メディア・リテラシー

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メディア・リテラシーとは、メディア機能きのう理解りかいするとともに、あらゆる形態けいたいのメディア・メッセージを調しらべ、批判ひはんてき分析ぶんせき評価ひょうかし、創造そうぞうてき自己じこ表現ひょうげんし、それによって市民しみん社会しゃかい参加さんかし、文化ぶんかえて対話たいわし、行動こうどうする能力のうりょくである。また、用語ようごとしてのメディア・リテラシーはメディア・リテラシーの実践じっせん運動うんどうふくむ。

概要がいよう[編集へんしゅう]

世界せかいてきひろ使つかわれている有力ゆうりょく定義ていぎとしては、NAMLE(全米ぜんべいメディア・リテラシー教育きょういく学会がっかい)やカナダのAML(メディア・リテラシー協会きょうかい)の影響えいきょうけて設立せつりつされたアメリカのCML[ちゅう 1]欧州おうしゅう連合れんごう(EU)、ユネスコによる定義ていぎがあげられる。

NAMLEの定義ていぎ以下いかとおりである。「メディア・リテラシーとは、あらゆるコミュニケーション形態けいたいもちいてアクセス、分析ぶんせき評価ひょうか創造そうぞうし、行動こうどうする能力のうりょくである。もっとも単純たんじゅん用語ようごとしては、メディア・リテラシーは伝統でんとうてきなリテラシーを土台どだいとし、あたらしいきの形態けいたいをもたらすものである。メディア・リテラシーは、人々ひとびと批判ひはんてき思考しこうし、かつ創造そうぞうし、効果こうかてきにコミュニケーションするアクティブな市民しみんにする。」[1]

また、CMLの定義ていぎ以下いかとおりである。「メディア・リテラシーは、多様たよう形態けいたい印刷いんさつからビデオ、インターネットまで)のメッセージへアクセス、分析ぶんせき評価ひょうか創造そうぞう参加さんかするための枠組わくぐみをもたらす。メディア・リテラシーは、社会しゃかいにおけるメディアの役割やくわり理解りかい構築こうちくするとともに探究たんきゅう必須ひっすのスキルであり、民主みんしゅ主義しゅぎ社会しゃかいにおける市民しみん自己じこ表現ひょうげん不可欠ふかけつなものである。」[2]

EUの定義ていぎ以下いかとおりである。「メディア・リテラシーはあらゆる技術ぎじゅつてき認知にんちてき社会しゃかいてき市民しみんてきおよび創造そうぞうてきしょ能力のうりょくかかわるものであり、それらはわたしたちがメディアへアクセスし、その批判ひはんてき理解りかいとメディアとのかかわりあいを可能かのうにする。これらのしょ能力のうりょくによってわたしたちは批判ひはんてき思考しこうりょくきたえるとともに、社会しゃかい経済けいざいてき社会しゃかいてき文化ぶんかてき側面そくめん参加さんかし、民主みんしゅ主義しゅぎてきプロセスへ積極せっきょくてき役割やくわりえんじることを可能かのうにする。」[3]

一方いっぽう、ユネスコはメディア・リテラシーと図書館としょかんかい中心ちゅうしん概念がいねん形成けいせいされた情報じょうほうリテラシー[4]統合とうごうし、ニュース情報じょうほう批判ひはんてき評価ひょうかする能力のうりょくとしてのニュース・リテラシ[5]情報じょうほう・コミュニケーション技術ぎじゅつもちいる能力のうりょくとしてのデジタル・リテラシー[6] などのあらたなリテラシーを包含ほうがんしたメディア情報じょうほうリテラシー[ちゅう 2]ばれる用語ようごもちいる。ユネスコによる情報じょうほうリテラシーおよびメディア・リテラシーの定義ていぎ以下いかとおりである。[7]

情報じょうほうリテラシー

  • 情報じょうほう必要ひつようせい明確めいかく区分くぶんする。
  • 情報じょうほう場所ばしょ特定とくていし、アクセスする。
  • 情報じょうほう批判ひはんてき評価ひょうかする。
  • 情報じょうほう組織そしきする。
  • 情報じょうほう倫理りんりてき利用りようする。
  • 情報じょうほう交流こうりゅうする。
  • 情報じょうほう加工かこうのためにICTを利用りようする。

メディア・リテラシー

  • 民主みんしゅ主義しゅぎ社会しゃかいにおけるメディアの役割やくわり機能きのう理解りかいする。
  • メディアがその機能きのう十分じゅうぶん発揮はっきしうる条件じょうけん理解りかいする。
  • メディア機能きのう観点かんてんからメディア・コンテンツを批判ひはんてき評価ひょうかする。
  • 自己じこ表現ひょうげん文化ぶんかあいだ対話たいわ民主みんしゅ主義しゅぎてき参加さんかのためにメディアにむ。
  • ユーザー・コンテンツを創造そうぞうするのに必要ひつようなスキル(ICTをふくむ)をにつけてもちいる。

なお、ユネスコの定義ていぎられるように、メディア・リテラシーは情報じょうほうリテラシーやニュース・リテラシーとはことなる概念がいねんであることに注意ちゅうい必要ひつようである。とりわけメディア・リテラシーと情報じょうほうリテラシーの類似るいじせいちがいについてはさまざまな議論ぎろんがある。[8]

メディア・リテラシーの基本きほん原理げんり[編集へんしゅう]

メディア・リテラシーの概念がいねんをより正確せいかく理解りかいするためには、その基本きほん原理げんり発展はってん過程かてい理解りかいする必要ひつようがある。メディア・リテラシーの基本きほん原理げんりおおくはイギリスのメディア・リテラシー研究けんきゅうしゃマスターマン(Len Masterman)の研究けんきゅうっている。それにくわえて、マスターマンに影響えいきょうあたえた理論りろん思想しそう、さらにはカナダのメディア研究けんきゅうしゃマーシャル・マクルーハン影響えいきょうについても考慮こうりょする必要ひつようがあるが、ほんこうではしゅとしてメディア・リテラシーの基本きほん原理げんり焦点しょうてんてる。メディア・リテラシーの基本きほん原理げんりにとって重要じゅうよう概念がいねんは、プロダクション(生産せいさん制作せいさく)、リプリゼンテーション(テレビや演劇えんげきなど、構成こうせいされた表現ひょうげん表象ひょうしょう)、オーディエンス(視聴しちょうしゃ)であり、これらの基礎きそ概念がいねん理解りかいもとめられる。また、用語ようごとしてのメディアがより具体ぐたいてき表現ひょうげんであるメディア・テクストやメディア・メッセージといった用語ようご変化へんかしていった過程かていや、社会しゃかい主体しゅたい(エイジェント)としてのメディアという表現ひょうげんにも注目ちゅうもくするとよいだろう。さらに、メディア・メッセージと情報じょうほうちがいについてもかんがえてみるとよい。メディア・リテラシーの基本きほん原理げんりは、メディア・リテラシーとはなにか、メディア・リテラシーにおけるメディアとはなにか、メディア・リテラシー教育きょういくはどのようにされるべきかといった原理げんりてきいにこたえるものである。

メディア・リテラシーの原点げんてん[編集へんしゅう]

今日きょうのメディア・リテラシーの理論りろんにもっともおおきな影響えいきょうをもたらしたのはマスターマンの『Teaching the Media』[9]日本語にほんごやく『メディアをおしえる』世界せかい思想しそうしゃ)[10] である。マスターマンの理論りろんはイギリスのみならず、カナダのAMLやアメリカのCMLおよびNAMLEによって北米ほくべいのメディア・リテラシー教育きょういく運動うんどうおおきな影響えいきょうをもたらした。これらの組織そしきはユネスコによるMIL(メディア情報じょうほうリテラシー)プログラムの中心ちゅうしんてき位置いちめており、マスターマンの理論りろん今日きょうのグローバルなメディア・リテラシー教育きょういく運動うんどう土台どだいとなっている[11]

かれのメディア・リテラシー思想しそう土台どだいとして、まずだいいちに、F・R・リーヴィスとデニス・トムソンらの文芸ぶんげい批評ひひょうろんがあげられる。マスターマンは、かれらの『文化ぶんか環境かんきょう』(1933)[12]出版しゅっぱんがイギリスにおけるメディア教育きょういくはじまりだったとべている(マスターマン邦訳ほうやく前掲ぜんけい、p.53)。しかし、かれらの立場たちばあらたなメディアがもたらす大衆たいしゅう文化ぶんか[ちゅう 3]から伝統でんとうてき文化ぶんかまもることであった。

マスターマンは、かれらの伝統でんとうてきなメディア教育きょういくろんたいして、ロラン・バルト記号きごうろんスチュアート・ホールらのカルチュラル・スタディーズアントニオ・グラムシのヘゲモニーろんパウロ・フレイレ批判ひはんてきリテラシーろん解放かいほう教育きょういくがくをもとに、あたらしいメディア教育きょういくがく[ちゅう 4]構想こうそうした[13]。その理論りろん構成こうせいは、ほぼどう時期じき構築こうちくされたヘンリー・ジルーの批判ひはんてき教育きょういくがくからの影響えいきょうることができる[14]実際じっさい、カナダ・トロントにあるAML(メディア・リテラシー協会きょうかい)は、マスターマンの理論りろんのみならず、批判ひはんてき教育きょういくがく英語えいごばん理論りろんからも影響えいきょうけたといわれている[15]

