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特殊とくしゅ奏法そうほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

特殊とくしゅ奏法そうほう(とくしゅそうほう)とは、楽器がっき通常つうじょう操作そうさほうによらない演奏えんそうほうのことである。ここでの通常つうじょう操作そうさほうとは、一般いっぱん楽器がっき設計せっけい想定そうていされた操作そうさほうのことである。すなわち、設計せっけい想定そうていされた操作そうさほうえるおとかたを、一般いっぱん特殊とくしゅ奏法そうほうぶ。

なお、声楽せいがく特殊とくしゅ奏法そうほうのことを特殊とくしゅ唱法(とくしゅしょうほう)ともぶ。後述こうじゅつのリストには、一部いちぶ民族みんぞく音楽おんがくでは一般いっぱんてき歌唱かしょうほうであるが、クラシック音楽おんがくではめったに使つかわれないもの(じゅうおと唱法)や、日常にちじょう生活せいかつおこなわれているものの、うたのなかではあまりてこない行為こういわらい、ささやき、せき舌打したうちなど)がふくまれている。

歴史れきし

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クラシック音楽おんがくにおける楽器がっき特殊とくしゅ奏法そうほう歴史れきしは、作曲さっきょく音色ねいろ追求ついきゅう歴史れきしでもある。特殊とくしゅ奏法そうほう開発かいはつ歴史れきしふるく、今日きょうでは「通常つうじょう奏法そうほう」とみなされているものもすくなくない。ピッツィカートトレモロがその代表だいひょうれいである。これらは、モンテヴェルディによって、オペラ「タンクレディとクロリンダのたたか」ではじめて採用さいようされたという。だが、演奏えんそうからつよ反発はんぱつがあり、かれ幾度いくどもこれらの奏法そうほう必要ひつようせいうったえねばならなかった。に、バロック音楽おんがく時代じだいまれたものとして、弦楽器げんがっきどうたた奏法そうほうがある。ビーバーの「戦闘せんとう」にられる。こちらのほうは、作曲さっきょくのあいだに定着ていちゃくするのに時間じかんようした。

20世紀せいきには、19世紀せいき以前いぜん考案こうあんされたさまざまな特殊とくしゅ奏法そうほう管楽器かんがっきじゅうおと奏法そうほうなど)が一般いっぱんしていくとともに、各種かくしゅあたらしい演奏えんそうほうみだされた。それらがクラシック音楽おんがくわくえて、映画えいがやテレビ番組ばんぐみなどに活用かつようされることもすくなくない。いちれいげると、「ウルトラセブン」の怪獣かいじゅう出現しゅつげんさいもちいられる音楽おんがくに、コインでピアノのつるをこする奏法そうほうもちいられている[1]

西洋せいよう楽器がっき特殊とくしゅ奏法そうほう

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ここでは楽器がっきそのものの特殊とくしゅ奏法そうほうだけについてべ、こえ挿入そうにゅう付加ふか楽器がっきなどはのぞく。

当然とうぜんながら、ある奏法そうほうが、もっとも典型てんけいてき奏法そうほうではないが非常ひじょうにしばしばもちいられる奏法そうほうであるなどの場合ばあい、それが通常つうじょう奏法そうほうなかふくまれるか、特殊とくしゅ奏法そうほうふくまれるかは、意見いけんかれるところである。そのようなものには*をす。

