主題歌しゅだいか

主題歌しゅだいか（しゅだいか）とは、映画えいが・テレビ・ラジオなどのメインテーマ（英えい: main theme）およびテーマソング（英えい: theme song）の曲きょくを指さす。主おもにオープニングあるいはエンディングに演奏えんそうされ、必かならずしも歌曲かきょくとは限かぎらない。広義こうぎには挿入歌そうにゅうか・劇げき中歌なかうたも含ふくむ。なお、テーマはドイツ語ごで、英語えいごのtheme song（シームソング）に相当そうとうするドイツ語ごはTitelliedなので、テーマソングは一種いっしゅの和製わせい英語えいごである。

概要がいよう

テーマソングという和製わせい英語えいごが、主題歌しゅだいかと同義どうぎの意味いみである点てんを指さすように、基本きほん的てきに映像えいぞう作品さくひんやテレビ番組ばんぐみの看板かんばんといえる音楽おんがくである。

オープニングで使つかわれる曲きょくをオープニングテーマ（英えい: opening theme）、エンディングで使つかわれる曲きょくをエンディングテーマ（英えい: ending theme / closing theme）といい、日本にっぽんではオープニングテーマをOP、エンディングテーマをEDと略りゃくされることがある。

オープニング・エンディングに主題歌しゅだいかが使用しようされない作品さくひんでは、劇げき中ちゅうに挿入歌そうにゅうかとして使用しようされる場合ばあいがある。

楽曲がっきょくの選考せんこうは作品さくひん側がわのプロデューサー（テレビ局てれびきょく・映画えいが会社かいしゃの社員しゃいん）が広告こうこく代理だいり店てんや他たの制作せいさくスタッフと協議きょうぎして、おおよその作品さくひんと楽曲がっきょくのイメージやアーティストなどレコード会社かいしゃや芸能げいのう事務所じむしょのプロデューサーあるいは芸能げいのうプロモーターに注文ちゅうもんを出だし、楽曲がっきょく制作せいさくにとりかかる形態けいたいが多おおい。まれに作品さくひん側がわスタッフや原作げんさく者しゃの好このみで、一意いちいの歌手かしゅやCDアルバムなどで流通りゅうつうされている楽曲がっきょくを指名しめいして起用きようするケースもある。逆ぎゃくにレコード会社かいしゃ側がわから作品さくひん側がわに、タイアップ獲得かくとくのために楽曲がっきょくやアーティストを売うり込こむケースも見みられている。

一般いっぱん的てきには、内容ないように合あった作詞さくし・作曲さっきょくで曲きょく作づくりがなされる（特とくにテレビアニメの主題歌しゅだいかはアニソンと形容けいようされている）が、1990年代ねんだい以降いこうは歌詞かしが作品さくひんの内容ないようを反映はんえいしていなくても積極せっきょく的てきに採用さいようされることもある。テレビドラマや邦画ほうがの場合ばあいは歌詞かしそのものよりも歌手かしゅや制作せいさく者しゃ（作曲さっきょく家か・プロデューサー）のネームバリューに重おもきが置おかれている。アニメでも『ストリートファイターII MOVIE』、『名めい探偵たんていコナン』、『ヒカルの碁ご』などがアニソン歌手かしゅではなくJ-POPアーティストを登用とうようしている。

テレビアニメでは、オープニング/エンディングテーマが途中とちゅうから変更へんこうされることが多おおく、近年きんねんは短みじかくて1クール、長ながくても4クールごとにオープニング/エンディングテーマが変更へんこうされるのが一般いっぱん的てきになっている。曲きょくそのものは変かえずに、歌詞かしを1番ばんから2番ばんへなどに変更へんこうすることもある。

テレビアニメ・特撮とくさつテレビドラマについてはオープニング/エンディングテーマの両方りょうほうが存在そんざいするのが一般いっぱん的てきだが、2000年代ねんだい以降いこうはエンディングテーマがない作品さくひんも増加ぞうかしている（『ドラえもん』テレビアニメ2005年版ねんばん、仮面かめんライダーシリーズなど）。一方いっぽうで、一般いっぱんのテレビドラマや映画えいがではいずれか片方かたがたしか存在そんざいしない作品さくひんも多おおい。

