タンク機関きかんしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
C11かたちタンク機関きかんしゃ(サイドタンクしき
インド・ダージリン・ヒマラヤ鉄道てつどうのタンク機関きかんしゃ(サドルタンクしき

タンク機関きかんしゃ(タンクきかんしゃ)とは、蒸気じょうき機関きかんしゃ一種いっしゅみず石炭せきたん機関きかんしゃ本体ほんたい積載せきさいする形態けいたい機関きかんしゃす。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

タンク機関きかんしゃ特長とくちょうは、一部いちぶのぞ小型こがたのものがおお小回こまわりがうえ後部こうぶ視界しかいくバック運転うんてんぎゃく)が容易よういであることから、路線ろせんえらばず使用しようができることである。

欠点けってんとしては、燃料ねんりょう積載せきさい容量ようりょうすくないことから長距離ちょうきょり運行うんこうにはてきさず、また動輪どうりんうえ直接ちょくせつみず燃料ねんりょう重量じゅうりょうがかかるため、みず燃料ねんりょうざんりょうすくなくなるとじくじゅうちて牽引けんいんりょくがってしまう、などがある。よって、世界せかい各国かっこくをはじめ日本にっぽん鉄道てつどうしょう国鉄こくてつでも長距離ちょうきょり輸送ゆそうではほとんどもちいられなかった。

ぎゃくに、都市とし近郊きんこう頻繁ひんぱん運転うんてんカル線かるせん短距離たんきょり私鉄してつ路線ろせん産業さんぎょうよう鉄道てつどうのように、走行そうこう距離きょりみじか石炭せきたんみずをすぐに補給ほきゅうできる環境かんきょうではひろもちいられ、また小回こまわりがくことをかした構内こうない貨車かしゃ客車きゃくしゃにゅうかわだい馬力ばりきようする長大ちょうだい編成へんせい列車れっしゃ発車はっしゃ故障こしょうしゃ牽引けんいんひとしにもちから発揮はっきした。

タンク機関きかんしゃ反対はんたいに、みず石炭せきたんべつ車両しゃりょう炭水車たんすいしゃ)に積載せきさいする形態けいたいのものをテンダー機関きかんしゃという。なお、蒸気じょうき機関きかんしゃ歴史れきしじょうにおいては、テンダー機関きかんしゃであってもみずタンクを設置せっちして、その重量じゅうりょう粘着ねんちゃく性能せいのう向上こうじょう活用かつようするれいが、勾配こうばい線区せんくよう機関きかんしゃ中心ちゅうしんられている。

種類しゅるい[編集へんしゅう]

みず積載せきさい方法ほうほうについては、つぎの5つがある。

サドルタンク
みずタンクがくらのように機関きかんしゃ中央ちゅうおうのボイラーをまたぐように設置せっちされているタイプ。
パニアタンク
2つのみずタンクがボイラーをはさむように設置せっちされているタイプ。
サイドタンク
パニアタンクにているが、みずタンクがたいわくうえまで設置せっち位置いちがっているタイプ。もっとも標準ひょうじゅんてき方式ほうしき
リヤタンク
みずタンクが運転うんてんしつ後部こうぶ石炭せきたんくらした設置せっちされているタイプ。
ウェルタンク
たいわく補強ほきょううえ、その一部いちぶ仕切しきってはこじょうにし、みずタンクに流用りゅうようしたタイプ。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]