 いがい の列車 れっしゃ はその区間 くかん を走行 そうこう することを許 ゆる されない。ダイヤ 上 うえ で他 た の列車 れっしゃ と衝突 しょうとつ しないような計画 けいかく が作成 さくせい されていて、全 すべ ての列車 れっしゃ が完全 かんぜん にそれに基 もと づいて走 はし っている限 かぎ りは、事故 じこ は発生 はっせい しないことになる。
単線 たんせん の線路 せんろ を列車 れっしゃ が対向 たいこう して運行 うんこう している時 とき は、対向 たいこう 列車 れっしゃ を待 ま ち合 あ わせる場所 ばしょ がダイヤ上 じょう で決 き められ、各 かく 列車 れっしゃ は必 かなら ず対向 たいこう 列車 れっしゃ を決 き められた場所 ばしょ で待 ま たなければならない。どの列車 れっしゃ も対向 たいこう 列車 れっしゃ が到着 とうちゃく するまでは出発 しゅっぱつ することが許 ゆる されない。アメリカでは、2つの緑 みどり の旗 はた (夜間 やかん は緑 みどり のライト)が、最初 さいしょ の列車 れっしゃ に続行 ぞっこう して次 つぎ の列車 れっしゃ が来 く ることを示 しめ し、待機 たいき 列車 れっしゃ はその続行 ぞっこう 列車 れっしゃ も待 ま たなければならないことを意味 いみ している。これに加 くわ えて、旗 はた を持 も ってきた列車 れっしゃ は8回 かい のブラストと汽笛 きてき を到着 とうちゃく に際 さい して鳴 な らし、待機 たいき している列車 れっしゃ はこれに応 こた えて8回 かい のブラストを響 ひび かせることになっている。
時刻 じこく 表 ひょう 運行 うんこう 方式 ほうしき には欠点 けってん が存在 そんざい する。まず、前方 ぜんぽう の線路 せんろ が開通 かいつう している確固 かっこ たる保証 ほしょう が何 なに も存在 そんざい せず、開通 かいつう している時刻 じこく であると計画 けいかく されているに過 す ぎないということである。機関 きかん 士 し が計画 けいかく を見 み 誤 あやま ったり勘違 かんちが いしたりした場合 ばあい に事故 じこ を防 ふせ ぐ手段 しゅだん は何 なに も用意 ようい されていない。
またこの方式 ほうしき では、機関 きかん 車 しゃ の故障 こしょう やその他 た の問題 もんだい の発生 はっせい によって列車 れっしゃ が運行 うんこう できなくなったり遅 おく れたりした場合 ばあい への対処 たいしょ が困難 こんなん である。駅 えき 間 あいだ で列車 れっしゃ が立 た ち往生 おうじょう してしまった場合 ばあい 、その列車 れっしゃ の乗務 じょうむ 員 いん は他 た の列車 れっしゃ を止 と めるためすぐに列車 れっしゃ 防護 ぼうご を行 おこな う必要 ひつよう がある。十分 じゅうぶん 列車 れっしゃ から離 はな れた位置 いち まで歩 ある いて警告 けいこく の旗 はた を立 た てるか、信号 しんごう 弾 だん を打 う ち上 あ げるか、信号 しんごう 雷管 らいかん を設置 せっち して、他 た の列車 れっしゃ の乗務 じょうむ 員 いん に立 た ち往生 おうじょう している列車 れっしゃ がいることを知 し らせることになっていた。あらかじめダイヤ上 じょう それらの列車 れっしゃ 防護 ぼうご に必要 ひつよう な時間 じかん を見込 みこ んで列車 れっしゃ 間隔 かんかく を設定 せってい する必要 ひつよう があった。
さらに、このシステムは柔軟 じゅうなん 性 せい に欠 か けるという問題 もんだい もある。事前 じぜん の通知 つうち なしには列車 れっしゃ を追加 ついか で走 はし らせることができず、遅 おく らせたり運転 うんてん 整理 せいり を実施 じっし したりすることもできない。
上述 じょうじゅつ の問題 もんだい の結果 けっか として、システムが非 ひ 効率 こうりつ であるという問題 もんだい もある。柔軟 じゅうなん 性 せい を備 そな えるために、ダイヤ上 じょう で各 かく 列車 れっしゃ に遅 おく れを許容 きょよう する広 ひろ い時間 じかん 幅 はば を与 あた える必要 ひつよう があり、路線 ろせん の各 かく 列車 れっしゃ による占有 せんゆう 時間 じかん が本来 ほんらい 必要 ひつよう な時間 じかん よりも長 なが くなってしまう。
そうした問題 もんだい があるものの、このシステムは列車 れっしゃ より速 はや く情報 じょうほう を伝達 でんたつ する通信 つうしん 手段 しゅだん がなくても広範囲 こうはんい に施行 しこう することができ、北 きた アメリカでは鉄道 てつどう の草創 そうそう 期 き に一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられている方式 ほうしき であった。
時刻 じこく 表 ひょう ・列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ 方式 ほうしき [ 編集 へんしゅう ]
電信 でんしん が発明 はつめい されたことにより、列車 れっしゃ より速 はや く情報 じょうほう を伝達 でんたつ する手段 しゅだん が登場 とうじょう したため、より洗練 せんれん された運行 うんこう 方式 ほうしき を実現 じつげん することが可能 かのう となった。電信 でんしん により、列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ (train order)と呼 よ ばれる、ダイヤの変更 へんこう が行 おこな われるようになった。これにより、列車 れっしゃ の運休 うんきゅう 、運転 うんてん 整理 せいり 、特発 とくはつ などが実施 じっし されるようになった。
