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メチルもと

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
メチルもと構造こうぞうしき

メチルもと(メチルき、methyl group)とは、有機ゆうき化学かがくにおいて、-CH3あらわされるもっと分子ぶんしりょうちいさいアルキル置換ちかんもとである。とくヒドロキシもとメルカプトはじめ(チオールもと)にたいする保護ほごもとにも利用りようされる。この名称めいしょうは、IUPAC命名めいめいほう置換ちかん命名めいめいほうのルールによりメタン (methane) の呼称こしょうから誘導ゆうどうされたものである。そして構造こうぞうしき表記ひょうきする場合ばあいMeりゃくされる。

メチルもと隣接りんせつもと効果こうかとして、電子でんし供与きょうよせいしめす。このことは、ちょう共役きょうやくかんがかた説明せつめいされる。(記事きじ 有機ゆうき電子でんしろんくわしい)

メチル

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ある化合かごう物上ぶつじょうにメチルもと導入どうにゅうすることを メチルぶ。メチル有機ゆうき合成ごうせいにおいて、そして生体せいたいないにおいておこなわれる化学かがく反応はんのうである。本節ほんぶしでは有機ゆうき合成ごうせいにおけるメチル反応はんのうについてべる。生体せいたいないでのアミノ酸あみのさんざんもとDNA核酸かくさん塩基えんきなどのメチルについては項目こうもく: メチル参照さんしょうのこと。

有機ゆうき合成ごうせい化学かがくにおけるメチル

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有機ゆうき合成ごうせい化学かがくにおいてメチル利用りようされる反応はんのう形式けいしきおおきく

  1. もとめ電子でんし付加ふか反応はんのう
  2. もとめかく置換ちかん反応はんのう
  3. 還元かんげんてきアルキル反応はんのう

けられる。とくにもとめ電子でんし付加ふか反応はんのうはメチルさんきゅうアルキル特徴とくちょうてきで、いちきゅうないしはきゅうアルキルえると相当そうとうする反応はんのう進行しんこうしない。またこの性質せいしつが、メチルもとだつ保護ほご利用りようされたり、転位てんい反応はんのうやすいという特徴とくちょうになっている。

もとめ電子でんし付加ふか反応はんのうにより、O-メチル、S-メチルする試薬しやくとして、硫酸りゅうさんジメチルトリフルオロメタンスルホンさんメチル (CF3SO3CH3) がられている。とくカルボンさんをメチルする場合ばあいには、ジアゾメタンあるいはトリメチルシリルジアゾメタンもちいれば、すみやかにおさむりつくメチルエステルがられることがおおい。

もとめかく置換ちかん反応はんのうにより、O-メチル、N-メチル、S-メチルするにはヨードメタン塩基えんきとともに作用さようさせる。N-メチル、S-メチルはメチルもと電子でんし供与きょうよせいにより、アルキル置換ちかんするほど窒素ちっそまたは硫黄いおうもとめかくせい増大ぞうだいするため複数ふくすうのメチルもと導入どうにゅうされやすく、場合ばあいによってはよんきゅうアンモニウムやスルホニウムが優先ゆうせんして生成せいせいする。近年きんねん炭酸たんさんジメチルをメチルざいとして使つか方法ほうほう研究けんきゅうされはじめている。

還元かんげんてきアルキル反応はんのうはもっぱらN-メチル利用りようされるので、還元かんげんてきアミノ(reductive amination)ともばれ、エシュバイラー・クラーク反応はんのうなど、ホルムアルデヒドをアミンに作用さようさせて還元かんげんする。この方法ほうほうもとめかく置換ちかん反応はんのうによるN-メチルが、容易ようい複数個ふくすうこのメチルもと導入どうにゅうされやすいのにたいして、N-モノメチルたい生成せいせいさせやす特徴とくちょうつ。

O-メチルもとは、つよいルイスさん作用さようさせると容易よういだつはなれ(カチオン転位てんい)するので、O-メチルもとだつ保護ほごする方法ほうほうとして、さんしゅうホウ素ほうそ (BBr3) や ヨードトリメチルシラン ((CH3)3SiI) などが利用りようされる。このさいだつはなしたメチルもと不用意ふようい部位ぶいもとめ電子でんし付加ふかしないようにするため、メチルもと捕捉ほそくするジメチルスルフィドなどのスカベンジャーを共存きょうぞんさせる場合ばあいもある。とくにフェノールせいヒドロキシもとはこの方法ほうほうだっはなさせやすいので、フェノールの保護ほごもととしてメチルもと利用りようする場面ばめんおおい。

あるいは酸素さんそふくめて交換こうかんされるために形式けいしきてきなメチルになるが、カルボンあるいはのアルキルもとのエステルをメタノールさん触媒しょくばい反応はんのうさせると前者ぜんしゃ脱水だっすいちぢみあいにより、後者こうしゃはエステル交換こうかんによりメチルエステルをあたえる。この反応はんのう付加ふかだつ離反りはんおうである。

炭素たんそをメチルする方法ほうほうとしてケトンのカルボニル炭素たんそたいして、メチルリチウム (CH3Li) 、においメチルマグネシウム (CH3MgBr) など有機ゆうき金属きんぞく試薬しやく作用さようさせるともとめかくてきなメチル反応はんのう進行しんこうして相当そうとうするさんきゅうアルコールがられる。

関連かんれん項目こうもく

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C0:
水素すいそ
アルキルもと C2:
エチルもと