映像えいぞうにおける主題歌しゅだいか

• 映像えいぞう作品さくひんではオープニングやエンディングに映像えいぞう付つきで主題歌しゅだいかが流ながれる。近年きんねんの映画えいがの場合ばあい、映像えいぞうはない場合ばあいもある。
• テレビ番組ばんぐみの場合ばあい、主おもに70秒びょうから100秒びょうが割わり当あてられるが、60秒びょう以下いかと短みじかかったり、120秒びょうを超こえるものもあり多種たしゅ多様たようである。
• テレビドラマの本編ほんぺん（Bパート）終盤しゅうばんにエンディング曲きょくのイントロを流ながしてシームレスにエンディング（スタッフロール）へ移うつるパターンもある。
• 2000年代ねんだい以降いこうのテレビアニメやテレビドラマ（帯おびドラマを除のぞく）においては、初回しょかいや最終さいしゅう回かいのみオープニングを割愛かつあいしエンディングに本来ほんらいの主題歌しゅだいかを流ながす（通常つうじょう1コーラスのみ使用しようするところを、フルコーラスで使用しようするなど変更へんこうが加くわえられることがある）といった特別とくべつな扱あつかいを受うける傾向けいこうにある。2000年代ねんだい以降いこうでは特撮とくさつテレビドラマでもこの手法しゅほうを使用しようする作品さくひんが見みられる。
• 報道ほうどう番組ばんぐみでは初期しょきから1980年代ねんだい頃ころまで、比較的ひかくてきクラシック音楽おんがくや交響楽こうきょうがくをアレンジしたものをテーマソングにしたものがあった（例れい：黛まゆずみ敏郎としお「朝日新聞あさひしんぶんニューストップタイトルのための音楽おんがく」、読売新聞よみうりしんぶんニュースにおけるオッフェンバック・「ジェロルスタン太閤たいこう妃ひ殿下でんか」など）。

主題歌しゅだいかの制作せいさく

オープニングあるいはエンディングに与あたえられた時間じかん枠わく（タイムキーパー）に合あわせ、楽曲がっきょくの時間じかん尺じゃくをアレンジ（編曲へんきょく・編集へんしゅう）する必要ひつようがある。作品さくひん側がわの制作せいさく者しゃからの要請ようせいや音楽おんがく担当たんとう者しゃ（編曲へんきょく家か・ディレクター）の判断はんだんによっては、タイアップ用ようのイントロ・エンディングに編曲へんきょくを改あらためたものが制作せいさくされる。

ボーカル部分ぶぶんは伴奏ばんそうとは独立どくりつしたボーカルトラックで収録しゅうろくされているため、レコード用ように録音ろくおんが済すんでいる場合ばあいはそれを編集へんしゅうして楽曲がっきょくと合あわせれば良よいため、テレビ用ように改あらためて歌唱かしょうするケースは少すくない。しかし、そのようなケースも存在そんざいしており、歌うたい方かたや歌詞かしなどに差異さいがある場合ばあいもある。また、楽曲がっきょくが未み完成かんせいの状態じょうたいで、主題歌しゅだいか用ように急いそぎで1コーラス分ぶんのレコーディングが行おこなわれる場合ばあいも稀まれにあり、後あとで商品しょうひん化かされたシングル盤ばんとアレンジが大おおきく異ことなる場合ばあいがある（ZARDの「運命うんめいのルーレット廻まわして」など）。

日本にっぽんの映画えいが作品さくひんの場合ばあい、テレビドラマやテレビアニメと比くらべてスタッフロールに載のせる量りょうが多おおいため、イントロ→1コーラス→間奏かんそう→サビ→エンディングのように長ながめに使つかわれたり、シングル盤ばんと全まったく同おなじのフルコーラスが使用しようされる場合ばあいがある。アメリカ映画えいが（ハリウッド映画えいが）ではスタッフロールがより長大ちょうだいである場合ばあいがあり、主題歌しゅだいか（エンディングテーマ）+複数ふくすうの劇げき伴とも曲きょくを使つかう作品さくひんも見受みうけられる。

サウンドトラックのCDに収録しゅうろくされる場合ばあいは、「TVサイズ」「TV-Mix」「TV（映画えいが）版ばん」などと曲きょくのタイトルにエディションが併記へいきされる。

備考びこう

主題歌しゅだいかとは意味合いみあいが違ちがうが、映画えいがやアニメのキャラクターなどをイメージして作つくられた楽曲がっきょく、また、プロレスを始はじめとする格闘技かくとうぎ選手せんしゅやプロ野球やきゅう選手せんしゅなどが試合しあいに登場とうじょうする際さいにかかる曲きょくについても「○○（キャラクター名めい・選手せんしゅ名めい）のテーマ」と呼よぶこともある。前者ぜんしゃの代表だいひょう例れいに「インペリアル・マーチ」、別名べつめい「ダース・ベイダーのテーマ」などがある。後者こうしゃについては、選手せんしゅのために作つくられたオリジナル曲きょくのほかに、既存きそんの曲きょくが使つかわれることもある。

その他た、小売こうり店てんのために作つくられ、店内てんない放送ほうそうで頻繁ひんぱんに流ながす歌うたも「○○（小売こうり店てんの名前なまえ）のテーマソング」と表現ひょうげんする場合ばあいがある。

関連かんれん項目こうもく

• 劇げき中歌なかうた (曖昧あいまいさ回避かいひ)
• 映画えいが音楽おんがく
• アニメソング
• サウンドトラック