定員ていいん

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定員ていいん(ていいん)とは、団体だんたい所属しょぞく施設しせつものなどの収容しゅうようかんする最大さいだい人員じんいん

概説がいせつ[編集へんしゅう]

組織そしき団体だんたいなどの場合ばあい定員ていいんとは組織そしき団体だんたいぞくしうる最大さいだいすう人員じんいんのことをす。一般いっぱん組織そしき団体だんたい規則きそくなどで人員じんいん決定けっていされる。公務員こうむいん場合ばあいには法律ほうりつ定員ていいんまっている。定員ていいん超過ちょうかした場合ばあいには、組織そしきがい人間にんげんあらたに組織そしき加入かにゅうすることは制限せいげんされ、また所属しょぞくしている人数にんずう定員ていいん超過ちょうかしていればちょう過分かぶんについては「余剰よじょう人員じんいん」といわれ、削減さくげん対象たいしょうとなることがおおい。もっとも、株式会社かぶしきがいしゃなど、私的してき団体だんたいにおいての整理せいり解雇かいこ規則きそく次第しだいである。しかし公務員こうむいんについては、余剰よじょう人員じんいん分限ぶげん処分しょぶん対象たいしょうとなる。

施設しせつ設備せつび自動車じどうしゃ鉄道てつどう車両しゃりょう航空機こうくうきひとし、ある区画くかくなかひとれる場合ばあいには、定員ていいんとはある一定いってい基準きじゅんしたにその区画くかくないれる最大さいだい人数にんずう、またはその目安めやすという意味いみがある。区画くかくなかれる人数にんずうについては、座席ざせきせきふくむ)としての性格せいかくがあるため、面積めんせきおうじて決定けっていされる場合ばあいおおい。また、自動車じどうしゃ場合ばあい座席ざせきバス鉄道てつどうとう公共こうきょう交通こうつう機関きかんでは座席ざせきすうのほか、いの場合ばあいつりかわかずふくめて定員ていいんび、これをもってこの数値すうちとするいいかたがある。また、旅客機りょかくきエレベーターひとし場合ばあい重量じゅうりょうをもって決定けっていされる。なお、客船きゃくせん高速こうそくバス乗用車じょうようしゃなど腰掛こしかけかずである「座席ざせき定員ていいん」のみとなっているものについては、保安ほあん定員ていいん(ほあんていいん)とい、これをえての乗車じょうしゃ乗船じょうせん法令ほうれいじょうみとめられておらず、かり定員ていいんえる場合ばあいには法律ほうりつじょう罰則ばっそくせられる。なお、鉄道てつどう車両しゃりょうでも特急とっきゅうがた車両しゃりょうグリーンせきなど特別とくべつせきでは腰掛こしかけ数値すうちをもって定員ていいんとする場合ばあいもあり、またいわゆるロビーカーでは定員ていいん0めいとしてあつかっている。保安ほあん定員ていいんではない場合ばあい基本きほんてきにはあくまでも目安めやす(いわゆる「サービス定員ていいん」)にすぎないため、定員ていいん超過ちょうかした場合ばあいでも物理ぶつりてきれうるかぎりはれられることがおおい。もっとも、定員ていいんせい場合ばあい安全あんぜんじょうなどで定員ていいんたっした場合ばあいにはそれ以上いじょう入場にゅうじょう乗車じょうしゃ制限せいげんすることもある。

鉄道てつどう車両しゃりょう定員ていいん[編集へんしゅう]

設計せっけい[編集へんしゅう]

車両しゃりょう強度きょうど確保かくほするには、鉄道てつどう車両しゃりょうかぎらず、重量じゅうりょう限界げんかい把握はあくする必要ひつようがあり、車両しゃりょうそのものの自重じちょうと、それに乗客じょうきゃく荷物にもつなどのせきしゃ重量じゅうりょう考慮こうりょする必要ひつようがある[1]。ただし、鉄道てつどう車両しゃりょう場合ばあい定員ていいんせいでないかぎ定員ていいん上回うわまわひとんでくる可能かのうせいもあることから、想定そうていされる上限じょうげんをベースに安全あんぜんりつをかけて車両しゃりょう強度きょうど算定さんていされる[1]

