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インダストリアル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

インダストリアル(Industrial、デザイン用語ようごピアス方式ほうしきなどと区別くべつするためインダストリアル・ミュージック Industrial Music とする場合ばあいおおい。)は、電子でんし音楽おんがく一種いっしゅである。1970年代ねんだい後半こうはんノイズミュージックから派生はせいして誕生たんじょうした。

概要がいよう

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インダストリアル・ミュージックは、幅広はばひろいジャンルの音楽おんがくから影響えいきょうけている。オックスフォード英語えいご辞典じてんによると、このジャンルは1942ねんアメリカ音楽おんがく雑誌ざっし The Musical Quarterly がドミートリイ・ショスタコーヴィチ1927ねん交響こうきょうきょくだい2ばん長調ちょうちょうじゅうがつ革命かくめいささげる』[1]を「産業さんぎょう音楽おんがく高潮こうちょう("the high tide of 'industrial music'.")」とんだときに最初さいしょ命名めいめいされた。また、ファーディ・グローフェとく1935ねんの「鋼鉄こうてつ交響曲こうきょうきょく」)は「インダストリアルミュージック」の一部いちぶとして、4そくくつ、2ほんほうき機関きかんしゃかね、ドリル、コンプレッサーなどの「楽器がっき」をもちいた。これらの作品さくひんはジャンルを定義ていぎするじょう直接ちょくせつむすびついていないが、機械きかい騒音そうおん工場こうじょう雰囲気ふんいき模倣もほうするように設計せっけいされた音楽おんがく初期しょき形態けいたいである。

アレクセイ・モンロー(Alexei Monroe)は、著書ちょしょ「Introrogation Machine:Laibach and NSK」で、クラフトワーク[注釈ちゅうしゃく 1]とくにインダストリアルミュージックの発展はってんにおいて重要じゅうようであり、「インダストリアルサウンドの表現ひょうげんをアカデミックではない電子でんし音楽おんがくれた最初さいしょ成功せいこうしたアーティスト」であると主張しゅちょうしている。クラフトワークは当初とうしょ機械きかいしきおよび電気でんきしき機械きかい使用しようし、のち技術ぎじゅつ発展はってんするにつれて、高度こうどなシンセサイザー、サンプラー、電子でんしパーカッションを使用しようした。モンローはまた、産業さんぎょう音楽家おんがくか影響えいきょうりょくのあるどう世代せだいのアーティスとしてスーサイド(Suicide)をげている。オール・ミュージックは、インダストリアルがロックとエレクトロの混合こんごうであり、前衛ぜんえい音楽おんがくやホワイト・ノイズ、パンク・ロックの影響えいきょうけていると分析ぶんせきしている.[2]

インダストリアルミュージックの創設そうせつしゃがインスピレーションをけたグループには、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド[注釈ちゅうしゃく 2]キリング・ジョークジョイ・ディヴィジョンマーティン・デニーなどがいる。スロッビング・グリッスルジェネシス・P・オリッジのカセットライブラリーにはジャジューカブライアン・ジョーンズ[注釈ちゅうしゃく 3]録音ろくおんられるモロッコ宗教しゅうきょう音楽おんがく集団しゅうだん)、クラフトワーク、チャールズ・マンソン[注釈ちゅうしゃく 4]ウィリアム・S・バロウズらの楽曲がっきょく列挙れっきょされていた。 オリッジは、1979ねんのインタビューで、ドアーズ[注釈ちゅうしゃく 5]パールズ・ビフォア・スワインファグスキャプテン・ビーフハートフランク・ザッパ[注釈ちゅうしゃく 6]などの1960年代ねんだいのロックも評価ひょうかしている。

歴史れきし

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1977ねんスロッビング・グリッスル発表はっぴょうした1stアルバム『The Second Annual Report』のジャケットに、“INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE”というコピーがかかげられている。これは「工業こうぎょう生産せいさんされる大衆たいしゅう音楽おんがく」へのアンチテーゼ(皮肉ひにく)としてかれたもので、これがインダストリアルというジャンルの出発しゅっぱつてんとされている[注釈ちゅうしゃく 7][3]

