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チェロキー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
チェロキー
ᏣᎳᎩ ᎦᏬᏂᎯᏍᏗ
はなされるくに アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
地域ちいき オクラホマしゅうノースカロライナしゅう
話者わしゃすう 12,000にん - 22,000にん(2007ねん) [1][2]
言語げんご系統けいとう
表記ひょうき体系たいけい チェロキー文字もじラテン文字もじ
言語げんごコード
ISO 639-2 chr
ISO 639-3 chr
Cherokee language spread in the United States.
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チェロキー元来がんらい分布ぶんぷ

チェロキー (チェロキー: ᏣᎳᎩ ᎦᏬᏂᎯᏍᏗ, Tsalagi Gawonihisdi [dʒalaˈɡî ɡawónihisˈdî]) は、チェロキーぞく言語げんごイロコイ語族ごぞくぞくす。2007ねん現在げんざい[1]でもはなされている唯一ゆいいつ南部なんぶイロコイ諸語しょごである。文字もじ独特どくとく音節おんせつ文字もじチェロキー文字もじ)をもちいる。

音韻おんいん

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ぜんした ちゅうした こうした
せま [i]

[iː ]

[u]

[uː ]

中央ちゅうおう
[e]

[eː ]

[ə̃]

[ə̃ː ]

[o]

[oː ]

ひろ [a] 

[aː ]

重母音じゅうぼいんとしてai /ai/が存在そんざいする。

ノースカロライナ方言ほうげん東方とうほうげん
りょうくちびる 歯茎はぐき かた口蓋こうがい 軟口蓋なんこうがい 声門せいもん
閉鎖へいさ [t] [k] [ʔ]
やぶおと [ts]
摩擦音まさつおん [s] [h]
鼻音びおん [m] [n]
接近せっきん [l] [j] [ɰ]

なお、オクラホマの方言ほうげんにはノースカロライナがっている子音しいんゆうごえ無声むせいおびおんさせたものをっており、構成こうせいされる音節おんせつすうは110以上いじょうのぼる。

このひょうでは上段じょうだんにノースカロライナ方言ほうげん共通きょうつうする子音しいん下段げだんにオクラホマ方言ほうげん特有とくゆう無声むせい子音しいんせる。

オクラホマ方言ほうげん西にし方言ほうげん
りょうくちびる 歯茎はぐき かた口蓋こうがい 軟口蓋なんこうがい 声門せいもん
閉鎖へいさ [t~d]

[tʰ]

[k~ɡ]

[kʰ]

[ʔ]
やぶおと [t͡s~t͡ʃ~d͡ʒ] 

[t͡sʰ~t͡ʃʰ]

摩擦音まさつおん [s] [h]
鼻音びおん [m] [n]

[n̥]

接近せっきん/摩擦音まさつおん [l]

[ɬ]

[j]

[ç]

[ɰ]

[x]

声調せいちょう

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チェロキーには6つの声調せいちょうがあるが、ほとんどの語彙ごいでは弁別べんべつてき機能きのうがない。一部いちぶ語彙ごい適用てきようされるだけである。 そして、声調せいちょう意味いみ弁別べんべつされる語彙ごいでも下記かきべるチェロキー文字もじでは声調せいちょう表記ひょうきされないため、辞書じしょ調しらべる必要ひつようがある。

声調せいちょうめい IPA
ていたいら調ちょう [˨]
高平たかひら調ちょう [˦]
のぼり調ちょう [˨˦]
くだ調ちょう [˥˩]
こうくだ調ちょう [˥˧]
ていくだ調ちょう [˧˩]

転写てんしゃ

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チェロキーふくむイロコイ語族ごぞくには基本きほんてきにp,b,f,vなどのりょう唇音しんおん存在そんざいしない。なので、英語えいごなどの「p」おと転写てんしゃするときはべつおともちいることになる。 なお、チェロキーには例外れいがいとして「m」のおとがあるが、転写てんしゃもちいられることはまれである。 一番いちばん基本きほんてき方法ほうほうは「p」のおとに「kw」のおとてることである。