定員ていいん冷房れいぼう装置そうち冷房れいぼう能力のうりょく設計せっけいにも影響えいきょうする。列車れっしゃ冷房れいぼう装置そうちは、外気がいき機器ききるいねつのほか、乗客じょうきゃくはっする体温たいおんにも対応たいおうする必要ひつようがある[2]。そのため、定員ていいんおおい(または乗車じょうしゃりつたかい)車両しゃりょう乗降じょうこうきゃくおおとびら開閉かいへい回数かいすうおおい(= ひらけ時間じかんながい)と見込みこまれる車両しゃりょう、またはとびらかず開口かいこう面積めんせきおおきい車両しゃりょうでは冷房れいぼう能力のうりょくたかくする必要ひつようがある[2]

混雑こんざつりつ乗車じょうしゃりつ[編集へんしゅう]

大要たいようとしては鉄道てつどう車両しゃりょう路線ろせんバスとうたてせき定員ていいんふくめたそう定員ていいん実際じっさい乗車じょうしゃ人数にんずう比率ひりつ混雑こんざつりつまたは、乗車じょうしゃりつという。

一般いっぱん通勤つうきん時間じかんたいでは定員ていいんの1.5ばいから2.5ばいもの乗車じょうしゃりつがあるとされ、また旧盆きゅうぼん年末年始ねんまつねんし帰省きせいラッシュともわれる集中しゅうちゅう移動いどうには列車れっしゃ混雑こんざつあらわすためにもちいられる。以下いか鉄道てつどうのケースでは混雑こんざつりつ様々さまざま要因よういんによりめられていることをべる。

乗車じょうしゃりつ目安めやす[編集へんしゅう]

国土こくど交通省こうつうしょう鉄道てつどうきょくによれば目安めやすとして混雑こんざつりつのいくつかのたいして、下記かき定性ていせい評価ひょうかげられている[3]

 乗車じょうしゃりつ目安めやす
 乗車じょうしゃりつ 説明せつめい
 100%  定員ていいん乗車じょうしゃ座席ざせきくか、吊革つりかわつかまるか、ドア付近ふきんはしらつかまることができる。
 150%  新聞しんぶんらくめる。
 180%  りたたむなど無理むりをすれば新聞しんぶんめる。
 200%  からだ相当そうとう圧迫あっぱくかんがあるが、週刊しゅうかん程度ていどならなんとかめる。
 250%  電車でんしゃれるたびにからだななめになって身動みうごきがとれず、うごかせない。

都市とし交通こうつう年報ねんぽう』による定員ていいん混雑こんざつりつ定義ていぎ[編集へんしゅう]

都市とし交通こうつう年報ねんぽう』においては混雑こんざつりつという言葉ことば使用しようし、通過つうか人員じんいん輸送ゆそうりょくたいする割合わりあい定義ていぎしている。また、車両しゃりょう標準ひょうじゅん定員ていいんについても下記かきのように算定さんてい方法ほうほうさだめている。

標準ひょうじゅん定員ていいん算出さんしゅつ基準きじゅん[編集へんしゅう]
  • ロングシート運転うんてんしつなどをのぞいた車内しゃない面積めんせき一人ひとりあたりの面積めんせきった面積めんせきは0.35平方へいほうメートル。
  • セミクロスシート車内しゃない面積めんせき一人ひとりあたりの面積めんせきった面積めんせきは0.4平方へいほうメートル。クロスシートの座席ざせきすうぜん座席ざせきすうの80 %以上いじょう場合ばあいはオールクロスシートの基準きじゅん適用てきよう
  • オールクロスシート座席ざせきすう

ただし、都市とし交通こうつう年報ねんぽう定期ていきけん購入こうにゅうきゃくすべてが毎日まいにち通勤つうきん通学つうがくしていることを前提ぜんてい断面だんめん交通こうつうりょう数字すうじ掲載けいさいしてきた。実際じっさい流動りゅうどう想定そうていするには出勤しゅっきんりつ登校とうこうりつ適切てきせつ設定せっていするか、自動じどう改札かいさつによるデータの活用かつようなどべつ手段しゅだん必要ひつようとされる。

