サウンドデザイナー とは、映像 えいぞう やメディアにおいて主 おも に効果 こうか 音 おん を製作 せいさく する人 ひと のことである。
近年 きんねん 、欧米 おうべい の映像 えいぞう 製作 せいさく 現場 げんば において、音楽 おんがく を総括 そうかつ 的 てき に扱 あつか うものとして使 つか われ始 はじ め、主 おも に映画 えいが 制作 せいさく 、テレビ制作 せいさく 、劇場 げきじょう 、録音 ろくおん 、ライブパフォーマンス、サウンドアート、ポストプロダクション 、ラジオ およびビデオゲーム開発 かいはつ など様々 さまざま な現場 げんば で活動 かつどう する。
サウンドデザイナーという言葉 ことば は非常 ひじょう に包括 ほうかつ 的 てき な言葉 ことば であり、基本 きほん 「作曲 さっきょく 以外 いがい の音 おと 素材 そざい を制作 せいさく する人 ひと 」であったが近年 きんねん は作曲 さっきょく 活動 かつどう をする人 ひと 、またサウンドプログラミング もする人 ひと もいる。また業界 ぎょうかい によって意味合 いみあ いが異 こと なる。
・ゲーム業界 ぎょうかい / 効果 こうか 音 おん 制作 せいさく 、WWise,ADX2, FMOD等 とう を使用 しよう しサウンドイベントを実装 じっそう する人 ひと
・テレビ業界 ぎょうかい / MA、音響 おんきょう 制作 せいさく 者 しゃ 、フォーリーを作 つく る人 ひと
またサウンドデザイナーのすることは個々 ここ によって多岐 たき に渡 わた り、効果 こうか 音 おん 制作 せいさく 、編曲 へんきょく 、作曲 さっきょく 、レコーディング、舞台 ぶたい 音響 おんきょう 制作 せいさく 、展示 てんじ 音楽 おんがく 制作 せいさく などがある。
サウンドデザイナーという言葉 ことば を辿 たど ると、過去 かこ における演劇 えんげき や舞台 ぶたい がスタートとなる。先史 せんし 時代 じだい すでに、人類 じんるい は演劇 えんげき に音楽 おんがく を使用 しよう することで、感情 かんじょう 高 たか め、物語 ものがたり の心情 しんじょう を演出 えんしゅつ し表現 ひょうげん する文化 ぶんか があった。
中世 ちゅうせい になり演劇 えんげき では、「音響 おんきょう 効果 こうか 」 という音楽 おんがく を強化 きょうか するたの存在 そんざい が生 う まれ始 はじ め、初期 しょき ではベルやホイッスル、ホーン などの楽器 がっき を使 つか い、効果 こうか 音 おん が舞台 ぶたい 外 がい で鳴 な り始 はじ めるようになった。また徐々 じょじょ に当時 とうじ の楽譜 がくふ にも演奏 えんそう 楽器 がっき 以外 いがい の、効果 こうか 音 おん のための記述 きじゅつ 等 とう は存在 そんざい するようになってくる。[1]
イタリアの作曲 さっきょく 家 か であり楽器 がっき 発明 はつめい 家 か のルイージ・ルッソロ は、1913年 ねん 頃 ごろ に「イントナルモーリ」と呼 よ ばれる機械 きかい を制作 せいさく し、電車 でんしゃ や爆 ばく 弾 だん などの自然 しぜん 音 おん や人工 じんこう 音 おん をシミュレートさせた。これは初 はつ の「効果 こうか 音 おん 演出 えんしゅつ のためだけの機械 きかい 」 だった。 彼 かれ の論文 ろんぶん 「The Art of Noises」は劇場 げきじょう での抽象 ちゅうしょう 的 てき な効果 こうか 音 おん の使用 しよう に関 かん する最 もっと も初期 しょき の文書 ぶんしょ の1つである。そして近代 きんだい 、効果 こうか 音 おん は録音 ろくおん されたものを使用 しよう するようになってくる。
劇場 げきじょう における録音 ろくおん の最初 さいしょ の使用 しよう は、1890年 ねん にロンドンの劇場 げきじょう で赤 あか ちゃんの泣 な き声 ごえ を再生 さいせい する蓄音機 ちくおんき とされている。当時 とうじ は「サウンドデザイナー」という言葉 ことば は存在 そんざい せず、「エフェクトマン」 として舞台 ぶたい 監督 かんとく が音響 おんきょう 効果 こうか を演出 えんしゅつ していた。20世紀 せいき に入 はい ると、録音 ろくおん された効果 こうか 音 おん が使用 しよう されるようになったが、効果 こうか 音 おん の選定 せんてい は舞台 ぶたい 監督 かんとく が担当 たんとう し、演奏 えんそう 中 ちゅう の録音 ろくおん 再生 さいせい は電気 でんき 技師 ぎし が行 おこな っていた。