このようにして構築こうちくされたマスターマンの理論りろんによれば、メディア・リテラシーのもっとも重要じゅうよう原則げんそくは、「メディアは能動のうどうてきかれるべき象徴しょうちょうてき(あるいは記号きごうの)システムであり、外在がいざいてき現実げんじつ確実かくじつ自明じめい反映はんえいなどではない」[16]というてんにある。そして、メディア・テクストを批判ひはんてきくこととは、「たんおくされたメッセージの内容ないようだけでなく、それがどのように構成こうせいされどのような効果こうかしているかに注意ちゅういけること」[17]であり、その教育きょういく目的もくてきは「批判ひはんてき主体しゅたい[ちゅう 5]そだてることであった[18]。これがメディア・リテラシーにおける批判ひはんてき思考しこう原点げんてんである。

メディア・リテラシーの基本きほん原理げんり[編集へんしゅう]

最初さいしょのメディア・リテラシーの基本きほん原理げんりは、AMLのバリー・ダンカン[ちゅう 6]らによるメディア・リテラシーのやっつのキー・コンセプトである。ダンカンらはマスターマンの理論りろん影響えいきょうつよけ、メディアの内容ないようよりも伝達でんたつ形態けいたい重要じゅうようせい指摘してきした「メディアはメッセージ」[19]言葉ことば著名ちょめいなマクルーハンのメディアろん融合ゆうごうさせながら、1987ねんにこれらのキー・コンセプトをつくげた。この8つのキー・コンセプトはオンタリオ教育きょういくしょう発行はっこうの「メディア・リテラシー・リソース・ガイド」[ちゅう 7]収録しゅうろくされている[20]。さらにオンタリオしゅうのみならずカナダ全国ぜんこく教職員きょうしょくいん研修けんしゅうもちいられた。同書どうしょでは、メディア・リテラシーをつぎのように定義ていぎづけている。

「メディア・リテラシーはマスメディアの性質せいしつ、マスメディアによってもちいられたテクニック、およびこれらのテクニックの影響えいきょう十分じゅうぶんかつ批判ひはんてき理解りかいできるよう生徒せいとたちを支援しえんすることにかかわっている。さらにえば、メディアがどのように機能きのうし、メディアがどのように意味いみつくし、メディアがどのように組織そしきされ、そしてメディアがどのように現実げんじつ構成こうせいするのかということを生徒せいとがより理解りかいし、たのしむことができることを目的もくてきにしている。メディア・リテラシーはまた、生徒せいとたいしてメディア作品さくひん創造そうぞうする能力のうりょくをもたらすことも目的もくてきとしている。」

AMLによる8つのキー・コンセプトは以下いかとおりである。

8つのキー・コンセプト
  1. メディアはすべて構成こうせいされたものである
  2. メディアは現実げんじつつく
  3. 視聴しちょうしゃはメディアをさぐりつつ意味いみ解釈かいしゃくする
  4. メディアは商業しょうぎょうてき意味いみふく
  5. メディアはイデオロギーてき価値かちてきメッセージをふく
  6. メディアは社会しゃかいてき政治せいじてき意味いみふく
  7. メディアにおける形式けいしき内容ないよう密接みっせつ関連かんれんする
  8. メディアはそれぞれ独自どくじ美的びてき形式けいしき

しかし、これらのコンセプトにおけるメディア概念がいねんにはあいまいさがあるため、このコンセプトの作成さくせいかかわったジョン・プンジェンテ[ちゅう 8]は、メディアの概念がいねんをより明確めいかくにした改訂かいていおこなった[21][22]。さらに現在げんざいのAMLはメディアとメディア・テクストを概念的がいねんてき区別くべつしたあらたな改訂かいていばん公表こうひょうした[23]。その内容ないよう以下いかとおりである。

8つのキー・コンセプト(改訂かいていばん
  1. メディアは、現実げんじつのリプリゼンテーションを構成こうせいする
  2. メディアは、多様たよう現実げんじつをリプリゼンテーションする
  3. オーディエンスは、メディア・テクストの意味いみさぐりつつ解釈かいしゃくするために過去かこ経験けいけんとスキルをもちいる
  4. メディア・テクストは、経済けいざいてき意味いみ
  5. メディア・テクストは、価値かちかんったメッセージをつたえる
  6. メディア・テクストは、政治せいじてき社会しゃかいてきメッセージをつたえる
  7. メディア・テクストの形式けいしき内容ないようは、意味いみつたえるために相互そうごむすびつく
  8. メディアは、それぞれなに印象いんしょうてきなにこのましいかを決定けっていする独自どくじ美的びてき形式けいしき

AMLがメディア・テクストとばれる用語ようごもちいるのは、AMLの活動かつどうがマスターマンの理論りろん影響えいきょうつよけており、その内容ないようがオンタリオしゅうのカリキュラムにも反映はんえいされているからである。オンタリオしゅうのカリキュラムでは、メディア・リテラシーは、「多様たようなフォーマットのメディア・テクストのわざとメッセージ交換こうかんたいする学習がくしゅう結果けっか」とされており、メディア・テクストは、オーディエンスに意味いみつたえる印刷いんさつ口語こうご映像えいぞうなどあらゆるフォーマットをふくみ、意味いみつたえるための「言語げんご」をつ。[24]

アメリカの研究けんきゅうしゃ活動かつどうは1990ねんにトロント近郊きんこうのゲルフで開催かいさいされたAMLの会議かいぎ参加さんかし、自分じぶんたち自身じしんのセッションをひらいた。ここから実質じっしつてきなアメリカのメディア・リテラシー運動うんどうはじまった。参加さんかしゃはマリリン・コーヘン[ちゅう 9]、デビッド・コンシダイン[ちゅう 10]、レネ・ホッブス[ちゅう 11]、ダグラス・ケルナー[ちゅう 12]、ロバート・クーベイ[ちゅう 13]、キャスリン・モーディ[ちゅう 14]、ジム・ポッター[ちゅう 15]、レネ・チェロウオレアリー[ちゅう 16]、マリエリ・ローウェ[ちゅう 17]、エリザベス・トーマン[ちゅう 18]、キャスリン・タイナー[ちゅう 19]の11めいであった。この参加さんかしゃグループが中核ちゅうかくとなり、アメリカでCMLやAMLA(現在げんざいのNAMLE)を設立せつりつすることになる。[25]

まず、フランシス・デイビス[26]はAMLの8つのキー・コンセプトをもとにテレビをるためのメディア・リテラシーのいつつのアイデアを整理せいりした[27]。ただしこのいつつのアイデアは保護ほごしゃどもにもわかるように、テレビにのみ焦点しょうてんててつくられたものであった。CMLの設立せつりつしゃ一人ひとりであるトーマンは、このアイデアをさらに発展はってんさせ、いつつのコンセプトとしてまとめた(Thoman, 1993)[28]。さらに、トーマンはフレイレ理論りろんをもとに、アウェアネス、分析ぶんせき、リフレクション、アクションのよっつのステップをふくむ「エンパワーメント」の過程かていえがき、それをアクション・ラーニング・モデルとした。(Thoman, Ibid.)

その、2002ねんにトーマン、ジョルズ、ジェフ・シェア[ちゅう 20]らは、CMLから『21世紀せいきへのリテラシー:メディア・リテラシー教育きょういく概要がいようとオリエンテーション・ガイド』(現在げんざいだいはん)を公表こうひょうする(Thoman, Jolls, and Share, 2008)[29]。このガイドには、いつつのコア・コンセプトにくわえていつつのキー・クエスチョンが追加ついかされた。その理由りゆうは、どもたちにコア・コンセプトを直接ちょくせつ理解りかいさせることがむずかしいため、質問しつもんかたちにする必要ひつようがあったからである。キー・クエスチョンは読解どっかい制作せいさく種類しゅるいがあり、どちらもコア・コンセプトと関係付かんけいづけられている。さらに、メディア・リテラシーのいつつのスキル(アクセス、分析ぶんせき評価ひょうか創造そうぞう参加さんか)、エンパワーメントのスパイラル(アウェアネス、分析ぶんせき、リフレクション、アクション)が追加ついかされた。

なお、どうガイドは、メディア・リテラシーを「教育きょういくへの21世紀せいき志向しこうするアプローチであり、多様たようなフォーマットのメッセージを使用しようするための、アクセス、分析ぶんせき評価ひょうか創造そうぞう参加さんか枠組わくぐみをもたらすとともに、社会しゃかいにおけるメディアの役割やくわり理解りかい民主みんしゅ主義しゅぎ社会しゃかい市民しみんもとめられる探究たんきゅう自己じこ表現ひょうげんのスキルを構築こうちくするもの」と定義ていぎしている。コア・コンセプトとキー・クエスチョンは以下いかとおりである。

メディア・リテラシーのコア・コンセプト
  1. メディア・メッセージはすべて「構成こうせいされた」ものである
  2. メディア・メッセージは創造そうぞうてき言語げんごとそのルールをもちいて構成こうせいされている
  3. 多様たよう人々ひとびとおなじメディア・メッセージを多様たようめる
  4. メディアは価値かちかん視点してんふくんでいる
  5. ほとんどのメディア・メッセージは、利益りえきるため、および/または権力けんりょくるためにつくられる
5キー・クエスチョン:読解どっかい
  1. だれがこのメッセージをつくったのか?
  2. どんな創作そうさくテクニックがわたし関心かんしんくために使つかわれたのか?
  3. このメッセージのほか人々ひとびと理解りかいはどのようにことなっているか?
  4. このメッセージにはどんな価値かちかんやライフスタイル、視点してん表現ひょうげんされているか、あるいは排除はいじょされているか?
  5. なぜこのメッセージはおくられたのか?
5キー・クエスチョン:制作せいさく
  1. わたしなに制作せいさくしているのか?
  2. わたしのメッセージはフォーマット、創造そうぞうせい、テクノロジーに意見いけん反映はんえいされているか?
  3. わたしのメッセージはターゲット・オーディエンスのしんとらえ、うごかしているか?
  4. わたしはコンテンツのなかで、価値かちかんやライフスタイル、視点してん明確めいかくかつ一貫いっかんして構成こうせいしたか?
  5. わたし目的もくてき効果こうかてきつたえたか?