弦楽器げんがっき

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弦楽器げんがっき場合ばあいおおきさも奏者そうしゃにとって負担ふたんでない。りまわしも簡単かんたんなところから、特殊とくしゅ奏法そうほう比較的ひかくてき多種たしゅ容易ようい。またちいさい楽器がっきほど有利ゆうりである。歴史れきしもある奏法そうほうおおい。
  1. ピチカート*
  2. サブハーモニクス
  3. デッド・ピチカート*
  4. バルトーク・ピチカート
  5. つめのピチカート
  6. スル・ポンティチェロ
  7. スル・タスト*
  8. こま真上まうえ垂直すいちょく
  9. グリッサンド*
  10. ハーモニクス自然しぜん&人工じんこう)*
  11. アルペッジョ*
  12. コルレーニョ・トラット(松脂まつやにきとし)
  13. コルレーニョ・バテュート
  14. ゆみつるける
  15. ゆみつるたた
  16. つるでカバーしゆみ垂直すいちょく
  17. ゆみのグリッフでつるてに突つく
  18. めを[ちゅう 2]
  19. 糸巻いとまきのちかくのつる
  20. ゆみ素振そぶりする
  21. じゅうおと奏法そうほう*
  22. つるうしろから
  23. つるたてにこする
  24. きながら調しらべつるえる
  25. ゆみゆび反対はんたいがわ
  26. ゆみ楽器がっきまわ
  27. 胴体どうたい関節かんせつたた
  28. 弱音よわね(ゴム、木質もくしつ金属きんぞくとうがあり、音色ねいろことなる)*
  29. コル・レーニョ
  30. スコルダトゥーラ変則へんそく調ちょうつる
  31. 微分びぶんおん
  32. ティンパニのばちつるたた
  33. くつべらでつるをはじく(琵琶びわおと模倣もほう
  34. 上記じょうき奏法そうほうわせ
  • ギターぞく
    1. ミュート
    2. ピチカート*
    3. スル・タスト
    4. スル・ポンティチェロ
    5. 金属きんぞくみじかぼうでグリッサンドする
    6. いた瞬間しゅんかん調律ちょうりつネジでグリッサンドする
    7. いたのち振動しんどうしているつるにコインやつめなどをて、ビリビリと共鳴きょうめいさせる
    8. こまうしろのつるをはじく
    9. ナットのうえつる
    10. スラッピング
    11. ハーモニクス*
    12. タッピング*
    13. ボトルネック奏法そうほう
    14. ヴァイオリンのゆみでアルコ奏法そうほう
    15. あし
    16. 二人ふたり一本いっぽんのギターを
    17. 一人ひとりほんのギターを
    18. りょうサイドダブルネックで一人ひとりでソロをハモる
    19. まわ
    20. く*
    21. はな
    22. 背中せなかく*
    23. やす*
  • ハープぞく
    1. いた瞬間しゅんかんにペダルでグリッサンドする
    2. スポンジなどでつる垂直すいちょくこす雑音ざつおん
    3. つるかみきつける
    4. カッターナイフ・グリッサンド
    5. 共鳴きょうめいばんあないきつよ

木管もっかん楽器がっき

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木管もっかん楽器がっき共通きょうつうしてじゅうおと奏法そうほう基本きほんてき確定かくていであり、弦楽器げんがっきのように制御せいぎょされた複数ふくすうおとかさねることがむずかしい。そのほかの特殊とくしゅ奏法そうほうかく楽器がっきほぼ共通きょうつうである。