列車 れっしゃ の乗務 じょうむ 員 いん は停車駅 ていしゃえき で列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ に関 かん する情報 じょうほう を受 う け取 と り、また場合 ばあい によっては走行 そうこう 中 ちゅう 、駅 えき を通過 つうか している時 とき に長 なが い棒 ぼう を使 つか って渡 わた されることもあった。運転 うんてん 指令 しれい 員 いん は、列車 れっしゃ を待避 たいひ 線 せん に入 い れて対向 たいこう 列車 れっしゃ を待 ま ち合 あ わせさせたり、優先 ゆうせん 度 ど の高 たか い列車 れっしゃ を先 さき に通 とお すために側線 そくせん に待避 たいひ させたり、同 おな じ方向 ほうこう へ続行 ぞっこう する列車 れっしゃ に間隔 かんかく を空 あ けさせたりすることができるようになった。
時刻 じこく 表 ひょう ・列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ 方式 ほうしき の運行 うんこう は、1960年代 ねんだい までアメリカの鉄道 てつどう でよく用 もち いられ、特 とく にウォーバッシュ鉄道 てつどう (Wabash Railroad)やニッケル・プレート鉄道 てつどう (Nickel Plate Road)では大 だい 規模 きぼ に運用 うんよう された。カナダ では1980年代 ねんだい 後半 こうはん までアルゴマ・セントラル鉄道 てつどう (Algoma Central Railway)や、カナディアン・パシフィック鉄道 てつどう (Canadian Pacific Railway)の一部 いちぶ の路線 ろせん で用 もち いられていた。
時刻 じこく 表 ひょう ・列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ 方式 ほうしき は北 きた アメリカ以外 いがい ではあまり用 もち いられず、また北 きた アメリカでも交通 こうつう 量 りょう の少 すく ない路線 ろせん では無線 むせん を用 もち いた制御 せいぎょ に、多 おお い路線 ろせん では自動 じどう 信号 しんごう 方式 ほうしき に置 お き換 か えられて消滅 しょうめつ した。
イギリスの下 しも 動作 どうさ 式 しき 腕木 うでき 式 しき 信号 しんごう 機 き (停止 ていし 現 げん 示 しめせ )とその下 した に従属 じゅうぞく 信号 しんごう 機 き
同時 どうじ に同 おな じ区間 くかん を異 こと なる列車 れっしゃ が占有 せんゆう できないようにすれば、列車 れっしゃ はお互 たが いに衝突 しょうとつ することはない。このため、鉄道 てつどう では路線 ろせん を閉塞 へいそく と呼 よ ぶ区間 くかん に分割 ぶんかつ している。通常 つうじょう は、1本 ほん の列車 れっしゃ のみが1つの閉塞 へいそく 区間 くかん に進入 しんにゅう することが許 ゆる され、これがほとんどの鉄道 てつどう の安全 あんぜん システムの基本 きほん となっている。
それぞれの線路 せんろ で一方向 いちほうこう に列車 れっしゃ を走 はし らせることができる複線 ふくせん の鉄道 てつどう 路線 ろせん では、追突 ついとつ を防 ふせ ぐためにそれぞれの列車 れっしゃ の間 あいだ に十分 じゅうぶん な間隔 かんかく を空 あ けなければならない。鉄道 てつどう のごく初期 しょき には、係員 かかりいん (当初 とうしょ は警察官 けいさつかん 出身 しゅっしん 者 しゃ を雇 やと ったため、ポリスメン(policemen)あるいはオフィサー(officer)と呼 よ ばれていた)が線路 せんろ に沿 そ って一定 いってい の間隔 かんかく で配置 はいち され、ストップウォッチ を持 も ち先行 せんこう 列車 れっしゃ が通過 つうか してから一定 いってい の時間 じかん が経過 けいか したかどうかを通過 つうか する列車 れっしゃ の運転 うんてん 士 し に手 て 信号 しんごう で伝 つた えていた。この方式 ほうしき は時 とき 隔 へだた 法 ほう (time interval working)と呼 よ ばれていた。先行 せんこう 列車 れっしゃ の通過 つうか から短 みじか い時間 じかん で続行 ぞっこう 列車 れっしゃ が通過 つうか する場合 ばあい は、速度 そくど を落 お として間隔 かんかく を空 あ けることになっていた。
計時 けいじ する係員 かかりいん は、先行 せんこう 列車 れっしゃ がその区間 くかん を通過 つうか したかどうかを知 し る手段 しゅだん が何 なに もなく、先行 せんこう 列車 れっしゃ が何 なん らかの理由 りゆう で停車 ていしゃ してしまった場合 ばあい 、続行 ぞっこう 列車 れっしゃ の乗務 じょうむ 員 いん はそれを視認 しにん しない限 かぎ りはそれを知 し ることができなかった。この結果 けっか 当然 とうぜん ながら、初期 しょき の鉄道 てつどう では事故 じこ が日常 にちじょう 的 てき に発生 はっせい していた。電信 でんしん が発明 はつめい されたことによって、駅員 えきいん や信号 しんごう 扱所 の係員 かかりいん は、列車 れっしゃ が通過 つうか してその区間 くかん が開通 かいつう したことを知 し らせるメッセージを伝 つた えることができるようになった。このシステムが閉塞 へいそく である。
