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メディア (媒体ばいたい)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

メディア(media)は、情報じょうほう記録きろく伝達でんたつ保管ほかんなどにもちいられるもの装置そうちのことである。媒体ばいたい(ばいたい)などとやくされることもある。

記録きろく保管ほかんのための媒体ばいたい記録きろく媒体ばいたい記憶きおく装置そうち)と伝達でんたつコミュニケーションのための媒体ばいたい大別たいべつすることができる。

また特定とくてい多数たすう対象たいしょう情報じょうほう発信はっしんする報道ほうどう機関きかんの「マスメディア」や「マスコミ」をすこともある。

メディアのれい[編集へんしゅう]

パピルスにのこされた文章ぶんしょう
様々さまざま電子でんし記憶きおく媒体ばいたい

文字もじ音声おんせいコンピュータであつかうデータなどの情報じょうほう記録きろく保管ほかんするさいにはかみ磁気じきテープCD-ROMフロッピーディスクなどが使用しようされる。

音楽おんがく文章ぶんしょうこえ映像えいぞうなどの情報じょうほう伝達でんたつするさいにはCD手紙てがみ電話でんわテレビなどが使用しようされる。

新聞しんぶん、テレビ、ラジオなどは報道ほうどう機関きかんおよびコミュニケーションとしてのメディアである。

なおメディアを広義こうぎとらえる場合ばあいには、ある情報じょうほうが、おくしゅからとどくまでに経由けいゆする媒介ばいかいすべてをすことになる。たとえばテレビでニュースキャスターが、事件じけんについてのニュースげる様子ようすを、視聴しちょうしゃている場面ばめんにおいて、ニュース原稿げんこうとしてキャスターのかれている言葉ことばは、視聴しちょうしゃとどくまでに、すくなくともつぎのようなしょ要素ようそ媒介ばいかいされる。

また、ここで、ニュース原稿げんこう自体じたいがやはりメディアの一種いっしゅであり、ニュース原稿げんこう言葉ことばなどを媒介ばいかいとして報道ほうどう対象たいしょうである「事件じけん」をつたえているものである、とかんがえることもできる。また、実際じっさい報道ほうどう研究けんきゅうやメディアろんなどではそのような観点かんてんからジャーナリストの価値かちかん言葉ことばについて注目ちゅうもくすることもおおられる。

いわゆる生放送なまほうそうでない場合ばあいには記録きろく輸送ゆそう保管ほかん再生さいせいなどのプロセスがここにくわわることになるが、これらも広義こうぎにはメディアの一種いっしゅである。

コミュニケーション・メディアのしょ形態けいたい[編集へんしゅう]

コミュニケーションのためのメディアは、いくつかの形態けいたい分類ぶんるいされる。

マスメディア[編集へんしゅう]

マスメディアのいちれい ラジオ放送ほうそうきょく(カナダ)

マスメディアは特定とくてい少数しょうすうおくしゅが、なんらかの情報じょうほう特定とくてい多数たすうけて伝達でんたつするさいもちいられる。

典型てんけいてきなイメージはテレビ新聞しんぶん雑誌ざっしラジオ、などいわゆる報道ほうどうかかわるしょ機関きかんだが、そのに、映画えいが音楽おんがく出版しゅっぱん業界ぎょうかいをここにふくめることがおおい。

なお、これら個々ここ項目こうもくは、一般いっぱんてき馴染なじみがふかく、多用たようされている用語ようごだが、実際じっさいには明快めいかい細分さいぶんるいにはなっていない。テレビは映画えいが音楽おんがく部分ぶぶんてきふくみ、ラジオも音楽おんがくかさなる部分ぶぶんがある。

ほんレコードコンパクトディスク映画えいがかんなど、ほかにも様々さまざまもの施設しせつをここにふくめることができる。

マスメディアはしばしば情報じょうほう独占どくせん表現ひょうげん手段しゅだん独占どくせん、ツリー構造こうぞう、ヒエラルキー構造こうぞうなどとむすびつけてかんがえられ、否定ひていてき評価ひょうかけることもおおい。

ネットワークメディア[編集へんしゅう]