  • フルートぞくピッコロからサブ・コントラバスまで)
    1. フラッターツンゲ*
    2. いきによる雑音ざつおん
    3. キー・ノイズ
    4. スラップ:ピチカート
    5. タング・ラム
    6. ホイッスル・トーン
    7. エオリアン・トーン
    8. いちてんイからいちてんへんロへのグリッサンド
    9. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうし形状けいじょうによりおとちがう。楽譜がくふゆび使づかしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとるとはかぎらない。
    10. ハーモニックまたはフラジェオレット
    11. マウスピースしの尺八しゃくはち奏法そうほう
    12. マウスピースだけのトロンボーン奏法そうほう
    13. トランペット奏法そうほう
    14. つづみ奏法そうほう
    15. 接吻せっぷん奏法そうほう
    16. ジェット・ホイスル奏法そうほう
    17. くちかたち
      1. くちをマウスピースからはなす。
      2. くちびるでマウスピースをブロックする。
      3. マウスピースのなかでタンギングする。
    18. 循環じゅんかん呼吸こきゅう
    19. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント。
    • (とそのわせ)
  • リコーダーぞく
    1. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうし形状けいじょうによりおとちがう。楽譜がくふゆび使づかいがしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとるとはかぎらない。
    2. エオリアン・トーン
    3. フラッターツンゲ*
    4. いきによる雑音ざつおん
    5. そこあなふとももまたはひざふさぐ(一部いちぶ高音こうおんなどでおこなわれることがある)
    6. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント。
  • クラリネットぞく
    1. マウスピースをはずして演奏えんそうする。
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうし形状けいじょうによりおとちがう。楽譜がくふゆび使づかいがしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとがSるとはかぎらない。
    3. マウスピースだけのトロンボーン奏法そうほう
    4. キー・ノイズ
    5. フラッターツンゲ*
    6. スラップ:ピチカート奏法そうほう。リードをしたきつけてく。
    7. いきによる雑音ざつおん
    8. 循環じゅんかん呼吸こきゅう
    9. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント
  • サクソフォーンぞく
    1. マウスピースをはずして演奏えんそうする。
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうし形状けいじょうによりおとちがう。楽譜がくふゆび使づかいがしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとるとはかぎらない。
    3. マウスピースだけのトロンボーン奏法そうほう
    4. キー・ノイズ
    5. フラッターツンゲ**
    6. スラップ:ピチカート
    7. いきによる雑音ざつおん
    8. 接吻せっぷん奏法そうほう
    9. 循環じゅんかん呼吸こきゅう
    10. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント
  • オーボエぞく
    1. リードだけで演奏えんそうする。
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、リードのけずかたにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうしつばりょうくちびるやあご形状けいじょうによりおとちがい、時折ときおりまったないこともある。楽譜がくふゆび使づかいがしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとるとはかぎらないで無駄むだわることがおおい。どうしてもしたい場合ばあい確定かくていせいれて基音きおんだけを出典しゅってん:ミュラー・ロガラ、ハインツ・ホリガー。
    3. キー・ノイズ
    4. のどによるフラッターツンゲ
    5. いきによる雑音ざつおん
    6. 接吻せっぷん奏法そうほう
    7. 循環じゅんかん呼吸こきゅう
    8. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント
  • ファゴットぞく
    1. リードだけで演奏えんそうする。
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきのモデルにより、奏者そうしゃによりまたそのひと自身じしん調子ちょうし形状けいじょうによりおとちがう。楽譜がくふゆび使づかいがしめしてある場合ばあいもあるがかならずしも予定よていされたおとるとはかぎらない。
    3. キー・ノイズ
    4. フラッターツンゲ*のどおこな
    5. いきによる雑音ざつおん
    6. 接吻せっぷん奏法そうほう
    7. 循環じゅんかん呼吸こきゅう
    8. 微分びぶんおん程度ていどのグリッサンドまたはポルタメント。

