トヨタ・クレシーダ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
MX30クレシーダ・セダン(北米ほくべい仕様しよう

クレシーダCressidaえい発音はつおん"クレシダ" )は、トヨタ自動車とよたじどうしゃ生産せいさんされていたセダンタイプまたはワゴンタイプの中型ちゅうがた乗用車じょうようしゃDセグメント)。マークIIクレスタ海外かいがい仕様しようしゃにあたる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

生産せいさん日本にっぽんのみならずジンバブエみなみアフリカ[1]インドネシアでもおこなわれ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中心ちゅうしんとした各国かっこくへと輸出ゆしゅつされていた。生産せいさん期間きかん1976ねん[2] から1992ねんで、4だいにわたって製造せいぞうされた。

セダンは歴代れきだいのマークIIの最大さいだい排気はいきりょうモデル(2.6L、2.8L、3.0L)から構成こうせいされ、当時とうじのアメリカ市場いちばにおけるトヨタブランドのさい高級こうきゅうしゃとして販売はんばいされていた。初代しょだいにはセダン・ワゴンのほかに2ドアハードトップ設定せっていされ、3代目だいめはセダン・ワゴンのほかに4ドアハードトップが設定せっていされた。

生産せいさん終了しゅうりょう直系ちょっけい後継こうけいしゃはリリースされず、アバロン市場いちばいだ。

初代しょだい RX/MX30けい(1976ねん - 1980ねん[編集へんしゅう]

MX30クレシーダ・ハードトップ(欧州おうしゅう仕様しよう

このだいのみ2ドアハードトップ(クーペ)が存在そんざいし、ヨーロッパなどに輸出ゆしゅつされていたが、北米ほくべい仕様しようには設定せっていされておらずセダンとワゴンのみ、カナダはセダンのみであった。北米ほくべい、カナダ、オーストラリアひとしには4Mがた6気筒きとう2.6Lエンジンが、その地域ちいきには18Rがた4気筒きとう2.0Lエンジンが搭載とうさいされていた。

グリルとヘッドライトのあいだにあるランプは、北米ほくべい仕様しようしゃについてはポジション・ランプ英語えいごばんけん方向ほうこう指示しじとして、そのくにけには、日本にっぽん仕様しようのX30/40がたマークII同様どうようくるまはばとうとして機能きのうする。

2代目だいめ X60けい(1981ねん - 1984ねん[編集へんしゅう]

MX63クレシーダ・セダン(北米ほくべい仕様しよう
MX62クレシーダ・ワゴン(北米ほくべい仕様しよう

2ドアハードトップが消滅しょうめつし、セダンとワゴンのみとなった。また、東南とうなんアジア・オセアニアけについては、どう時期じき販売はんばいされたチェイサーのフロントマスクを流用りゅうようしていた。エンジンは5M-E/5M-GEがた 2.8Lを搭載とうさい

3代目だいめ X70けい(1985ねん - 1988ねん[編集へんしゅう]

トヨタ・クレシーダ(3代目だいめ)
YX7#/RX7#/GX7#/MX7#/LX7#かた
MX73クレシーダ・セダン 北米ほくべい仕様しよう
MX73クレシーダ・セダン オーストラリア仕様しよう
1985 MX73クレシーダ内装ないそう北米ほくべい仕様しよう
概要がいよう
製造せいぞうこく 日本にっぽん トヨタ自動車とよたじどうしゃ 元町もとまち工場こうじょう
みなみアフリカ共和きょうわこく TSAM
ジンバブエ WMI
オーストラリア AMI
販売はんばい期間きかん 1985–1988
みなみアフリカけ、一般いっぱん諸国しょこくけ-1993ねん
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 5めい
ボディタイプ 4ドアセダン
4ドアハードトップ
5ドアステーションワゴン
駆動くどう方式ほうしき フロントエンジンリアドライブ : FR
パワートレイン
エンジン 2Y:1,800cc (YX70)
21R:2,000cc (RX70)
2L:2,400cc (LX70)
1G-E:2,000cc (GX71)
1G-G:2,000cc (GX71)
5M-E:2,800cc (MX72)
5M-GE:2,800cc (MX73/MX72)
22R:2,400cc (RX72)
3Y:2,000cc (YX72)
7M-GE:3,000cc (MX75)
変速へんそく 5そくマニュアルトランスミッション
4そくオートマチックトランスミッション
まえ まえ:マクファーソン・ストラットしき
:セミトレーリングアームしき(セダン)/4リンク(ワゴン)
のち まえ:マクファーソン・ストラットしき
:セミトレーリングアームしき(セダン)/4リンク(ワゴン)
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,654mm
全長ぜんちょう 4,775mm (1985–1986)
4,770mm (1987-1988)
全幅ぜんぷく 1,689mm
ぜんこう 1,372mm (1985–1986)
1,374mm (1987-1988)
車両しゃりょう重量じゅうりょう 1,458kg
テンプレートを表示ひょうじ

