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テープレコーダー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

テープレコーダーえい: tape recorder)は、磁気じきテープなどのテープじょう記録きろく媒体ばいたい信号しんごう記録きろくおよび再生さいせいする装置そうちである。普通ふつう磁気じきテープに磁気じき記録きろくかたち電気でんき信号しんごう記録きろくする。

用語ようご成立せいりつ歴史れきしてき経緯けいいもあり「テープレコーダー」という用語ようごは、とく音響おんきょう記録きろく再生さいせいするもの(録音ろくおん再生さいせい機器きき)をすために使つかわれており、通常つうじょう、テープに映像えいぞう記録きろくする装置そうちビデオテープレコーダるい)は「テープレコーダー」にはふくめない。したがってとう記事きじでも音響おんきょうようのものに限定げんていして説明せつめいする。

概要がいよう

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スイスレボックスしゃのPR99 Mk II(1985ねんころ発売はつばい)。1/4インチ・テープを使つかオープンリール方式ほうしきのテープレコーダー。据置すえおきがた
ソニービジネスデンスケ TCM-5000EV(1984ねん発売はつばい)。コンパクトカセット方式ほうしき取材しゅざい使つかえるポータブルなモノラルテープレコーダーという位置いちづけであった。

テープレコーダーにはオープンリールしきやカセットテープしきなどがあり、録音ろくおん可能かのうなものは再生さいせい可能かのうである[注釈ちゅうしゃく 1]コンポーネントステレオなかのテープデッキもテープに録音ろくおんできるので、分類ぶんるいとしてはテープレコーダの一種いっしゅ下位かい分類ぶんるい)にあたる。日本にっぽんではりゃくしてテレコばれることがあった[注釈ちゅうしゃく 2]

テープのベースには、ポリエステルなどのプラスチックフィルム使つかわれる。ポリエステル以前いぜんにはアセテート使つかわれた。初期しょきにはかみもちいられたこともある。

テープレコーダーをもちいることでテープには信号しんごう録音ろくおん消去しょうきょ容易よういで、かつ体積たいせきたりのデータ密度みつどたかいため、長時間ちょうじかん録音ろくおんてきするという長所ちょうしょがあるとされてきた。またアナログテープレコーダや一部いちぶ固定こていヘッドデジタルテープレコーダ(通称つうしょうS-DAT)では、テープを直接ちょくせつ切断せつだんして編集へんしゅうする「編集へんしゅう」(電子でんし編集へんしゅうたいする用語ようご)も可能かのうである。同様どうよう破損はそんしたテープをのぞき、つなぐことでデータの破損はそん局所きょくしょてきおさえることができる。

一方いっぽう欠点けってん存在そんざいする。経年けいねんにより磁性じせいそうバインダー劣化れっか、テープのび・切断せつだん・よじれなどがきやすく[注釈ちゅうしゃく 3]きとばれるテープとヘッドるいとの摩擦音まさつおんやリール部分ぶぶん物理ぶつりてき回転かいてんにともなうおと変調へんちょうノイズとしておとにごらせる原因げんいんとなる。また連続れんぞくしたテープをって構造こうぞうじょう、ランダムアクセスがむずかしく、一部いちぶ再生さいせいする場合ばあいでも時間じかんをかけての早送はやおくり・もどしを必要ひつようとする。とくにデジタル相性あいしょうわるい。またテープという物理ぶつりてきなものに記録きろくするので機械きかいてき機構きこう必要ひつようで、小型こがた軽量けいりょうにも限界げんかいがある。

このため2000年代ねんだいはいってから、ランダムアクセスが可能かのう半導体はんどうたいメモリ使つかデジタル技術でじたるぎじゅつのレコーダーるい登場とうじょうしたことで、高音こうおんしつ録音ろくおん長時間ちょうじかんする場合ばあいハードディスクレコーダーのなかでも高性能こうせいのうのステレオマイクをそなえたもの、取材しゅざい録音ろくおん備忘録びぼうろくてき用途ようと[注釈ちゅうしゃく 4]には半導体はんどうたいメモリを利用りようとく小型こがた軽量けいりょうICレコーダー、もしくはリニアPCMレコーダー[注釈ちゅうしゃく 5]えらばれるようになってきた[注釈ちゅうしゃく 6]

分類ぶんるい

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スピーカー、あるいはスピーカーおよびアンプをふくまず、音響おんきょう機器きき接続せつぞくして使つか録音ろくおん再生さいせい装置そうちをテープデッキとう。オープンリールしきのものをオープンデッキとい、カセットテープのものをカセットテープデッキう。

また大分おおいたるいとしては、音響おんきょう信号しんごう連続れんぞく波形はけいのまま記録きろくするアナログ方式ほうしきと、デジタル信号しんごう変換へんかんされたものを記録きろくするデジタル方式ほうしきとがある。 以下いか細分さいぶんした分類ぶんるいしめす。