金管楽器きんかんがっき

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  • ホルンぞく
    1. 弱音よわね(ミュート)をける;ストレート・カップなど
    2. ゲシュトップ:右手みぎてでベルをふさぐことにより金属きんぞくてきひびきをす。(ゲシュトップミュートというものもある)
    3. ハーフストップ:右手みぎて位置いちえることによりいきとおりをせまくして音程おんてい音色ねいろ変化へんかさせる。
    4. グリッサンドをする(うえこうしたぎょう可能かのう
    5. ベルアップ
  • トランペットぞく
    1. 弱音よわねをする:ストレート・バケット・ワーワー(しんありとしんなし)・カップなどがある(ルートヴィックスブルク金管きんかん重奏じゅうそうだん提供ていきょう
    2. プランジャーをする(ヴィンコ・グロボカールの提供ていきょう
    3. グリッサンドをする(おも下降かこう
    4. シェイク
    5. リップトリル
    6. ベンド
    7. フラッターツンゲ*
    8. グロウル
    9. ダブルタンギング
    10. トリプルタンギング
    11. ハーフバルブ
    12. マウスピースなしの奏法そうほう
    13. マウスピースだけの奏法そうほう
    14. スラップ・ピチカート(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    15. 平手ひらてでマウスピースの部分ぶぶんよわくしかしはっきりたた
    16. いきだけをむ(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    17. 接吻せっぷんいちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    18. ひくふたつの倍音ばいおん同時どうじじゅうおと奏法そうほう完全かんぜん5のみで非常ひじょう難解なんかい(ヴィンコ・グロボカールの提供ていきょう
    19. ペダルトーンとさらしたのサブ・ペダルトーンおよ下方かほう倍音ばいおん(マルクス・シュトックハウゼンの提供ていきょう
    20. 循環じゅんかん呼吸こきゅう(ルッツ・マンドラーの提供ていきょう
    21. マウスピースをつめゆび下方かほう瞬間しゅんかんてきそこてる(ポザウネン・コア・プーダ-バッハの提供ていきょう
    22. 発音はつおんさいにバルブをすこす(アルトゥーロ・サンドヴァルの提供ていきょう)
    23. ベルアップ
    24. 微分びぶんおん演奏えんそう[ちゅう 3]
  • トロンボーンぞく
    1. じゅうおと奏法そうほうひくふたつの倍音ばいおん同時どうじじゅうおと奏法そうほう完全かんぜん5のみで非常ひじょう難解なんかい(ヴィンコ・グロボカールの提供ていきょう)
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきおとすと同時どうじうた
    3. 循環じゅんかん呼吸こきゅう頻繁ひんぱん使つかうことだけ推奨すいしょうされない。
    4. マウスピースなしの奏法そうほう
    5. マウスピースだけの奏法そうほう
    6. グリッサンド
    7. リップトリル
    8. フラッターツンゲ*
    9. グロウル
    10. ダブルタンギング
    11. トリプルタンギング
    12. スラップ・ピチカート(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    13. 弱音よわねをする:ストレート・バケット・ワーワー(しんありとしんなし)・カップなどがある、(ルートヴィックスブルク金管きんかん重奏じゅうそうだん提供ていきょう
    14. プランジャーをする(ヴィンコ・グロボカールの提供ていきょう
    15. をベルにかざす
    16. 平手ひらてでマウスピースの部分ぶぶんよわくしかしはっきりたた
    17. いきだけをむ(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    18. 接吻せっぷんいちとおりのポジションぶんおとる)
    19. ベルアップ
    20. ファゴットのリードおよびボーカルをつける(トロンブーン
    21. 微分びぶんおん演奏えんそう
    22. 動物どうぶつ真似まね(オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドによる提供ていきょう)
    23. スライドにマウスピースをけて演奏えんそうする
  • チューバぞく
    1. じゅうおと奏法そうほうひくふたつの倍音ばいおん同時どうじじゅうおと奏法そうほう完全かんぜん5のみで非常ひじょう難解なんかい(ヴィンコ・グロボカールの提供ていきょう
    2. じゅうおと奏法そうほう楽器がっきおとすと同時どうじうた
    3. 循環じゅんかん呼吸こきゅう頻繁ひんぱん使つかうことだけ推奨すいしょうされない。
    4. マウスピースなしの奏法そうほう
    5. マウスピースだけの奏法そうほう
    6. グリッサンド
    7. フラッターツンゲ*
    8. グロウル
    9. ダブルタンギング
    10. トリプルタンギング
    11. ハーフバルブ
    12. リップトリル
    13. ベンド
    14. スラップ・ピチカート(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    15. 弱音よわねをする
    16. 平手ひらてでマウスピースの部分ぶぶんよわくしかしはっきりたた
    17. いきだけをむ(いちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    18. 接吻せっぷんいちとおりのピストンのゆび使つかぶんおとる)
    19. クラリネットやサックスのマウスピースをつけて
    20. トロンボーンのスライドをつけてグリッサンド
    21. いきっておと
    22. 微分びぶんおん演奏えんそう