1830年代 ねんだい から手 て 信号 しんごう の代 か わりに固定 こてい された機械 きかい 式 しき の信号 しんごう 機 き が使 つか われるようになった。信号 しんごう 機 き は当初 とうしょ それぞれに操作 そうさ されていたが、後 のち に一定 いってい 範囲 はんい の信号 しんごう 機 き の操作 そうさ てこを信号 しんごう 扱所にまとめて取 と り扱 あつか うことが普通 ふつう になった。列車 れっしゃ が区間 くかん に進入 しんにゅう すると、その区間 くかん の信号 しんごう 機 き を信号 しんごう 手 しゅ が操作 そうさ して停止 ていし 現 げん 示 しめせ にする。列車 れっしゃ が通過 つうか したことを知 し らせるメッセージが来 く ると、信号 しんごう 手 しゅ は信号 しんごう 機 き を進行 しんこう 現 げん 示 しめせ に戻 もど す。
閉塞 へいそく 方式 ほうしき は1850年代 ねんだい から1860年代 ねんだい にかけて徐々 じょじょ に普及 ふきゅう し、アーマー鉄道 てつどう 事故 じこ をはじめとする数々 かずかず の列車 れっしゃ 事故 じこ を受 う けてイギリス議会 ぎかい が1889年 ねん に規制 きせい 法 ほう を成立 せいりつ させて法的 ほうてき に強制 きょうせい 的 てき に適用 てきよう されることになった。この法律 ほうりつ は全 すべ ての旅客 りょかく 列車 れっしゃ に閉塞 へいそく 方式 ほうしき を使用 しよう することを義務付 ぎむづ け、また連動 れんどう 装置 そうち も義務付 ぎむづ けられていた。これらの装置 そうち は現代 げんだい の鉄道 てつどう の基本 きほん 的 てき な保安 ほあん 装置 そうち となっている。ほぼ同 どう 時期 じき にアメリカでも同様 どうよう の規制 きせい が行 おこな われるようになった。
全 すべ ての閉塞 へいそく 方式 ほうしき が信号 しんごう 機 き によって保安 ほあん されていたわけではない。交通 こうつう 量 りょう の少 すく ない単線 たんせん 区間 くかん では、通 つう 票 ひょう (トークン)を各 かく 列車 れっしゃ の運転 うんてん 士 し が携行 けいこう し、その通 つう 票 ひょう を所持 しょじ していることがその区間 くかん に進入 しんにゅう する権限 けんげん があることを保証 ほしょう するという方式 ほうしき が用 もち いられていた。
閉塞 へいそく 区間 くかん への進入 しんにゅう と進出 しんしゅつ [ 編集 へんしゅう ]
列車 れっしゃ が閉塞 へいそく 区間 くかん に進入 しんにゅう する前 まえ には、信号 しんごう 手 しゅ はその区間 くかん に他 た の列車 れっしゃ がいないことを保証 ほしょう しなければならない。列車 れっしゃ が閉塞 へいそく 区間 くかん を通過 つうか したら、信号 しんごう 手 しゅ は列車 れっしゃ の通過 つうか をその閉塞 へいそく 区間 くかん の担当 たんとう 信号 しんごう 手 しゅ に通報 つうほう する。先行 せんこう 列車 れっしゃ が通過 つうか したことをあらかじめ知 し らされていたとしても、信号 しんごう 手 しゅ は次 つぎ の列車 れっしゃ を進入 しんにゅう させる時 とき にはあらためて進入 しんにゅう 許可 きょか を受 う けることになっていた。列車 れっしゃ が閉塞 へいそく 区間 くかん を抜 ぬ ける時 とき 、信号 しんごう 手 しゅ は列車 れっしゃ の通過 つうか 報告 ほうこく をする前 まえ に列車 れっしゃ の末端 まったん の標識 ひょうしき を確認 かくにん しなければならない。末端 まったん 標識 ひょうしき を確認 かくにん することにより、列車 れっしゃ 分離 ぶんり が発生 はっせい してその区間 くかん に車両 しゃりょう の一部 いちぶ が残留 ざんりゅう していないことを保証 ほしょう する。末端 まったん 標識 ひょうしき は日 にち 中 ちゅう は白 しろ い円盤 えんばん か、夜間 やかん は点灯 てんとう または点滅 てんめつ する赤 あか いランプであった。次 つぎ の閉塞 へいそく 区間 くかん に進入 しんにゅう する際 さい に、信号 しんごう 手 しゅ が末端 まったん 標識 ひょうしき が付 つ いていないことを確認 かくにん した場合 ばあい 、信号 しんごう 手 しゅ は次 つぎ の信号 しんごう 扱所に連絡 れんらく を取 と って、その列車 れっしゃ を止 と めて調査 ちょうさ するようになっていた。
許容 きょよう 閉塞 へいそく 方式 ほうしき では、前方 ぜんぽう の閉塞 へいそく 区間 くかん に列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん していることを信号 しんごう 機 き が示 しめ していても、続行 ぞっこう 列車 れっしゃ がその区間 くかん に先行 せんこう 列車 れっしゃ を視認 しにん したらいつでも止 と まれる程度 ていど の低速 ていそく で進入 しんにゅう することが許 ゆる される。この方式 ほうしき は場合 ばあい によっては効率 こうりつ を改善 かいぜん できるために用 もち いられており、主 おも にアメリカで使 つか われていた。多 おお くの国 くに では貨物 かもつ 列車 れっしゃ に適用 てきよう が限定 げんてい され、また視界 しかい の程度 ていど によってこの方式 ほうしき の適用 てきよう が制限 せいげん されていた。
許容 きょよう 閉塞 へいそく 方式 ほうしき は、停止 ていし 現 げん 示 しめせ の信号 しんごう 機 き で待 ま たされて一定 いってい 時間 じかん が経 た っても運転 うんてん 士 し が信号 しんごう 手 しゅ と連絡 れんらく をとることができなかったり、信号 しんごう 手 しゅ が電信 でんしん の故障 こしょう などにより次 つぎ の信号 しんごう 扱所と連絡 れんらく を取 と ることができなかったりするような緊急 きんきゅう 時 じ にも用 もち いられた。この場合 ばあい 、列車 れっしゃ は20マイル毎時 まいじ かそれ以下 いか の非常 ひじょう に低速 ていそく で進行 しんこう して、障害 しょうがい 物 ぶつ を発見 はっけん 次第 しだい すぐに止 や まれるようにすることが決 き まっていた。霧 きり や雪 ゆき の場合 ばあい など視界 しかい が悪 わる い時 とき には、この措置 そち は禁止 きんし されていた。