S-VHSHi8などのテープをもちいたマルチトラックレコーダ単体たんたいで8~12トラックの録音ろくおん再生さいせい可能かのう機種きしゅをいう。必要ひつようおうじて同期どうきようのケーブルで複数ふくすうだいをリンクして使つかうことにより同期どうきたもったままトラックすう拡張かくちょうできた。ADATDTRSひとし規格きかくがある。デジタルオーディオワークステーション(DAW)をはじめとするハードディスクレコーダ、およびフラッシュメモリレコーダー台頭たいとうにより姿すがたしつつある。テープ以外いがいにMOやSDメモリカードコンパクトフラッシュUSBメモリなどの各種かくしゅメディアを使用しようしたものがあるがテープ以外いがいのメディアはマルチトラックレコーダこう参照さんしょうされたい。

歴史れきし

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ポールセンの磁気じき録音ろくおんしき
ワイヤーレコーダー (1898ねん)

メディアを帯磁たいじさせることで音声おんせい信号しんごう記録きろくする磁気じき録音ろくおん方式ほうしき自体じたいは、1888ねんにアメリカじんオバリン・スミスが最初さいしょ着想ちゃくそうしているが、システムとして実用じつようされた最初さいしょは、デンマーク発明はつめいヴォルデマール・ポールセン(1869ねん-1942ねん)が1898ねん完成かんせいさせた、メディアにピアノせん利用りようした磁気じき録音ろくおんしきワイヤーレコーダー「テレグラフォン(Telegraphon)」である[7]

テレグラフォンにはじまる磁気じき録音ろくおんワイヤーレコーダーは、人間にんげんこえりうる実用じつよう水準すいじゅん録音ろくおんでき、一定いってい長時間ちょうじかん録音ろくおん可能かのうであったが、音質おんしつ向上こうじょう困難こんなんさやワイヤーびの問題もんだいなどをともない、一般いっぱんてきなものとはならず、テープレコーダーが実用じつよう水準すいじゅんたっするまでのやくはん世紀せいきあいだ、ごくかぎられた範囲はんいもちいられたにぎなかった。簡易かんい録音ろくおんとしてはトーマス・エジソン発明はつめいろうかんレコードの系譜けいふぞくする機械きかい録音ろくおん装置そうちディクタフォン英語えいごばん」がだい世界せかい大戦たいせん以前いぜん主流しゅりゅうであった。

だい世界せかい大戦たいせんちゅう
ドイツのラジオきょく使つかわれていた
マグネトフォン (1942ねん以降いこう製品せいひん)

磁気じき記録きろく媒体ばいたいを、よりあつかいやすく耐久たいきゅうせいのあるプラスチックテープにしたのは、ドイツじん技術ぎじゅつしゃフリッツ・フロイメル英語えいごばん(Fritz Pfleumer 1881ねん-1945ねん)で、1928ねんにこれを利用りようしたテープレコーダーの原型げんけい完成かんせいした。1933ねんにAEGの技術ぎじゅつしゃであるEduard Schüllerドイツばんによって磁気じきヘッドが開発かいはつされた[8]

以後いご電機でんきメーカーAEG改良かいりょうされ、1935ねんに「マグネトフォン(Magnetophon)」の市販しはんされたものの、音質おんしつわるかった。

その化学かがくメーカーBASFしゃ協力きょうりょくによるテープ材質ざいしつ改良かいりょう(アセテート樹脂じゅし)と、1938ねん五十嵐いがらし悌二ていじ石川いしかわまこと永井ながい健三けんぞう[9][10][11]どう時期じきのドイツの国家こっか放送ほうそう協会きょうかいヴァルター・ヴィーベルHans-Joachim von Braunmühlドイツばん、アメリカのマーヴィン・カムラス[12]による交流こうりゅうバイアス方式ほうしき英語えいごばん発明はつめいで、1939ねん~1941ねんまでに音質おんしつ飛躍ひやくてき改善かいぜんされ、実用じつようえる長時間ちょうじかん高音こうおんしつ録音ろくおん可能かのうとなった。

この結果けっか、ドイツの標準ひょうじゅんてきなテープレコーダーであるマグネトフォンだい世界せかい大戦たいせんなかドイツにおいて、政治せいじ宣伝せんでん対敵たいてき宣撫せんぶ放送ほうそうようのメディアとしておおいに活用かつようされた。アドルフ・ヒトラー長大ちょうだい演説えんぜつ[注釈ちゅうしゃく 7]クラシック音楽おんがくを、レコードはりとう雑音ざつおん・ディスク交換こうかんによる中断ちゅうだんなどなしにいつでも連続れんぞく録音ろくおん再生さいせいできることは、放送ほうそうようメディアとしての非常ひじょう利便りべんせいであった。ラジオ放送ほうそうようとしてフルトヴェングラー指揮しきによるベルリン・フィル演奏えんそうもテープ録音ろくおんされ、貴重きちょう歴史れきしてき音源おんげんとなっている[注釈ちゅうしゃく 8]。この過程かていでは、複数ふくすうトラックを適切てきせつ分離ぶんりして同時どうじ録音ろくおんできる特徴とくちょうかし、ステレオ録音ろくおんもすでにこころみられていたという。