打楽器だがっき

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  • 膜質まくしつ打楽器だがっきティンパニ奏法そうほうはペダルをのぞいて共通きょうつうする。
    1. かわめんおとるものでこす
    2. がまをバチのえだほうかるたた
    3. コペルト
    4. 小太鼓こだいこばちなど
    5. マラカスなど、べつ楽器がっきばちがわりにしてたた
    6. シンバルをかわめんせてトレモロしながらペダルをうごかす
    7. かわをスーパーボールでこす
    8. 金管楽器きんかんがっき朝顔あさがおててかせる
    9. かわうえにリンやタンバリンなどべつ楽器がっきせる
  • 金属きんぞく打楽器だがっき
    1. ウォーター・ゴング:ゴングをはたきながらみずしずめたりげたりする
    2. タムタムをかたかみのロールでこす
    3. 懸垂けんすいシンバルをコントラバスのゆみ
    4. ストップ・ストライク:ヴィブラフォーンをたたいたときはなさない
    5. 鍵盤けんばん打楽器だがっきをぎざぎざのついたぼうこする・
  • 木質もくしつ打楽器だがっき
    1. 鍵盤けんばん打楽器だがっきをぎざぎざのついたぼうこする・

鍵盤けんばん楽器がっき

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すでにおと完成かんせいされているものを打鍵だけんによって出力しゅつりょくするため、特殊とくしゅ奏法そうほうとしてみとめられるものがすくない。

  • ピアノ
    1. おとさない打鍵だけんをしながらべつ旋律せんりつくとペダルを使つかわないで共鳴きょうめいする効果こうかられる。
    2. グリッサンド*
    3. クラスター(ひじうでく)
    4. つる定規じょうぎなどをせて
    5. つる洗濯せんたくばさみなどではさんで
    6. 楽器がっきおも外側そとがわ(ふたなど)をたた
    7. あしく、おでこで
    8. 鍵盤けんばんつめよこおとてないでグリッサンドする(しろかぎくろかぎわせでおとことなる:ギロ効果こうか
    9. ぶたをペダルをくわえてつよめる
    10. ペダルをつよ瞬間しゅんかんてき
    11. つる調律ちょうりつえる(ミクロ・トーンやバーピアノなど)
    12. くぎ鍵盤けんばんける
    • [内部ないぶ奏法そうほう]
    1. つるゆびではじくまたはつめ複数ふくすうつるをペダルを使つかってグリッサンドする
    2. つる打楽器だがっきばちおもにティンパニ)などでたた
    3. 鋼鉄こうてつ支柱しちゅう関節かんせつやプラスチック・木製もくせいまたはゴムせいのハンマーでペダルを使つかってたた
    4. つるをガラス・コップやみじか金属きんぞくぼうなどでグリッサンドして同時どうじにペダルを使つかい、鍵盤けんばん
    5. 調律ちょうりつピンをつめ使つかってうえにはじく
    6. 内部ないぶつるかってペダルをんだまま大声おおごえしたり、金管楽器きんかんがっきなどをつよかなでる
    7. つるをペダルをみながらつめ使つかってたて
    8. つる消音しょうおん部分ぶぶんまたはちかくをゆびつよまたよわおさ鍵盤けんばんく(フラジオレット効果こうか
    9. つるうえにハケや定規じょうぎなどをのせ鍵盤けんばん
    10. つるをプリペアして演奏えんそうする
    11. ぶた完全かんぜんにはずしたピアノを2だいならべ、あいだ卓球たっきゅうのネットをり、ラケットとピンポンだま使つか卓球たっきゅうをする
  • アップライトピアノ特有とくゆう奏法そうほう
    1. みぎペダルをんだ状態じょうたいひだりペダルをおもいっきりむと、クラスターのような効果こうかられる。
  • チェレスタ
  • オルガン
    1. 電源でんげんきゅう[ちゅう 4]
    2. 鍵盤けんばん鉛筆えんぴつはさ任意にんいのオルゲル・プンクトをする
  • ハモンドオルガン
    1. モーターの電源でんげんる。トーンホイールの回転かいてん徐々じょじょ減速げんそくし、音程おんていがったおとる。(トーンホイール・ブレーキ)
    2. 鍵盤けんばんあいだにナイフをし、鍵盤けんばんされたままの状態じょうたいにする
  • ヴィブラフォン
    1. おとばんえん弦楽器げんがっきなどのゆんつよこする。サクソフォーンちかおと発生はっせいする。
  • ハーモニウム

