チョコレート (映画えいが)

チョコレート
	Monster's Ball
監督かんとく	マーク・フォースター
脚本きゃくほん	ミロ・アディカ; ウィル・ロコス
製作せいさく	リー・ダニエルズ
製作せいさく総そう指揮しき	マーク・ウルマン; マイケル・バーンズ; マイケル・パセオネック
出演しゅつえん者しゃ	ハル・ベリー; ビリー・ボブ・ソーントン; ヒース・レジャー
撮影さつえい	ロベルト・シェイファー
編集へんしゅう	マット・チェス
配給はいきゅう	ギャガ
公開こうかい	2001年ねん12月26日にち; 2002年ねん7月がつ20日はつか
上映じょうえい時間じかん	111分ふん
製作せいさく国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
製作せいさく費ひ	$4,000,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$31,273,922 ; $44,909,486
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『チョコレート』（Monster's Ball）は、マーク・フォースター監督かんとく、ハル・ベリー主演しゅえんの2001年ねんのアメリカ映画えいが。黒人こくじん女性じょせいと白人はくじん男性だんせいの交流こうりゅうと人種じんしゅへの偏見へんけん問題もんだいも孕はらんだ恋愛れんあいをシビアに描えがいたドラマである。上映じょうえい時間じかんは113分ふん。

原題げんだいの「Monster's Ball」（怪物かいぶつの舞踏ぶとう会かい）は、死刑しけいの執行しっこう前まえに看守かんしゅ達いたるが行おこなう宴会えんかいを指さす。

邦題ほうだいの「チョコレート」は、年配ねんぱいの白人はくじん男性だんせいと付つき合あう若わかい黒人こくじん女性じょせいの隠語いんごを意味いみする。

ストーリー

死刑しけい囚しゅうの夫おっとローレンスの死刑しけい執行しっこうの日ひ、レティシアは息子むすこのタイレルと刑務所けいむしょを訪おとずれ、夫おっとに別わかれを告つげた。

看守かんしゅのハンクは父親ちちおやのバックと息子むすこのソニーと3人にんで暮くらしていた。バックは既すでに退職たいしょくしていたが、ソニーは新人しんじんで、親子おやこ3代だいに渡わたって看守かんしゅを務つとめているのだ。バックは黒人こくじん差別さべつ主義しゅぎ者しゃで、ハンクもその影響えいきょうを色濃いろこく受うけていた。ソニーはそんな父親ちちおやのことを苦々にがにがしく思おもっていた。

レティシアが別わかれを告つげた日ひの夜よる、ハンクはローレンスの死刑しけいを執行しっこうした。だが、共ともに働はたらいている息子むすこのソニーは重圧じゅうあつから嘔吐おうとしてしまい、満足まんぞくに職務しょくむを果はたすことが出来できなかった。そんなソニーを弱よわい人間にんげんだと罵ののしり殴なぐるハンク。さらに翌朝よくあさ自宅じたくで寝ねていたソニーを叩たたき起おこし、家いえを出でて行いくように迫せまった。拳銃けんじゅうを取とり出だして防衛ぼうえいするソニー。「父とうさんは僕ぼくが憎にくくて仕方しかたないんだろう。僕ぼくは父とうさんをずっと愛あいしていたのに。」そう言いうと銃口じゅうこうを自分じぶんに向むけて自殺じさつしてしまう。ハンクはショックを受うけ、看守かんしゅを辞じする。

夫おっとの死後しご、レティシアは母子ぼし2人にんの生活せいかつを維持いじするため懸命けんめいに働はたらき頑張がんばっていた。ところがある夜よる、一緒いっしょに夜道よみちを歩あるいていたタイレルが車くるまにひき逃にげされてしまう。そこに車くるまに乗のったハンクが偶然ぐうぜん通とおりかかった。病院びょういんまでの搬送はんそうを懇願こんがんするレティシア。ハンクは2人ふたりを乗のせて病院びょういんへ直行ちょっこうしたが、結局けっきょくタイレルは助たすからなかった。落胆らくたんするレティシアをハンクは家いえまで送おくった。それからハンクとレティシアは、たびたび会あった。大切たいせつな人ひとを失うしなって心しんに傷きずを負おった者もの同士どうし、互たがいを必要ひつようとし支ささえ合あうようになっていった。あるときレティシアは、夫おっとが死刑しけい囚しゅうであったことをハンクに話はなす。だがハンクは、処刑しょけいしたのが自分じぶんであるとはい出いだせなかった。