絶対 ぜったい 閉塞 へいそく 方式 ほうしき では原則 げんそく としてそのようなことはないが、それでも完全 かんぜん に「絶対 ぜったい 」であるわけではない。複数 ふくすう の列車 れっしゃ が1つの閉塞 へいそく 区間 くかん に許可 きょか を得 え て進入 しんにゅう することもある。これは駅 えき で列車 れっしゃ を分割 ぶんかつ したり併合 へいごう したり、故障 こしょう した列車 れっしゃ を救援 きゅうえん する時 とき に必要 ひつよう となる。このような進入 しんにゅう 許可 きょか を与 あた える時 とき 、信号 しんごう 手 しゅ は運転 うんてん 士 し に前方 ぜんぽう の状況 じょうきょう を伝 つた え、運転 うんてん 士 し はそれを考慮 こうりょ に入 い れて安全 あんぜん に運転 うんてん する。通常 つうじょう は、信号 しんごう 機 き は停止 ていし 現 げん 示 しめせ のままで、運転 うんてん 士 し は口頭 こうとう で前方 ぜんぽう の列車 れっしゃ の状況 じょうきょう を説明 せつめい されて進行 しんこう の許可 きょか を得 え る。連結 れんけつ 作業 さぎょう を行 おこな う駅 えき など、日常 にちじょう 的 てき に他 た の列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん する閉塞 へいそく 区間 くかん に列車 れっしゃ を進入 しんにゅう させる必要 ひつよう がある場所 ばしょ では、誘導 ゆうどう 信号 しんごう 機 き と呼 よ ばれる従属 じゅうぞく 信号 しんごう 機 き が使 つか われることがある。
自動 じどう 信号 しんごう システムでは、その区間 くかん に列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん しているかどうかを自動的 じどうてき に検出 けんしゅつ して、それに基 もと づいて列車 れっしゃ がその区間 くかん に進入 しんにゅう してよいかどうか信号 しんごう 機 き に現 げん 示 しめせ する。信号 しんごう 機 き は信号 しんごう 手 しゅ によって制御 せいぎょ できるようにされる場合 ばあい もあるが、この場合 ばあい でも進行 しんこう 現 げん 示 しめせ は、信号 しんごう 手 しゅ が進行 しんこう に設定 せってい し、さらにその閉塞 へいそく 区間 くかん に他 た の列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん していない時 とき だけ現 げん 示 しめ される。自動 じどう 信号 しんごう システムは列車 れっしゃ の位置 いち 検知 けんち 技術 ぎじゅつ と密接 みっせつ に関 かか わっている。列車 れっしゃ 位置 いち 検知 けんち 技術 ぎじゅつ については後 ご の節 ふし を参照 さんしょう されたい。
多 おお くの場合 ばあい 閉塞 へいそく は、固定 こてい された区間 くかん に設定 せってい されている。時刻 じこく 表方 おもてかた 式 しき 、時刻 じこく 表 ひょう ・列車 れっしゃ 順序 じゅんじょ 方式 ほうしき 、通 つう 票 ひょう 方式 ほうしき では、閉塞 へいそく 区間 くかん は駅 えき に始 はじ まり駅 えき に終 お わる。信号 しんごう 機 き によるシステムでは、閉塞 へいそく 区間 くかん は信号 しんごう 機 き 間 あいだ に設定 せってい される。
閉塞 へいそく 区間 くかん の長 なが さは、必要 ひつよう とする列車 れっしゃ の運行 うんこう 頻度 ひんど に応 おう じて設計 せっけい される。交通 こうつう 量 りょう の少 すく ない路線 ろせん では、閉塞 へいそく 区間 くかん 長 ちょう は数 かず キロメートル にもおよび、交通 こうつう 量 りょう の多 おお い通勤 つうきん 路線 ろせん などでは閉塞 へいそく 区間 くかん 長 ちょう は数 すう 百 ひゃく メートル 程度 ていど になる。
列車 れっしゃ は、信号 しんごう 機 き が進行 しんこう を現 げん 示 しめせ するまで閉塞 へいそく 区間 くかん に入 はい ることを許 ゆる されない。あるいは、通 つう 票 ひょう 式 しき の場合 ばあい は、通 つう 票 ひょう を受 う け取 と るまでは進入 しんにゅう できない。ほとんどの場合 ばあい 、直近 ちょっきん の閉塞 へいそく が開通 かいつう しているだけではなく、その先 さき 、最低限 さいていげん のブレーキ距離 きょり までの範囲 はんい で閉塞 へいそく が開通 かいつう していなければ、その閉塞 へいそく に進入 しんにゅう することが許 ゆる されない。信号 しんごう 機 き の間隔 かんかく を近接 きんせつ して設置 せっち する自動 じどう 信号 しんごう 式 しき の場合 ばあい は、信号 しんごう 機 き の現 げん 示 しめせ が1つ先 さき の信号 しんごう 機 き の現 げん 示 しめせ を参照 さんしょう するようになっていて、効率 こうりつ 的 てき に列車 れっしゃ 間 あいだ に挟 はさ む閉塞 へいそく 区間 くかん の数 かず を制御 せいぎょ できるようになっている。