マスメディアに媒介ばいかいされた情報じょうほう伝達でんたつを、1てん発信はっしんげんとし多数たすうてん到達とうたつてんとする構造こうぞうになぞらえ、複数ふくすうおくしゅから複数ふくすうおくしゅ情報じょうほううような仕組しくみをして、「ネットワークメディア」とぶことがある。

インターネットパソコン通信つうしんはその代表だいひょうてき形態けいたいである。ここに電話でんわ郵便ゆうびんくわえられることもある。インターネットは様々さまざま用途ようともちいられるため、電子でんし掲示板けいじばん電子でんしメール、あるいはブログをネットワークメディアとし、特定とくてい多数たすうけた情報じょうほう発信はっしんであるウェブページについてはマスメディアにちかいものとかんがえる場合ばあいもある。また、より情報じょうほう拡散かくさんせいむすびつきがしたSNSTwitter台頭たいとうにより、ソーシャルメディアというかたりまれている。

同様どうように、テレビ放送ほうそうも、個々ここ番組ばんぐみひとつひとつについては、少数しょうすうおくしゅから多数たすうへという構図こうずになっているが、チャンネルすう増加ぞうかなどによって、おくしゅ限定げんていされている度合どあいがっているとかんがえるきもある。地域ちいきによっては、地元じもと自治体じちたいなどの協力きょうりょくによって地元じもと住民じゅうみん番組ばんぐみ制作せいさく放映ほうえいできる体制たいせいになっているケーブルきょくもある。

ただし、これらの通信つうしんささえる物理ぶつりてき基盤きばんとくにケーブルなどの通信つうしんもうはしばしばツリーじょう構造こうぞうっており、その意味いみでは多数たすうてんあいだにツリーと対比たいひされるところのネットワークじょう構造こうぞうがあるわけではない。

ユーザの視点してんからは、テレビや出版しゅっぱんかぎられたつくしゅによって供給きょうきゅうされる情報じょうほうるだけであるのにたいして、インターネットや電話でんわでは情報じょうほうおくしゅがそれほど限定げんていされていないことからこうばれる。

パーソナルメディア[編集へんしゅう]

おも使つか情報じょうほう発信はっしんしたり、記録きろく編集へんしゅうしたりするためにもちいられるものを「パーソナルメディア」とうことがある。これはマスメディアが情報じょうほう大量たいりょう一括いっかつ伝送でんそうであることと対比たいひされる。また、文脈ぶんみゃくによっては、これらのメディアをかいした情報じょうほうのやりとりが、比較的ひかくてき匿名とくめいせいひく同士どうしあいだこるものであること、パーソナルネットワーク、インターパーソナルネットワークなどとばれる文脈ぶんみゃくこるものであることが強調きょうちょうされることもある。

カメラ家庭かていようビデオカメラテープレコーダー、などのほか、携帯けいたい電話でんわアマチュア無線むせん電子でんしメールなどがふくまれる。

双方向そうほうこうメディア[編集へんしゅう]

メディアの特性とくせいとして、インタラクティビティ、双方向そうほうこうせいなどとばれる性質せいしつ注目ちゅうもくされることがある。テレビ番組ばんぐみ内容ないようなどについては、視聴しちょうしゃ間接かんせつてきでごくわずかな影響えいきょうりょくしかっておらず、「」にとどまるが、電話でんわかいした会話かいわ場合ばあいには双方そうほう話題わだい提起ていきしたり、会話かいわったりすることがある程度ていど可能かのうである。つまり、おくしゅ立場たちばつことができ、両者りょうしゃあいだでは情報じょうほうかなら一方いっぽうから他方たほう伝達でんたつされるのではなく、双方向そうほうこう伝達でんたつがある。こうしたメディアをして、「双方向そうほうこうメディア」または「インタラクティブメディア」とうことがある。

この双方向そうほうこうせい、インタラクティビティの概念がいねんにも多少たしょうはばがある。文脈ぶんみゃくによっては、より広義こうぎ双方向そうほうこうせいとらえ、ウェブサイトやCD-ROMなどのように、利用りようしゃ自分じぶん情報じょうほう種類しゅるい順序じゅんじょをある程度ていど選択せんたくできるようになっているものをふくめる場合ばあいがある。ここでは、利用りようしゃ選択せんたくがコンピュータなどによって「られ」それにたいする応答おうとうとして情報じょうほう提供ていきょうされるため双方向そうほうこうせいがあるとかんがえることができる。