軍用ぐんよう特殊とくしゅ用途ようととして特筆とくひつされるのは、ドイツ海軍かいぐん潜水せんすいかんUボートおおくにテープレコーダーが搭載とうさいされたことである。潜水艦せんすいかん発信はっしんする通信つうしん電波でんぱてきかたみずからの潜伏せんぷく位置いちらせてしまう危険きけんともなう。そこで通信つうしん内容ないようをテープレコーダで一旦いったん録音ろくおんし、それを早送はやおく再生さいせいして送信そうしんした。これで無線むせん交信こうしん時間じかん最小限さいしょうげんとなり、また傍受ぼうじゅされてもてきには内容ないよう解読かいどく困難こんなんになる。だい世界せかい大戦たいせん、この高速こうそく再生さいせい通信つうしんのアイデアは世界せかい各国かっこく軍用ぐんよう外交がいこう諜報ちょうほう分野ぶんや情報じょうほう秘匿ひとく通信つうしんひろもちいられるようになった。[注釈ちゅうしゃく 9](もっとも、秘話ひわ装置そうちがそのころすで開発かいはつされており(秘話ひわ#歴史れきし)、さい重要じゅうよう通話つうわにはそれらが使つかわれた。ここでべている方法ほうほう時間じかんじく方向ほうこう圧縮あっしゅくと、簡便かんべんてん利点りてんである)

ドイツの敗戦はいせん、テープ録音ろくおん技術ぎじゅつがアメリカに移転いてんされ、民生みんせい用途ようとひろ転用てんようされるようになった。1947ねんには3Mしゃ磁気じき録音ろくおんテープを発売はつばいした。1948ねんのLPレコード開発かいはつあい前後ぜんごして、高音こうおんしつへのニーズがたかまり、レコード会社かいしゃ高音こうおんしつ長時間ちょうじかん録音ろくおん実現じつげんのため、相次あいついでテープレコーダーを導入どうにゅうする。各国かっこく放送ほうそうきょくでもその利便りべんせいわれ、どう時期じきから長時間ちょうじかん放送ほうそう音声おんせい取材しゅざい手段しゅだんとして活用かつようされるようになり、とく取材しゅざいではポータブル・テープレコーダーがひろもちいられた。

以後いごテープレコーダーはLP・EPレコードとならぶメディアの形態けいたいとして、レコード制作せいさく会社かいしゃ放送ほうそうきょくだけでなく、個人こじん家庭かていでも容易ようい録音ろくおん再生さいせいができる特性とくせいから一般いっぱんした。

ソニーGがたテープコーダー

日本にっぽん商品しょうひんでは1950ねん東京通信工業とうきょうつうしんこうぎょう東通工とうつうこうげんソニーグループ)がかみテープしきのモデル「G がた」を発売はつばいしたのが最初さいしょである[13]東京通信工業とうきょうつうしんこうぎょうではながあいだテープコーダー」(Tapecorder)とんでいた(登録とうろく商標しょうひょうだった(登録とうろく番号ばんごう?)))。1950年代ねんだい日本にっぽん民間みんかん放送ほうそう勃興ぼっこうあい前後ぜんごして、ソニーは取材しゅざいよう搬型のものもさきんじて開発かいはつデンスケ商標しょうひょう同社どうしゃ業務ぎょうむもちいないしそれにじゅんじるレベルの携帯けいたいレコーダーに使つかわれつづけている。これが放送ほうそうよう普及ふきゅうした当時とうじ、「デンスケ」の呼称こしょう関係かんけいしゃあいだでポータブル一般いっぱんすものとして、ナグラ英語えいごばんなど他社たしゃ製品せいひんふくめてばれた。このため、現代げんだいにおいて「当時とうじのポータブルテープレコーダー」をして、たとえば「わたしはあのときデンスケをかついで取材しゅざいしていました」のように使つかわれることがある。

日本にっぽんにおける交流こうりゅうバイアス技術ぎじゅつをめぐる小史しょうし

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東京通信工業とうきょうつうしんこうぎょうはいちはや交流こうりゅうバイアス技術ぎじゅつ重要じゅうようせい見抜みぬき、上記じょうき五十嵐いがらし悌二ていじ石川いしかわまこと永井ながい健三けんぞうによる特許とっきょ通称つうしょう永井ながい特許とっきょ安立あだち電気でんきげんアンリツ)が所有しょゆう)を1949ねん日本電気にほんでんき共同きょうどう購入こうにゅうした(当時とうじ1946ねん創業そうぎょうしたばかりの東通工とうつうこうにとって非常ひじょう高額こうがく投資とうしだったので日本電気にほんでんき (NEC) に半分はんぶんしてもらった)。交流こうりゅうバイアス技術ぎじゅつ現在げんざいのテープレコーダーにも使つかわれているほど重要じゅうよう技術ぎじゅつで、この特許とっきょにより他社たしゃ東通工とうつうこうせいテープレコーダーの音質おんしつまった太刀打たちうちできず、東通工とうつうこう日本にっぽんのテープレコーダー市場いちばたかいシェアをめることになった。