ある日ひレティシアはハンクにプレゼントの帽子ぼうしを渡わたすため家いえに立たち寄よったが、ハンクは留守るすで父親ちちおやのバックが応対おうたいした。バックはレティシアを差別さべつ用語ようごでなじり、ハンクはただ黒人こくじんの女おんなと性的せいてき関係かんけいを持もちたかっただけであろうとほのめかした。憤慨ふんがいしたレティシアは「あなたも同類どうるいでしょう」と言いいハンクを拒絶きょぜつするようになった。ハンクはこのことをきっかけにバックを老人ろうじんホームへ入所にゅうしょさせた。彼かれもかつては父親ちちおやと同おなじ黒人こくじん差別さべつ主義しゅぎ者しゃだったのだが、自分じぶんの人生じんせいを生いき直なおすために父親ちちおやとの関係かんけいを断たち切きることにしたのだ。

レティシアは家賃やちんの滞納たいのうのため住すんでいた家いえを強制きょうせい的てきに立たち退たいかされる。ハンクは自分じぶんの家いえに一緒いっしょに住すまないかと誘さそった。ようやく2人ふたりだけの新あたらしい生活せいかつが始はじまったのであった。だがその夜よる、ハンクがアイスクリームを買かいにいった留守るす中ちゅうに、レティシアは夫おっとローレンスが獄中ごくちゅうで描えがいた看守かんしゅハンクの似顔絵にがおえを見みつけてしまう。全すべてを悟さとり慟哭どうこくが止とまらぬレティシア。ハンクが戻もどるとレティシアは虚うつろな表情ひょうじょうで迎むかえた。2人ふたりは外そとの階段かいだんに座すわり、チョコレートアイスを食たべた。「僕ぼくらはきっとうまくいくだろう。」ハンクは言いった。レティシアの目めには涙なみだが光ひかっていたが、口元くちもとはうっすらと微笑ほほえんでいた。頭上ずじょうには満天まんてんの星ほしが輝かがやいていた。

登場とうじょう人物じんぶつ

レティシア・マスグローヴ: 演えんじ - ハル・ベリー、日本語にほんご吹替 - 安藤あんどう麻吹あさぶき; 死刑しけい囚しゅうの夫おっとがジョージア州しゅう立たて刑務所けいむしょに収監しゅうかんされていたので、息子むすこと2人ふたりで生活せいかつしてきた。子供こどもの愛いとし方かたが判わからず、過食かしょく症しょうの子供こどもにしばしば暴力ぼうりょくを振ふるう。黒人こくじん。
タイレル・マスグローヴ: 演えんじ - コロンジ・カルフーン、日本語にほんご吹替 - 亀井かめい芳子よしこ; レティシアの一人ひとり息子むすこ。父親ちちおやのいない寂さびしさから過食かしょく症しょうになり、菓子かし、特とくにチョコレートを食たべる事ことが止とめられず、肥満ひまん体たいである。そのせいでレティシアからしばしば虐待ぎゃくたいを受うけている不遇ふぐうな日常にちじょうを送おくっている。
ハンク・グロトウスキ: 演えんじ - ビリー・ボブ・ソーントン、日本語にほんご吹替 - 磯部いそべ勉つとむ; ジョージア州立しゅうりつ刑務所けいむしょの看守かんしゅ。仕事しごとに大変たいへんな誇ほこりを持もっている。白人はくじんであり、父親ちちおやの影響えいきょうから黒人こくじん差別さべつ者しゃ。父ちちと息子むすこと、3人にんで生活せいかつ。チョコレート味あじのアイスが大好だいすき。
ソニー・グロトウスキ: 演えんじ - ヒース・レジャー、日本語にほんご吹替 - 平田ひらた広明ひろあき; ハンクの一人ひとり息子むすこ。ジョージア州立しゅうりつ刑務所けいむしょの看守かんしゅ。祖父そふ・父ちちから黒人こくじん差別さべつ主義しゅぎは受うけ継つがず、近所きんじょに住すむ黒人こくじん家族かぞくと深ふかい親交しんこうがあり、幼おさない黒人こくじんの子供こども達たちともよく遊あそんでいた。その後ご自殺じさつする。
バック・グロトウスキ: 演えんじ - ピーター・ボイル、日本語にほんご吹替 - 大塚おおつか周夫ちかお; ハンクの父ちち、ソニーの祖父そふ。息子むすこ・孫まごと同おなじく元もと刑務所けいむしょ看守かんしゅで、庭先にわさきを黒人こくじんの子供こどもが横切よこぎっただけでも怒鳴どなりつける黒人こくじん差別さべつ主義しゅぎ者しゃ。彼かれの思想しそうは息子むすこのハンクへと受うけ継つがれた。
ローレンス・マスグローヴ: 演えんじ - ショーン・コムズ; レティシアの夫おっと。死刑しけい囚しゅう。
ライラス・クーパー: 演えんじ - モス・デフ; グロトウスキ家かの近所きんじょに住すむ黒人こくじんの自動車じどうしゃ整備せいび士し。ソニーが仲良なかよくしていた子供こどもたちの父親ちちおや。