人声ひとごえ

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発声はっせい器官きかんのみをもちいておこなうやりかたにも、前述ぜんじゅつのように、日常にちじょう生活せいかつおこなわれながら、音楽おんがく作品さくひんでは一般いっぱんてきでないものがある。これらのほか、くちをおさえたり、ほおむねをたたきながら発声はっせいする方法ほうほうもあり、ヴァエリエーションは数多かずおおい。

  1. じゅうおと唱法(ホーミー参照さんしょう。クラシック音楽おんがくではジャチント・シェルシの「山羊やぎうた」にもちいられている)
  2. シュプレヒシュティンメフンパーディンクのオペラ「王様おうさま子供こどもたち」に登場とうじょうシェーンベルクによってひろられる)
  3. 子音しいんだけを発音はつおん記号きごう使つかってつよ発音はつおんさせる*
  4. 複数ふくすう言語げんご文字もじのテキストや現在げんざい使つかわれていない古文書こもんじょなどを使つかうたわせる、またはしゃべらせる[よう出典しゅってん]
  5. 意味いみのないことまたはなにか(テキストを指定していしない)をうたわせるまたはしゃべらせる。
  6. 方言ほうげん俗語ぞくご放送ほうそう禁止きんし用語ようごなどを使つかうたわせるまたはしゃべらせる[よう出典しゅってん]
  7. いままでてきた言葉ことば逆行ぎゃっこうしたり、暗号あんごうしたりして歌唱かしょう使つかまたはしゃべらせる。
  8. ボッカ・キウーザ/無言むごん
  9. くちをあけたままもしくはめたままうたう。またはしゃべらせる
  10. 微分びぶんおんやグリッサンド
  11. 怒鳴どなる、さけぶ、く、わらう、りきむ、うなり、おどろき、こえつぶす、おこるなど
  12. いきみながらうたう。またはしゃべる
  13. テキストをわざと間違まちがってうたわせるまたはしゃべる(ハンナ・リスカ・アウバッヒャ-の提供ていきょう
  14. 舌打したうち(a,e,i,o,uのくちかたちおと変化へんか
  15. フラッター・リッペン(くちかた音色ねいろわる、こえありとこえなしがある)
  16. くちびるいきみながらけるときのコルクの栓抜せんぬきのようなおと
  17. いびき
  18. くちびるのピチャピチャというおと
  19. じた連続れんぞくこえありとこえなし)
  20. 口笛くちぶえ
  21. イメージをしたこえたとえばデスピーナがにせ医者いしゃになったときのこえ
  22. のどおく
  23. もっとひくこえのパルスの音色ねいろだけ
  24. ブーイング
  25. 接吻せっぷん
  26. こわれたこえ
  27. 生理せいりてきこえたとえばせきをするこえ嘔吐おうとするこえ、エロティックなあえごえなど
  28. 裏声うらごえ
  29. 裏声うらごえ地声じごえ同時どうじす。オクターヴちがいのこえ同時どうじる。
  30. ボイパ
  31. ゆびくちれて呼子よびこする
  32. 動物どうぶつきまね
  33. 拍手はくしゅなどからだの一部いちぶたた
  • ならびにそれらのわせ

邦楽ほうがく特殊とくしゅ奏法そうほう

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邦楽ほうがく特殊とくしゅ奏法そうほう邦楽ほうがく奏法そうほう本質ほんしつえるほどに一般いっぱんしている。しかしながら、楽器がっきそのものを普遍ふへんてきかつ科学かがくてき解説かいせつするために、西洋せいよう楽器がっき同様どうよう特殊とくしゅ奏法そうほうこうとしてあつかう。

管楽器かんがっき

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篠笛しのぶえ|しのぶえ(色々いろいろ調子ちょうしがある)