JIS E 7103 通勤つうきんよう電車でんしゃ車体しゃたい設計せっけい通則つうそく』による定員ていいん定義ていぎ[編集へんしゅう]

車体しゃたい設計せっけい通則つうそく車両しゃりょう技術ぎじゅつ観点かんてんからさだめられており、混雑こんざつりつ定義ていぎしていないが、車両しゃりょう定員ていいんについては定義ていぎしている。この定員ていいん混雑こんざつりつ算定さんてい使用しようする場合ばあいもある。

  • 乗客じょうきゃく定員ていいん座席ざせき定員ていいんたてせき定員ていいん
  • 座席ざせき定員ていいん腰掛こしかけはば乗客じょうきゃくいちにんあたりのめるはばった採用さいよう車両しゃりょうメーカーと事業じぎょうしゃあいだめがない場合ばあい一人ひとりあたりのはばは430 mm。
  • たてせき定員ていいん腰掛こしかけよう座席ざせき面積めんせき腰掛こしかけまえ一定いっていはば(250 mm)をのぞいた客室きゃくしつないゆか面積めんせきのうち、はばが550 mm以上いじょうたかさが1,900 mm以上いじょう部分ぶぶんひと空間くうかんとして計算けいさん対象たいしょうとし、それを乗客じょうきゃくいちにんあたりのめるゆか面積めんせきった採用さいよう車両しゃりょうメーカーと事業じぎょうしゃあいだめがない場合ばあい一人ひとりあたりのひろさは0.3平方へいほうメートル。

算定さんてい方法ほうほうによる差異さい[編集へんしゅう]

上記じょうきのように、混雑こんざつりつ算定さんていもととなっている車両しゃりょう定員ていいん定義ていぎおおきくけても2種類しゅるい存在そんざいし、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ個別こべつ車両しゃりょう形式けいしきについて腰掛こしかけはばひろくとるなどしていた場合ばあい、その種類しゅるいはさらにえる。また、輸送ゆそうりょう一定いってい前提ぜんてい条件じょうけんもと統計とうけい数字すうじ公表こうひょうされている。そのため、おな車両しゃりょう形式けいしきであっても計算けいさん方法ほうほうことなれば定員ていいん変動へんどうし、大手おおて事業じぎょうしゃ地方ちほう事業じぎょうしゃ車両しゃりょう譲渡じょうとするさいには、シートなどの占有せんゆう面積めんせきが(ほとんど)変化へんかしていないのに譲渡じょうとさき定員ていいん大幅おおはば変更へんこうになっている場合ばあいもある。また、国家こっかレベルで輸送ゆそうりょく増強ぞうきょう長期ちょうき計画けいかくさだめた運輸うんゆ政策せいさく審議しんぎかい答申とうしんなどでは、かく路線ろせん答申とうしん時点じてん輸送ゆそうりょく将来しょうらい目標もくひょう輸送ゆそうりょく記載きさいされているが、輸送ゆそうりょくをどのように計算けいさんしたのかは事業じぎょうしゃごとにことなり、雑誌ざっし車体しゃたいへの標記ひょうきとうかく形式けいしきべつ公表こうひょうされた定員ていいんとこれらの答申とうしん一致いっちしていないことがおおい。また、これらの答申とうしん毎年まいとしのリリースで公表こうひょうされる『さい混雑こんざつ1あいだ』の定義ていぎかく路線ろせん事情じじょう勘案かんあんしてさだめられ、同一どういつ時間じかんではない。

混雑こんざつりつ測定そくていにおける誤差ごさ[編集へんしゅう]

