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ファンク

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ファンク
funk
様式ようしきてき起源きげん ゴスペル[1]ソウル[1]ファンキー・ジャズ[2]リズム・アンド・ブルース[1]
文化ぶんかてき起源きげん 1960年代ねんだい中盤ちゅうばん[3]
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
使用しよう楽器がっき ベース・ギターエレクトリック・ギタードラムスキーボードボンゴクラビネットシンセベースホーンコンガワウペダル
派生はせいジャンル ディスコ
ヒップホップ
ブギー
コンテンポラリー・R&B
ギャングスタ・ラップ
ブレイクビーツ
ニュージャックスウィング
Gファンク
ニューロ・ファンク(en)
リキッド・ファンク(en)
ハウス
ファンク・ステップ(en)
サブジャンル
Go-Go
P-Funk
Deep funk
Nu-funkなど
多数たすう
融合ゆうごうジャンル
Acid jazz
Afrobeat
Free funk
Funk rock
Funk metal
Funky house
G-funk
Go-Go
Jazz funk
UK funky
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ファンク(funk)は、音楽おんがくジャンルの1つであり、アフリカけいアメリカじん黒人こくじん起源きげんブラック・ミュージックのジャンルである。

概要がいよう

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ファンキーとファンクのちがいは、ファンキーがアメリカ南部なんぶ田舎いなか連想れんそうさせるのにたいし、ファンクは都会とかいてき印象いんしょうあたえるてん特徴とくちょうがある[4]。ファンキーは、60年代ねんだいにファンクが誕生たんじょうする以前いぜんの50年代ねんだいに、すでにファンキー・ジャズ(ソウル・ジャズ)にたいして使つかわれていた[5]。ファンク、R&Bなどの音楽おんがく用語ようごは、黒人こくじん生活せいかつ全般ぜんぱんめんがあった。英和えいわ辞典じてんてき解釈かいしゃくでは、”ジャズをベースにしたビートのつよ音楽おんがく[6]という訳語やくごもある。体臭たいしゅうセックスにおいを、ファンキー・スメルと場合ばあいがあり、「ファンク」という言葉ことば感覚かんかくてき言葉ことばであり、明確めいかく日本語にほんごやくすことはむずかしい[7]

詳細しょうさい

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ファンクは1960年代ねんだい(1964ねんごろ)にジェームス・ブラウン[8]きょく「アウト・オブ・サイト」が契機けいきとなり、原型げんけい形成けいせいされた[ちゅう 1][ちゅう 2]。ジェームス・ブラウンのファンクは、西にしアフリカのポリリズムと、戦前せんぜんアメリカのアフロアメリカンによるワーク・ソングからの影響えいきょう指摘してきされている[9]。その、ベーシストのブーツィー・コリンズ[10]が、ジョージ・クリントン[ちゅう 3]によりPファンクまねかれ、Pファンク黄金おうごん時代じだいをきずきあげた(Pファンク参照さんしょう)。一方いっぽう1970年代ねんだい初頭しょとうサンフランシスコから、白人はくじん黒人こくじん混成こんせいバンドスライ&ザ・ファミリー・ストーン登場とうじょうし、かれらのロックてき要素ようそれたファンクが、白人はくじんにもれられるようになった[11][12] 。また、ファンクはラテンとも融合ゆうごうし、ウォーのきょく「シスコ・キッド」(1972ねん)のようなラテン・ファンクがうまれた。ファンクはアフリカへも紹介しょうかいされ、ファンクにアフリカのリズムも融合ゆうごうしたアフロビートつながり、フェラ・クティマヌ・ディバンゴらにより発展はってんしていった[13]

ファンクは1970年代ねんだい前半ぜんはんにはポップ、ソウル・チャートともに好調こうちょうだった。だが、1970年代ねんだい後半こうはんには、ディスコ・ブーム[ちゅう 4]により、ファンクは一時いちじてき後退こうたいむかえる。1980年代ねんだい前半ぜんはんでもソウル・チャートでは人気にんきだったが、1980年代ねんだい後半こうはんにはニュー・ジャック・スウィングやグラウンド・ビート[ちゅう 5]、ハウスなどの台頭たいとうにより、ファンクはいきおいをうしなっていった。