閉塞 へいそく 区間 くかん の長 なが さ(信号 しんごう 機 き の設置 せっち 間隔 かんかく )を計算 けいさん するためには、下記 かき のようなことを考慮 こうりょ に入 い れる必要 ひつよう がある。
路線 ろせん の最高 さいこう 許容 きょよう 速度 そくど
勾配 こうばい (ブレーキ距離 きょり の変化 へんか を補償 ほしょう するため)
その路線 ろせん で運行 うんこう している車両 しゃりょう のブレーキ特性 とくせい
視界 しかい (運転 うんてん 士 し からどの程度 ていど の距離 きょり まで信号 しんごう 機 き を見 み ることができるか)
運転 うんてん 士 し の反応 はんのう 時間 じかん (空 そら 走 はし 距離 きょり )
固定 こてい 閉塞 へいそく を用 もち いることの欠点 けってん として、高速 こうそく な列車 れっしゃ はブレーキ距離 きょり が長 なが くなるため、より長 なが い閉塞 へいそく 区間 くかん を占有 せんゆう して、線路 せんろ 容量 ようりょう を下 さ げることがある。
移動 いどう 閉塞 へいそく 方式 ほうしき では、列車 れっしゃ の移動 いどう に伴 ともな い、閉塞 へいそく 区間 くかん も移動 いどう し、走行 そうこう 速度 そくど に応 おう じて閉塞 へいそく 区間 くかん も増減 ぞうげん する。コンピューターが各 かく 列車 れっしゃ に対 たい して他 た の列車 れっしゃ の進入 しんにゅう を許 ゆる さない範囲 はんい を計算 けいさん する。システムは各 かく 列車 れっしゃ の現在 げんざい の正確 せいかく な位置 いち 、速度 そくど 、進行 しんこう 方向 ほうこう を把握 はあく できることを前提 ぜんてい に設計 せっけい されており、線路 せんろ や車 くるま 上 じょう に備 そな えられた様々 さまざま なセンサー、タコメータ、速度 そくど 計 けい などによって計測 けいそく されている(GPS は地下 ちか 線 せん やトンネルの中 なか では測定 そくてい 不能 ふのう になるので使 つか えない)。移動 いどう 閉塞 へいそく では、路側 ろそく 信号 しんごう 機 き は不要 ふよう となり、指示 しじ は列車 れっしゃ に直接 ちょくせつ 伝達 でんたつ される。これにより、安全 あんぜん 上 じょう 必要 ひつよう とされる最低限 さいていげん の間隔 かんかく を保 たも ちながら、できる限 かぎ り列車 れっしゃ を接近 せっきん させて走行 そうこう させることができるようになり、線路 せんろ 容量 ようりょう の増大 ぞうだい に貢献 こうけん する。
移動 いどう 閉塞 へいそく はCBTC にも採用 さいよう される。
移動 いどう 閉塞 へいそく は、ロンドン のドックランズ・ライト・レイルウェイ (Docklands Light Railway)や、ニューヨーク のカナーシーL線 せん (Canarsie "L" Line)などで用 もち いられており、ジュビリー線 せん でも使用 しよう する計画 けいかく がある。イギリスのウェスト・コースト本線 ほんせん (West Coast Main Line)の近代 きんだい 化 か でも移動 いどう 閉塞 へいそく を採用 さいよう して、最高 さいこう 速度 そくど を140マイル毎時 まいじ まで引 ひ き上 あ げることが計画 けいかく されたが、十分 じゅうぶん 成熟 せいじゅく した技術 ぎじゅつ ではないと考 かんが えられたことと、他 た の線 せん との接続 せつぞく 点 てん が多 おお いことなどから、計画 けいかく は断念 だんねん された。移動 いどう 閉塞 へいそく はERTMS のETCS level 3でも仕様 しよう に入 はい っており、この仕様 しよう では列車 れっしゃ はブレーキ距離 きょり だけの間隔 かんかく で先行 せんこう 列車 れっしゃ に続行 ぞっこう して走 はし ることができるようになっている。
日本 にっぽん ではJR東日本 ひがしにっぽん で無線 むせん 式 しき の移動 いどう 閉塞 へいそく 制御 せいぎょ を実用 じつよう 化 か させ、無線 むせん による列車 れっしゃ 制御 せいぎょ システム「ATACS 」を2011年 ねん 春 はる から仙石線 せんせきせん あおば通 どおり 駅 えき -東 ひがし 塩釜 しおがま 駅 えき 間 あいだ に導入 どうにゅう すると発表 はっぴょう した。
ほとんどの鉄道 てつどう では、信号 しんごう 機 き が路側 ろそく に立 た てられて、運転 うんてん 士 し に前方 ぜんぽう の路線 ろせん が開通 かいつう しているかどうかを伝 つた え、列車 れっしゃ の間隔 かんかく を十分 じゅうぶん 空 あ けるために用 もち いられている。
最初 さいしょ 期 き の信号 しんごう 機 き は、現 げん 示 しめせ を物理 ぶつり 的 てき な動作 どうさ で示 しめ していた。最初 さいしょ 期 き のものは、運転 うんてん 士 し から見 み えるように正 せい 対 たい して向 む けるか、線路 せんろ に平行 へいこう した向 む きに向 む けて運転 うんてん 士 し から見 み えないようにするか、回転 かいてん させることができるボードであった。この方式 ほうしき の信号 しんごう 機 き は現在 げんざい でもフランス やドイツ などいくつかの国 くに では使用 しよう されているが、機械 きかい 式 しき 信号 しんごう 機 き として世界 せかい 的 てき に普及 ふきゅう したのは腕木 うでき 式 しき 信号 しんごう 機 き である。腕木 うでき 式 しき 信号 しんごう 機 き には角度 かくど を変 か えることができる腕 うで が備 そな えられている。水平 すいへい な腕 うで が停止 ていし 現 げん 示 しめせ など、最 もっと も制限 せいげん 的 てき な指示 しじ を伝 つた える。