混雑こんざつりつ測定そくてい自体じたいについての問題もんだい存在そんざいする。

  • 測定そくてい手段しゅだんによる誤差ごさ
現在げんざい輸送ゆそうりょく計算けいさん基礎きそとなっているのは目視もくし測定そくていである。この手法しゅほう簡便かんべんであるが誤差ごさ問題もんだい従来じゅうらいから指摘してきされてきた。また、1りょうごとに測定そくてい人員じんいんてるのか、複数ふくすう車両しゃりょう1人ひとりがまとめて測定そくていするのかなど詳細しょうさいちがいもられる。手段しゅだんとしては自動じどう改札かいさつによるにゅう出場しゅつじょうデータの集計しゅうけいする方法ほうほう鉄道てつどう車両しゃりょう台車だいしゃ空気くうきばねに設置せっちされたおう加重かじゅう装置そうちよりくるまじゅう変化へんか方法ほうほう軌道きどううえ設置せっちしたひずみゲージ列車れっしゃ重量じゅうりょう測定そくていする方法ほうほうなどが考案こうあんされ、一部いちぶ実用じつようされている。しかし、測定そくてい精度せいどやコストめん問題もんだいから目視もくし測定そくてい匹敵ひってきする普及ふきゅうにはいたっていない。たとえば編成へんせい各車かくしゃおう加重かじゅう装置そうち情報じょうほう鉄道てつどう車両しゃりょうのモニタ装置そうち一括いっかつしてあつかうシステムは近年きんねん新造しんぞう車両しゃりょうでは一般いっぱんてき装備そうびとなりつつあるが、すう10kgオーダーでの測定そくてい精度せいど必要ひつようとなるうえ路線ろせん特性とくせいたとえば通学つうがくきゃく主体しゅたい路線ろせん工場こうじょう労働ろうどうしゃ主体しゅたい路線ろせんでは想定そうていする一人ひとりあたりの重量じゅうりょうことなる)や、ぶしによる着衣ちゃくい重量じゅうりょう変化へんか適切てきせつ対応たいおうすることがもとめられるじょう情報じょうほうシステムを整備せいびしていない旧型きゅうがた車両しゃりょう混在こんざいして運用うんようされる路線ろせんではりデータとならざるをない。そのため、あたらしい測定そくていほう採用さいようしたケースでもほとんどは目視もくし測定そくていとの併用へいようであるとされる。将来しょうらいてきにはICタグ活用かつようした1めい単位たんい乗車じょうしゃ把握はあくすることもかんがえられている。
  • 測定そくてい時期じきによる誤差ごさ
現在げんざい鉄道てつどう事業じぎょうしゃ各社かくしゃ混雑こんざつりつ測定そくていおこな時期じき頻度ひんど一定いっていしていない。
  • その誤差ごさ
測定そくてい時間じかん定義ていぎ測定そくてい対象たいしょう列車れっしゃぜん列車れっしゃ一部いちぶ列車れっしゃか)、測定そくてい区間くかん定義ていぎなどにもちがいがられる。

混雑こんざつりつ表記ひょうきにおける前提ぜんてい[編集へんしゅう]

現在げんざい都市とし交通こうつう年報ねんぽう鉄道てつどう事業じぎょうしゃ公表こうひょうされるかく路線ろせん混雑こんざつりつさい混雑こんざつ1あいだないし終日しゅうじつのデータである。したがって公表こうひょう対象たいしょう時間じかんぜん列車れっしゃ平均へいきんであり、個別こべつ列車れっしゃ、あるいは個別こべつ車両しゃりょう混雑こんざつりつあらわすものではない(簡単かんたん計算けいさんれいとして、混雑こんざつりつが200%でかく車両しゃりょう定員ていいんひとしい4りょう編成へんせい列車れっしゃ存在そんざいし、1りょうが250%、2りょうが200%、3りょうが150%、4りょうが100%の場合ばあい、その平均へいきん混雑こんざつりつは175%となり、りょうはしの2りょうでは平均へいきん比較ひかくいちじるしい乖離かいり発生はっせいする)。えきでの旅客りょかく流動りゅうどう研究けんきゅうでは、乗降じょうこう便利べんり位置いち車両しゃりょう混雑こんざつしやすいことがられている。

2000年代ねんだいはいるまで、こうした車両しゃりょうべつ混雑こんざつデータを事業じぎょうしゃ定期ていきてき公表こうひょうすることはなかった。しかし2000年代ねんだい後半こうはんから小田急電鉄おだきゅうでんてつ東急とうきゅう電鉄でんてつなど、混雑こんざつはげしい路線ろせんゆうする一部いちぶ鉄道てつどう会社かいしゃでは、かみ媒体ばいたい車両しゃりょうべつ混雑こんざつ具合ぐあい公表こうひょうするケースもあらわれた。