1970年代ねんだいにイギリスでまれた初期しょきインダストリアルのスロッビング・グリッスルやキャバレー・ヴォルテールらは、どう時代じだいパンク・ロック同様どうように、従来じゅうらいロック反発はんぱつしただけでなく、ぼつ個性こせいてきかつ俗物ぞくぶつ主義しゅぎあく趣味しゅみ表現ひょうげんした[4]パフォーマンスアート要素ようそつよっていた。1980年代ねんだいには米国べいこくミニストリーらによるインダストリアルがまれた。ミニストリーのアルバムTwitch収録しゅうろくされたIsle Of Man (Version II)は、オリジナルのインダストリアルのテイストをよくつたえるものである。

ほかに、先駆せんくてきにメタルパーカッションによるパフォーマンスをおこなっていたゼヴ、メタルパーカッションにくわ廃材はいざいやドリル、チェーンソーを多用たようしたアインシュテュルツェンデ・ノイバウテン政治せいじ活動かつどう音楽おんがくむすけたTest Dept攻撃こうげきてき高周波こうしゅうはすうおともちいたSPKのちパワーエレクトロニクスというノイズのジャンルの一翼いちよくになうことになるホワイトハウス工場こうじょう機械きかいおんさい構成こうせいしたヴィヴェンザ(Vivenza)、極度きょくどゆがめた電子でんしおん駆使くししたマウリツィオ・ビアンキ(Maurizio Bianchi、M.B.)、ゆがめた電子でんしおんくわ金属きんぞく打撃だげきおんもちいたエスプレンドー・ジオメトリコ様々さまざまおとのサンプリングやコラージュを駆使くししたナース・ウィズ・ウーンドなどがいる。

これらはおも1980年代ねんだい結成けっせいされ活動かつどうしたバンド/ミュージシャンであるが、1990年代ねんだいはいるまでにはそのほとんどが活動かつどう停止ていししたり、方針ほうしん転換てんかん余儀よぎなくされ、ホワイトハウスも2000年代ねんだいまでに活動かつどう停止ていしした。ゼヴはスタイルをほとんどえることなく2017ねん死去しきょするまで活動かつどうつづけてきたが、かれ場合ばあいかれ本来ほんらい表現ひょうげんこうけというかたちでインダストリアルというジャンルを名付なづけられたため、ジャンルの趨勢すうせい影響えいきょうされずに活動かつどうできている稀有けうれいである。

以上いじょうげたとおり、初期しょき段階だんかいでインダストリアルは非常ひじょう多彩たさい方向ほうこうせい内包ないほうしていたジャンルである。ゆえに「どれが本当ほんとうのインダストリアルの本流ほんりゅうなのか」という疑問ぎもん度々たびたびリスナーのあいだわされるが、たとえばスロッビング・グリッスル[注釈ちゅうしゃく 8]れいにとってもノイズもあれば具体ぐたいおんもあり、ロックノーウェーブ)をやっているきょくもあれば電子でんし音楽おんがくもあるといった具合ぐあいなので、定義ていぎ非常ひじょうむずかしい。結局けっきょくのところ、ミュージシャンやバンドごと、作品さくひんごとの方向ほうこうせい思想しそうをもってして、インダストリアルであるかどうかを判断はんだんするしかない。[注釈ちゅうしゃく 9]

アメリカの「インダストリアル・ロック」

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アメリカで流行りゅうこうしたインダストリアルは、ミニストリーキリング・ジョークからけた影響えいきょうを、さらにメタルよりに解釈かいしゃくしたアルバム『The Land Of Rape And Honey』のころに形成けいせいされた。このアルバムは、サンプリングやドラムのみを中心ちゅうしんとした楽曲がっきょくに、ヘヴィメタルのギターリフをれたヘヴィメタルあるいはスラッシュメタルといえる[注釈ちゅうしゃく 10]

このスタイルはナイン・インチ・ネイルズフィア・ファクトリーのような後続こうぞくのバンドを多数たすうんだ。これらのアメリカがたともえるインダストリアルは、ロックやヘヴィメタルの要素ようそ大幅おおはば大衆たいしゅうけに変化へんかしたものである。[注釈ちゅうしゃく 11]とくフィア・ファクトリーサンプリングシンセサイザー使つかいインダストリアルてきなサウンドを特徴とくちょうとするが、基本きほんてき音楽おんがくせいはヘヴィメタルである[注釈ちゅうしゃく 12]