ボディパネルは日本にっぽんけマークIIセダンをベースとし、クレスタのフロントまわりのパネルを流用りゅうようしていた。歴代れきだいのクレシーダのなかもっと販売はんばい台数だいすうおおいモデルでもあった。

  • 北米ほくべい仕様しよう(セダン・ワゴン)
    • 85ねんモデル: 4door-luxury Sedan ,5door-luxury wagonの2グレード 2.8リッターの5M-GEUがぜんモデルに搭載とうさいされ、5そくマニュアルトランスミッションもしくは4そくオートマチックトランスミッション設定せっていから選択せんたくできた。5そくマニュアルトランスミッションはW58、オートマチックトランスミッションはA43DE。
      日本にっぽん仕様しようにはないミラーヒーター、ほんかわシート(セダン)やルーフラック(ワゴン)など独自どくじ装備そうび設定せっていされる。
      アメリカとカナダで5マイルバンパーや側面そくめん灯火ともしびるいなど共通きょうつう項目こうもくおおいが、アメリカ仕様しようではマイルを基準きじゅんとしたスピードメータ、オートマチックシートベルトを装備そうび、カナダ仕様しようではキロメーターを基準きじゅんとしたメータ、3てんしきのシートベルト、ヘッドライトウォッシャーが標準ひょうじゅん装備そうびされ各国かっこく法規ほうきわせ若干じゃっかん仕様しようことなっている。
      ※アメリカではスポーツパッケージを選択せんたくすることでヘッドライトウォッシャーの選択せんたく可能かのう
    • 86ねんモデル: サードストップランプ、セキュリティ機能きのう追加ついかされる。ワゴンではサードストップランプの設定せってい追加ついかされたことによりリアのワイパーワーム部分ぶぶんながさを変更へんこう
    • 87ねんモデル: エクステリアではグリルやヘッドライト、テールランプなどの意匠いしょう変更へんこうされる。インテリアについてもエアコンの操作そうさパネルやサテライトスイッチなどが変更へんこうされた。
      4そくオートマチックトランスミッションがA43DEからA340Eに変更へんこう
      メーカーオプションで選択せんたく可能かのうなスーパーモニター(日本にっぽん仕様しようではスーパーモニタリングディスプレイ)は86ねんモデルまで搭載とうさいされていた誕生たんじょうきょくながれたりといったメロディ機能きのうなどは簡略かんりゃくされ87ねんモデルでは廃止はいし
      ※スーパーモニタリングディスプレイは時計とけい、カレンダー、平均へいきん速度そくど燃料ねんりょう消費しょうひりょう、エンジンオイル交換こうかん時期じきなどをることが出来でき装置そうち
    • 88ねんモデル: ワゴン廃止はいし。セダンのみの設定せっていとなる。トランスミッションも4そくATのみの設定せっていとなった。
  • 欧州おうしゅう仕様しよう 2.8i(セダン・ワゴン) GL、GLX、GLI(セダン)/KOMBI GL(ワゴン)の5グレード。エンジンは5M-GEU、5M-E(スイスのみ)、1G-GEU、2L-Tが搭載とうさいされる。
    欧州おうしゅう法規ほうきわせサイドウィンカー、ワゴンのリアシートに3てんしきシートベルト、バックフォグ(KOMBIはバックドアみ)、ヘッドライトウォッシャーが装着そうちゃくされる。
    なお、欧州おうしゅうモデルのヘッドライトウォッシャーは北米ほくべい仕様しようとはちが日本にっぽん国内こくないのチェイサー同様どうようにノズル部分ぶぶんはバンパーにけられたものとなっている。
  • オーストラリア仕様しよう(セダン)
    • 前期ぜんきがた GLX-iのみの1グレード。セダンのみの設定せってい。エンジンは5M-E。 トランスミッションは4そくATの設定せっていのみ。
    • 後期こうきがた グリルやテールランプなどの意匠いしょう変更へんこうされる。GL、GLX-iの2グレード。搭載とうさいされるエンジンが5M-GEUに変更へんこうされる。
  • 中東ちゅうとう仕様しよう(セダン・ハードトップ・ワゴン) GL、GLX、XL、GRANDE、GT、GTXの6グレード。エンジンは1G-E、21R、22R、5M-Eである。
    意匠いしょうとしての特徴とくちょう北米ほくべい同様どうようの5マイルバンパー、ボンネットマスコットがぜんモデルに搭載とうさいされる。
    ハードトップにはGTX2.8とかれたサイドストライプ、セダン・ワゴンの初期しょきモデルは日本にっぽん国内こくないのクレスタに採用さいようされたよんとうしきヘッドライトが搭載とうさいされるが、85ねん以降いこう地域ちいき同様どうように2とうしきヘッドライトにあらためられる。
    日本にっぽん国内こくないでもマークIIワゴン (GX70G) にクレスタ (GX71) のかくがたよんとうしきのフロントマスクを流用りゅうようするといったカスタムが存在そんざいしているが、中東ちゅうとうけについては規格きかくヘッドライトの部品ぶひん入手にゅうしゅのしやすさから、じつはこのカスタムと同様どうようわせをメーカーで設定せってい販売はんばいされていた。
  • みなみアフリカ仕様しよう(セダン・ワゴン)
    • 85ねん-88ねんモデル 現地げんち生産せいさんだったこともあり、独自どくじのバリエーションが設定せっていされている。
      2.8iツインカム、2.8RSi、2.4GLE、2.4GL、2.4GL WAGON、GLi-6、1.8LSの7グレード。エンジンは5M-GEU、22R、1G-E、2Y。 2.8iツインカムではほんかわシート、2.8RSiではボディ同色どうしょくのシートベルトがわされる。
    • 88-93ねんモデル 地域ちいきではX80がたにモデルチェンジされるが継続けいぞく販売はんばいされる。
      3.0i、3.0GLS、GLi-6、2.4GL、2.4GLE、2.0GS、2.0GSEの7グレード。2.4GL、2.4GLEにはセダンとワゴンの設定せっていがある。&br;エンジンは7M-GE、1G-FE、22R、3Y。 A70スープラ、Z20ソアラなどに搭載とうさいされた7M-GE搭載とうさい車両しゃりょう型式けいしき:MX75)はみなみアフリカのみの設定せっていであり、地域ちいきでは存在そんざいしない。
  • 一般いっぱん輸出ゆしゅつ仕様しよう(セダン・ワゴン) GL、GLX-i、GLX、XLの4グレード。
    エンジンは仕向しむによるが、5M-GEU、5M-E、22R、21R、1G-E、2L。ワゴンはXLのみの設定せってい
    みじかいバンパーや、横長よこながタイプのナンバーに対応たいおうさせたセンターガーニッシュが省略しょうりゃくされたリアまわりなど、全体ぜんたいてきには欧州おうしゅう豪州ごうしゅう仕様しようちか外観がいかんであるが、サイドウィンカーなどが省略しょうりゃくされる。