1952ねん連合れんごう国軍こくぐん占領せんりょう日本にっぽんだっしたそのとしに、東通工とうつうこうが、米国べいこく貿易ぼうえき業者ぎょうしゃバルコム貿易ぼうえき日本にっぽん輸入ゆにゅうした米国べいこくせいテープレコーダーが永井ながい特許とっきょ侵害しんがいしているとして、輸入ゆにゅう販売はんばい使用しよう陳列ちんれつ移動いどうなどを禁止きんしする仮処分かりしょぶん東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ申請しんせいし、9月15にち東京とうきょうのバルコム貿易ぼうえき日本橋にほんばし高島屋たかしまや大阪おおさか心斎橋筋しんさいばしすじのミヤコ商会しょうかいさんしょ米国べいこくせいテープレコーダーすうじゅうだい一斉いっせいかり差押さしおさえされるという事件じけんきた。敗戦はいせんこく中小ちゅうしょう企業きぎょう戦勝せんしょうこく米国べいこく企業きぎょううったえたということで当時とうじニュースとなった。交流こうりゅうバイアス技術ぎじゅつ米国べいこくではイリノイ工科こうか大学だいがくアーマー研究所けんきゅうじょ (Armour Research Foundation) のカムラス (Marvin Camras) の特許とっきょがあり、米国べいこくらしくライセンスビジネスでもうけていたのである。それで米国べいこくアーマー研究所けんきゅうじょから弁護士べんごしがやってきたが、大変たいへんなことがわかってきた。

じつ永井ながい特許とっきょ米国べいこくにも出願しゅつがんされていたのだが、太平洋戦争たいへいようせんそうはじまりそれはうやむやになってしまい、カムラスの特許とっきょ成立せいりつした。ところが永井ながい英語えいご論文ろんぶんがカムラスの特許とっきょよりもはや米国べいこく公表こうひょうされていたのである。これが本当ほんとうなら米国べいこくでのカムラスの特許とっきょみとめられないことになり、日本にっぽん国内こくないどころか米国べいこくでのライセンスビジネス自体じたい崩壊ほうかいしてしまう。このことからアーマー研究所けんきゅうじょ大幅おおはば譲歩じょうほし、東通工とうつうこうとアーマー研究所けんきゅうじょは「技術ぎじゅつ援助えんじょ契約けいやく」をむすぶことで和解わかいした。すなわち、日本にっぽん国内こくないでは当然とうぜんながら永井ながい特許とっきょ有効ゆうこうで、日本にっぽん国内こくない販売はんばいされる米国べいこくせいテープレコーダーからは東通工とうつうこう日本電気にほんでんき永井ながい特許とっきょ使用しようりょう支払しはらわれる。また米国べいこくない販売はんばいされる東通工とうつうこうならびに日本電気にほんでんきせいテープレコーダーは米国べいこくのカムラス特許とっきょ無償むしょう使用しようできる。日本にっぽんメーカーが米国べいこく輸出ゆしゅつするテープレコーダーにかんしては、東通工とうつうこうがアーマー研究所けんきゅうじょ代理人だいりにんとしてカムラス特許とっきょ実施じっし許諾きょだくけんち、特許とっきょ使用しようりょう半分はんぶん東通工とうつうこう支払しはらわれることになった。東通工とうつうこうは「る」和解わかいをしたといわれる。

その一方いっぽう日本にっぽん国内こくない市場いちばでの東通工とうつうこう姿勢しせい非常ひじょう強硬きょうこうで、国内こくない他社たしゃにはけっして永井ながい特許とっきょ使つかわせなかった。そのため国内こくない各社かくしゃ相変あいかわらず東通工とうつうこうせいテープレコーダーの音質おんしつたなかった。1954ねん赤井電機あかいでんき類似るいじの「しん交流こうりゅうバイアス」技術ぎじゅつ使つかったテープレコーダーキットを発売はつばいすると、東通工とうつうこう告訴こくそした(結果けっかとしては和解わかい)。しかし1955ねんには永井ながい特許とっきょ存続そんぞく期間きかん終了しゅうりょうするはずで、国内こくない各社かくしゃ交流こうりゅうバイアス技術ぎじゅつ使用しようしたテープレコーダーの商品しょうひん準備じゅんびすすめていた。ところが戦争せんそうにより特許とっきょ充分じゅうぶん行使こうしできなかったという理由りゆう特許とっきょ期間きかんが 5 年間ねんかん延長えんちょうされることになると国内こくない各社かくしゃいかくるい、東通工とうつうこう通商産業省つうしょうさんぎょうしょうげん経済けいざい産業さんぎょうしょう)にたいする反発はんぱつつよめた。あまりの風当かぜあたりのつよさに東通工とうつうこうは1958ねんから永井ながい特許とっきょ実施じっし許諾きょだくあたえるようになった(もちろん有償ゆうしょう)。東京通信工業とうきょうつうしんこうぎょうはこのとしの1がつ1にち社名しゃめいをソニー株式会社かぶしきがいしゃ変更へんこうした。