アメリカがたのインダストリアルを「インダストリアル・ロック」または「インダストリアル・メタル」とび、従来じゅうらいのインダストリアルと区別くべつすることがある。ただしとう記事きじでは「アメリカがた」としているものの、インダストリアル・ロック(メタル)のみが存在そんざいしていたというわけでもなく、アンダーグラウンドではダニエル・メンチェ(Daniel Menche)など、ノイズや電子でんし音楽おんがくなど初期しょきインダストリアルの特徴とくちょう色濃いろこぐアーティストが数多かずおお存在そんざいしている。

なお、代表だいひょうかくであったミニストリーナイン・インチ・ネイルズがデジタルサウンド重視じゅうし音楽おんがくせいから距離きょりはじめたことに象徴しょうちょうされるように、バンドの音楽おんがくせい変化へんかや、バンドそのものの解散かいさん相次あいついだため、「アメリカがた典型てんけいてきなインダストリアル(ロック/メタル)」のながれは1990年代ねんだい後半こうはんまでにいち衰退すいたいしている。しかし1990年代ねんだい後半こうはんになるともとホワイト・ゾンビのボーカリスト、ロブ・ゾンビは自身じしんのバンド、ロブ・ゾンビ人気にんき獲得かくとくし、おなじくマリリン・マンソンもインダストリアルてきなアプローチをまじえつつ、より普遍ふへんてきなロックとして一般いっぱん大衆たいしゅうれられている。

また1990年代ねんだい中期ちゅうき2000年代ねんだい初頭しょとうには欧米おうべいではニュー・メタル・ムーブメントがおこり、スリップノットリンキンパークはじめとするおおくのしん世代せだいのバンドがあらわれた。これらのバンドはインダストリアルとばれることはないが、なま演奏えんそう中心ちゅうしん楽曲がっきょくにサンプリングとう使つかい、アメリカがたインダストリアルの要素ようそをより大衆たいしゅう身近みぢかものとしていった。この2バンド以外いがいにもミニストリー、あるいはフィア・ファクトリーといったインダストリアル・ロック影響えいきょう多分たぶんかんじさせるバンドがおおあらわれた[注釈ちゅうしゃく 13]

ヨーロッパ

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ヨーロッパにおけるインダストリアルは、後続こうぞくのミュージシャンによってノイズミュージックのいちジャンルとして醸成じょうせいされた結果けっか、アンダーグラウンドでのうごきにとどまっているが、スロッビング・グリッスルからの系統けいとう音楽おんがくせいたもっている。ただし、これらにたいしても「インダストリアル・ノイズ」と定義ていぎ区別くべつするリスナーもいる。とく有名ゆうめいだったのはドイツのアインシュテュルツェンデ・ノイバウテン[注釈ちゅうしゃく 14]である。インダストリアル・ノイズとして分類ぶんるいされるグループとしては、ジェノサイド・オーガン(Genocide Organ)やその派生はせいグループであるアネンゼファリア(Anenzepalia)、レ・ジョヤ・デ・ラ・プリンセス(Les Joyaux De La Princesse)などが代表だいひょうかくとしてげられる。

スロッビング・グリッスルがゆうしていた電子でんし音楽おんがくとしてのいちめんにクローズアップし、エレクトロニック・ボディ・ミュージックなどエレクトロニックミュージックやダンスミュージックとの融合ゆうごうはかったミュージシャンも数多あまたくいる。そのため1990年代ねんだい以降いこうのヨーロッパにおける「インダストリアル」の定義ていぎは「ノイズやサンプリングをおおれたエレクトロ/ダンスミュージック」[注釈ちゅうしゃく 15]とされているとっても過言かごんではなかったが、日本にっぽんのみならず欧米おうべいでも「アメリカがたインダストリアル」であるナイン・インチ・ネイルズなどの成功せいこうにより混乱こんらんをきたしている部分ぶぶんもある。スキニー・パピーフロント・ライン・アッセンブリー、1990年代ねんだい以降いこうのエスプレンドー・ジオメトリコの作品さくひんコンヴァーター(Converter)などに代表だいひょうされるアント・ゼン(Ant-Zen)レーベルのグループも代表だいひょうてきなものとしてげられる。