  1. むらいきいきのノイズ)
  2. フラッターツンゲ*
  3. グリッサンド

篳篥ひちりき|ひちりきはオーボエにじゅんずるが、キーがないためにキーにかんすること不可能ふかのう能管のうかん しょう|しょう

  1. フラッターツンゲ*
  2. 循環じゅんかん呼吸こきゅう

尺八しゃくはち|しゃくはち(色々いろいろ調子ちょうしがある)

  1. むらいきいきのノイズ)そらね(スタカートの「むらいき」)
  2. フラッターツンゲ*
  3. ゆり:よこユリ:あごよこうごかすヴィブラート、音量おんりょう変化へんか音程おんてい変化へんかい)とたてユリ:あごたてうごかすヴィブラート、音程おんてい上下じょうげする。

弦楽器げんがっき

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調しらべつる任意にんい場合ばあいおおい。

胡弓こきゅう:ヴァイオリンとほぼおなごとができるのがおおいが、おとがずっとちいさい。

きん

三味線しゃみせん|しゃみせん/へびあじせん|じゃみせん

  1. ハジキ:左手ひだりてのピチカート
  2. スリ/コキ:余韻よいん装飾そうしょく
  3. ウチ:マルテラート
  4. ウラハジキ
  5. スクイ:つるしたからすくう
  6. ピチカート
  7. グリッサンド
  8. コカシバチ
  9. カケバチ:バチでつる弱音よわねしたままの左手ひだりてのピチカート
  10. 「さわり」のIのつる開放かいほうつるとIIとIIIのつるがその倍音ばいおんのときの共鳴きょうめいおん
  11. じゅうおと制限せいげんおお

きん|コト:13げん、17げん、20げんなどがあり調律ちょうりつ任意にんい可能かのう

  1. かきしゅつめ、かきつめ
  2. あわつめ
  3. わせ
  4. スクイつめ
  5. らしつめ
  6. すりつめ
  7. つめつめはらつるたた
  8. グリッサンド
  9. トレモロ
  10. しゅ
  11. ひび
  12. あと
  13. ほう
  14. ゆり:ヴィヴラート
  15. ひきいろ:装飾音そうしょくおん一種いっしゅした
  16. きいろ:装飾音そうしょくおん一種いっしゅうえ
  17. つめ
  18. 弱音よわね左手ひだりて余韻よいんをミュート
  19. ピチカート:つめなしで
  20. ハーモニックス:おおくはだい倍音ばいおん

琵琶びわ|びわ

  1. ピチカート
  2. グリッサンド
  3. トレモロ
  4. アルペジォ
  5. スクイ:つるしたからすくう
  6. 8の
  7. ハタキ・ウチバチ:はらばん一緒いっしょ奏法そうほう
  8. スリ:つるよここす奏法そうほうたてこす奏法そうほうがある
  9. み:ポルタメント奏法そうほう
  10. ユリ:余韻よいん装飾そうしょく
  11. ハジキ:左手ひだりてのピチカートとばちのポジションのこまうえ左手ひだりてゆびつるつ・マルテラートする。

打楽器だがっき

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太鼓たいこるい

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だい太鼓たいこ|おおだいこ:リム・ショットがおおいが、Bass・Drumとほぼおなとく奏法そうほう可能かのうせいがある。 火炎かえん太鼓たいこ|かえんだいこ しめ太鼓たいこ:しめだいこ おけどう太鼓たいこ|おけどうだいこ: だい拍子ひょうし|だいびょうし: だい|おおつづみ:

  1. 「た」
  2. 「ち」
  3. 「ポン」

小鼓こつづみ|こつづみ:

  1. 「た」
  2. 「ち」
  3. 「ポン」

櫓太鼓やぐらだいこ|やぐらだいこ

  1. 「ドン」

らく太鼓たいこつり太鼓たいこ:リムショットは不可能ふかのう えだつき太鼓たいこ うちわ太鼓だいこ 鞨鼓 でん太鼓たいこ|でんでんたいこ 振鼓ふりつづみ|ふりつづみ、とうこ 拍子ひょうし 太鼓たいこ ねぶた太鼓たいこ ひらつり太鼓たいこ平丸ひらまる太鼓たいこ