メディア・リテラシー教育きょういく基本きほん原理げんり[編集へんしゅう]

メディア・リテラシーの基本きほん原理げんり教育きょういく実現じつげんするための教育きょういく原理げんりがメディア・リテラシー教育きょういく原理げんりである。前者ぜんしゃがメディア・リテラシーの原理げんりそのものに焦点しょうてんてるのにたいして、後者こうしゃ教育きょういく実践じっせん原理げんり方法ほうほう焦点しょうてんてたものだとえる。そのはつみなもとは、マスターマンの「メディア・アウエアネス教育きょういく18の基本きほん原則げんそく」である。これは、AMLのニュースレターに掲載けいさいされた1995年版ねんばん翻訳ほんやく鈴木すずきみどり編著へんちょ『メディア・リテラシーの現在げんざい未来みらい世界せかい思想しそうしゃ、2001:296-297)とCMLのサイトに掲載けいさいされた1989年版ねんばんがあり[30]項目こうもく内容ないよう表現ひょうげん多少たしょうちがいがある。メディア教育きょういく表記ひょうきされているが、メディア・リテラシー教育きょういくおな意味いみである。

メディア・アウエアネス教育きょういく18の基本きほん原則げんそく(1989年版ねんばん)
  1. メディア教育きょういく重大じゅうだいかつ意義いぎあるこころみである。われているのは個々人ここじんとりわけマイノリティエンパワーメント社会しゃかい民主みんしゅてき構造こうぞう強化きょうかである。
  2. メディア教育きょういく統合とうごうする中心ちゅうしんてきコンセプトはリプリゼンテーションである。メディアは媒介ばいかいする。メディアは世界せかい反映はんえいするのではなくリプリゼンテーションする。
  3. メディア教育きょういく生涯しょうがいにわたるプロセスである。それゆえに、学習がくしゅうしゃたかいモチベーションが主要しゅよう目的もくてきにならなければならない。
  4. メディア教育きょういくたん批判ひはんてき知性ちせいそだてるのではなく、批判ひはんてき主体しゅたいそだてる。
  5. メディア教育きょういく探究たんきゅうである。メディア教育きょういく特定とくてい文化ぶんか政治せいじてき価値かちけない。
  6. メディア教育きょういく状況じょうきょう機会きかい重視じゅうしする。メディア教育きょういく学習がくしゅうしゃ生活せいかつじょうきょうひかりをあてる。そして、メディア教育きょういくは「いま、この」を、ひろ歴史れきしてきかつイデオロギーてき問題もんだい文脈ぶんみゃくくであろう。
  7. メディア教育きょういくもちいるコンテンツは目的もくてきのための手段しゅだんである。その目的もくてきべつのコンテンツではなく、場面ばめん応用おうようできる分析ぶんせきてきなツールを開発かいはつすることにある。
  8. メディア教育きょういく有効ゆうこうせいつぎふたつの基準きじゅんによって評価ひょうかされる。
    (a)あたらしい状況じょうきょう生徒せいとみずからの批判ひはんてき思考しこうもちいる能力のうりょく
    (b)生徒せいとしめ関与かんよ動機どうきふか
  9. 理想りそうとしては、メディア教育きょういくにおける評価ひょうかは、形成けいせいてきかつ総括そうかつてき学習がくしゅうしゃ自己じこ評価ひょうか手段しゅだんである。
  10. 実際じっさい、メディア教育きょういく内省ないせい対話たいわ双方そうほうのための対象たいしょう提供ていきょうすることによって、おしえるものとおそわるものの関係かんけい変革へんかくするこころみである。
  11. メディア教育きょういくたんなる討論とうろんではなく、対話たいわとおして探究たんきゅうする。
  12. メディア教育きょういく基本きほんてき活動かつどうてきかつ参加さんかがたであり、よりひらかれた民主みんしゅてき教育きょういく実践じっせん展開てんかい促進そくしんする。メディア教育きょういく学習がくしゅうしゃみずからの学習がくしゅうたいしてより責任せきにんち、学習がくしゅう自己じこ管理かんりし、授業じゅぎょう計画けいかく参加さんかし、そしてみずからの学習がくしゅう長期ちょうきにわたる視野しやつようにちからづける。
  13. メディア教育きょういくあたらしい教科きょうか領域りょういき導入どうにゅうかかわるよりも、より教室きょうしつでのあたらしい活動かつどう方法ほうほうかかわっている。
  14. メディア教育きょういくきょうはたらけ学習がくしゅうふくむ。きょうはたらけ学習がくしゅうはグループに焦点しょうてんてる。個々人ここじん学習がくしゅう競争きょうそうではなく洞察どうさつとグループ全体ぜんたいのリソースにかかわることによって強化きょうかされる。
  15. メディア教育きょういく実践じっせんてき批判ひはん批判ひはんてき実践じっせん双方そうほうからっている。それは文化ぶんかてきさい生産せいさんたいする文化ぶんかてき批判ひはん優位ゆういせい確認かくにんするものである。
  16. メディア教育きょういくはホーリステックなプロセスである。理念りねんてきには保護ほごしゃやメディア専門せんもん教職員きょうしょくいん同士どうし関係かんけい形作かたちづくるものである。
  17. メディア教育きょういくえざる変革へんかく原理げんりかかわっている。それはえず変化へんかしていく現実げんじつとともに発展はってんしなければならない。
  18. メディア教育きょういく土台どだいにあるのは差異さい哲学てつがくてき認識にんしきろん(エピステモロジー)である。すなわち、既存きそん知識ちしきたん教師きょうしによってつたえられたり、学習がくしゅうしゃによって「発見はっけんされる」のではない。それは目的もくてきではなくはじまりである。それは批判ひはんてき探究たんきゅう対話たいわ対象たいしょうであり、そこからあたらしい知識ちしき学習がくしゅうしゃ教師きょうしたちによって能動のうどうてき創造そうぞうされるのである。

NAMLEは、2007ねんにマスターマンの18の基本きほん原則げんそくぎつつ、メディア・リテラシー教育きょういくかんする6つの中核ちゅうかく原理げんり公表こうひょうした[31]。この中核ちゅうかく原理げんりはCMLのコア・コンセプトをふくんでおり、それを教育きょういくでどのように実践じっせんするかという問題もんだい焦点しょうてんをおいてつくられた。この中核ちゅうかく原理げんり公表こうひょう同時どうじにNAMLEはその前身ぜんしんのAMLA(Aliance for Media Literaited America)から名称めいしょう変更へんこうしている。それはメディア・リテラシーからメディア・リテラシー教育きょういくへのおおきな運動うんどう転換てんかん意味いみするものであった。この中核ちゅうかく原理げんりは6つの原理げんりとその原理げんりからもたらされるより具体ぐたいてき下位かい項目こうもくから構成こうせいされている。ここでは基本きほん項目こうもくのみを掲載けいさいする。

メディア・リテラシー教育きょういく中核ちゅうかく原理げんり
  1. メディア・リテラシー教育きょういくは、わたしたちが受信じゅしんし、創造そうぞうするメッセージについての積極せっきょくてき探究たんきゅう批判ひはんてき思考しこう要求ようきゅうする。
  2. メディア・リテラシー教育きょういくは、リテラシーの概念がいねん(すなわちき)をあらゆるメディアの形態けいたい拡張かくちょうする。
  3. メディア・リテラシー教育きょういくは、あらゆる年齢ねんれいそう学習がくしゅうしゃたいしておこなわれ、スキルの向上こうじょうはかる。識字しきじ能力のうりょくのように、それらのスキルは統合とうごうされ、インタラクティブにかえし、練習れんしゅうされる必要ひつようがある。
  4. メディア・リテラシー教育きょういくは、民主みんしゅ主義しゅぎ社会しゃかい不可欠ふかけつな、情報じょうほうつうじ、ふかかんがえ、積極せっきょくてきかかわっていく社会しゃかいへの参加さんかしゃそだてる。
  5. メディア・リテラシー教育きょういくは、メディアが文化ぶんか一部いちぶであり、社会しゃかい主体しゅたい(エイジェント)として機能きのうすることを認識にんしきする。
  6. メディア・リテラシー教育きょういくは、人々ひとびとがメディア・メッセージから自分じぶん自身じしん意味いみつくすために、自分じぶんたちのスキルや心情しんじょう経験けいけん利用りようすると確信かくしんする。

※なお、うえ記事きじちゅうもちいた翻訳ほんやく許可きょかてAMILEC(アジア太平洋たいへいようメディア情報じょうほうリテラシー教育きょういくセンター )のサイトから転載てんさいしたものである。メディア・リテラシー教育きょういく中核ちゅうかく原理げんり全文ぜんぶんやくどうサイトに掲載けいさいされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

イギリス[編集へんしゅう]