レイモンド・ワッツKMFDMクロウフィンガーのようにヨーロッパ出身しゅっしんしゃでありながらアメリカがたのインダストリアルの方向ほうこうせいをもったアーティストもおお存在そんざいし、ディ・クルップスはアメリカ進出しんしゅつさかいにヨーロッパがたインダストリアルからインダストリアル・ロックへと作風さくふう変化へんかさせた。キリング・ジョークもアルバム『パンデモニウム』(Pandemonium)でアメリカがたのインダストリアルを独自どくじ解釈かいしゃくした楽曲がっきょく発表はっぴょうしている。

東欧とうおうもと共産きょうさんけんにおいては、もともと電子でんし音楽おんがくさかんだったこともあり、スロッビング・グリッスルの影響えいきょうけないかたちでのインダストリアル・ミュージックを展開てんかいしたミュージシャンも数多かずおお存在そんざいした。ユーゴスラビアにおいてはスロベニアライバッハボルゲシア(Borghesia)、セルビアのP.P.Nikt、クロアチアサト・ストイツィズモなど、西側にしがわ諸国しょこくのインダストリアルとはまたちがった特徴とくちょうをもったグループや個人こじん作品さくひんのこしている。

日本にっぽん

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1980年代ねんだいからインダストリアルてきなアプローチをこころみるミュージシャンがあらわれ、1990年代ねんだいになると「ジャパノイズ」として海外かいがいのノイズ・インダストリアルシーンで認知にんちされるようになった。[注釈ちゅうしゃく 16]

メルツバウなどの名義めいぎ活動かつどうする秋田あきた昌美まさみ作品さくひんは、圧倒的あっとうてきだい音量おんりょうからノイズミュージックの象徴しょうちょうとされることもおおいが、音楽おんがくせいそのものはインダストリアルを指向しこうしたものという見方みかた一部いちぶにある。秋田あきたはスロッビング・グリッスルのジェネシス・P・オリッジとの合作がっさくがけており、そのさいには「スロッビング・グリッスルの音響おんきょう効果こうか再現さいげんした」とべている。ノイズ・ミュージックには高柳たかやなぎ昌行まさゆき[注釈ちゅうしゃく 17]灰野はいの敬二けいじ大友おおとも良英よしひで[注釈ちゅうしゃく 18]らもんた。

日本にっぽんはつのインダストリアルバンドとげられることもあるバンド、Zeitlich Vergelter所属しょぞくしていた石川いしかわただしは、映画えいが鉄男てつお」シリーズのサントラやみずからのバンドDer Eisenrostでメタル・パーカッションを駆使くしした作品さくひん発表はっぴょうし、海外かいがいにも進出しんしゅつした。このDer Eisenrostメンバーが合流ごうりゅうまえ活動かつどうしていせき伸一しんいち矢吹やぶきJOEがはじめたCHC Systemというユニットは、当時とうじではめずらしくエレクトリック・ボディミュージックを志向しこう、インダストリアル系統けいとうのミュージシャンらと競演きょうえん活動かつどうしていた。

もとSOFT BALLETげん睡蓮すいれんminus(-)藤井ふじいあさてるは、日本語にほんごばんSPK限定げんていボックスの解説かいせつ執筆しっぴつするほどインダストリアルに傾倒けいとうしており、SOFT BALLET名義めいぎ楽曲がっきょくだけにまらず、BUCK-TICK今井いまい寿ひさしんだユニットSCHAFTでインダストリアルを独自どくじ解釈かいしゃくしたおと世界せかい展開てんかいした。ただし、藤井ふじいについては、日本にっぽんのロックシーンにインダストリアルというながれをんだ人間にんげん一人ひとりとして評価ひょうかする一方いっぽう、(とくにSOFT BALLET時代じだいの)楽曲がっきょく自体じたいはインダストリアルおよびノイズミュージックのしょ作品さくひんからの露骨ろこつ引用いんよう目立めだつと批判ひはんするリスナーもおおかった[注釈ちゅうしゃく 19]。しかし、現在げんざいメジャーシーンでインダストリアルてき楽曲がっきょく発表はっぴょうしているのは今井いまい寿ひさし上田うえだ剛士たけしAA=)、yukihiroAcid android活動かつどうで)など、[注釈ちゅうしゃく 20]藤井ふじい関係かんけいのある面々めんめんおおいのも事実じじつであり、日本にっぽんのインダストリアル・ミュージックシーンをかたる(すくなくともメジャーのレベルで)とすれば軽視けいしできない存在そんざいとなっている。

