トーマス・ローレンス (画家がか)

トーマス・ローレンス Thomas Lawrence
『自画像じがぞう』(1788年ねん) デンヴァー美術館びじゅつかん蔵ぞう
誕生たんじょう日び	(1769-04-13) 1769年ねん4月がつ13日にち
出生しゅっしょう地ち	グレートブリテン王国おうこく イングランド、ブリストル
死没しぼつ年ねん	1830年ねん1月がつ7日にち(1830-01-07)（60歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち	イギリス イングランド、ロンドン
芸術げいじゅつ分野ぶんや	画家がか

サー・トーマス・ローレンス（Sir Thomas Lawrence, 1769年ねん4月がつ13日にち - 1830年ねん1月がつ7日にち）は、イギリスの画家がか。

生涯しょうがい

ブリストルで生うまれた。父ちちは宿屋やどやの主人しゅじんで、最初さいしょにブリストルで、のちにデヴィゼス（ウィルトシャーの町まち）で経営けいえいしていた。6歳さいのトーマスは、客きゃくの好すきな物ものを描えがいたり、ジョン・ミルトンの晩年ばんねんの演説えんぜつをしたりするなど、子供こどもながらその片鱗へんりんを見みせていた。1779年ねんに事業じぎょうの失敗しっぱいで父ちちはデヴィゼスを離はなれなければならなくなり、トーマスの早熟そうじゅくの才能さいのうが、家族かぞくの主しゅたる収入しゅうにゅう源げんとなっていった。彼かれはバース・ロード沿ぞいで評判ひょうばんを得えていた。デビューはオックスフォードでのクレヨン肖像しょうぞう画家がかとしてで、その時ときには後援こうえん者しゃがついていた。1782年ねん、一家いっかはバースへ移うつり住すんだ。若わかい芸術げいじゅつ家かトーマスは、すぐに1ギニーや1ギニー半はんでお洒落しゃれな人々ひとびとの好このむクレヨンで絵えを描えがいて収入しゅうにゅうを得えていた。1784年ねん、トーマスは賞しょうをもらい、クレヨン芸術げいじゅつ協会きょうかいの銀製ぎんせいパレットを手てに入いれた。彼かれはラファエロ・サンティの『変容へんよう』を描えがいた後のち、油絵あぶらえで描えがき始はじめた。

絵えで身みを立たてる決意けついをしたトーマスは、1787年ねんにロンドンへ出でて、ジョシュア・レノルズに親切しんせつに迎むかえられてロイヤル・アカデミーの生徒せいととなった。彼かれはほとんどすぐに絵えを展示てんじし始はじめ、評判ひょうばんもたちまち上あがり、1791年ねんにはアカデミー会員かいいんとなった。1792年ねんにレノルズが亡なくなると、さらなる成功せいこうへの道みちが開あけた。トーマスはただちにディレッタンティ協会きょうかいの画家がかに任命にんめいされ、レノルズの代かわりに国王こくおうジョージ3世せいのお抱かかえ画家がかとなった。1794年ねん、彼かれは当代とうだいの社交しゃこう界かいや王侯おうこうの肖像しょうぞう画がを描えがくようになった。顧客こきゃくにはイギリス一いち高名こうみょうな人々ひとびとも含ふくまれていた。王おう太子たいし妃ひキャロラインは彼かれの気きに入いりの主題しゅだいの一ひとつであったために、一時いちじはキャロラインとの仲なかを疑うたがわれた。1815年ねん、トーマスはナイトに授爵じゅしゃくされた。1818年ねん、トーマスは依頼いらいを受うけてアーヘンへ行いき、王侯おうこうや外交がいこう官かんたちの肖像しょうぞうを描えがいた。ウィーンとローマへも足あしを伸のばした。どこでも王侯おうこうから、際きわだって実物じつぶつよりよく見みせるやり方かたが気きに入いられ、芸術げいじゅつ家かとして自身じしんの利益りえきになるように心得こころえた宮廷きゅうてい儀礼ぎれいも同様どうようであった。18か月げつ後ごに帰国きこくし、彼かれが到着とうちゃくした日ひには、数日すうじつ前まえに亡なくなっていたベンジャミン・ウェストの部屋へやで、ロイヤル・アカデミーの会長かいちょう職しょくに選えらばれた。1820年ねんから会長かいちょう職しょくに就つき、死しの年としまで務つとめた。彼かれは生涯しょうがい結婚けっこんしなかった。

トーマス・ローレンスは、個人こじん的てきな儀礼ぎれいの資質ししつと、流行りゅうこうの画家がかになるにふさわしい芸術げいじゅつの腕うでとの両方りょうほうを持もっていた。そして、イギリスの肖像しょうぞう画家がかとして高位こういに就ついた。彼かれのより野心やしん的てきな作品さくひんは古典こてん様式ようしきで、彼かれのかつての著名ちょめいな『サタン』像ぞうは今いまほとんど忘わすれ去さられている。

ローレンスの作品さくひんが最もっとも展示てんじされるのはウィンザーのウォータールー・ギャラリーである。収蔵しゅうぞう品ひんのほとんどは歴史れきし的てき興味きょうみをひかれる。『ランプトン少年しょうねん像ぞう』(Master Charles william Lambton)は600ギニーの価格かかくでダーラム卿きょうのため描えがかれた。これは彼かれの最高さいこう傑作けっさくの一ひとつに数かぞえられる。

ギャラリー

• 
  エリザベス・ファーレン像ぞう（1791年ねん以前いぜん）、メトロポリタン美術館びじゅつかん
• 
  ブレッシントン伯爵はくしゃく夫人ふじんマーゲリートの肖像しょうぞう（1819年ねん）、ウォレス・コレクション
• 
  ランプトン少年しょうねん像ぞう（1825年ねん）
• 
  アレグザンダー・マッケンジーの肖像しょうぞう（1800年ねん頃ごろ）、カナダ国立こくりつ美術館びじゅつかん
• 
  ジョージ4世せい（1821年ねん）、ロイヤル・コレクション

参考さんこう文献ぶんけん

• Monkhouse, William Cosmo (1892). "Lawrence, Thomas (1769-1830)" . In Lee, Sidney (ed.). Dictionary of National Biography (英語えいご). Vol. 32. London: Smith, Elder & Co. pp. 278–285.
• Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Lawrence, Sir Thomas" . Encyclopædia Britannica (英語えいご). Vol. 16 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 308.

宮廷きゅうてい職しょく
先代せんだい サー・ジョシュア・レノルズ	主席しゅせき宮廷きゅうてい画家がか 1792年ねん – 1830年ねん	次代じだい デイヴィッド・ウィルキー
文化ぶんか
先代せんだい ベンジャミン・ウエスト	王立おうりつ芸術げいじゅつ院いん院長いんちょう 1820年ねん – 1830年ねん	次代じだい マーティン・アーチャー・シー