歴史れきし

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1960年代ねんだい前半ぜんはんにジェームス・ブラウンが「アウト・オブ・サイト」を発表はっぴょうしたのち、ブルース・ミュージシャンがいちはや反応はんのうし、ローウェル・フルソンのきょく「トランプ」に象徴しょうちょうされる「ファンク・ブルース」がまれた[14]。1960年代ねんだいまつから1970年代ねんだい初頭しょとうにはスライ&ザ・ファミリー・ストーン[15]が、白人はくじんにもれられるようなロックの要素ようそをファンクにれ、ウッドストックへの出演しゅつえんもあいまって、人気にんきグループとなった。さらに1970年代ねんだいには、ジョージ・クリントンPファンクパーラメント - ファンカデリック)として活動かつどうし、黒人こくじんそう中心ちゅうしん支持しじされた[16]。そのの1970年代ねんだいファンクの代表だいひょうてきアーティストとしては、ブーツィー・コリンズ(Pファンク)、クール・アンド・ザ・ギャングオハイオ・プレイヤーズ、BTエクスプレス[17]、ジミー・キャスター・バンチ[ちゅう 6]、ジョー・テックス、ブリック[ちゅう 7]グラハム・セントラル・ステーション[18]アース・ウィンド・アンド・ファイアースレイブ[ちゅう 8]、ファットバック、ヴァーノン・バーチ、コモドアーズ[ちゅう 9](デビュー)などがげられる。

1980年代ねんだいはいるとザップ[19]ロジャー・トラウトマン、プリンス、リック・ジェームスがファンクかい牽引けんいんする存在そんざいとなった。ほかにもバーケイズ、カメオ、コン・ファンク・シャン、ワン・ウェイ、レイクサイド、ダズ・バンド、ギャップ・バンド、オーラ[20]らのファンク・アーティストが、ソウル・チャートを中心ちゅうしん人気にんきとなった。だが、1980年代ねんだい後半こうはんから1990年代ねんだい、2000年代ねんだいとファンクは不振ふしんだった。2010年代ねんだい前半ぜんはんまではファンクは消滅しょうめつしたような状態じょうたいだったが、2010年代ねんだい後半こうはんはいってマーク・ロンソン[ちゅう 10]ブルーノ・マーズ[ちゅう 11]らが1980年代ねんだいふうのファンクきょくをヒットさせ、話題わだいとなった。

ファンクはジャズ・シーンにもおおきな影響えいきょうあたえ、マイルス・デイヴィスハービー・ハンコックジミー・スミスオーネット・コールマン(フリー・ファンク)[ちゅう 12]、ヘッドハンターズなどがファンクをれ、かれらのサウンドはジャズ・ファンクばれた[21]。80年代ねんだい後半こうはんには、レア・グルーヴ[ちゅう 13]のブームも発生はっせいした。

ファンク・ロック

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ファンクとロックを融合ゆうごうした音楽おんがくを、ファンク・ロックにジャンルけする場合ばあいがある。黒人こくじん演奏えんそうした場合ばあいは、ブラック・ロックともばれる。フリーの「ザ・スティーラー」、デヴィッド・ボウイの「フェイム[22](1975ねん)、ローリング・ストーンズの「ホット・スタッフ」(1975ねん)、エアロスミスの「ラスト・チャイルド」(1976ねん)、INXSの「ニード・ユー・トゥナイト」(1988ねん[ちゅう 14]などは、ファンクのリズムをったロックきょくである。おもなアーティストとしては、1970年代ねんだいにはリック・デリンジャー[ちゅう 15]、レッドボーン[ちゅう 16]ファンカデリック、マザーズ・ファイネスト、初期しょきのバーケイズ、ワイルド・チェリーらがいた。1980年代ねんだいはINXS、ファイン・ヤング・カニバルズ[ちゅう 17]レッド・ホット・チリ・ペッパーズフィッシュ・ボーン後期こうきのカメオらが、1990年代ねんだいにはキザイア・ジョーンズスティーヴィー・サラスシールらが活動かつどうした。