なお日本にっぽんの(おもにインディレーベルなどで作品さくひん発表はっぴょうするアーティスト)については、ノイズ(ジャパノイズ)との区別くべつがつかないグループや個人こじんおおいが、Contagious OrgasmやDissecting Tableなどは日本にっぽんはつのインダストリアルとして認知にんちされている。メディアめんでも2000ねん解散かいさんしたインディペンデント出版しゅっぱんしゃペヨトル工房こうぼうサブカルチャー雑誌ざっしぎんぼし倶楽部くらぶ』で特集とくしゅうまれたりするなど、インダストリアルは日本にっぽんでもあらゆるめん根強ねづよしたしまれていたジャンルである。

近年きんねんでは(ノイズ/ジャパノイズではなく)インダストリアルというジャンルそのものとしては前述ぜんじゅつとお多様たようしたこと、欧米おうべいなどと同様どうようにナイン・インチ・ネイルズの二番煎にばんせんじのような楽曲がっきょくちゃにごすバンドが90年代ねんだい見受みうけられたこと、またSCHAFT、そしてそこから発展はってんしたBUCK-TICKの櫻井さくらい敦司あつし今井いまい寿ひさし主体しゅたいSCHWEIN以降いこうこれといったビッグプロジェクトがてこなかったこと、そしてエレクトロニカ影響えいきょうけたバンドやミュージシャンがメインシーンに多数たすうてきたことから、日本にっぽんにおけるインダストリアルはAA=など単発たんぱつてきてきてはいるものの、メジャーシーンでは(主導しゅどうてき役割やくわりになっていた藤井ふじいあさてる音楽おんがく活動かつどう休止きゅうしあいまって)2000年代ねんだい後半こうはんさかいにほぼ沈静ちんせいしたが、SCHAFTが2016ねん新作しんさく発表はっぴょうし、BUCK-TICKの音楽おんがくせいにもインダストリアルてき要素ようそ見受みうけられ、インディシーンでも和製わせいインダストリアルの影響えいきょうけたバンド(SOUND WITCH)やハードコアテクノDJ Shoko Rasputinなどが登場とうじょうした。

インダストリアルの影響えいきょう

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アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのトレードマークは、アメリカのオルタナティブ・ミュージックさかい重鎮じゅうちんであるもとブラック・フラッグロリンズ・バンドヘンリー・ロリンズうでずみ採用さいようされた。さらに、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンジョン・スペンサー所属しょぞくしていたジャンク・バンドプッシー・ガロアのシンボルマークに、ローリング・ストーンズくちびるマークとともに(コラージュというかたちで)使つかわれた。

音楽おんがくめんでは、デペッシュ・モードのようにインダストリアルの音源おんげんをサンプリングしてもちいたバンドや、パンソニックDJ Hellウーメック(Umek)のようにインダストリアルを音楽おんがくてきルーツのひとつとするテクノノイズアーティストやDJもおおく、現代げんだいのポピュラー音楽おんがく無視むしできない動向どうこうのひとつといえる。

参考さんこう文献ぶんけん

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持田もちだたもつ『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!』DU BOOKS、2013ねん10がつISBN 978-4-925064-58-3 