スマートフォン普及ふきゅうした2014ねんには、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどうが「JR東日本ひがしにっぽんアプリ」をリリースして山手やまてせん車両しゃりょうべつ混雑こんざつじょうきょうがリアルタイムで確認かくにんできるようになった。

混雑こんざつりつ表記ひょうきいちれい[編集へんしゅう]

つぎ一般いっぱんしょ(2011ねん)に記載きさいされた通勤つうきん路線ろせん混雑こんざつりつ一覧いちらんれいしめ[4]

 混雑こんざつりつ180パーセント以上いじょう区間くかん
区間くかん 混雑こんざつりつ
総武本線そうぶほんせん 錦糸きんしまち両国りょうこく 203%
山手やまてせん 上野うえの御徒町おかちまち 202%
埼京線さいきょうせん 板橋いたばし池袋いけぶくろ 200%
京浜東北けいひんとうほくせん 上野うえの御徒町おかちまち 198%
東京とうきょうメトロ東西線とうざいせん 木場きば門前仲町もんぜんなかちょう 197%
中央ちゅうおう本線ほんせん 中野なかの新宿しんじゅく 194%
南武線なんぶせん 武蔵中原むさしなかはら武蔵むさし小杉こすぎ 194%
高崎たかさきせん 宮原みやはら大宮おおみや 192%
東海道とうかいどう本線ほんせん 川崎かわさき品川しながわ 190%
武蔵野線むさしのせん 東浦ひがしうらかず南浦和みなみうらわ 189%
武蔵野線むさしのせん 船橋ふなばし法典ほうてん西船橋にしふなばし 188%
東急とうきゅう田園都市線でんえんとしせん 池尻大橋いけじりおおはし渋谷しぶや 187%
京浜東北けいひんとうほくせん 大井おおいまち品川しながわ 187%
小田急おだきゅう小田原おだわらせん 世田谷せたがや代田だいだ下北沢しもきたざわ 187%
京葉けいようせん 葛西かさい臨海りんかい公園こうえん新木場しんきば 185%
湘南しょうなんモノレール 富士見ふじみまち大船おおぶね 183%
横浜よこはません 小机こづくえ新横浜しんよこはま 181%
横須賀よこすかせん 新川崎しんかわさき品川しながわ 181%
総武そうぶせん 新小岩しんこいわ錦糸町きんしちょう 180%

 

このれいのように、一般いっぱん書籍しょせきなかにはもっぱら混雑こんざつりつのみを抽出ちゅうしゅつして記載きさいするれいがみられるが、これは実際じっさいあつめられたデータのうち一部いちぶをトリミングしたものにぎない(路線ろせん首都しゅとけん一部いちぶ路線ろせんしぼっているほか、調査ちょうさ年次ねんじ記載きさいがない)。日本にっぽん国土こくど交通こうつうしょうきゅう運輸省うんゆしょう)は運輸うんゆ政策せいさくのための基礎きそてき公開こうかい資料しりょうとして、かく鉄道てつどう事業じぎょうしゃから主要しゅよう区間くかん混雑こんざつりつデータを収集しゅうしゅうし、外郭がいかく団体だんたい運輸うんゆ政策せいさく研究けんきゅう機構きこうきゅう運輸うんゆ経済けいざい研究けんきゅうセンター)より毎年まいとし刊行かんこうされる『都市とし交通こうつう年報ねんぽう』に掲載けいさいしている(同省どうしょう監修かんしゅう名目めいもく執筆しっぴつ参加さんか)。『都市とし交通こうつう年報ねんぽう』に掲載けいさいされる混雑こんざつりつ線区せんく事情じじょう考慮こうりょし、「主要しゅよう区間くかん」「測定そくてい時間じかんたい」が路線ろせんべつまっており、経年けいねん変化へんか観察かんさつするための基礎きそ資料しりょうとして利用りようすることができる。かく鉄道てつどう事業じぎょうしゃは、混雑こんざつりつのデータを提出ていしゅつするため、毎年まいとし波動はどうてき需要じゅよう影響えいきょうされにくい平日へいじつえらんで、上述じょうじゅつのようにしゅとして目視もくし測定そくていによってデータを収集しゅうしゅうしている。なお、『都市とし交通こうつう年報ねんぽう』に収載しゅうさいされたデータは刊行かんこうねんの2ねんまえである。このような混雑こんざつりつデータは各社かくしゃのウェブサイト、会社かいしゃ要覧ようらんでも概況がいきょうしめ指標しひょうひとつとして掲載けいさいされることがおおい。 [5] [6] [7]