一般いっぱんへの普及ふきゅう

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コンパクトカセットレコーダーにかんしてはアイワ以外いがいにもスタンダード(マランツ)などの音響おんきょう機器ききメーカーがモノラル据置すえおきがたのレコーダーを発売はつばいしていた。しかし会議かいぎ録音ろくおんよう小型こがた機器ききは1970年代ねんだい前半ぜんはんにならないと市場いちばには出回でまわらなかった。ソニーのコンパクトカセットレコーダーだいいち号機ごうきは、1966ねん発売はつばいの「TC-100」(マガジンマチック100)。宇宙船うちゅうせんアポロにまれたカセットレコーダーはTC-1010であった。とはいうもののカセットレコーダーを大手おおてメーカーが続々ぞくぞく発売はつばいはじめたのは1975ねんころからである。

こうしたテープレコーダーの登場とうじょうにより、人々ひとびと音楽おんがく録音ろくおんしたり、自分じぶん家族かぞくこえ録音ろくおんすることができるようになり、人々ひとびと生活せいかつ様式ようしき変化へんかをもたらした。1960年代ねんだい開発かいはつされたカートリッジしきのコンパクトカセットの普及ふきゅうと、これをんだラジオカセットレコーダーなどの一体いったいがたラジオの出現しゅつげんで、ラジオやテレビの番組ばんぐみ容易ようい録音ろくおん可能かのうとなり、またテープや録音ろくおん再生さいせいヘッドの性能せいのう向上こうじょうノイズリダクション技術ぎじゅつなどによる音質おんしつ改善かいぜんあいまって、ラジオの音楽おんがく番組ばんぐみ録音ろくおんする「エアチェック」というカルチャーがひろまった時期じきもあった。ほかにも、ちいささをかして自分じぶん録音ろくおんしたテープを外出がいしゅつちゅう携帯けいたいがたプレーヤーでく、ポータブルオーディオというスタイルをみだし、定着ていちゃくさせた。

2000年代ねんだい以降いこうはほとんどICレコーダーなどにとってわられたが、録音ろくおんされた音声おんせいなどを文字もじこす行為こうい一般いっぱんテープこしばれ、その名称めいしょう名残なごりることができる。

使用しようじょう注意ちゅうい

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カセットデッキのキャプスタンにきつき、カセットテープが次々つぎつぎされて、最終さいしゅうてききちぎられて切断せつだんされた状態じょうたい
湿式しっしきヘッドクリーナー。あなにクリーニングえきすうてきほどらして録音ろくおん場合ばあい録音ろくおんにして使つかう。みぎのクリーナーはカーオーディオにも対応たいおう

コンパクトカセットのレコーダーにおける注意ちゅういてん以下いかとおり。

  • テープにきたるみがあると走行そうこう不良ふりょう原因げんいんになることがあるので、確認かくにんまどからの視認しにんでたるみがあれば、あらかじめ六角ろっかく鉛筆えんぴつなどでげてからデッキに装填そうてんする[14]はやげすぎるとれることがある。
  • カセットデッキの整備せいび不良ふりょう故障こしょう)や結露けつろ、テープのたるみ、テープの消耗しょうもう、ベーステープのうす長時間ちょうじかんテープの使用しよう原因げんいんで、カセットデッキのキャプスタンやピンチローラーなどの内部ないぶ機構きこうきつき、テープが次々つぎつぎされて、最終さいしゅうてききちぎられて切断せつだんされることがある。キャプスタンなどの内部ないぶ機構きこうきついた場合ばあいは、カセットデッキからカセットをせなくなることもおおい。また、カセットデッキからカセットをせても、下記かき画像がぞうのようにテープが大量たいりょうされた状態じょうたいとなる。このように破損はそんしたテープでも、その部分ぶぶんハサミとし、正常せいじょう部分ぶぶん同士どうしをスプライシングテープでつなぎわせることでさい使用しよう可能かのうだが、切断せつだんした部分ぶぶん録音ろくおん内容ないよう消失しょうしつする。このような状況じょうきょう頻発ひんぱつする場合ばあいはテープだけでなく、カセットデッキ(レコーダー)にも問題もんだい発生はっせいしている可能かのうせいがある[注釈ちゅうしゃく 10]
  • ヘッドやキャプスタン、ピンチローラはよごれやすいため、やく10あいだごとを目安めやす清掃せいそうすることがのぞましく[14]長時間ちょうじかん清掃せいそうしないで使用しようすると録音ろくおん再生さいせい悪影響あくえいきょうおよぼすばかりか、テープにも余計よけい磁気じきてつやホコリを付着ふちゃくさせる遠因えんいんになることがある。清掃せいそうはクリーニングカセットの利用りようのほか、カーオーディオ以外いがいとびらけて挿入そうにゅうする機器きき場合ばあいは、取扱とりあつか説明せつめいしょ指示しじしたが無水むすいアルコールやイソプロえきなどの液体えきたい綿棒めんぼうでも清掃せいそうできる。ヘッド近辺きんぺんには可動かどうおおく、綿棒めんぼうでグリスを一緒いっしょるとのちにテープをよごしたりレコーダーの故障こしょうおそれがある。
    • なおクリーニングカセットには研磨けんまざいりクリーニングテープを使用しようした乾式かんしきとアルコールを使用しようする湿式しっしき存在そんざいするが、乾式かんしき場合ばあい過度かど連続れんぞく使用しようはヘッドの摩耗まもうまねくことがある。定期ていきてきなクリーニングには湿式しっしきこのましい[注釈ちゅうしゃく 11]
  • 再生さいせい専用せんようおよび3ヘッドしきのレコーダー(再生さいせいヘッドが独立どくりつしている)では長期間ちょうきかん再生さいせいをすることにより再生さいせいヘッドが帯磁たいじし、こういきにくくなったり、雑音ざつおんすことがある。この場合ばあい、カセット方式ほうしきやオープンリールようのディマグネタイザー(消磁しょうじ)を利用りようして消磁しょうじする必要ひつようがある。一方いっぽうで2ヘッドしきレコーダー(ろくさいヘッド兼用けんよう)の場合ばあい帯磁たいじしても新品しんぴんのカセットを挿入そうにゅうし、録音ろくおんすることで消磁しょうじする(セルフディマグネタイズ)ことが可能かのうである。