批評ひひょうあずまひろしは、送信そうしんしゃ受信じゅしんしゃあいだ対称たいしょうせい有無うむによってコンテンツ志向しこうメディア(非対称ひたいしょうせいあり)とコミュニケーション志向しこうメディア(非対称ひたいしょうせいなし)という対比たいひおこなっているが[1]、このかたではコミュニケーション志向しこうメディアは双方向そうほうこうメディアに相当そうとうする。

同期どうきがたメディアと非同期ひどうきがたメディア[編集へんしゅう]

情報じょうほう送信そうしんがわ受信じゅしんがわ時間じかんてきなギャップに注目ちゅうもくした場合ばあい送信そうしんのタイミングとそれが閲覧えつらんされるタイミングがほぼ一致いっちするものを「同期どうきがたメディア」、そうでないものを「非同期ひどうきがたメディア」という。たとえば手紙てがみ新聞しんぶん書籍しょせきといったかみ媒体ばいたい非同期ひどうきがたであり、電話でんわやテレビ放送ほうそう同期どうきがたであるといえる。インターネットは同期どうきがた非同期ひどうきがた両方りょうほう形態けいたい存在そんざいし、チャットインスタントメッセンジャー同期どうきがたであるが、ブログ電子でんし掲示板けいじばんなどは非同期ひどうきがたといえる(ただし電子でんし掲示板けいじばん常駐じょうちゅうして新規しんき投稿とうこうがないかを強迫きょうはくてき確認かくにんつづけるような利用りよう仕方しかたをしていれば同期どうきてきといえる)。[2]

批評ひひょう社会しゃかい学者がくしゃ濱野はまの智史さとしは、単純たんじゅんな「同期どうき」「非同期ひどうき」の区分くぶんろんずるのはむずかしいソーシャルウェアが登場とうじょうしているとして、「擬似ぎじ同期どうき」(システム設計せっけいによってリアルタイムせい仮想かそうてき実現じつげんしているニコニコ動画どうが)や「選択せんたく同期どうき」(非同期ひどうきてき状態じょうたいからユーザーの自発じはつてき選択せんたくにより一時いちじてき同期どうきてきになるTwitter)といった用語ようご導入どうにゅうしている[3]

マルチメディア[編集へんしゅう]

メディアによって、伝達でんたつ可能かのう情報じょうほう種類しゅるい制限せいげんされることがある。たとえばラジオや電話でんわでは通常つうじょう文字もじ映像えいぞうおくれない。書籍しょせきでは動画どうがおとおくれない。文字もじ音声おんせい映像えいぞう動画どうがなどをおくるのにもちいることができるメディアをして、「マルチメディア」とうことがある。

メディアをもちいておくられる情報じょうほう[編集へんしゅう]

実際じっさいにはこれらの情報じょうほうもまたメディア(上記じょうきすべてのメディアは手段しゅだんである)であり、表現ひょうげんしゃつたえたいものとしてよくくちにする「感動かんどう」や「共感きょうかん」などといった非常ひじょう確実かくじつ抽象ちゅうしょうてき表現ひょうげんは、上記じょうき情報じょうほうかいしておくられる「意思いし」と「共感きょうかんへの欲求よっきゅう」などいう根本こんぽんてきなものを伝達でんたつしていることをあらわしている、とえる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ あずまひろし 『ゲームてきリアリズムの誕生たんじょう講談社こうだんしゃ、2007ねん、143-144ぺーじISBN 978-4061498839
  2. ^ 濱野はまの智史さとし 『アーキテクチャの生態せいたいけい――情報じょうほう環境かんきょうはいかに設計せっけいされてきたか』 エヌ・ティ・ティ出版しゅっぱん、2008ねん、197-199ぺーじISBN 978-4757102453
  3. ^ 『アーキテクチャの生態せいたいけい――情報じょうほう環境かんきょうはいかに設計せっけいされてきたか』213ぺーじ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]