トロパン

トロパン
	IUPAC名めい 8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン
	別称べっしょう 2,3-Dihydro-8-methylnortropidine
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	529-17-9
PubChem	637986
	SMILES CN1C2CCC1CCC2;
特性とくせい
化学かがく式しき	C8H15N
モル質量しつりょう	125.211 g/mol
密度みつど	0.9259 at 15 °C
沸点ふってん	163-169 °C
	特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

トロパン（tropane）とは、環状かんじょうアミンの1種しゅで、6員いん環たまきのピペリジンに N-メチル基もとと炭素たんそ原子げんし2個こからなる架橋かきょうが付ついた構造こうぞうを持もつ。不ふ斉ひとし炭素たんそ原子げんしを2個こ（橋はし頭あたまの1位いと5位い）含ふくむが、分子ぶんし内ないに対称たいしょう面めんをもつため光学こうがく異性いせい体たいはない。

トロパン骨格こっかくを含ふくむアルカロイドが多数たすう知しられ、トロパンアルカロイドと呼よばれる。これはオルニチンを原料げんりょうとして生なま合成ごうせいされる。ナス科か（アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミンなど多数たすう）やコカノキ科か（コカインなど）の植物しょくぶつに含ふくまれる。このほか合成ごうせい向こう精神せいしん薬やくにもトロパン骨格こっかくを持もつものがある。架橋かきょう位置いちの異ことなる異性いせい体たいにはイソトロパン（isotropane）がある。N-メチル基もとのない誘導体ゆうどうたいはノルトロパン（nortropane）である。

脚注きゃくちゅう