年表ねんぴょう

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コンパクトカセットレコーダー

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  • 1962ねん らんフィリップスによる発売はつばい開始かいし
  • 1965ねん
  • 1966ねん
    • アイワ初代しょだい法人ほうじん)が日本にっぽんはつ国産こくさんコンパクトカセットレコーダTP-707P を発売はつばい。この機種きしゅは、すで発売はつばいしていたアイワ独自どくじ規格きかくのカートリッジしきテープレコーダTP-707を改良かいりょうし、コンパクトカセット規格きかく仕様しよう変更へんこうした商品しょうひんで、末尾まつびのPはPHILIPSのPとかんがえられる。
  • 1967ねん
    • ステレオ録音ろくおん再生さいせい可能かのうなコンパクトカセットレコーダーを発売はつばい。フィリップス EL-3312 、アイワ TP-1004 、日本にほんコロムビア家電かでん製品せいひん事業じぎょうげんディーアンドエムホールディングス) TRC-160など。
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょう業界ぎょうかいはつの2バンド(FM/AM受信じゅしん対応たいおうラジオカセットレコーダー "RQ-231" を発売はつばいのちにブームとなるラジカセだい1号機ごうきである。
  • 1968ねん
    • アイワ(初代しょだい法人ほうじん)が日本にっぽんはつの3バンド(FM/AM/SW受信じゅしん対応たいおうラジオカセットレコーダー "TPR-101" を発売はつばい
    • ティアック日本にっぽんはつの(本体ほんたいにスピーカー接続せつぞくようのパワーアンプを搭載とうさいしない)本格ほんかくてき単品たんぴんオーディオシステムようステレオコンパクトカセットデッキ A-20 を発売はつばい
  • 1970ねん
    • ソニーげんソニーグループ)が 2 ヘッド・クローズドループ・デュアルキャプスタン方式ほうしきのコンパクトカセットデッキ TC-2200, TC-2300 を発売はつばい
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょうがダイレクトドライブ方式ほうしきのコンパクトカセットデッキ RS-275U を発売はつばい
    • べいドルビーラボラトリーズ、ドルビーBタイプ・ノイズリダクションを発表はっぴょう日本にっぽんでは翌年よくねん、ティアック A-350 が先行せんこう採用さいようして発売はつばい
  • 1971ねん ソニーが世界せかいはつ録音ろくおん/再生さいせい兼用けんようフェライトヘッド(F&F ヘッド)を搭載とうさいした TC-2130A を発売はつばい
  • 1972ねん
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょうろくさい独立どくりつしき3ヘッド搭載とうさいのコンパクトカセットデッキ RS-279 を発売はつばい
    • 中道ちゅうどう研究所けんきゅうじょげんナカミチ)が業界ぎょうかいはつろくさい完全かんぜん独立どくりつしき3ヘッド、およびクローズドループ・デュアルキャプスタン搭載とうさいちょう高級こうきゅうカセットデッキ Nakamichi 1000 を米国べいこくにて先行せんこう発売はつばい(その1973ねん日本にっぽんでも Nakamichi 700 ととも発売はつばい)。
  • 1973ねん
    • ソニーがポータブルカセットデッキ TC-2850SD 「カセット・デンスケ」を発売はつばい
    • 日立製作所ひたちせいさくしょろくさいコンビネーションしき3ヘッド、およびクローズドループ・デュアルキャプスタン搭載とうさいのコンパクトカセットデッキ D-4500 を発売はつばい
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょう前面ぜんめん操作そうさのコンパクトカセットデッキ RS-676U を発売はつばい
  • 1976ねん
    • アイワがコンパクトカセットデッキ AD-7800 を発売はつばい録音ろくおんバイアスりょう調整ちょうせい (FRTS) によりユーザーがテープごとに周波数しゅうはすう特性とくせい調整ちょうせい可能かのうに。
    • 松下電器産業まつしたでんきさんぎょうが 3 モーター 3 ヘッドのコンパクトカセットデッキ RS-690U を発売はつばい
    • クラリオン(げんフォルシアクラリオン・エレクトロニクス)が世界せかいはつ家庭かていようダブルコンパクトカセットデッキ MD-8080A を発売はつばい
  • 1978ねん
    • 日本にほんビクターげんJVCケンウッド)が業界ぎょうかいはつのメタルテープ対応たいおうカセットデッキ KD-A6、およびKD-A5 を発売はつばい前者ぜんしゃ同年どうねん11がつ発売はつばい後者こうしゃ同年どうねん12がつ発売はつばい[15]
  • 1979ねん
    • ソニーより、HiFi再生さいせい用途ようととくしたポータブルカセットプレイヤーウォークマン1号機ごうき (TPS-L2) を発売はつばい
    • パイオニア(ホームAV機器きき事業じぎょうげんオンキヨーテクノロジー、およびティアック)が業界ぎょうかいはつ録音ろくおん/再生さいせいコンビネーションリボンセンダストヘッドをもちいた高級こうきゅうカセットデッキ CT-A1 を発売はつばい
  • 1980ねん べいドルビーラボラトリーズ、ドルビーCタイプ・ノイズリダクションを発表はっぴょう日本にっぽんでは翌年よくねん、アイワ AD-FF3 が先行せんこう採用さいようして発売はつばい
  • 1981ねん ソニーが業界ぎょうかいはつ録音ろくおん/再生さいせい兼用けんようレーザーアモルファスヘッド(LA ヘッド)を搭載とうさいした TC-FX77 を発売はつばい