イギリスでのメディア・リテラシーの萌芽ほうがとして、1933ねんに、F・R・リーヴィスとデニス・トンプソン(トムソン)がマスメディアを批判ひはんてきくことについて言及げんきゅうしている。ただし、リーヴィスらは、現在げんざいのメディア・リテラシーの意味いみとはちがい、大衆たいしゅう文化ぶんか影響えいきょうけ、正統せいとうなものを見分みわけることをもとめていた。他方たほうアドルフ・ヒトラー情報じょうほう操作そうさ他国たこくでも問題もんだいになっており、BBCでプロパガンダを見分みわける放送ほうそうおこなわれたり、1936ねんにローマ教皇きょうこうによりメディア教育きょういく授業じゅぎょうれるようびかけがおこなわれた。その、1960年代ねんだいには、メディアのなかからより高級こうきゅうなものに興味きょうみてるようにする教育きょういくがよくれられた。

しかし、1970年代ねんだいにかけて、メディアが大衆たいしゅうれられ表現ひょうげん多様たようされていったなかで、イギリス・ノッティンガム大学だいがくレン・マスターマンが、1985ねんに『メディアをおしえる』(Teaching the Media[32]出版しゅっぱんした。マスターマンは、「メディア・リテラシーはたんにクリティカルな知力ちりょくやしなうだけでなく、クリティカルな主体性しゅたいせいやしなうことを目的もくてきする」とべ、のちに、「メディア・リテラシーの18の基本きほん原則げんそく」をまとめている。

カナダ[編集へんしゅう]

カナダでは1960年代ねんだいマーシャル・マクルーハンのメディア分析ぶんせきおなじくして、社会しゃかい問題もんだいかんがえるための映画えいが分析ぶんせき学校がっこう教育きょういくおこなわれていた。1966ねんには、トロントで、映画えいが教育きょういく教会きょうかい設立せつりつされている。

その、1970年代ねんだい教育きょういく保守ほしゅ予算よさん削減さくげんなどが原因げんいん映画えいが教育きょういくうごきは下火したびになったが、バリー・ダンカンにより、メディア・リテラシー教会きょうかい(AML)がつくられ、くさベースのメディア・リテラシー活動かつどうおこなっていた。このメディア・リテラシー教会きょうかい政府せいふへのはたらきかけなどにより、1987ねん、メディア・リテラシーがカナダのオンタリオしゅうのカリキュラムとして導入どうにゅうされ、1989ねん、オンタリオしゅう教育きょういくしょうからメディア・リテラシーの教育きょういくしゃけガイド[33]発行はっこうされた。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおけるメディア・リテラシー以前いぜん状況じょうきょう[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだい日本にっぽんでは情報じょうほう規制きせいきびしくおこなわれていた。とく幕末ばくまつでは、倒幕とうばく攘夷じょういこした事件じけんは、瓦版かわらばんなどでおおきく報道ほうどうできなかった。そのため、瓦版かわらばん版元はんもと隠語いんごなどをもちいて発行はっこうし、知識ちしきのあるものがそれをっていた。

昭和しょうわ初期しょきには、大陸たいりくでの陸軍りくぐん暴走ぼうそう満州まんしゅう事変じへんなど一連いちれん大陸たいりくでの事件じけん)がメディアによって支持しじされ、世論せろんにより政府せいふ不拡大ふかくだい政策せいさくくずれた。さらに、だい世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつ、ドイツのかい進撃しんげき報道ほうどうされるにおよび、ドイツとの同盟どうめいろん復活ふっかつ(ドイツがソ連それんどく不可侵ふかしん条約じょうやくむすんだことにより、同盟どうめいろん沈静ちんせいしていた)し、そのうええいべいあゆ政府せいふ姿勢しせいをメディアが批判ひはんてき報道ほうどうし、世論せろんたいえいべい協調きょうちょう反対はんたいしめし、それにじょうじた陸軍りくぐん工作こうさくにより、協調きょうちょう路線ろせんをとる米内よない光政みつまさ内閣ないかく崩壊ほうかいした。ひとつの見方みかたでは、メディア・リテラシーの欠如けつじょにちちゅう戦争せんそう拡大かくだいうながし、太平洋戦争たいへいようせんそう勃発ぼっぱつさせたともえる。

太平洋戦争たいへいようせんそうでは、新聞しんぶん法律ほうりつによって統制とうせいされ、放送ほうそうきょく事実じじつじょう国営こくえいきょくひとつだけなど、露骨ろこつ情報じょうほう操作そうさおこなわれていた。報道ほうどう軍事ぐんじなどにくわしいものであればうたがうこともある内容ないようではあったが、軍部ぐんぶによる言論げんろん弾圧だんあつもあったため、疑念ぎねんひょうすことがあれば非国民ひこくみんとされ、きていくこともままならなかった状況じょうきょうでもあった。もしメディア・リテラシー教育きょういくとどいていたとしても、開戦かいせん自体じたいめられなければ無力むりょくであるともえ、つね日頃ひごろのメディア・リテラシーが重要じゅうようであることを示唆しさしている。

太平洋戦争たいへいようせんそう1957ねん)、テレビによるマスコミの悪影響あくえいきょういちおくそう白痴はくちなどとわれたことがあった。「テレビというメディアは非常ひじょう低俗ていぞくものであり、テレビばかりていると、人間にんげん想像そうぞうりょく思考しこうりょく低下ていかさせてしまう。」といったもので、現代げんだいにおけるインターネット批判ひはん同様どうようことが50ねんまえからこっていた。しかし、メディア・リテラシー教育きょういくかったため、そういったメディアをみ、き、ていく訓練くんれん自主じしゅてきおこなわなければならなかった。

日本にっぽんのメディア・リテラシーの発展はってん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、メディア・リテラシーが3つの領域りょういきから発展はってんしている。ひとつは、前述ぜんじゅつしょ外国がいこくによるメディアリテラシーの輸入ゆにゅう、もうひとつは、視聴覚しちょうかく教育きょういくやコンピュータ・情報じょうほう教育きょういくからの発展はってん、そして専門せんもん学校がっこう大学だいがく企業きぎょうなどで職業しょくぎょう訓練くんれん一環いっかんとしておこなわれるものである[34]

メディア・リテラシー導入どうにゅう以降いこう状況じょうきょう[編集へんしゅう]

総務そうむしょうおこなった「れい2年度ねんど 情報じょうほう通信つうしんメディアの利用りよう時間じかん情報じょうほう行動こうどうかんする調査ちょうさ」では、それぞれのメディアにどの程度ていど信頼しんらいできる情報じょうほうがあるとかんがえているかが調査ちょうさされた[35]。その結果けっかによれば、ぜん年代ねんだいると、もっと信頼しんらいたかいメディアは新聞しんぶんであり、66.0%が信頼しんらいできると評価ひょうかした[35]前年度ぜんねんど(れいもと年度ねんど)の調査ちょうさ結果けっか比較ひかくすると、新聞しんぶん、テレビ、インターネット、雑誌ざっしという、4つのメディアのすべての信頼しんらい減少げんしょうする結果けっかとなった[35]

年代ねんだいべつでは、30だい、40だい、50だいおよび60だいでは新聞しんぶん信頼しんらいもっとたかくなっている[35]が、かく新聞しんぶんしゃによる虚偽きょぎ報道ほうどう偏向へんこう報道ほうどう捏造ねつぞう誤報ごほうたない。

なお、20だいでは、新聞しんぶんとテレビがどう程度ていど信頼しんらいとなっており、10代では、テレビの信頼しんらいが、新聞しんぶん信頼しんらいよりたかくなっている[35]

しかし、テレビでも2007ねん1がつこった情報じょうほうバラエティー番組ばんぐみ発掘はっくつ!あるあるだい事典じてんII」(フジテレビ)における納豆なっとうダイエット」データ捏造ねつぞう問題もんだいや、2011ねん1がつこったニュース番組ばんぐみ「news every.サタデー」(日本にほんテレビ)における取材しゅざい対象たいしょう企業きぎょう社員しゃいん一般いっぱんきゃくよそおったやらせ演出えんしゅつなど虚偽きょぎ情報じょうほう放送ほうそうする事件じけん度々たびたびきており、メディア・リテラシー教育きょういく必要ひつようせいぜん年代ねんだいにあるとえる。小泉こいずみ政権せいけんどきの 2005ねん郵政ゆうせい選挙せんきょではメディアが好意こういてき記事きじながつづけたため問題もんだいてんがあってもだれもが小泉こいずみ政権せいけん支持しじしているようになされ、かれ勇退ゆうたいしたあとその問題もんだいてん噴出ふんしゅつしたれいもある[36]

日本にっぽんしょ先進せんしんこくなかでも、特異とくいてきにマスコミへの信頼しんらいたかいとわれている[37]世界せかいすうじゅうカ国かこく大学だいがく研究けんきゅう機関きかん参加さんかし、共通きょうつう調査ちょうさひょう各国かっこく国民こくみん意識いしき調しら相互そうご比較ひかくする調査ちょうさである「世界せかい価値かちかん調査ちょうさ」のだい7かい調査ちょうさ結果けっかによれば、先進せんしんこくはいずれも新聞しんぶん雑誌ざっしたいしてはほぼ5わり以下いか信頼しんらいほどであるのにたいして、日本にっぽんでは新聞しんぶん雑誌ざっしたいして7わりちかくの信頼しんらいがある[37]