機械 きかい 式 しき 信号 しんごう 機 き は、信号 しんごう 扱所のてこからワイヤで接続 せつぞく されて遠隔 えんかく 操作 そうさ されることが一般 いっぱん 的 てき であるが、人間 にんげん の力 ちから で動 うご かすには遠 とお すぎる場合 ばあい には電動 でんどう 式 しき や油圧 ゆあつ 式 しき の装置 そうち も用 もち いられる。
現代 げんだい のほとんどの鉄道 てつどう では、色 いろ 灯 とう 式 しき 信号 しんごう 機 き が機械 きかい 式 しき 信号 しんごう 機 き を置 お き換 か えている。色 いろ 灯 とう 式 しき 信号 しんごう 機 き は昼 ひる でも夜 よる でも同 おな じ現 げん 示 しめせ 方式 ほうしき を使用 しよう することができ、機械 きかい 式 しき 信号 しんごう 機 き に比 くら べてメンテナンスの手間 てま が少 すく なく済 す む。
イギリスの鉄道 てつどう 信号 しんごう はルートシグナル の原則 げんそく に基 もと づいている。一方 いっぽう で、世界中 せかいじゅう のほとんどの鉄道 てつどう のシステムはアメリカが考案 こうあん したスピードシグナル の原則 げんそく に基 もと づいている。
ルートシグナルでは、運転 うんてん 士 し は列車 れっしゃ の進行 しんこう する進路 しんろ に基 もと づく信号 しんごう 機 き を見 み る(進路 しんろ が1つしかない場合 ばあい は信号 しんごう 機 き も1つである)。信号 しんごう 機 き に設置 せっち された進路 しんろ 指示 しじ 器 き を見 み ることで進路 しんろ を知 し ることができる。運転 うんてん 士 し は、あらかじめ学習 がくしゅう しているその進路 しんろ の制限 せいげん 速度 そくど か、あるいは線路 せんろ 脇 わき の速度 そくど 制限 せいげん 標識 ひょうしき に基 もと づいて、進入 しんにゅう する進路 しんろ に応 おう じた速度 そくど で列車 れっしゃ を走 はし らせる。この方式 ほうしき の欠点 けってん は、運転 うんてん 士 し がよく知 し らない路線 ろせん に乗務 じょうむ する時 とき にはその進路 しんろ に応 おう じた速度 そくど が分 わ からないということである。この欠点 けってん ゆえに事故 じこ も起 お きている。
スピードシグナルでは、運転 うんてん 士 し は列車 れっしゃ がどの進路 しんろ に入 はい るのかは知 し らされず、単 たん に許容 きょよう する速度 そくど が信号 しんごう 機 き に表示 ひょうじ されるだけである。スピードシグナルを採用 さいよう する場合 ばあい には、ルートシグナルに比 くら べて信号 しんごう 現 げん 示 しめせ の段数 だんすう を増 ふ やす必要 ひつよう があるが、運転 うんてん 士 し の路線 ろせん に対 たい する知識 ちしき に頼 たよ らずに済 す む。
列車 れっしゃ が本線 ほんせん に比 くら べて速度 そくど がかなり制限 せいげん される進路 しんろ へ進入 しんにゅう する場合 ばあい には、事前 じぜん に適切 てきせつ な警告 けいこく を運転 うんてん 士 し に伝 つた える必要 ひつよう がある。スピードシグナルでは、分岐 ぶんき 先 さき の進路 しんろ に応 おう じた信号 しんごう 現 げん 示 しめせ が行 おこな われるので、接近 せっきん 現 げん 示 しめせ は必要 ひつよう ではない。
ルートシグナルでは、制限 せいげん 速度 そくど を伝達 でんたつ する現 げん 示 しめせ は存在 そんざい しないので、接近 せっきん 現 げん 示 しめせ (approach release)というシステムが用 もち いられている。接近 せっきん 現 げん 示 しめせ では、分岐 ぶんき 点 てん の信号 しんごう 機 き は常 つね に最 もっと も制限 せいげん 的 てき な現 げん 示 しめせ (通常 つうじょう は停止 ていし 現 げん 示 しめせ )が表示 ひょうじ される。これによりその手前 てまえ の信号 しんごう 機 き は注意 ちゅうい 現 げん 示 しめせ になる。運転 うんてん 士 し はこの注意 ちゅうい 現 げん 示 しめせ を見 み て、実際 じっさい に分岐 ぶんき 進路 しんろ に進 すす むかどうかによらず減速 げんそく する。列車 れっしゃ が実際 じっさい に分岐 ぶんき 点 てん の信号 しんごう 機 き に接近 せっきん すると、現 げん 示 しめせ が進行 しんこう (もしくはその先 さき の進路 しんろ の在 ざい 線 せん 状況 じょうきょう に応 おう じた現 げん 示 しめせ )に変 か わる。
分岐 ぶんき 器 き の制限 せいげん 速度 そくど がほとんど本線 ほんせん の速度 そくど と同 おな じである場合 ばあい には、この仕組 しく みは不 ふ 必要 ひつよう である。
鉄道 てつどう の草創 そうそう 期 き には、列車 れっしゃ に進行 しんこう を許可 きょか する前 まえ に正 ただ しい進路 しんろ に分岐 ぶんき 器 き が開通 かいつう していることに対 たい して信号 しんごう 扱手が責任 せきにん を持 も っていた。誤 あやま った信号 しんごう 機 き や分岐 ぶんき 器 き の取 と り扱 あつか いは事故 じこ につながり、しばしば致命 ちめい 的 てき なものとなった。