1980年 ねん から1988年 ねん にかけて、チャーリー・リッチモンドがサウンドデザイン委員 いいん 会 かい を監督 かんとく し、劇場 げきじょう サウンドデザイナーの職務 しょくむ や責任 せきにん 、基準 きじゅん 、手順 てじゅん を定義 ていぎ する取 と り組 く みを開始 かいし する。
1980年代 ねんだい から1990年代 ねんだい にかけて、MIDIとデジタルオーディオ技術 ぎじゅつ がサウンドプロダクション技術 ぎじゅつ の進化 しんか を促進 そくしん し、DAWとデジタル信号 しんごう 処理 しょり アルゴリズムにより、複雑 ふくざつ なサウンドトラックを実現 じつげん できるようになる。シアターサウンドにおいては、ディズニー・MGMスタジオの施設 しせつ 制御 せいぎょ に活用 かつよう され、MIDIショーコントロール(MSC)仕様 しよう がオープンな通信 つうしん プロトコルとして採用 さいよう された。
ゲームオーディオへの関心 かんしん の高 たか まりは、インタラクティブオーディオツールの開発 かいはつ を促 うなが し、従来 じゅうらい のDAWプログラムと同様 どうよう のワークフローを持 も つインプリメンテーションツールやオーディオエンジンが登場 とうじょう する。
またインターネットの発展 はってん により、サウンドデザイナーは素早 すばや く、簡単 かんたん に、安価 あんか に音源 おんげん を入手 にゅうしゅ できるようになり、これにより従来 じゅうらい の手間 てま やコストを削減 さくげん し、より鮮明 せんめい なサウンドが利用 りよう 可能 かのう になった。
Jack Foleyという音響 おんきょう 技術 ぎじゅつ 者 しゃ が過去 かこ 多 おお くの米 べい 映画 えいが 作品 さくひん 等 とう において、自作 じさく の効果 こうか 音 おん を制作 せいさく したことから由来 ゆらい し、
効果 こうか 音 おん 全体 ぜんたい のなかで「お手製 てせい の効果 こうか 音 おん 」のことをフォーリー と言 い われ使 つか われている。
マイクで録音 ろくおん された街 まち の音 おと →フォーリーではない
シンセサイザーで作 つく られた効果 こうか 音 おん →フォーリーではない
収録 しゅうろく した台本 だいほん の声 こえ →フォーリーではない
足音 あしおと や、服 ふく をすり合 あ わせて録音 ろくおん した音 おと →フォーリー
また収録 しゅうろく に使 つか われる小道具 こどうぐ のことをProp(プロップ) とも言 い い、フォーリーサウンドを作 つく る人 ひと のことを
フォーリーアーティスト とも呼 よ ぶ。主 おも に映像 えいぞう に合 あ わせて音 おと の演技 えんぎ をすることがメインの職務 しょくむ である。
スタジオから外 そと に出 で て、野外 やがい で録音 ろくおん することをフィールドレコーディングと呼 よ ぶ。
動物 どうぶつ などの音 おと を録 ろく る場合 ばあい は辛抱強 しんぼうづよ くタイミングを待 ま つ必要 ひつよう があり、また環境 かんきょう 音 おん を録 ろく る場合 ばあい は
様々 さまざま な音 おと が入 はい ってしまうため、余計 よけい な音 おと を録 ろく らないスキルが必要 ひつよう になる。
ベン・バート 『スター・ウォーズ』ではR2-D2の「声 こえ 」、ライトセーバーの音 おと 、ダース・ベイダーの重 じゅう 呼吸 こきゅう 音 おん 、皇帝 こうてい のフォース・ライトニングの音 おと を作成 さくせい している。
近年 きんねん 、ゲーム業界 ぎょうかい において制作 せいさく ソフトの開発 かいはつ が進 すす み製作 せいさく 側 がわ によりテクニカルな要素 ようそ が求 もと められた結果 けっか 、テクニカルサウンドデザイナーという役職 やくしょく も生 う まれ始 はじ めてる。
^ Kaye, Deena; Lebrecht, James (1992). Sound and Music For The Theatre . Back Stage Books, an imprint of Watson-Guptill Publications. ISBN 0-8230-7664-4