インターネット普及ふきゅうによりだれもが意見いけんひろげること出来できるとマスコミのほうじる情報じょうほう疑問ぎもんていする傾向けいこうがある。たとえば新聞しんぶんさかんに推進すいしんする新聞しんぶん書籍しょせき軽減けいげん税率ぜいりつ適用てきようするという意見いけんについては、2014ねん8がつ日本にっぽん新聞しんぶん協会きょうかいのアンケートでは肯定こうていてきひとが76.0%であるのにたいし(中日新聞ちゅうにちしんぶん2014ねん10がつ11にち記事きじ)、Yahoo!意識いしき調査ちょうさでは32.8%にとどまっており、新聞しんぶんとインターネットの意識いしき調査ちょうさあいだ乖離かいりしょうじる結果けっかとなった[38]

一方いっぽうでインターネットの普及ふきゅう従来じゅうらいのメディアとは比較ひかくにならないほどの膨大ぼうだい情報じょうほうにもたらすこととなり、またおくしゅのハードルもひくくなった。その結果けっか2016ねん大手おおてネットサービス企業きぎょうDeNAのヘルスケア情報じょうほうサイトであやまった内容ないよう著作ちょさくけん侵害しんがいがあったことおおきな問題もんだいとなった。一部いちぶ新聞しんぶんでは情報じょうほう企業きぎょう無責任むせきにんぶりを批判ひはんしていたが[39]従来じゅうらいからの大手おおてマスコミ(テレビ・新聞しんぶん)にも情報じょうほう操作そうさ散見さんけんされるため[40]ほう玉石混交ぎょくせきこんこう情報じょうほう鵜呑うのみのすることはせずに情報じょうほうをしっかり見極みきわめること必要ひつようとされる。

いずれのメディアも、虚偽きょぎ内容ないようあやまった情報じょうほう、そしてふる情報じょうほうまぎんでいる可能かのうせいおおいにある。文献ぶんけんなどのカウンターメディア参照さんしょうし、より精確せいかく理解りかいふかめることが必要ひつようである。

メディア・リテラシー教育きょういく[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおけるメディア・リテラシー教育きょういく[編集へんしゅう]

2012ねん現在げんざい日本にっぽん学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに「メディア・リテラシー」の文言もんごんは、まだない。しかしながら、たとえば、「総合そうごうてき学習がくしゅう時間じかん」で「情報じょうほう」をあつかい、中学校ちゅうがっこう美術びじゅつ表現ひょうげん活動かつどうとして「映像えいぞうメディアの積極せっきょくてき活用かつよう」がなされ、技術ぎじゅつ家庭かてい技術ぎじゅつ分野ぶんやでは「多様たようなメディアをふくごうし、表現ひょうげん発信はっしんができること」が目標もくひょうとされており、実質じっしつてきなメディア・リテラシー教育きょういくも、さまざまなところでおこなわれている。 しかしながら、子供こどものみならず、教師きょうしたいするメディア・リテラシー教育きょういく必要ひつようであるとの指摘してきもある[41]情報じょうほうメディア研究けんきゅうおか裕之ひろゆきは、メディア・リテラシーの言葉ことば概念がいねんっている学生がくせいは7わり以上いじょういるが、具体ぐたいてき情報じょうほう適切てきせつ評価ひょうか活用かつようできておらず、むしろ退化たいかしているひとえているのではとも指摘してきしている[42]

日本にっぽんのメディア・リテラシー教育きょういく実例じつれいとしては、

などがある。

情報じょうほう発信はっしんするちから」を育成いくせいする意義いぎ[編集へんしゅう]

メディア・リテラシーは、市民しみんのエンパワーメントを目的もくてきとしている。かつて、文字もじきが貴族きぞく、それもおも男性だんせいだけにみとめられた時代じだいから、教育きょういくによってすべての国民こくみんきする時代じだいになった。映像えいぞう制作せいさく放送ほうそうも、放送ほうそうきょくだけがおこなうことでなく、すべての国民こくみん自己じこ表現ひょうげん自己じこ主張しゅちょうすることを目指めざさなければないのである。リテラシーが識字しきじ、つまりきなのであるから、「き」の部分ぶぶん教育きょういく方法ほうほう開発かいはつ作品さくひん公表こうひょうするために地域ちいきとの協力きょうりょく体制たいせいづくりが必要ひつようである。福井ふくいけんでは県内けんないしょうちゅう高等こうとう学校がっこうがNHK福井放送局ふくいほうそうきょく協力きょうりょくして、児童じどう生徒せいと制作せいさくした番組ばんぐみを「発信はっしんマイスクール」という5分間ふんかんのコーナーで放送ほうそうしてきた。2000ねんから5年間ねんかんで135こう県内けんない学校がっこうの35%が番組ばんぐみ制作せいさくし、放送ほうそうした。普段ふだん子供こども姿すがたうつるため、保護ほごしゃ安心あんしんかんあたえ、学校がっこうのイメージアップにつながった。マスコミでながされる学校がっこうのイメージはわるいため、ギャップにづかされることになるのである。子供こども作品さくひん大人おとなのメディア・リテラシー教材きょうざいとなるのである。また、学校がっこうによってはケーブルテスト(Cable Test)をおこなったり、学校がっこう評価ひょうか使つかうところもあった。メディアを使つか立場たちばになれば、たんなる視聴しちょうしゃからすぐに脱却だっきゃくできることがわかる。[43]

教科書きょうかしょ変化へんか[編集へんしゅう]

2000ねんから小・中学校しょうちゅうがっこう国語こくご教科書きょうかしょに「ニュース番組ばんぐみつくろう」などの内容ないようはいった。自分じぶんたちのニュース番組ばんぐみつくるために構成こうせいひょうき、調査ちょうさくことがしめされている。ビデオカメラで撮影さつえいする姿すがたや、「校内こうない放送ほうそうしてみんなでるのもたのしいでしょう」と制作せいさく放送ほうそうすすめている。

大学だいがくにおけるメディア・リテラシー教育きょういく[編集へんしゅう]

大学だいがくでは、学生がくせい映像えいぞう制作せいさくし、地方ちほうきょく・CATVやインターネットで放送ほうそうするところがえている。茨城いばらきけんでは茨城大学いばらきだいがく筑波大学つくばだいがく東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがくがNHK水戸放送局みとほうそうきょく協力きょうりょくして「熱血ねっけつスタジアム」という15ふん番組ばんぐみつき3かい放送ほうそうした。[44]信州大学しんしゅうだいがくは、CATVに「信州大学しんしゅうだいがくチャンネル」を1チャンネルち、講演こうえんかい研究けんきゅうかい市民しみん講座こうざ放送ほうそうするだけでなく、学生がくせい制作せいさくした作品さくひん放送ほうそうしている。東京情報大学とうきょうじょうほうだいがくでは、学生がくせい毎週まいしゅう地元じもとのCATVに番組ばんぐみ供給きょうきゅうしているだけでなく、千葉ちば県内けんない高等こうとう学校がっこう放送ほうそう支援しえんして番組ばんぐみつくり、千葉ちばテレビから放送ほうそうしている。東海大学とうかいだいがく中央大学ちゅうおうだいがくしろ鷗大がく愛知淑徳大学あいちしゅくとくだいがくなども学生がくせい制作せいさくした番組ばんぐみをCATVから放送ほうそうしている。このように、大学だいがくではメディア・リテラシーを制作せいさく放送ほうそうのレベルでおこなっている。

現代げんだい動向どうこう[編集へんしゅう]

現代げんだいでは各種かくしゅメディアがおおきく発達はったつしたのにわせ、以前いぜんよりも情報じょうほう必要ひつようせい重要じゅうようせいしており、おなじく情報じょうほうのもたらす影響えいきょう以前いぜんよりはるかにおおきくなっているとえる。また、情報じょうほうをテレビのみに依存いぞんしがちになることがえているほか、インターネットの普及ふきゅうにより、未成年みせいねん段階だんかいから大量たいりょう情報じょうほうれる機会きかいおおくなっている。そのため、はや段階だんかいからのリテラシー教育きょういく必要ひつようせい指摘してきされている。

メディア・リテラシーの提案ていあんしゃ[編集へんしゅう]

学校がっこうカリキュラムにおけるメディア教育きょういくかんする資料しりょうについては、EUソクラテス・プロジェクトを参照さんしょうのこと。

要因よういんべつ情報じょうほうかたよりのれい[編集へんしゅう]

以下いかに、情報じょうほうかたよりがしょうじる要因よういんげ、それぞれについて各種かくしゅメディアにおける具体ぐたいれいげる。

物理ぶつりてき制約せいやく[編集へんしゅう]

情報じょうほうつたえようとする場合ばあい、どのような性質せいしつをもつメディアを使つかうかによってつたかた表現ひょうげん仕方しかたつたえられる情報じょうほうしょうじる。かくメディアにはそれぞれ長所ちょうしょ短所たんしょ存在そんざいする。またその情報じょうほう容量ようりょう時間じかん制限せいげん編集へんしゅう規定きていとうにより情報じょうほう取材しゅざい編集へんしゅう過程かていにも影響えいきょうあたえる。なにひとつの物事ものごともの人物じんぶつ集団しゅうだん出来事できごととう)にかんする情報じょうほうつたえるさい、その物事ものごとの「すべて」をつたえることは物理ぶつりてき不可能ふかのうであり、このてん情報じょうほうつたえる媒体ばいたいわない。このような物理ぶつりてき理由りゆうから、情報じょうほうつたえるさいには、その情報じょうほう発信はっしんする表現ひょうげんしゃ情報じょうほうつたえる個人こじんあるいは組織そしき)は情報じょうほう取捨選択しゅしゃせんたくをしなければならない。つまり情報じょうほうつたえるには、表現ひょうげんしゃかならなにかしらの編集へんしゅうおこなわざるをず、そうしてつたえられる情報じょうほうかならず「実際じっさい物事ものごと姿すがた」とはことなるものとならざるをない。