金属きんぞくこう物質ぶっしつ打楽器だがっき

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キン

  1. バチでふちこす
  2. ゆみふち

あたかね・コンチキ・ちゃんチキ・すりかね

  1. 中心ちゅうしん
  2. リムショット
  3. たいうえにのせて
  4. おなしゃを2つ使用しようする

そうばんおおきなあたかね松虫まつむしちいさなあたかねひとかね すず どうばつ(どうばつ)・どう拍子ひょうし 駅路えきろえきすず 銅鑼どら|どら

  1. ゆみ
  2. かみつつこす
  3. ったのちみずなかしずめる(Water・Gong)

みょうはち

  1. 双方そうほうのシンバルをすりわせる
  2. ゆみ
  3. ったのちみずなかしずめる(Water・Cymbal)

どう拍子ひょうし・チャッパ(小型こがたみょうはち巫女ふじょすず オルゴール くもばん 梵鐘ぼんしょうつりかね):ちいさいのは半鐘はんしょう つり鉦鼓しょうこ|つりしょうご 銅鐸どうたく|どうたく 鉦鼓しょうこ|にないしょうご にょうはち ポペン ほんつぼすず すず 鰐口わにぐち|わにぐち

木質もくしつ打楽器だがっき

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ぼうささら びんささら しゃく拍子ひょうし 拍子木ひょうしぎ 鳴子なるこ かね 木魚もくぎょ 板木はんぎ えだつき木魚もくぎょ しょう切子きりこ ささら ぜに太鼓たいこ だる だんばん|たんばん はな木魚もくぎょ 張扇はりおうぎ|はりおおぎ ばんいた|はん 板木はんぎ|はんぎ 編木びんざさら|びんざさら よっちく|よつたけ 木琴もっきん

出典しゅってん日本にっぽん音楽おんがく集団しゅうだん、“Japanese Music” by William P. Malm(Charles E. Tuttle Company)-M.Kaiser, 宇佐美うさみ陽一よういちの「ひがしの“みみ”のことは、、、、、、」(1989ねん1がつ12にちStuttgart)、打楽器だがっき辞典じてん網代あじろけいかい岡田おかだ知之ともゆき: 音楽之友社おんがくのともしゃ

西洋せいよう楽器がっき、その特殊とくしゅ奏法そうほう

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  1. グリッサンド
  2. そこあなゆびあなをすべてじ、最低さいていおんよりちょう7ひくおとす。
  3. ゆびあなからいきみ、横笛よこぶえのようにしてく。

ピアニカ(鍵盤けんばんハーモニカ)

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  1. フラッターツンゲ*
  2. つよいきむことによって音程おんていげる。
  3. つばせんしながらおとす。
  4. いきみながら人頭じんとうなどをこすってめちゃくちゃなおとす。

シンセサイザー・電子でんしキーボード

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  1. 電源でんげんとし、カタカタという物理ぶつりおんだけをす。
  2. 仕様しよう同時どうじ発音はつおんすうえたおとをわざとし、処理しょりちしたようなかんじをす。
  3. 音量おんりょう最大さいだいにしておとをひずませ、ディストーションのような効果こうかす。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし、奏法そうほうによっては楽器がっきによっておとしにくいものや困難こんなんなもの、不可能ふかのうなものがある。
  2. ^ 場所ばしょちがいあり。
  3. ^ おもにベンド奏法そうほうによっておこなわれるが、微分びぶんおんバルブをそなえた楽器がっき存在そんざいしている。
  4. ^ この効果こうか前衛ぜんえい時代じだいひろもちいられたが、近年きんねんでは電源でんげんると完全かんぜんにパイプがストップしてしまうため、実現じつげん不可能ふかのうなオルガンが多数たすう存在そんざいする結果けっかとなった。しかしヨーロッパではまだふる機種きしゅおお使用しよう可能かのうである。

出典しゅってん

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  1. ^ 円谷つぶらやプロダクション『ウルトラセブンイズム』辰巳たつみ出版しゅっぱん〈タツミムック〉、2002ねんISBN 978-4886417794