国土こくど交通省こうつうしょうによる調査ちょうさ[編集へんしゅう]

国土こくど交通省こうつうしょうは、都市としけんにおける都市とし鉄道てつどう混雑こんざつりつ毎年まいとし調査ちょうさしている[8]

さん大都市だいとしけん主要しゅよう区間くかん平均へいきん混雑こんざつりつは、東京とうきょうけん163%(2018年度ねんど163%)、大阪おおさかけん126%(126%)、名古屋なごやけん132%(132%)となっている(2019年度ねんど)。

2019年度ねんど現在げんざいさい混雑こんざつ時間じかんたい1あいだ平均へいきん混雑こんざつりつが180%をえている路線ろせん以下いかのとおりである。

順位じゅんい 路線ろせん 区間くかん 混雑こんざつりつ年度ねんど 備考びこう
2019ねん 2018ねん 2017ねん 2016ねん 2015ねん
1 東京とうきょうメトロ東西線とうざいせん 木場きば門前仲もんぜんなかまち 199 % 199 % 199 % 199 % 199 % 日本にっぽん鉄道てつどう路線ろせんさい混雑こんざつ路線ろせん
2 横須賀よこすかせん 武蔵むさし小杉こすぎ西大井にしおおい 195 % 197 % 196 % 191 % 193 % 湘南しょうなん新宿しんじゅくラインをふく
3 総武そうぶ緩行かんこうせん 錦糸きんしまち両国りょうこく 194 % 196 % 197 % 198 % 199 %
4 東海道とうかいどうせん 川崎かわさき品川しながわ 193 % 191 % 187 % 184 % 182 % 上野うえの東京とうきょうラインをふく
5 日暮里にっぽり舎人とねりライナー 赤土あかつち小学校しょうがっこうまえ西日暮里にしにっぽり 189 % 189 % 187 % 188 % 183 % しん交通こうつうシステムでさい混雑こんざつ路線ろせん
6 京浜東北線けいひんとうほくせん 大井おおいまち品川しながわ 185 % 185 % 186 % 182 % 182 %
7 埼京線さいきょうせん 板橋いたばし池袋いけぶくろ 185 % 183 % 185 % 180 % 183 %
8 中央ちゅうおうせん(快速かいそく) 中野なかの新宿しんじゅく 184 % 182 % 184 % 187 % 188 %
9 東急とうきゅう田園都市線でんえんとしせん 池尻大橋いけじりおおはし渋谷しぶや 183 % 182 % 185 % 184 % 184 %
10 南武線なんぶせん 武蔵中原むさしなかはら武蔵むさし小杉こすぎ 182 % 184 % 189 % 188 % 190 %
11 総武そうぶ快速かいそくせん 新小岩しんこいわ錦糸きんしまち 181 % 181 % 181 % 181 % 180 %

定員ていいんせい[編集へんしゅう]

ライナーけん販売はんばいれい
券売けんばいうえに、かく乗車じょうしゃこうざんせきすう表示ひょうじされている。
東京とうきょうえき9・10ばんホーム

定員ていいんせい(ていいんせい)とは、せきみとめられていない都市としあいだ連絡れんらく高速こうそくバスや、ラッシュ鉄道てつどうにおいて、混雑こんざつ回避かいひ着席ちゃくせき確保かくほのために運行うんこうされるホームライナーとうもちいられる方式ほうしきひとつ。

鉄道てつどうのホームライナーでは、座席ざせき定員ていいんぶん乗車じょうしゃ整理せいりけん・ライナーけん運行うんこう会社かいしゃ発行はっこうし、乗客じょうきゃくはその対価たいか支払しはらうことで乗車じょうしゃ着席ちゃくせきできるシステムとなる。高速こうそくバスの場合ばあい乗車じょうしゃする便びん指定していした乗車じょうしゃけん事前じぜん購入こうにゅうする路線ろせんと、便びん指定していせずに自由じゆう乗車じょうしゃできる路線ろせんがある。いずれも空席くうせきがなくなると、途中とちゅう停留所ていりゅうじょからの利用りようはできなくなる。