新聞しんぶん雑誌ざっしれい[編集へんしゅう]

新聞しんぶん雑誌ざっしなどでは紙面しめんりない場合ばあい見出みだしや記述きじゅつちいさくしたりげないこともある。継続けいぞくちゅう企画きかく連載れんさい紙面しめん一方いっぽう突発とっぱつてき出来事できごと重大じゅうだい事故じこ重要じゅうよう行事ぎょうじのために紙面しめんえることおおい。また、印刷いんさつ配達はいたつ時間じかんらなければならないためあらかじすうパターンの記事きじいておく。原稿げんこうちや広告こうこく都合つごう紙面しめんあなひらいたり余白よはくがでる場合ばあいくさとしての記事きじくといったこともある。

ウェブページのれい[編集へんしゅう]

インターネットうえ情報じょうほうについても掲載けいさいしゃ時間じかんてき余裕よゆうがなくなったりプロバイダに掲載けいさい料金りょうきんはらえなくなったりした場合ばあい更新こうしん停止ていしされたり規模きぼ縮小しゅくしょうされることもあり、最終さいしゅうてきにはページやサイト自体じたいえたりする。それ以外いがいのリスクとしてはクラッキングによる改変かいへん記憶きおく装置そうち劣化れっかにより情報じょうほうえる、プロバイダーによる削除さくじょやプロバイダーの閉鎖へいさもありる。またアクセス制御せいぎょをする方法ほうほうとしては、ロボットがた検索けんさくエンジン検索けんさくロボットに回収かいしゅうされたくないファイルがある場合ばあいそれを指定していする手段しゅだんとして、HTMLファイルない検索けんさく拒否きょひすることを明記めいきしたメタタグを記入きにゅうしたり、ウェブサーバの公開こうかいディレクトリさい上層じょうそうにロボットの挙動きょどう指定していするファイルを配置はいちして行動こうどう制御せいぎょするという方法ほうほうがある。しかし、検索けんさくロボットによってはこのような指定してい無視むしするものもある。らし行為こういたいしてはアクセス解析かいせきもとにした特定とくていサイトからの移動いどう履歴りれきリファラ)のある利用りようしゃ、NGワード使用しようしゃ、にたいするアクセス禁止きんし、ページの削除さくじょやサイト閉鎖へいさがある。それ以外いがい要因よういんでは、法律ほうりつ改正かいせいによる違法いほうやネットブラウザの管理かんりしゃによるフィルタリング行政ぎょうせいによるネット検閲けんえつとう情報じょうほうへの規制きせいによって接触せっしょくできる情報じょうほう構成こうせいわってくることもある。

表現ひょうげんしゃ立場たちばによる情報じょうほうかたよ[編集へんしゅう]

一般いっぱんに、おな事物じぶつかんする情報じょうほうであっても、その事物じぶつかんする見方みかた情報じょうほうごとに(程度ていどこそあれども)かたよりがしょうじている。これは、その事物じぶつかんするとらかたあるいは評価ひょうか表現ひょうげんしゃ情報じょうほう発信はっしんする個人こじんあるいは組織そしき)ごとによってことなり、このことが表現ひょうげんしゃ発信はっしんする情報じょうほうにも影響えいきょうあたえるためである。とらかたちがいを要因よういんとして重要じゅうようなもののひとつとして、表現ひょうげんしゃごとに種々しゅじゅ立場たちばちがっているてんげられる。このちがいがもたらす情報じょうほうへのかたよりの影響えいきょう程度ていどはあるが、一般いっぱんおおきなものとなりがちである。なお、このかたよりは、あくまでも情報じょうほう発信はっしんするがわ要因よういんによって発生はっせいするものであるため、情報じょうほう発信はっしんするメディア(テレビラジオ新聞しんぶん雑誌ざっし書籍しょせきインターネット口頭こうとう音楽おんがく映画えいがひとし)をわず発生はっせいする。

球団きゅうだん新聞しんぶんしゃ関係かんけいれい[編集へんしゅう]

プロ野球やきゅうリーグにおいて、A球団きゅうだんとそのライバルであるB球団きゅうだん存在そんざいしたとする。この場合ばあい、A球団きゅうだんのオーナーである企業きぎょう系列けいれつ新聞しんぶんであるCでは、自社じしゃ関係かんけいふかいA球団きゅうだん日頃ひごろから応援おうえん激励げきれいする傾向けいこうとなるが、B球団きゅうだんのオーナーである企業きぎょう系列けいれつ新聞しんぶんであるDは、自社じしゃ関係かんけいのあるB球団きゅうだん敵対てきたいするA球団きゅうだんをけなしたりこきろしたりする傾向けいこうとなる。さらに、「今日きょうのゲームは7たい5でA球団きゅうだん勝利しょうり」というひとつの情報じょうほう報道ほうどうするにしても、CではA球団きゅうだん勝利しょうり評価ひょうかする内容ないよう報道ほうどうおこない、DではA球団きゅうだん勝利しょうりくやしがる内容ないよう報道ほうどうおこな傾向けいこうにある。

各種かくしゅ著作ちょさくぶつれい[編集へんしゅう]

雑誌ざっし書籍しょせきひとし印刷物いんさつぶつインターネットサイト電子でんし掲示板けいじばん(BBS)・ブログひとしにおいても、特定とくてい人物じんぶつ企業きぎょう国家こっかやその政策せいさく方針ほうしんとう事物じぶつかんする執筆しっぴつをするさい著者ちょしゃ事物じぶつたいする感情かんじょう著者ちょしゃ事物じぶつとのあいだにある関係かんけいさらには著者ちょしゃ主義しゅぎ思想しそうひとしにより、文章ぶんしょう内容ないよう事物じぶつたいして肯定こうていてきあるいは否定ひていてきかれることがおおい。たとえば、掲示板けいじばんに、ある人物じんぶつ批判ひはんするみがあったとしても、普段ふだんからその人物じんぶつをよくおもっていないひと意見いけんや、そのひとのせいで不利益ふりえきけているひと意見いけんは、批判ひはんがわかたむきがちであり、ぎゃくに、その人物じんぶつこう印象いんしょういていたり、その存在そんざい自分じぶんにとって利益りえきになる場合ばあいには擁護ようごする意見いけんとなるのが普通ふつうである。また、書籍しょせきやブログを執筆しっぴつするさい著者ちょしゃは、自身じしん価値かちかん主義しゅぎ思想しそう人物じんぶつ政策せいさく、あるいは利害りがい関係かんけい一致いっちする人物じんぶつ自身じしんにメリットのある政策せいさくとうたいして支持しじ肯定こうていてき著述ちょじゅつおこない、反対はんたい自身じしんことなる価値かちかん主義しゅぎ思想しそう人物じんぶつ政策せいさく、または自身じしんにとって不都合ふつごう人物じんぶつ政策せいさくとうたいして反対はんたい否定ひていてき著述ちょじゅつおこないがちである。

広告こうこくとう故意こいによるれい[編集へんしゅう]

著述ちょじゅつかたよりは、表現ひょうげんしゃとらかたちがいから発生はっせいするものであるため、かり表現ひょうげんしゃ情報じょうほう中立ちゅうりつせい極力きょくりょくたもとうと意識いしきしていたとしても、無意識むいしきうち発信はっしんする情報じょうほう影響えいきょうあらわれることがすくなくない。しかしその一方いっぽうで、表現ひょうげんしゃ自身じしん立場たちば起因きいんする特定とくてい目的もくてきいちれいとして商品しょうひん販売はんばい促進そくしん特定とくてい主義しゅぎ思想しそう敷衍ふえんとう)を実現じつげんするために、故意こいかたよった見方みかた情報じょうほう発信はっしんするケースもおおい(身近みぢかなものとしては広告こうこくひとし、ケースによってはプロパガンダひとしげられる)。既存きそんメディアにくわえ、くちコミやインターネットといった個人こじん発信はっしんがたメディアも発達はったつしている現代げんだいでは、そのようなケースも日常にちじょうてきられるようになっている。

無意識むいしきうちかたよった情報じょうほうにしても、故意こいかたよらせた情報じょうほうにしても、その情報じょうほうかたよった影響えいきょうあたえやすい。それをすこしでもふせためには、メディアから発信はっしんされる情報じょうほうが、表現ひょうげんしゃ立場たちばによってちが見方みかたとなることをあらかじめ理解りかいし、情報じょうほうさいには、表現ひょうげんしゃである人物じんぶつ組織そしき立場たちばたとえば価値かちかん主義しゅぎ思想しそう信仰しんこう主張しゅちょう役職やくしょく利害りがい関係かんけいとう)を念頭ねんとういたうえ情報じょうほう必要ひつようがある。

なお、表現ひょうげんしゃ立場たちばによるかたよりについて、情報じょうほうけるがわ十分じゅうぶん注意ちゅういはらわなければならないが、さきしるしたとおり、各々おのおの表現ひょうげんしゃ自身じしん立場たちばとらかたもとづいた、自由じゆう情報じょうほう発信はっしん意見いけん交換こうかんおこなえること自体じたいのぞましいことであり、社会しゃかい健全けんぜんさをあらわひとつの指標しひょうとなる。