れい「p」「Wikipedia」→「ᏫᎩᏇᏗᏯ Wi-gi-gwe-di-ya」

文法ぶんぽう

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チェロキーはほかのアメリカ先住民せんじゅうみん諸語しょごおなじように抱合ほうごうである。1つの単語たんごかならず「人称にんしょう動詞どうし語幹ごかん、アスペクト、時制じせい助動詞じょどうし」をしめ形態素けいたいそはいっており、人称にんしょうは10時制じせいは17ある。

動詞どうし /ge:ga/ わたし
g- e: -g -a
1人ひとりしょう単数たんすう接頭せっとう 語根ごこん "く" アスペクト接尾せつび 接尾せつびしき時制じせい助動詞じょどうし

人称にんしょうにはそうすう複数ふくすう1人ひとりしょう包括ほうかつてき排他はいたてき人称にんしょうがある。

語根ごこん-e-活用かつようれい現在げんざい時制じせい
単数たんすう  排他はいたてきそうすう 包括ほうかつてきそうすう 排他はいたてき複数ふくすう 包括ほうかつてき複数ふくすう
1st ᎨᎦ
gega
わたし
ᎢᏁᎦ
inega
わたしたち(2人ふたり)はく (ききてふくめる)
ᎣᏍᏕᎦ
osdega
わたしたち(2人ふたり)はく (ききてふくめない)
ᎢᏕᎦ
idega
わたしたちはく (3+, ききてふくめる)
ᎣᏤᎦ
otsega
わたしたちはく (3+, ききてふくめない)
2nd ᎮᎦ
hega
あなたは
ᏍᏕᎦ
sdega
あなたたち(2人ふたり)は
ᎢᏤᎦ
itsega
あなたたちは
3rd ᎡᎦ
ega
かれ(それ)は
ᎠᏁᎦ
anega
かれら(それら)は

正書法せいしょほう

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シクウォイアによって発明はつめいされた85文字もじチェロキー文字もじかれている。ラテン文字もじているものもあるが、おと完全かんぜんことなる。シクウォイアは、英字えいじヘブライ文字もじギリシア文字もじ存在そんざいっていたが、それらをることができなかったためである[3]

この文字もじでは、ノースカロライナの方言ほうげんは1たい1でおと対応たいおうしているが、オクラホマではなされている子音しいん一部いちぶ文字もじりないなどの理由りゆうもあり、表記ひょうきされずにおとあつかいになっている。しかし、発音はつおんじょうではしっかりと区別くべつされているので、注意ちゅうい必要ひつよう。 また、声調せいちょう表記ひょうきされないので意味いみ弁別べんべつ文脈ぶんみゃくたよることになっている。 ほかにも、より正確せいかくおと表現ひょうげんできるラテン文字もじ表記ひょうき使つかわれる[4]

文字もじはそれぞれ、日本にっぽん仮名かめい青銅器せいどうき時代じだい古代こだいギリシア使つかわれたせん文字もじBのように1音節おんせつあらわす。最初さいしょの6文字もじ語頭ごとうでは母音ぼいん音節おんせつあらわす。わせた子音しいん母音ぼいん音節おんせつのための文字もじがそのしたがう。ひだり横書よこがきで、くだりうえからすすめる。

下記かきひょうとそのラテン文字もじ表記ひょうきは、サミュエル・ウースター英語えいごばん牧師ぼくしによって編纂へんさんされたものをもとにしている。ウースターは、1828ねんから1859ねんくなるまで、チェロキー印刷いんさつ発展はってん重要じゅうよう役割やくわりたした人物じんぶつである。

a e i o u v [ə̃]
a   e   i   o u v
ga ka   ge   gi   go gu gv
ha   he   hi   ho hu hv
la   le   li   lo lu lv
ma   me   mi   mo mu  
na hna nah ne   ni   no nu nv
qua   que   qui   quo quu quv
s sa   se   si   so su sv
da ta   de te di ti do du dv
dla tla   tle   tli   tlo tlu tlv
tsa   tse   tsi   tso tsu tsv
wa   we   wi   wo wu wv
ya   ye   yi   yo yu yv

参考さんこう文献ぶんけん

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Ethnologue:Cherokee
  2. ^ Indigenous Languages Spoken in the United States
  3. ^ Feeling, "Dictionary" xvii
  4. ^ Feeling et al., "Verb" pp. 1–2

外部がいぶリンク

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