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 「ヨーロッパ特急とっきゅう」「ロボッツ」などのテクノきょく発表はっぴょうし、日本にっぽんのテクノ・ポップ誕生たんじょうおおきな影響えいきょうあたえた
  2. ^ ルー・リード、ジョン・ケイルらが在籍ざいせきしたグループ。ニコも参加さんかした。「サンデイ・モーニング」などの代表だいひょうきょくがある。
  3. ^ ローリング・ストーンズのメンバーだったが、27さいはや逝した。
  4. ^ シャロン・テート殺人さつじん事件じけんこしたカルト集団しゅうだんのリーダー
  5. ^ 「ハートにをつけて」「タッチ・ミー」などヒットきょく多数たすう
  6. ^ 前衛ぜんえいロックで有名ゆうめいだった。大統領だいとうりょう選挙せんきょ出馬しゅつば記者きしゃ会見かいけんまでひらいたが、ガンのため出馬しゅつばはならなかった
  7. ^ ちなみにこの言葉ことば自体じたいはスロッビング・グリッスルと交流こうりゅうのあった前衛ぜんえい芸術げいじゅつモンテ・カザッザ(Monte Cazazza)の発言はつげんがもととされている。
  8. ^ アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのブリクサ・バーゲルトは、「インダストリアル(・ミュージック)とはスロッビング・グリッスルのこと。以上いじょうだよ」とっている。
  9. ^ クリスチャン・フェネスなど、日本にっぽん一時期いちじき音響おんきょう」とばれていた電子でんし音楽おんがく一派いっぱについては、なりたちなどからインダストリアル・ミュージックとはけるべきという見解けんかい一部いちぶのリスナーに根強ねづよい。
  10. ^ このことからキリング・ジョークインダストリアル・ロックのプロトタイプと意見いけんもある。
  11. ^ ただし、アメリカがたってもフィア・ファクトリー人気にんきがついたのはイギリスをはじめとする欧州おうしゅうである。またラムシュタインも母国ぼこくドイツ国内こくないでチャート1、ミリオンセールスを達成たっせいするなどかならずしもアメリカ限定げんてい人気にんきではない。
  12. ^ フィアファクトリー、ラムシュタインとも人間にんげんによるなま演奏えんそう主体しゅたいである。
  13. ^ ホワイト・ゾンビ影響えいきょう色濃いろこせるスタティック-X人気にんきはくしている。
  14. ^ ライブで工事こうじようのドリルを使つか騒音そうおんをまきらす様子ようす一部いちぶは、日本にっぽん深夜しんやテレビ番組ばんぐみでも放送ほうそうされた
  15. ^ つまるところエレクトリック・ボディ・ミュージックそのものと、その派生はせいジャンルが(おも一部いちぶショップなどにより)インダストリアルといいかえられていた時期じきもあった。
  16. ^ ジャパノイズをインダストリアルと定義ていぎすることについてこれもまた議論ぎろんかれるところだが、持田もちだは『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!』ですうじゅうページにわたり主要しゅよう作品さくひん紹介しょうかいしている。
  17. ^ もともとはじゃず、のちにフリージャズを演奏えんそうし、さらにノイズにまできついた
  18. ^ フリージャズ、前衛ぜんえい音楽おんがく、ノイズのほか、ラジオのジャズ番組ばんぐみやアングラ音楽おんがく番組ばんぐみのDJも担当たんとうしている
  19. ^ 実際じっさいSOFT BALLET時代じだい楽曲がっきょくのいくつかはミニストリーなどの楽曲がっきょくから引用いんようされているとの指摘してきおおいが、ジャパニーズ・ロック全体ぜんたい傾向けいこうとして、海外かいがいアーティストの楽曲がっきょくをオマージュないしパロディとして引用いんようするれい散見さんけんされること、またインダストリアルというジャンル自体じたいのアプローチのはばかんがえると、藤井ふじい顕著けんちょ引用いんようしているというわけではないとえる。
  20. ^ 具体ぐたいてきえばSCHAFTの活動かつどうかかわっている面々めんめん

出典しゅってん

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  1. ^ ローレル・フェイ 『ショスタコーヴィチ ある生涯しょうがい』 アルファベータ、2005ねん改訂かいてい新版しんぱん)、135ぺーじISBN 978-4-87198-534-5
  2. ^ Allmusic|class=style|id=ma0000002658 |title=Industrial| work=Allmusic
  3. ^ Industrial Records”. Brainwashed. 2018ねん11月6にち閲覧えつらん
  4. ^ 持田もちだたもつ『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!』DU BOOKS、2013ねん10がつ、2ぺーじISBN 978-4-925064-58-3 

関連かんれん項目こうもく

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