  • 1990ねん べいドルビーラボラトリーズ、ドルビーSタイプ・ノイズリダクションを発表はっぴょう日本にっぽんでは翌年よくねん、アイワ XK-S9000 が先行せんこう採用さいようして発売はつばい
  • 1996ねん パイオニアが業界ぎょうかいはつのデッキ内部ないぶでの信号しんごう処理しょりのデジタル(ただし、録音ろくおん再生さいせい自体じたい当然とうぜん、デジタルではない)を実現じつげんしたデジタル・プロセッシングシステムを搭載とうさいしたツインろくさいオートリバースタイプのコンパクトカセットデッキ T-WD5R を発売はつばい。また翌年よくねんにはこちらも業界ぎょうかいはつとなるデジタル・プロセッシングシステムを搭載とうさいした録音ろくおん/再生さいせいコンビネーション3ヘッド・シングルキャプスタン搭載とうさい片面かためんろくさいシングルデッキタイプのコンパクトカセットデッキ T-D7も同社どうしゃから発売はつばいされた。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 再生さいせいのみ対応たいおう機器ききは「レコーダー」ではなく「プレーヤー(再生さいせい専用せんよう)」と分類ぶんるいされ、たとえばカセットテープの場合ばあいならカセットプレーヤーなどという。
  2. ^ 歌詞かしやセリフの前後ぜんごちがえること、運送うんそう業者ぎょうしゃ荷物にもつ伝票でんぴょう間違まちがえることなども「テレコ」とばれ、カセットテープのAめん/Bめんちがえることが語源ごげんという誤解ごかいがあるが、まった無関係むかんけいである。(参照さんしょう: 語源ごげん由来ゆらい辞典じてん - テレコ
  3. ^ テープの変形へんけい損傷そんしょうをしばしば「わかめ」と形容けいようする。この形容けいよう磁気じきテープメーカー技術ぎじゅつしゃにも使つかわれるほど一般いっぱんしたものだが[1]ふるくは高温こうおん多湿たしつ環境かんきょうでのアセテートの加水かすい分解ぶんかいによる化学かがくてき要因よういんでの変形へんけい(カーリング[2]ばれる)を形容けいようしたものであった[3]。アセテートの加水かすい分解ぶんかいによる変形へんけい磁気じきテープにかぎったものではないため、映画えいがフイルムの劣化れっか[4]、マイクロフイルムの劣化れっか[5]も「わかめ」と形容けいようされる場合ばあいがある(加水かすい分解ぶんかい変形へんけい以外いがいにも様々さまざま劣化れっかこすため、フイルムるいでは総称そうしょうとしてビネガーシンドロームともばれる)。この劣化れっかけるため磁気じきテープのベースは次第しだいにポリエチレンでえられたが、そのも「わかめ」のかたり走行そうこう異常いじょうによる損傷そんしょう形容けいようするかたりとして使つかわれつづけた[6]
  4. ^ 小型こがたのレコーダーには、ペンをったりキーボードを使つかうのはおっくうな場合ばあいこえでメモをとるという用途ようともある。夜間やかんねむりかけたとき睡眠すいみん途中とちゅう目覚めざめたときかぎっていアイディアをおもいつくひとなどは、枕元まくらもと音声おんせいレコーダーをいておき音声おんせいメモをとるという利用りようのしかたをする。レコーダーの録音ろくおんボタンの位置いちさえかっていれば部屋へやくら状態じょうたいでも音声おんせいメモがとれるというメリットがある。一方いっぽう作曲さっきょくをするアーティストでは、ふとおもいついたメロディをわすれないうちに記録きろくするのがかなりむずかしく、五線ごせんやペンを用意よういしているあいだわすれてしまいくやしいおもいをしているアーティストはおおく、以前いぜんならばマイクロカセット・レコーダー、近年きんねんではICレコーダーを使つか自分じぶん鼻歌はなうたなどですかさず記録きろくするという方法ほうほうにたどりいた、などという談話だんわ音楽おんがく関係かんけい書籍しょせき雑誌ざっしには時折ときおり掲載けいさいされている。
  5. ^ CDレコーダーMDレコーダーなども一時期いちじき使つかわれた。
  6. ^ 一方いっぽうでこれらデジタルレコーダーはファイルの管理かんり領域りょういき論理ろんりてき物理ぶつりてきこわれると内容ないよう事実じじつじょうすべうしなわれるてん短所たんしょである。
  7. ^ 放送ほうそういてもせい録音ろくおん判断はんだんできず、総統そうとう行動こうどう秘匿ひとくするのに役立やくだったという。
  8. ^ その貴重きちょう録音ろくおんテープの一部いちぶは、だい大戦たいせん終結しゅうけつにテープレコーダーシステムども々ソビエト連邦れんぽう収奪しゅうだつされ、ソ連それん国営こくえいレコード会社かいしゃメロディアからレコードされてさばかれた。
  9. ^ 1979ねんイラン革命かくめいさいしてはこの方法ほうほう使つかい、ホメイニ当時とうじイラン国外こくがい亡命ぼうめいちゅう)の音声おんせいを、国際こくさい電話でんわ経由けいゆでイラン国内こくない支持しじしゃ伝達でんたつした。
  10. ^ おもにキャプスタン、ピンチローラー、アイドラー、磁気じきヘッドなどの各部かくぶよごれや経年けいねん変化へんかによる摩耗まもう、キャプスタン、リール駆動くどうよう各種かくしゅベルトの経年けいねん変化へんかによる劣化れっかからるものがだい部分ぶぶんめる。
  11. ^ ただし、再生さいせい専用せんよう磁気じきヘッドにDCCレコーダーようヘッドの技術ぎじゅつをそのまま応用おうようした再生さいせい専用せんよう薄膜うすまくヘッドを採用さいようした松下電器産業まつしたでんきさんぎょうテクニクスブランド)が製造せいぞう販売はんばいしたカセットデッキ「RS-AZ7」は例外れいがいてき湿式しっしきによるヘッドクリーニングは厳禁げんきんとされており、あやまって湿式しっしきによるヘッドクリーニングやヘッド消磁しょうじおこなうと最悪さいあく場合ばあい薄膜うすまくヘッド内部ないぶ素子そし破壊はかいされて再生さいせい不可能ふかのうとなる場合ばあいがある。

