作詞さくし

作詞さくし（さくし）は、歌詞かしのある楽曲がっきょくの、歌詞かしを作つくることである。

子供こども向むけ作品さくひんやクラシック合唱がっしょう曲きょくなどでは「作詩さくし」と表記ひょうきされる場合ばあいも多おおいが、これは文字通もじどおり「詩しを作つくる」ことであり、詩人しじんが曲きょくに関係かんけいなく詩しを作つくり詩集ししゅうなどで公表こうひょうされた後のちに、作曲さっきょく家かがその詩しに曲きょくをつけた例れいなどが多おおい。それらに対たいし、最初さいしょから曲きょくのために歌詞かしを作つくることは厳密げんみつには別べつの意味いみで、混同こんどうされて使つかわれていることもある。

概説がいせつ

日本にっぽんの歌謡かよう曲きょくの世界せかいではかつて、作詞さくしは作詞さくし家かが行おこなうことが一般いっぱん的てきであったが、作詞さくし・作曲さっきょく・演奏えんそうをすべて自分じぶんで行おこなうアーティストが増ふえてきている（→ シンガー・ソングライター）。

詞しの形態けいたいは様々さまざまである。例たとえば、一人称いちにんしょう形式けいしき・三人称さんにんしょう形式けいしき、あるいは叙事詩じょじし・物語ものがたり形式けいしき、などがある。

曲きょく作づくりの工程こうていにおける作詞さくしの位置いち

楽曲がっきょくの製作せいさく方法ほうほうは、「詞し先さき（しさき、しせん）」と呼よばれる、先さきに詞しを書かいた後のちで曲きょくを付つける方法ほうほうと、「曲きょく先さき（きょくせん）」と呼よばれる、先さきに曲きょくを作つくった後のちで詞しを付つける方法ほうほうの2種類しゅるいに大別たいべつされる。

詞し先さきと曲きょく先さきでは、作詞さくしと作曲さっきょくの役割やくわり分担ぶんたんが大おおきく異ことなる。

詞し先さきでは、作詞さくしが曲きょくから制限せいげんを受うけることはない。作曲さっきょくの作業さぎょうが、与あたえられた詞しを前提ぜんていとしたものとなり、詞しから大おおきく制約せいやくを受うける。詞しが持もつ語感ごかん・イメージ・世界せかい観かんを生いかすようなメロディを構築こうちくするよう心こころがけなければならない。

一方いっぽう、曲きょく先さきでは、詞しのない状態じょうたいで既すでに曲きょくが完成かんせいされており、したがって、譜ふ割わり（メロディの中なかで詞しが載のるリズムの割わりふり）もこの時点じてんで決定けっていされている。作詞さくしにおいては、その譜ふ割わりに言葉ことばをはめ込こむことが作業さぎょうの主体しゅたいとなる。作詞さくし者しゃは、決定けっていされている譜ふ割わりを忠実ちゅうじつに踏襲とうしゅうし、元もとのメロディを生いかしつつも語感ごかんのいい言葉ことばを選えらび、かつ全体ぜんたいとして意味いみのある詞しを構築こうちくしなければならない。

関連かんれん項目こうもく

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