3タイプのボディのうち4ドアセダンは仕向しむにもよるが唯一ゆいいつサンルーフの設定せってい存在そんざいした。

4代目だいめ X80けい(1989ねん - 1992ねん[編集へんしゅう]

MX83クレシーダ
後期こうきがた

7M-GE 3.0Lエンジンを搭載とうさいした。ワゴン・ハードトップが消滅しょうめつし、セダンのみとなった。このモデルを最後さいごにクレシーダは廃止はいしされ、アバロン間接かんせつてき後継こうけいとなった。

販売はんばい台数だいすう[編集へんしゅう]

モデルイヤー 北米ほくべい 販売はんばい台数だいすう
1977 2,526[3]
1978 12,484
1979 11,910
1980 11,627
1981 29,583
1982 37,448
1983 39,755
1984 34,456
1985 45,286
1986 42,180
1987 21,968
1988 14,035
1989 23,785
1990 12,710
1991 9,415
1992 3,528
1993 322
1994 5
1995 2
Total 318,596

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 著者ちょしゃ 山崎やまざき敏夫としお経営けいえいのグローバル基本きほんてき特徴とくちょう意義いぎ(Ⅰ)―日本にっぽん製造せいぞうぎょう中心ちゅうしんとして
  2. ^ トヨタ自動車とよたじどうしゃ75ねん 資料しりょうる75ねんあゆ”. 2013ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  3. ^ ToyotaReference.com”. 2013ねん1がつ28にち閲覧えつらん

関連かんれん事項じこう[編集へんしゅう]