おもなファンク・アーティスト

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世界せかい(アルファベットじゅん

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日本にっぽん五十音ごじゅうおんじゅん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ レコードコレクターズ増刊ぞうかん。p.171
  2. ^ 1965ねん以降いこう登場とうじょうしたブラック・ロックや1970年代ねんだいなかばから後半こうはん流行りゅうこうとなったフュージョンは、ファンクのルーツではない
  3. ^ パーラメント/ファンカデリックなどPファンクの総帥そうすい
  4. ^ ドナ・サマー、ビージーズ、ヴィレッジ・ピープルらがブームの中心ちゅうしんだった。
  5. ^ UKのソウルIIソウルによるサウンド。音楽おんがく用語ようごとしては日本にっぽん独自どくじ表現ひょうげん
  6. ^ 代表だいひょうきょくは「イッツ・ジャスト・ビガン」「バーサ・バット・ブギー」「キング・コング」など。
  7. ^ 「ダズ」「デュージック」などがアメリカでヒットした。
  8. ^ 「「スライド」「ジャスト・ア・タッチ・オブ・ラブ」などでられる。
  9. ^ 74ねんのデビュー、「マシン・ガン」「ザ・バンプ」がファンキーだった。
  10. ^ プリンスたザ・タイムのサウンドを彷彿ほうふつとさせる「アップタウン・ファンク」が全米ぜんべい1となり、なおかつロング・ヒットとなった。
  11. ^ 80sファンクを再現さいげんした「24Kマジック」がヒットした。
  12. ^ アルバム「ボディ・メタ」「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」などはファンクの影響えいきょうけている。
  13. ^ 1960年代ねんだい後半こうはん~1970年代ねんだいごろの有名ゆうめいではないファンキーなきょくなど。
  14. ^ に「ワット・ユー・ニード」などもヒットした。
  15. ^ 代表だいひょうきょくは「ロックンロール・フーチークー」
  16. ^ ヒットした「カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ」はブルーアイドソウルだが、きょくはファンキーなロックがおおい。
  17. ^ UKのザ・ビートの一部いちぶのメンバーが結成けっせい。89ねんには全米ぜんべい1だいヒットをばした。
  18. ^ 「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」「カット・ザ・ケイク」などのヒットきょくは、白人はくじんバンドとおもえないほどファンキーな楽曲がっきょくだった。
  19. ^ スレイブのアルバムにも参加さんかした、スタリーナ・ヤングとカート・ジョーンズの男女だんじょデュオ
  20. ^ 「ヒット・アンド・ラン」「ムーブ・ユア・ブギー・ボディ」など、ソウルチャートでのヒットきょく多数たすう
  21. ^ カーティス・ブロウによるヒップホップの歴史れきしかんする編集へんしゅうばんにファンクきょく「ラブ・ザ・ライフ・ユー・リブ」が収録しゅうろくされた。
  22. ^ 1976ねんにはファンクきょく「ストレッチン・アウト・イン」がソウルチャートでヒット。
  23. ^ ディスコ+ジャズ=「ダズ」や、「デュージック」などのファンクきょくがヒット。
  24. ^ Pファンク一派いっぱ女性じょせいグループ。
  25. ^ ファンクきょく「24カラット・マジック」が全米ぜんべいチャートでだいヒットした。
  26. ^ 「ドゥ・イット」「エクスプレス」がヒットした。
  27. ^ ソウルチャートで「シーズ・ストレンジ」、ポップチャートで「ワード・アップ」などがヒットした。
  28. ^ イアン・デューリーのファンクきょく「ヒット・ミー・ウィズ・ユア・リズムスティック」などの作曲さっきょくしゃ。「あいのコリーダ」の作曲さっきょくしゃでもある。
  29. ^ ファーストアルバムの「マシンガン」「ザ・バンプ」などがファンクサウンドだった。セカンド・アルバム以降いこう、ファンク後退こうたいした。
  30. ^ スーパーフライがファンクのめいばんとされている。
  31. ^ ファンク・ナンバー「スコーピオ」が71ねんにポップチャートでもヒット。
  32. ^ 82ねんのファンク・ヒット「レット・イット・ウィップ」はポップ・チャートでもヒットした。
  33. ^ オハイオ出身しゅっしんのファンク・バンド。サンを継承けいしょうしたグループ。
  34. ^ ワシントン・ゴーゴーの代表だいひょうてきなバンドである。
  35. ^ アメリカ。1986ねんに「ハイ・ファッション」がソウルチャートでヒットした。
  36. ^ 81ねんの「バーン・ラバー」はポップ、ソウルりょうチャートでヒット。
  37. ^ 75ねんに「ハイジャック」がヒット。
  38. ^ もとザ・タイム。85ねんに「ビー・ユア・マン」「アイ・ウォント・マイ・ガール」がソウル・チャートでヒット。タマラ&ザ・シーンの「エブリバディ・ダンス」の作曲さっきょくしゃで、どうきょくはポップでもヒットした。
  39. ^ 77ねんにファンクきょく「リアル・マザー・フォー・ヤ」がヒットした。
  40. ^ 「バーサ・バット・ブギー」「キングコング」などのファンクきょくられる。日本にっぽんではディスコと紹介しょうかいされたが、実際じっさいはファンクの音楽家おんがくかである。72ねんの「イッツ・ジャスト・ビガン」は有名ゆうめいなレア・グルーブきょく
  41. ^ 72ねんだいヒットした「アイ・ガッチャ」など、ファンクきょくおおい。
  42. ^ JBファミリーの女性じょせいシンガー。「シンク」などがラップのバックトラックとしてさかんに使用しようされた。
  43. ^ 97ねんの「リターン・オブ・ザ・マック」がヒット。
  44. ^ 「キューティー・パイ」がソウルチャートでヒット。
  45. ^ 「パーティー・ナウ」がファンクのきょくとして位置いちづけられている。
  46. ^ オハイオ出身しゅっしんのファンク・バンド。
  47. ^ ワシントンDCのファンキーなGOGOバンド。
  48. ^ きょくはフォークではなくファンキー。
  49. ^ 作品さくひんザップのグレッグ・ジャクソン、Pファンクのブーツィー・コリンズザップのボビー・グローヴァーが参加さんか

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c Tammy Kernodle, Horace Maxille, Emmett G. Price III "Encyclopedia of African American Music" Greenwood, 2010, p337
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