スタッフ

監督かんとく：マーク・フォースター
制作せいさく総そう指揮しき：マーク・ウルマン、マイケル・パセオネク
脚本きゃくほん：ミロ・アディカ、ウィル・ロコス
撮影さつえい：ロバート・シェイファー

受賞じゅしょう

第だい74回かいアカデミー賞しょう主演しゅえん女優じょゆう賞しょう（非ひ白人はくじんとして初はじめての受賞じゅしょうであった）
第だい52回かいベルリン国際こくさい映画えいが祭さい銀ぎん熊ぐま賞しょう（女優じょゆう賞しょう）。
ゴールデン・サテライト賞しょう最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょう。
全米ぜんべい映画えいが俳優はいゆう組合くみあい賞しょう最優秀さいゆうしゅう主演しゅえん女優じょゆう賞しょう。
フロリダ映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう最優秀さいゆうしゅう主演しゅえん男優だんゆう賞しょう。

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b ^c “Monster's Ball (2002)”. Box Office Mojo. 2010年ねん1月がつ24日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

[boxoffice-1] “Monster's Ball (2002)”. Box Office Mojo. 2010年ねん1月がつ24日にち閲覧えつらん。

[1]

表ひょう話はなし編へん歴れきマーク・フォースター監督かんとく作品さくひん
2000年代ねんだい	Everything Put Together（2000）チョコレート（2001）ネバーランド（2004）ステイ（2005）主人公しゅじんこうは僕ぼくだった（2006）君きみのためなら千せん回かいでも（2007） 007 慰なぐさめの報酬ほうしゅう（2008）
2010年代ねんだい	マシンガン・プリーチャー（2011）ワールド・ウォーZ（2013）かごの中なかの瞳ひとみ（2016）プーと大人おとなになった僕ぼく（2018）
2020年代ねんだい	オットーという男おとこ（2022）
カテゴリ

表ひょう話はなし編へん歴れき日本にっぽんアカデミー賞しょう・最優秀さいゆうしゅう外国がいこく作品さくひん賞しょう
1970年代ねんだい	ロッキー（1977）家族かぞくの肖像しょうぞう（1978）ディア・ハンター（1979）
1980年代ねんだい	クレイマー、クレイマー（1980）ブリキの太鼓たいこ（1981） E.T.（1982）愛あいと青春せいしゅんの旅たびだち（1983）ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ（1984）アマデウス（1985）バック・トゥ・ザ・フューチャー（1986）プラトーン（1987）ラストエンペラー（1988）ダイ・ハード（1989）
1990年代ねんだい	フィールド・オブ・ドリームス（1990）ダンス・ウィズ・ウルブズ（1991） JFK（1992）ジュラシック・パーク（1993）シンドラーのリスト（1994）ショーシャンクの空そらに（1995）イル・ポスティーノ（1996）タイタニック（1997） L.A.コンフィデンシャル（1998）シックス・センス（1999）
2000年代ねんだい	ダンサー・イン・ザ・ダーク（2000）リトル・ダンサー（2001）チョコレート（2002）戦場せんじょうのピアニスト（2003）ラストサムライ（2004）ミリオンダラー・ベイビー（2005）父親ちちおやたちの星条旗せいじょうき（2006）硫黄いおう島とうからの手紙てがみ（2007）ダークナイト（2008）グラン・トリノ（2009）
2010年代ねんだい	アバター（2010）英国えいこく王おうのスピーチ（2011）最強さいきょうのふたり（2012）レ・ミゼラブル（2013）アナと雪ゆきの女王じょおう（2014）アメリカン・スナイパー（2015）ハドソン川がわの奇跡きせき（2016）ラ・ラ・ランド（2017）ボヘミアン・ラプソディ（2018）ジョーカー（2019）
2020年代ねんだい	パラサイト半地はんじ下かの家族かぞく（2020） 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ（2021）トップガンマーヴェリック（2022）ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE（2023）
日本にっぽんアカデミー賞しょう作品さくひん賞しょう監督かんとく賞しょう脚本きゃくほん賞しょうアニメーション作品さくひん賞しょう外国がいこく作品さくひん賞しょう主演しゅえん男優だんゆう賞しょう主演しゅえん女優じょゆう賞しょう助演じょえん男優だんゆう賞しょう助演じょえん女優じょゆう賞しょう音楽おんがく賞しょう