座席ざせき指定していせきけんことなるのは座席ざせき指定していではなく、あくまでも着席ちゃくせき確保かくほ乗車じょうしゃ優先ゆうせんであるため、窓側まどがわ通路つうろがわなど座席ざせき指定していがなされない。ただし、発行はっこう時間じかんごと出発しゅっぱつごとなどにより、発券はっけんじゅんれつ区画くかく)だけが指定していされる場合ばあいがある。

航空機こうくうき定員ていいん[編集へんしゅう]

航空こうくう路線ろせんでも、運行うんこう会社かいしゃ便びんによっては定員ていいんせいをとっている場合ばあいがあり、給油きゅうゆやトランジットのための寄港きこうで、ながせきはなれるさい使用しようちゅうであることをアピールしておかないときゃくせきをとられる場合ばあいがある。

航空こうくうほうでは機体きたい定員ていいんによる制限せいげんがあり、日本にっぽん国内こくないでは定員ていいんが20にん以上いじょう旅客機りょかくきには客室きゃくしつ乗務じょうむいん必要ひつようとなる。

船舶せんぱく定員ていいん[編集へんしゅう]

ふねは、定員ていいん超過ちょうか積載せきさいりょう超過ちょうかをすることにより復原ふくげんせいうしな転覆てんぷく英語えいごばんしやすくなる。日本にっぽんでは、1933ねん昭和しょうわ8ねん)に船舶せんぱく安全あんぜんほう成立せいりつして定員ていいんなどが規定きていされるようになったが、終戦しゅうせん混乱こんらん意識いしきひくさにより、大幅おおはば定員ていいん超過ちょうか原因げんいんとする転覆てんぷく事故じこ多発たはつした。詳細しょうさい海難かいなん事故じこ一覧いちらんこう参照さんしょうのこと。

日本にっぽん発生はっせいした定員ていいん超過ちょうか原因げんいんとするおも事故じこ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 井上いのうえ孝司たかし車両しゃりょう研究けんきゅうひろがるてつ世界せかい秀和しゅうわシステム、2010ねん、55ぺーじ
  2. ^ a b 井上いのうえ孝司たかし車両しゃりょう研究けんきゅうひろがるてつ世界せかい秀和しゅうわシステム、2010ねん、273ぺーじ
  3. ^ 混雑こんざつ目安めやす”. 国土こくど交通省こうつうしょう鉄道てつどうきょく. 2019ねん11月17にち閲覧えつらん
  4. ^ 鉄道てつどう日本一にっぽんいち!事典じてん』2011ねん4がつ
    乗車じょうしゃりつ)180パーセントをえる区間くかんから抽出ちゅうしゅつ
  5. ^ 主要しゅよう路線ろせん混雑こんざつりつ平成へいせい19年度ねんど - 国土こくど交通省こうつうしょう
  6. ^ 混雑こんざつりつ180%をえる路線ろせん平成へいせい23年度ねんど - 国土こくど交通省こうつうしょう
  7. ^ 国内こくないかく路線ろせん混雑こんざつりつ平成へいせい26年度ねんど - 国土こくど交通省こうつうしょう
  8. ^ 都市とし鉄道てつどう混雑こんざつりつ調査ちょうさ結果けっか公表こうひょう(平成へいせい30年度ねんど実績じっせき)”. 国土こくど交通こうつうしょう. 2019ねん11月17にち閲覧えつらん
  9. ^ くれ だい5かん』pp.245 昭和しょうわ63ねん3がつ31にち くれ編纂へんさん委員いいんかいへん
  10. ^ もののの定員ていいん超過ちょうか 実情じつじょう対策たいさくをきく」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん昭和しょうわ29ねん10がつ10日とおか11めん
  11. ^ 定員ていいんよんばい乗船じょうせん」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん昭和しょうわ29ねん10がつ9にち11めん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]