安保あんぽ法案ほうあんめぐ報道ほうどう[編集へんしゅう]

2015ねん国会こっかい安保あんぽ法案ほうあんをめぐって与野党よやとうはげしく対立たいりつした。また、新聞しんぶん安保あんぽ法案ほうあん賛成さんせいするものと反対はんたいするものとでおおきくかれた。

 安保あんぽ法案ほうあん支持しじする新聞しんぶんかり新聞しんぶんAとする)では社説しゃせつ北朝鮮きたちょうせんかく問題もんだい中国ちゅうごく軍事ぐんじてき脅威きょうい背景はいけい安保あんぽ法案ほうあん必要ひつようとする論調ろんちょうかえしたが、反対はんたいする新聞しんぶんかり新聞しんぶんBとする)では、平和へいわ維持いじため、または日本にっぽん戦争せんそうまれるという危惧きぐよりで安保あんぽ法案ほうあん反対はんたい主張しゅちょうしていた。社説しゃせつだけではなく一般いっぱん紙面しめん構成こうせいおおきくことなっており、新聞しんぶんAでは法案ほうあん成立せいりつよろこ国会こっかい議員ぎいん安保あんぽ反対はんたいデモ監視かんしする警察けいさつ写真しゃしんおおきくげたのにたいして、新聞しんぶんBでは安保あんぽ反対はんたいのデモに参加さんかする人々ひとびと写真しゃしんおおきくげたり。法案ほうあん反対はんたいする識者しきしゃ意見いけんおおせたりしていた。

 このように1つの出来事できごとたいして新聞しんぶんおおきく意見いけんことなることからNIE教育きょういく新聞しんぶんを)では複数ふくすう新聞しんぶんむことを推奨すいしょうしている[45] 。

情報じょうほう操作そうさ[編集へんしゅう]

表現ひょうげんしゃ編集へんしゅう次第しだいでは、情報じょうほう意図いとてき改変かいへん誇張こちょうして発信はっしんする(情報じょうほう操作そうさ)ことにより受信じゅしんしゃ(ききて読者どくしゃ視聴しちょうしゃ世論せろんとう)のかんがえを一定いってい方向ほうこう誘導ゆうどうすることができる。

表現ひょうげん手法しゅほうによる情報じょうほう印象いんしょう操作そうさ可能かのうせい[編集へんしゅう]

たとえばテレビニュースいちコマにおいて、その構成こうせい編集へんしゅうによって、事実じじつからおおきくかけはなれた印象いんしょうける可能かのうせいがある。

  • まず、「なにるか」に取捨選択しゅしゃせんたくはたらいている
  • その場面ばめん肯定こうていてきつたえるか、否定ひていてきつたえるかは、編集へんしゅう次第しだいである。
  • あかるいBGMをながし、キャスターナレーターコメンテーター肯定こうていてきなコメントをすれば支持しじ宣伝せんでんに、ぎゃく不安ふあんてるようなBGMをながし、批判ひはんてきなコメントをつければ告発こくはつ[よう曖昧あいまい回避かいひ]
  • 印象いんしょう操作そうさため表現ひょうげん方法ほうほう非常ひじょう多種たしゅ多様たようであるが、テレビ・ニュースを視聴しちょうするさいは、キャスターやナレーターの言葉ことばはもちろんのこと同時どうじながされる映像えいぞう効果こうかおんとうたいしても注意ちゅういして視聴しちょうするのがのぞましい。なお、新聞しんぶん雑誌ざっしでもおなじく情報じょうほう印象いんしょう操作そうさがある(新聞しんぶんであれば、記事きじ見出みだしや内容ないよう社説しゃせつコラム[よう曖昧あいまい回避かいひ]なかのコメントを工夫くふうする。また、おな出来事できごと報道ほうどうでも、Aではいちめんおおきな見出みだしをててほうじているにもかかわらず、Bでは三面さんめんすみのほうにちいさなスペースでほうじている場合ばあいすくなくない)。
  • ステルスマーケティング

かたられない情報じょうほう」の存在そんざい[編集へんしゅう]

テレビや新聞しんぶんのニュースでれられない情報じょうほう存在そんざいつね念頭ねんとうにおいておく必要ひつようがある。とくに、広告こうこくぬし(スポンサー)から広告こうこく収入しゅうにゅうているマスメディアでは、自身じしん広告こうこくぬし批判ひはんすることは、きわめてむずかしい。これは、かり広告こうこくぬしたいして批判ひはんてき報道ほうどうおこなえば、その広告こうこくぬし降板こうばんしてしまい広告こうこく収入しゅうにゅうってしまう、あるいは広告こうこくぬしからなにかしらの圧力あつりょくけるといった事態じたいまねこと必至ひっしだからであり、基本きほんてき営利えいり追求ついきゅう目的もくてきとするマスメディア企業きぎょうとしては、そのような事態じたいまねきたくないためである。そのため、自身じしん広告こうこくぬしへの批判ひはん自主じしゅ規制きせいしてしまうことがおおい。

米国べいこくでも意図いとてき政権せいけん批判ひはんけることがある。2006ねん4がつ29にちホワイトハウス記者きしゃクラブにてブッシュ大統領だいとうりょうをねぎらう晩餐ばんさんかいこれをおこなったと事実じじつ日本にっぽん報道ほうどうされている[よう出典しゅってん])において、スティーヴン・コルベアというコメディアンがブッシュ大統領だいとうりょう目前もくぜん徹底的てっていてきにほめころし、正面しょうめんって政策せいさく、そして当時とうじ政府せいふ広報こうほう機関きかんしていたかくマスメディアの批判ひはんをしたことはほとんどのメディアがほうじなかった。ほうじたのはCNN一部いちぶのみ)とC-SPANだけである。その事実じじつ隠蔽いんぺいたいしてインターネットさわぎになり、ワシントンポストかみ釈明しゃくめいするという事態じたいになった。せっするメディアのかずによって事実じじつわってくるひとつのれいである。

またマスメディアが自分じぶんたちの企業きぎょう自身じしん不祥事ふしょうじ問題もんだいについて報道ほうどうすることはゼロにひとしい。ぎゃくに、自社じしゃのライバルとなる企業きぎょう不祥事ふしょうじたいしてはおにくびったような執拗しつよう報道ほうどうをするメディア企業きぎょうもある[よう出典しゅってん]

このあたりの背景はいけいは、マスメディアが報道ほうどう自体じたいひかえてしまうため、そのマスメディアしか利用りようしていないひと場合ばあい気付きづことむずかしいというめんがある。しかし、それでも、複数ふくすうのメディアを利用りようする(たとえばいちきょくだけでなくほかきょくのテレビ・ニュースもる、新聞しんぶんしゃ新聞しんぶんむ、書籍しょせきやインターネットじょう情報じょうほう参照さんしょうする、ひとしことによりある程度ていど理解りかいすること可能かのうであるが、その捏造ねつぞう意図いとてき隠蔽いんぺいなどを指摘してきするメディアを無条件むじょうけん信用しんようしてしまうこともまた、だい規模きぼなマスメディアをうたがわないのとどう程度ていど危険きけんであることを意識いしきしておく必要ひつようがある。またぎゃくえば、マスメディアの情報じょうほうすべうたがってかかり、うそであるとしんむのも、おなじく危険きけんえる。こった事実じじつひとつしかないし変化へんかのさせようがないが、どういうかたちでどのくらいつたえるか、だれり、だれつたえ、だれつたわるかによって、事実じじつ全体ぜんたい真実しんじつわってくる、ということである。

肝要かんようなのはある事象じしょうについてなるべくおおくのメディアから情報じょうほう入手にゅうしゅし、メディアを保有ほゆうする媒体ばいたいしゃ営利えいり目的もくてきとする企業きぎょうであり(これはNHKなどの公共こうきょう媒体ばいたい団体だんたいおおきな変化へんかはなく、団体だんたい解散かいさんすれば失業しつぎょうしゃる)利害りがい存在そんざいし、なおかつ媒体ばいたい行政ぎょうせい機関きかん、またはメディアにかかわってくる各種かくしゅ団体だんたいなどの組織そしきかかわる人々ひとびとには個々ここ思想しそうがあり、個々人ここじんごとの社会しゃかい人間にんげんとの様々さまざまなつながりがあること前提ぜんていにし、自分じぶん自身じしんとき自己じこ批判ひはんをし、とき受諾じゅだくしながらその都度つどかんがえていくことである。リテラシーの根本こんぽんは、情報じょうほうあたえられるそのたびみずかかんがえることである。

ただし、さきにもったように「事実じじつひとつしかないが、真実しんじつひとかずだけある」ということをっておくべきである。いかに客観きゃっかんてきであろうとしても、自分じぶんなかつくげられた事実じじつのイメージ(または真実しんじつ解釈かいしゃくしているもの)はその時点じてんすでかたよっているのである。客観きゃっかんとは「どの程度ていど主観しゅかんから距離きょりけるか」という問題もんだいであり、せいまっとうするために判断はんだん行動こうどうするという生物せいぶつ根源こんげんてきうごきがあるかぎり、本当ほんとう意味いみ客観きゃっかんてき立場たちばをとることは永遠えいえん不可能ふかのうなのである。

また、広告こうこくぬしはじめ、自分じぶん利用りようしているマスメディアとなにかしらのつながりがある存在そんざい人物じんぶつ企業きぎょう団体だんたい政党せいとう国家こっかとう)をあらかじめっておく、といったことやくつ。

