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ゼアラレノン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゼアラレノン(Zearalenone)とは、マイコトキシンカビさんせいする毒素どくそ)の一種いっしゅであり、(3S,11E)-3,4,5,6,9,10-ヘキサヒドロ-14,16-ジヒドロキシ-3-メチル-1H-2-ベンゾオキサシクロテトラデシン-1,7(8H)-ジオンのことである。CAS登録とうろく番号ばんごうは、17924-92-4。いくつかの別称べっしょう存在そんざいし、たとえばマイコトキシンF2などとばれる場合ばあいもある[1]

解説かいせつ

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ゼアラレノンの構造こうぞうトリコテセン骨格こっかくっていないことがれる。

ゼアラレノンは、炭素たんそ酸素さんそ水素すいそのみからなる化合かごうぶつであり、分子ぶんししきはC18H22O5分子ぶんしりょうは318.364である [2]おもに、Fusarium graminearumFusarium culmorumなどのフザリウムぞくぞくするカビさんせいするマイコトキシンとしてられている [3] 。 フザリウムぞくのカビがさんせいする毒素どくそであるため、とく穀物こくもつ牧草ぼくそうが、ゼアラレノンに汚染おせんされる対象たいしょうとなりやすい [3] 。 フザリウムぞくぞくするカビは、様々さまざま毒素どくそさんせいすることがられており、たとえば、Fusarium asiaticumならばデオキシニバレノールさんせいする。ゼアラレノンをさんせいするフザリウムぞくのカビが生育せいいくしているということは、のフザリウムぞくのカビも生育せいいくしている可能かのうせい充分じゅうぶんかんがえられる。そして事実じじつ、しばしばゼアラレノンに汚染おせんされた穀物こくもつ牧草ぼくそうは、デオキシニバレノールなどのフザリウムぞくのカビがさんせいする毒素どくそにも同時どうじ汚染おせんされているれい観察かんさつされている [3] 。 なお、フザリウムぞくのカビがさんせいする毒素どくそには、しばしばトリコテセン骨格こっかくつことがられているものの、このゼアラレノンはトリコテセン誘導体ゆうどうたいではない。

毒性どくせい規制きせい

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ゼアラレノンの急性きゅうせい毒性どくせいひくいとされている [3] 。 しかし、エストロゲンよう作用さようしめすことがられており、とくにゼアラレノンにたいして感受性かんじゅせいつよブタではにん流産りゅうざんなどの症状しょうじょうこり、ウシヒツジでも繁殖はんしょく障害しょうがいたとの報告ほうこくられる [3] 。 このため、2002ねん現在げんざい、EU諸国しょこくやカナダや日本にっぽんなどでは、家畜かちくよう飼料しりょうたいして、ゼアラレノン含有がんゆう濃度のうど規制きせいもうけている [3] [注釈ちゅうしゃく 1] 。 また、おなじく2002ねん現在げんざい、EU諸国しょこくなどでは、ヒトよう食品しょくひんたいしても、ゼアラレノン含有がんゆう濃度のうど規制きせいもうけている [3] [注釈ちゅうしゃく 2]

防御ぼうぎょほう

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ゼアラレノンは、ねつなどにたいして安定あんていせいたかい。したがって、いったんカビによってつくられてしまうと、これをから除去じょきょすることは困難こんなんであるとされている [3] 。 つまり、ゼアラレノンに汚染おせんされてしまった穀物こくもつ牧草ぼくそうはもはや使つかものにならず、もしそれを飼料しりょうなどとして使つかえば、前述ぜんじゅつのようにブタが流産りゅうざんするなど、畜産ちくさんぎょう打撃だげきあたえうる。したがって、フザリウムぞくのカビを繁殖はんしょくさせない(ゼアラレノンをさんさせない)ための対策たいさく生産せいさん流通りゅうつう段階だんかい必要ひつようがある。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 家畜かちくよう飼料しりょうたいする規制きせい地域ちいきによってことなる。
  2. ^ ヒトよう食品しょくひんたいする規制きせい地域ちいきによってことなり、なかにはゼアラレノン含有がんゆうりょう規制きせいをかけていない地域ちいきもある。

出典しゅってん

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  1. ^ 日本にっぽん化学かがく物質ぶっしつ辞書じしょWeb
  2. ^ Zearalenone
  3. ^ a b c d e f g h ゼアラレノン (ZEN)、Zearalenone

おも参考さんこう文献ぶんけん

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