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ソウルミュージック

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソウル
げん地名ちめい Soul
様式ようしきてき起源きげん
文化ぶんかてき起源きげん 1950年代ねんだいアメリカ(「ソウル」という名称めいしょうは60年代ねんだい登場とうじょうする)
派生はせいジャンル
サブジャンル
融合ゆうごうジャンル
地域ちいきてきなスタイル
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ソウル英語えいご: soul)あるいはソウルミュージック英語えいご: soul music)は、ポピュラー音楽おんがくジャンルひとつである。

概要がいよう

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1950年代ねんだいアメリカにおいてアフリカけいアメリカじんゴスペル[4]ブルース[5]から発展はってんしできた音楽おんがく体系たいけいである[3]リズム・アンド・ブルースは、1940年代ねんだいにはすでに存在そんざいしていたが、このR&Bが1960年代ねんだいに、よりゴスペルいろ濃厚のうこうになることでソウル・ミュージックばれるようになった[6]。ただ、起源きげんかんする説明せつめい多様たようで、R&Bが、ゴスペルだけでなく、ジャズや白人はくじんのポピュラー音楽おんがくなどの影響えいきょう形成けいせいされたとするものもある[2]

詳細しょうさい

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ソウル・ミュージックは、文化ぶんかせい芸術げいじゅつせいもあるが、基本きほんてきには商業しょうぎょう音楽おんがくであり、流行りゅうこう音楽おんがくである[7]。ゴスペル由来ゆらいコード進行しんこう、ベースを強調きょうちょうしたリズムコールアンドレスポンス使用しようなどの特徴とくちょうがある。代表だいひょうてき歌手かしゅにはオーティス・レディング、アレサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット[注釈ちゅうしゃく 1]、サム&デイヴ[注釈ちゅうしゃく 2]、ジョー・テックス[8]、クラレンス・カ-ター、ソロモン・バークらがいる。音楽おんがくライターのジョン・ランドウによれば、なかでも1962ねんから64ねんにレコーディングされたオーティス・レディングによる一連いちれんのソウルバラードは感傷かんしょうてき歌詞かし特徴とくちょうづけられ、かれは「Mr. Pitiful」としてられるようになる[9]

また、テネシーしゅうメンフィス拠点きょてんハイ・レコードは、O.V.ライト、ボビー・ブランドオーティス・クレイアン・ピーブルズアル・グリーンらのソウル・レコードを発表はっぴょうし、ヒットをばした[10]。そして、「メンフィス・ソウル英語えいごばんばれるサブジャンルの誕生たんじょうにつながる。

ソウルは、R&Bとのあいだ明瞭めいりょう境界きょうかいせんくのはむずかしく[11]、レコードてんのジャンルけや、業界ぎょうかいやラジオのヒット・チャートなどにおいても ソウル/R&B などのようにワンセットであつかわれることがおおい。 ソウルと、1980年代ねんだい流行りゅうこうしたブラック・コンテンポラリーおおきな相違そういてんとしては、ソウルがシャウトなどのはげしい表現ひょうげんがあるのにたいし、ブラコンはシャウトしない場合ばあいおおく、これはジョージ・クリントンが「R&Bスケルトンズ・イン・ザ・クロゼット」の歌詞かしでも指摘してきしているとおりである[12]1990年代ねんだいごろにはベテランのうたきょくをソウルとして、ブルースにちか意味合いみあいとして分離ぶんりした。一方いっぽう、ソウルをうたもの言葉ことばとしてR&Bがふたた使つかわれはじめた[13]

1960年代ねんだいのイギリスでは、イクォールズ[注釈ちゅうしゃく 3]、ジノ・ワシントン&ラムジャム・バンド、ジミー・ジェイムズ&ヴァガボンズなどのポップなソウル・グループが活躍かつやくしていた。ただかれらは、世界せかいてきなヒットをすにはいたらなかった。しかし1970年代ねんだいなかばになると、UKソウルのカール・ダグラスが「えろドラゴン」の全米ぜんべいナンバー・ワン・ヒットをはなった。ダグラスは1975ねんにも「おどれドラゴン」を発表はっぴょうしている。さらにイギリスからはスウィート・センセーション[注釈ちゅうしゃく 4]、デレゲーション、ホット・チョコレート [14]らがヒットさく発表はっぴょうした。ジミー・ジェイムズ&ヴァガボンズは1970年代ねんだいはいってからも活動かつどうつづけ、1976ねんにはファンキー・ディスコの「ディスコ・フィーバー」を発表はっぴょうした。1980年代ねんだいには、セントラル・ライン、ジュニア、プリンセス、ジャッキ・グレアム、エディ・グラント、ルース・エンズらが活躍かつやくした[15]。ソウルフルな歌手かしゅのミーシャ・パリスは1980年代ねんだいまつから1990年代ねんだい前半ぜんはんにかけて、アメリカのソウル・チャートでヒットをした[16]。1990年代ねんだいにはDインフルエンス、エターナルらが活躍かつやくした。

ジャマイカン・ソウル

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ジャマイカのスカ、ロックステディ、レゲエでも、ソウルフルなシンガーが活躍かつやくしてきた。代表だいひょうてきなシンガーには、アルトン・エリス[注釈ちゅうしゃく 5]、トゥーツ・ヒバート[注釈ちゅうしゃく 6](メイタルズ)、デニス・ブラウン[注釈ちゅうしゃく 7]、リッチー・スティーヴンスらがあげられる。