多少たしょう特殊とくしゅ事例じれいとして、太平洋戦争たいへいようせんそうちゅう日本にっぽんでは天気てんき予報よほう規制きせいされたことがあった。これはスパイなどに予報よほう入手にゅうしゅされ空襲くうしゅうとう利用りようできる情報じょうほうとして応用おうようされるなどの懸念けねんからである。上記じょうきれいわせれば、これは日本にっぽんという国家こっか当時とうじ敵対てきたいしていたソ連それん、イギリス、アメリカなどの諜報ちょうほういん警戒けいかいした規制きせいであるといえる。

企業きぎょう個人こじん不祥事ふしょうじめぐ報道ほうどう[編集へんしゅう]

2013ねん〜2014ねんはホテルや百貨店ひゃっかてんでの食品しょくひん偽装ぎそう問題もんだい食品しょくひんへの異物いぶつ混入こんにゅうJR北海道ほっかいどう続発ぞくはつしたトラブルとう企業きぎょう不祥事ふしょうじ相次あいついだ。食品しょくひん鉄道てつどう生活せいかつ身近みぢか存在そんざいであるためか、このような関心かんしんさそ問題もんだいをセンセーショナルにげるとさらにその問題もんだいをエスカレートするかたちげる傾向けいこうにある。このような報道ほうどう関心かんしんたかまるためメディア企業きぎょう収益しゅうえきがるが、このようにぎた報道ほうどう興味きょうみ本位ほんいになる傾向けいこうにあり、結果けっかとしていけちたいぬたたくような報道ほうどうとなる。このようないじめまがいの報道ほうどう疑問ぎもんていするひともいるが、メディアは公平こうへいさよりも面白おもしろければよいとかんがかたで、その体質たいしつえるのは困難こんなんとされる[46]

また2016ねん6がつには舛添ますぞえ要一よういち東京とうきょう都知事とちじ政治せいじ資金しきん不正ふせい疑惑ぎわく辞任じにんしたが、辞任じにんいたるまでの報道ほうどう異常いじょうであった。政治せいじ問題もんだいほとんげないワイドショーまでが一様いちようげ、その報道ほうどう姿勢しせいたいして「スッキリ!!」に出演しゅつえんしていた評論ひょうろんが「いじめ」と批判ひはんしたほどである[47]

その対策たいさくとしてがメディアのヒステリックな報道ほうどうまわされることなくいろいろな角度かくどから物事ものごと冷静れいせい物事ものごとかんがえることのぞまれる。たとえばJR北海道ほっかいどう不祥事ふしょうじについては大手おおて新聞しんぶん・テレビがJR北海道ほっかいどう企業きぎょう体質たいしつ問題もんだいにしたり精神せいしんろんりかざして一方いっぽうてきなバッシングをおこなっていたのにたいし、鉄道てつどう雑誌ざっしの「鉄道てつどうジャーナル」ではJR北海道ほっかいどうきびしい経営けいえい環境かんきょうれ、そこにしょうじる矛盾むじゅんてん精神せいしんろんだけではトラブルはらないなどとべつ見方みかたからトラブルろんじていた[48]

また、企業きぎょう個人こじんがマスメディア企業きぎょうあたえる影響えいきょう大小だいしょうによって[49]、あるいは大衆たいしゅう感情かんじょうおもいかり)によっても不祥事ふしょうじ事件じけんかた大小だいしょうができることも留意りゅういすべきである。

報道ほうどう背景はいけい[編集へんしゅう]

 2016ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょう選挙せんきょさいマ法王まほうおうドナルド・トランプ候補こうほ支持しじしたというフェイクニュースがながれ、それが大統領だいとうりょう選挙せんきょ結果けっか左右さゆうすることになった[50]。しかし、選挙せんきょまえにトランプはメキシコ国境こっきょうかべつくると発言はつげんしたのにたいして、マ法王まほうおうはその発言はつげん批判ひはんしていたように両者りょうしゃ対立たいりつしていた[51]様々さまざまなニュースにせっしていればこのようなうそ見破みやぶられるが、その背景はいけいらなければそれがうそだとしても鵜呑うのみにする結果けっかとなる[52]

 また2017ねん4~5がつにかけて朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく北朝鮮きたちょうせん)がミサイルをつづけに発射はっしゃした。4月29にち発射はっしゃさい日本にっぽんのマスコミは号外ごうがいしたり[53]東京とうきょうメトロ路線ろせん一時いちじストップしたことをげたり、テレビ番組ばんぐみいたっては翌々日よくよくじつワイドショー大々的だいだいてき北朝鮮きたちょうせん脅威きょういあおったりしたが[54]、そのとき首相しゅしょうである安倍晋三あべしんぞう外遊がいゆうちゅうとく緊急きんきゅう帰国きこくすることもなかった。もし本当ほんとう緊急きんきゅう事態じたいなら首相しゅしょう緊急きんきゅう帰国きこくするはずである[ちゅう 21]。このような背景はいけいればたと一部いちぶのマスコミが危機ききあおっても、緊急きんきゅう事態じたいかを冷静れいせい判断はんだんすることができるので、マスコミの情報じょうほう鵜呑うのみにしないことがのぞまれる[55]

その要因よういんによるもの[編集へんしゅう]

ひとひとつの情報じょうほうただしくても、それらが集合しゅうごうすることによってことなった意味いみつことがある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ えい: Center for Media Literacy
  2. ^ えい: media and information literacy
  3. ^ えい: popular culture
  4. ^ えい: media pedagogy
  5. ^ えい: critical autonomy
  6. ^ えい: Barry Duncan
  7. ^ えい: Media Literacy Resource Guide、1989ねん
  8. ^ えい: John Pungente
  9. ^ えい: Marilyn Cohen
  10. ^ えい: David Considine
  11. ^ えい: Renee Hobbs
  12. ^ えい: Douglas Kellner
  13. ^ えい: Robert Kubey
  14. ^ えい: Kathryn Moody
  15. ^ えい: Jim Potter
  16. ^ えい: Renee Cherow-O’Leary
  17. ^ えい: Marieli Rowe
  18. ^ えい: Elizabeth Thoman
  19. ^ えい: Kathleen Tyner
  20. ^ えい: Jeff Share
  21. ^ 緊急きんきゅう対応たいおうしなかったとして非難ひなんびたれいでは、2001ねん2がつアメリカぐん潜水せんすいかん水産すいさん高校こうこう練習れんしゅうせんえひめまる衝突しょうとつした事故じこさい事故じこ一報いっぽうけてもゴルフをつづけていた当時とうじ首相しゅしょうもり喜朗よしろう代表だいひょうれい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • 『メディア・リテラシー』菅谷すがや明子あきこ岩波いわなみ新書しんしょ、2000ねん
  • 新版しんぱんStudy Guideメディア・リテラシー【入門にゅうもんへん】』鈴木すずきみどりへん、リベルタ出版しゅっぱん、2004ねん [1]
  • どもの発達はったつとテレビ』村野むらのひとし、ひとなる書房しょぼう、2002ねん

関連かんれんしょ[編集へんしゅう]

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  • 『メディア・リテラシーをまなひとのために』鈴木すずきみどりへん世界せかい思想しそうしゃ、1997ねん [2]
  • 『メディア・リテラシーの現在げんざい未来みらい鈴木すずきみどりへん世界せかい思想しそうしゃ、2001ねん [3]
  • 『メディア・リテラシーの方法ほうほう』A・シルバーブラット安田やすだしょう監訳かんやく)リベルタ出版しゅっぱん、2001ねん [4]
  • どもの発達はったつとテレビ』村野むらのひとし、かもがわ出版しゅっぱん、2002ねん [5]
  • どもはテレビをどうるか テレビ理解りかい心理しんりがく村野むらのひとし、勁草書房しょぼう、2016ねん [6]
  • 『Study Guideメディア・リテラシー【ジェンダーへん】』鈴木すずきみどりへん、リベルタ出版しゅっぱん、2003ねん [7]
  • 『ポピュラー文化ぶんかろんまなひとのために』D・ストリナチ(渡辺わたなべじゅん+伊藤いとうあきらおのれやく世界せかい思想しそうしゃ、2003ねん [8]
  • 『なぜメディア研究けんきゅうか−経験けいけん・テクスト・他者たしゃ』R・シルバーストーン(吉見よしみ俊哉としや+伊藤いとうまもる+土橋どばししんわれやく)せりか書房しょぼう、2003ねん [9]
  • 『メディアとのつきあいかた学習がくしゅう堀田ほった龍也たつやしる、ジャストシステム、2004ねん [10]
  • 情報じょうほう books plus! メディアリテラシー 情報じょうほうき、発信はっしんする』実教出版じつきょうしゅっぱん、2004ねん ISBN 978-4-407-30625-5
  • 新版しんぱんメディア・コミュニケーションろん竹内たけうち郁郎いくおへんきたじゅ出版しゅっぱん、2005ねん
  • 世界せかいしんじるためのメソッド ぼくらの時代じだいのメディア・リテラシー』 もり達也たつやちょ 理論りろんしゃ、2006ねん
  • 『オトナのメディア・リテラシー』渡辺わたなべ真由子まゆこしる、リベルタ出版しゅっぱん、2007ねん (ISBN 9784903724072)
  • 『メディア・リテラシーはどもをばす』清水しみず克彦かつひこきし祐二ゆうじちょ東洋館とうようかん出版しゅっぱんしゃ、2008ねん
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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]