分岐 ぶんき 器 き や信号 しんごう 機 き など、互 たが いに関連 かんれん している装置 そうち の動作 どうさ を結 むす び付 つ ける連動 れんどう 装置 そうち は、そのようなミスを防止 ぼうし して安全 あんぜん 性 せい を向上 こうじょう するために導入 どうにゅう された。これにより、開通 かいつう していない進路 しんろ の信号 しんごう 機 き に進行 しんこう 現 げん 示 しめせ を出 だ すような誤 あやま りを防 ふせ ぐことができるようになった。例 たと えば、駅 えき から列車 れっしゃ の出発 しゅっぱつ を許可 きょか する信号 しんごう 機 き を進行 しんこう に変 か えるためには、その進路 しんろ 上 じょう の分岐 ぶんき 器 き が全 すべ て正 ただ しい方向 ほうこう に切 き り替 か わっている必要 ひつよう があり、一旦 いったん 出発 しゅっぱつ を許可 きょか する信号 しんごう が出 で れば、それらの分岐 ぶんき 器 き を使 つか う他 ほか の進路 しんろ に対 たい しては一切 いっさい 進行 しんこう 許可 きょか を出 だ すことができなくなるように鎖 くさり 錠 じょう (ロック)される。これにより、信号 しんごう 扱手が誤 あやま った指示 しじ を出 で そうとしても、連動 れんどう 装置 そうち が受 う け付 つ けずに事故 じこ を防 ふせ ぐことができる。
初期 しょき の連動 れんどう 装置 そうち は、信号 しんごう 機 き や分岐 ぶんき 器 き の操作 そうさ と安全 あんぜん 性 せい の保証 ほしょう を機械 きかい 的 てき に行 い っていた。1930年代 ねんだい からリレー を用 もち いた連動 れんどう 装置 そうち が用 もち いられるようになった。1980年代 ねんだい 後半 こうはん からエレクトロニクス技術 ぎじゅつ を用 もち いた様々 さまざま な連動 れんどう 装置 そうち が登場 とうじょう するようになっている。
自動 じどう 閉塞 へいそく や連動 れんどう 装置 そうち の一部 いちぶ の機能 きのう を実現 じつげん するためには、列車 れっしゃ の現在 げんざい 位置 いち を検出 けんしゅつ する技術 ぎじゅつ が必要 ひつよう となる。
列車 れっしゃ がその区間 くかん に在 ざい 線 せん しているかどうかを検知 けんち する方法 ほうほう として一般 いっぱん 的 てき なものは軌道 きどう 回路 かいろ である。各 かく 区間 くかん の走行 そうこう 用 よう のレール は他 た の区間 くかん と電気 でんき 的 てき に絶縁 ぜつえん されており、区間 くかん の一方 いっぽう の端 はし でレールに電流 でんりゅう を流 なが す。リレー が反対 はんたい 側 がわ の端 はし に取 と り付 つ けられている。列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん していない場合 ばあい 、リレーによって電流 でんりゅう の回路 かいろ が形成 けいせい され、リレーが動作 どうさ する。列車 れっしゃ がその区間 くかん に進入 しんにゅう すると、列車 れっしゃ の車軸 しゃじく が回路 かいろ を短絡 たんらく して電流 でんりゅう がリレーに流 なが れなくなり、リレーが落下 らっか する。
この方式 ほうしき では、明示 めいじ 的 てき に列車 れっしゃ の全 すべ てが閉塞 へいそく 区間 くかん を出 で たことを検出 けんしゅつ する必要 ひつよう がない。列車 れっしゃ の一部 いちぶ が分離 ぶんり して閉塞 へいそく 区間 くかん に残留 ざんりゅう した場合 ばあい 、その残留 ざんりゅう した車両 しゃりょう 自体 じたい が軌道 きどう 回路 かいろ によって検知 けんち され続 つづ けるからである。
この方式 ほうしき の回路 かいろ は、信号 しんごう を現 げん 示 しめせ すると共 とも にその他 た の連動 れんどう 目的 もくてき でも列車 れっしゃ を検知 けんち するために用 もち いられている。例 たと えば、分岐 ぶんき 器 き の上 うえ に列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん している時 とき にその分岐 ぶんき 器 き を転換 てんかん させないようにするといった目的 もくてき でも用 もち いられる。電気 でんき 回路 かいろ は、信号 しんごう 機 き に進行 しんこう 現 げん 示 しめせ を出 だ す前 まえ に関連 かんれん する分岐 ぶんき 器 き が正 ただ しく開通 かいつう していることを保証 ほしょう する目的 もくてき でも用 もち いられる。軌道 きどう 回路 かいろ 方式 ほうしき を利用 りよう している区間 くかん では、保線 ほせん の係員 かかりいん などは軌道 きどう 短絡 たんらく 器 き というクリップと導線 どうせん で構成 こうせい された機材 きざい を携帯 けいたい しており、軌道 きどう に欠陥 けっかん を発見 はっけん した場合 ばあい などにこれを使 つか って両方 りょうほう のレールを短絡 たんらく する。これにより当該 とうがい 区間 くかん の信号 しんごう 機 き は停止 ていし 現 げん 示 しめせ に変 か わり、信号 しんごう 手 しゅ に連絡 れんらく を取 と るよりも速 はや く事故 じこ の発生 はっせい を防止 ぼうし できる。
列車 れっしゃ の在 ざい 線 せん 検知 けんち に用 もち いられるもう1つの方法 ほうほう は、区間 くかん に進入 しんにゅう し、区間 くかん から進出 しんしゅつ する車軸 しゃじく の数 かず をカウントするというものである。車軸 しゃじく が区間 くかん に進入 しんにゅう した数 かず と同 おな じ数 すう だけ進出 しんしゅつ すれば、その区間 くかん は列車 れっしゃ が在 ざい 線 せん していないと判定 はんてい できる。車軸 しゃじく カウンタ は軌道 きどう 回路 かいろ と同 おな じような機能 きのう に加 くわ えて、いくつかの特徴 とくちょう がある。
