ドーパミン受容じゅよう体たい

ドーパミンD₃受容じゅよう体たいの構造こうぞう（エチクロプリドとの複ふく合体がったい）

ドーパミン受容じゅよう体たい（ドーパミンじゅようたい、英えい: dopamine receptor）は、主おもに中枢ちゅうすう神経しんけい系けいにあるGタンパク質たんぱくしつ共役きょうやく受容じゅよう体たい（GPCR）の一種いっしゅであり、神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつであるドーパミンと結合けつごうする。

分類ぶんるい

現在げんざい知しられているドーパミンの受容じゅよう体たいは5つある。下記かきの2群ぐんに分わけ、それぞれ興奮こうふん性せい、抑制よくせい性せいに作用さようすると論ろんじられることが多おおいが、実際じっさいにはドーパミンの薬理やくり学がく的てき、電気でんき生理学せいりがく的てき作用さようは単純たんじゅんではない。興奮こうふん性せい、抑制よくせい性せい作用さようの議論ぎろんは主しゅとして、即時そくじ型がた遺伝子いでんし (immediate early gene, IEG) の発現はつげんの増加ぞうか、減少げんしょうの観察かんさつにもとづいている。

D₁様よう受容じゅよう体たいファミリー（興奮こうふん性せい）

D₁様よう受容じゅよう体たいファミリーの活性かっせい化かはGタンパク質たんぱくしつのG_{αあるふぁs}と共役きょうやくし、それによってアデニル酸さんシクラーゼが活性かっせい化かされ細胞さいぼう内ないのcAMP濃度のうどが上昇じょうしょうする。プロテインキナーゼA (PKA) の活性かっせいによってDARPP32がリン酸化さんかされる。その後ごの機き序じょはまだ不明ふめいの点てんが多おおいが、即時そくじ型がた遺伝子いでんしの発現はつげんが上昇じょうしょうすることから、神経しんけい細胞さいぼう（ニューロン）は活動かつどう電位でんいを生しょうじ易やすくなると考かんがえられている。ただし実際じっさいの作用さようは単純たんじゅんではない。また、腎臓じんぞうなど内臓ないぞう血管けっかんの平滑へいかつ筋すじにも分布ぶんぷしており、cAMP濃度のうどの上昇じょうしょうによって筋すじを弛緩しかんさせる。

D₁受容じゅよう体たい

D₅受容じゅよう体たい

D₁受容じゅよう体たいに比くらべると脳のうでの発現はつげん量りょうは少すくない。

D₂様よう受容じゅよう体たいファミリー（抑制よくせい性せい）

D₂様よう受容じゅよう体たいファミリーの活性かっせい化かはGタンパク質たんぱくしつのG_{αあるふぁi}と共役きょうやくし、G_{αあるふぁi}がホスホジエステラーゼの活性かっせいを高たかめ、ホスホジエステラーゼによってcAMPが分解ぶんかいされる。その後ごの機き序じょにはまだ不明ふめいの点てんが多おおいが、即時そくじ型がた遺伝子いでんしの発現はつげんが低下ていかすることから、最終さいしゅう的てきにニューロンの発火はっかを抑制よくせいすると考かんがえられている。ただし実際じっさいの作用さようは単純たんじゅんではない。

D₂受容じゅよう体たい

ヒトとラットの両方りょうほうにおいて、選択せんたく的てきスプライシングによって短みじかいタイプ（D_2SまたはD₂ short）と、29アミノ酸あみのさんだけ長ながいタイプ（D_2LまたはD₂ long）のアイソフォームが作つくられる。統合とうごう失調しっちょう症しょうの陽性ようせい症状しょうじょうを改善かいぜんするのはドーパミンD₂受容じゅよう体たい拮抗きっこう作用さようをもつ抗こう精神病せいしんびょう薬やくであるとされている。

D₃受容じゅよう体たい

D₃受容じゅよう体たいの発現はつげんはカレハ島とう（island of Calleja）や側がわ坐すわ核かくに最もっとも顕著けんちょである。

D₄受容じゅよう体たい

この遺伝子いでんしが犬いぬなどの気質きしつに関連かんれんすると研究けんきゅうされる。

関連かんれん項目こうもく

• 抗こう精神病せいしんびょう薬やく