出典しゅってん

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  1. ^ 日比野ひびの信郎のぶお (1985), 磁気じき記録きろく材料ざいりょうようベースフィルム, p. 24, https://dl.ndl.go.jp/pid/2241609/1/15 
  2. ^ ソニー (1964), 録音ろくおん用語ようご, 放送ほうそう教育きょういく 19 (1): 79, https://dl.ndl.go.jp/pid/2341236/1/40 
  3. ^ 小松こまつはじめ (1956), 故障こしょうきたらこのコツで テープレコーダーの故障こしょう對策たいさく, ラジオ科学かがく 20 (3): 92, https://dl.ndl.go.jp/pid/3565771/1/49 
  4. ^ 須佐すさなり (2000), “「たき白糸しらいと復元ふくげん作業さぎょう, 映画えいがテレビ技術ぎじゅつ 571: 20, https://dl.ndl.go.jp/pid/4433352/1/11 
  5. ^ 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 主題しゅだい情報じょうほう 新聞しんぶん (2008), 使つかひとがいる まもひとがいる だい7かい マイクロ資料しりょう, 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん月報げっぽう 568: 27, https://dl.ndl.go.jp/pid/1001060/1/1 
  6. ^ 坪井つぼいけん旺 (1968), “テープ再生さいせいかんするしょ注意ちゅうい メカニズム”, 中南米ちゅうなんべい音楽おんがく 167: 138-139, https://dl.ndl.go.jp/pid/2267570/1/70 
  7. ^ 「ポールセンの針金はりがね録音ろくおん」『大人おとな科学かがく Vol.23』、学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、2008ねん3がつ31にちISBN 978-4056054361 
  8. ^ Magnetophon
  9. ^ 特許とっきょだい136997ごう(昭和しょうわ15ねん公告こうこくだい630ごう)
  10. ^ ぜん金属きんぞくせい真空しんくうかん物語ものがたり
  11. ^ 多田ただ正信まさのぶ磁気じき録音ろくおん MR-1 こうせん録音ろくおん」『NEC綜合そうごう技術ぎじゅつだい3ごう、1949ねん2がつ 
  12. ^ アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい 2,351,004ごう
  13. ^ Sony Japan | Sony Design|History|1950s”. www.sony.co.jp. ソニー. 2020ねん4がつ17にち閲覧えつらん
  14. ^ a b カセットテープのあつかいについて”. オンキヨー. オンキヨー&パイオニア. 2021ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  15. ^ カセットデッキ KD-A6/KD-A5”. 産業さんぎょう技術ぎじゅつ資料しりょう情報じょうほうセンター. 産業さんぎょう技術ぎじゅつ資料しりょうデータベース. 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん. 2021ねん3がつ21にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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