長所 ちょうしょ としては、湿度 しつど の高 たか い環境 かんきょう では、軌道 きどう 回路 かいろ よりも長 なが い区間 くかん を車軸 しゃじく 検知 けんち 器 き で在 ざい 線 せん 検知 けんち できる。これは、非常 ひじょう に長 なが い軌道 きどう 回路 かいろ ではバラスト軌道 きどう 自体 じたい の電気 でんき 抵抗 ていこう が低下 ていか して、検知 けんち 精度 せいど が落 お ちるためである。
短所 たんしょ としては、軌道 きどう 回路 かいろ はレールが破損 はそん するなどの軌道 きどう 自体 じたい の問題 もんだい も一緒 いっしょ に検出 けんしゅつ できるが、車軸 しゃじく 検知 けんち 器 き はそうではない。また、停電 ていでん によって機能 きのう が停止 ていし した後 のち 、電力 でんりょく 供給 きょうきゅう が再開 さいかい されても、車軸 しゃじく 検知 けんち 器 き 方式 ほうしき では軌道 きどう の在 ざい 線 せん 状態 じょうたい は不 ふ 確定 かくてい に止 と まり、最初 さいしょ にその区間 くかん を列車 れっしゃ が通過 つうか しなければ保証 ほしょう できない。軌道 きどう 回路 かいろ ならば、通電 つうでん 後 ご 即座 そくざ に軌道 きどう の在 ざい 線 せん 状態 じょうたい が確定 かくてい する。
運転 うんてん 士 し が信号 しんごう 機 き の現 げん 示 しめせ を見落 みお として列車 れっしゃ を進行 しんこう させると、しばしば大 だい 事故 じこ につながる。このため、信号 しんごう 無視 むし を防 ふせ ぐために多 おお くの保安 ほあん 装置 そうち が考案 こうあん されている。地上 ちじょう 側 がわ から列車 れっしゃ に対 たい して信号 しんごう 機 き の現 げん 示 しめせ の情報 じょうほう を伝送 でんそう する地上 ちじょう 装置 そうち と、それを受 う け取 と って列車 れっしゃ の速度 そくど を制御 せいぎょ する車 くるま 上 じょう 装置 そうち の組 く み合 あ わせで動作 どうさ するようになっている。システムによって、単 たん に運転 うんてん 台 だい に視覚 しかく 的 てき ・聴覚 ちょうかく 的 てき な方法 ほうほう で警告 けいこく を出 だ すだけのものもあれば、警告 けいこく に運転 うんてん 士 し が反応 はんのう しなかった場合 ばあい に自動的 じどうてき にブレーキを掛 か けるもの、さらに運転 うんてん 士 し の操作 そうさ によらずにほとんど自動的 じどうてき に列車 れっしゃ を運転 うんてん するようになっているものまで様々 さまざま なものがある。また、信号 しんごう 機 き を通過 つうか する時点 じてん でのみ作動 さどう する装置 そうち もあるが、より洗練 せんれん された装置 そうち は連続 れんぞく 的 てき に制限 せいげん 速度 そくど の監視 かんし を行 おこな う。
装置 そうち によっては、信号 しんごう 機 き の現 げん 示 しめせ を厳守 げんしゅ させるだけではなく、曲線 きょくせん や分岐 ぶんき 器 き 通過 つうか 時 じ の制限 せいげん 速度 そくど を守 まも らせるといった目的 もくてき でも使 つか われることがある。
悪天候 あくてんこう で視界 しかい がよくない場合 ばあい には、これらの安全 あんぜん 装置 そうち は特 とく に有用 ゆうよう である。人間 にんげん はミスを犯 おか す存在 そんざい であるので、こうした装置 そうち は事故 じこ を防 ふせ ぐためには不可欠 ふかけつ なものであると考 かんが えられている。
最新 さいしん のシステムでは、前方 ぜんぽう の進路 しんろ の開通 かいつう 状 じょう 況 きょう が電気 でんき 的 てき に車 くるま 上 じょう に伝 つた えられ、運転 うんてん 台 だい のディスプレイに常 つね に表示 ひょうじ されて、停止 ていし 現 げん 示 しめせ を冒 おかせ 進 すすむ した際 さい には自動的 じどうてき にブレーキが掛 か かるようになっている。こうした装置 そうち を車内 しゃない 信号 しんごう と呼 よ ぶ。
鉄道 てつどう 会社 かいしゃ の運行 うんこう 規定 きてい や取扱 とりあつかい 規則 きそく は、安全 あんぜん 性 せい を向上 こうじょう するために運用 うんよう されている。国 くに によって、あるいは鉄道 てつどう 会社 かいしゃ によって規定 きてい は様々 さまざま に異 こと なっている。
オーストラリア では、運行 うんこう 規定 きてい は"safeworking"と呼 よ ばれている。
北 きた アメリカでは、運行 うんこう 規定 きてい は"method of operation"と呼 よ ばれている。北 きた アメリカでは3つの主 おも な運行 うんこう 規定 きてい がある。
Canadian Rail Operating Rules(CROR)、カナダのほとんどの鉄道 てつどう で使用 しよう
General Code of Operating Rules(GCOR)、アメリカのほとんどの鉄道 てつどう で使用 しよう
Northeast Operating Rules Advisory Committee(NORAC)、アメリカの北東 ほくとう 部 ぶ の鉄道 てつどう で使用 しよう
イギリスでは運行 うんこう 規定 きてい は"method of working"と呼 よ ばれている。
^ サミュエル・モールスが符号 ふごう を考案 こうあん し、実用 じつよう 的 てき な電信 でんしん 技術 ぎじゅつ が確立 かくりつ されるのが1860年代 ねんだい 、グラハム・ベルにより電話 でんわ が実用 じつよう 化 か されるのが更 さら に遅 おく れること10年 ねん の1870年代 ねんだい 。