サブジャンル/派生はせいジャンル

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アメリカのノーザン・ソウルは、白人はくじんそうにもれられたポップで都会とかいてき洗練せんれんされたソウルだった。一方いっぽう、スタックスなどのアメリカ南部なんぶのサザン・ソウルは、ディープ、ブルージーあるいはファンキーな音楽おんがくせい特徴とくちょうで、別名べつめいディープ・ソウル」ともばれた。

おもなソウル・アーティスト

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アレサ・フランクリン

日本にっぽんおもなソウル・アーティスト

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関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」がヒットした。
  2. ^ 「ホールド・オン」「ソウル・マン」がヒットした。
  3. ^ エディ・グラントが在籍ざいせきしたグループ。
  4. ^ 74ねんの「サッド・スウィート・ドリーマー」はえいべいでヒットした。
  5. ^ 「ロックステディ」のヒットで有名ゆうめい
  6. ^ 88ねんの「トゥーツ・イン・メンフィス」でソウルの名曲めいきょくをカバーしている。
  7. ^ 「マネー・イン・マイ・ポケット」はイギリスでもヒットした。
  8. ^ 「レッツ・ステイ・トゥゲザー」「ヒア・アイ・アム」「ラブ&ハッピネス」など多数たすうのヒットきょくち、ハイ・レコードに所属しょぞくしたソウル歌手かしゅ
  9. ^ 1948-2013。都会とかいてきなソウルをうたった歌手かしゅ。65さい死去しきょ
  10. ^ ジャム&ルイス制作せいさく「イノセント」85ねんなどを発表はっぴょうした。
  11. ^ エイス・デイのリードシンガーをつとめた、北部ほくぶのディープ・ソウル歌手かしゅ
  12. ^ 「ハート・ソー・バッド」「ティアーズ・オン・マイ・ピロウ」などのヒットをはなった。
  13. ^ ブルージーンズの「太陽たいようさけぼう」などでリードをった、GS時代じだい日本にっぽんのソウル歌手かしゅ
  14. ^ 有名ゆうめいなソウル音楽おんがく評論ひょうろん桜井さくらいユタカが、つきっきりで指導しどうした日本にっぽんのソウルGS。ジェームス・ブラウンのカバーなどをうたっている。山下やました達郎たつお評価ひょうかしているバンド。
  15. ^ 代表だいひょうきょくに「メリージェーン」がある
  16. ^ 1979ねんの「大阪おおさかまれたおんな」がヒットした。萩原はぎはら健一けんいちどうきょくをカバーしている。またBOROは当時とうじ宮本みやもと典子のりこしたしかった
  17. ^ ミッキー・カーチスがプロデュースしている。

出典しゅってん

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  1. ^ a b おとこかく 2011, p. 26-27.
  2. ^ a b c d [1] - コトバンク(世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だい2はん
  3. ^ a b c おとこかく 2011, p. 64.
  4. ^ Gospel Music Genre Overview - オールミュージック. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  5. ^ Blues Music Genre Overview - オールミュージック. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  6. ^ Hildebrand 1994.
  7. ^ おとこかく 2011, p. 65 冒頭ぼうとう.
  8. ^ Marsh, Dave. Joe Tex | Biography & History - オールミュージック. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  9. ^ Miller 1976, p. 210-213.
  10. ^ Lisle, Andria (June 25, 2014). “Hi Records producer Willie Mitchell set the tone for polished Memphis soul”. Wax Poetics. June 10, 2022閲覧えつらん
  11. ^ おとこかく 2011, p. 26-27、67.
  12. ^ 「ソウル&ファンク」p.283。ミュージック・マガジンしゃ
  13. ^ おとこかく 2011, p. 27.
  14. ^ Petridis, Alexis (2015ねん5がつ6にち). “Why Errol Brown's Hot Chocolate were a far stranger group than they are given credit for”. The Guardian (Guardian Media Group). https://www.theguardian.com/music/musicblog/2015/may/06/why-errol-brown-hot-chocolate-died-strange-group 2020ねん12月26にち閲覧えつらん 
  15. ^ ルース・エンズ All music. 2023ねん7がつ19にち閲覧えつらん
  16. ^ ミーシャ・パリス P Vine. 2023ねん2がつ4にち閲覧えつらん
  17. ^ Ankeny, Jason. Authur Conley | Biography & History - オールミュージック. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  18. ^ Huey, Steve. Johnnie Taylor | Biography & History - オールミュージック. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  19. ^ おとこかく 2011, p. 18-27.
  20. ^ おとこかく 2011, p. 72-73.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Lee Hildebrand (1994). Stars of Soul and Rhythm & Blues. Watson-Guptill Publications 
  • Jim Miller, ed (1976). The Rolling Stone Illustrated History of Rock & Roll. New York: Rolling Stone Press 
  • 出田いでたけい「ロック&ポップスをんだ黒人こくじん音楽おんがく世界せかい GOSPEL BLUES SOUL JAZZ」『おとこかく』2011ねん1がつごう朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん、グローバルプラネット、18-27, 64-75。