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ネオチンピラ 鉄砲玉てっぽうだまぴゅ〜

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『ネオチンピラ 鉄砲玉てっぽうだまぴゅ～』（ネオチンピラ てっぽうだまぴゅ～）は、1990年ねんに東映とうえいVシネマとして発売はつばいされたオリジナルビデオである[1][2]。哀川あいかわ翔しょう主演しゅえん、高橋たかはし伴ばん明あきら監督かんとく。製作せいさく：東映とうえいビデオ・東北新社とうほくしんしゃ[1]。87分ふん。安部あべ譲二じょうじの連作れんさく小説しょうせつ『泣なきぼくろ』の映像えいぞう化か[1]。

2004年ねんに主演しゅえん100本ほんを果はたした「Vシネの帝王ていおう」哀川あいかわ翔しょうの記念きねんすべき主演しゅえん第だい一いち作さく目めで[1][2]、哀川あいかわの原点げんてんとも称しょうされる[3][4]。タイトルの一部いちぶに使用しようされた「ぴゅ～」という言葉ことばはヤクザ業界ぎょうかいでトンズラするという意味いみ[4][5]。

本ほん作さくの成功せいこうは、OV市場いちば拡大かくだいの起爆きばく剤ざいになった[6]。

あらすじ[編集へんしゅう]

中卒ちゅうそつで少年院しょうねんいん帰かえりの下したっ端ぱやくざ・水田すいでん順じゅん公こう（哀川あいかわ翔しょう）は、暴力団ぼうりょくだん二階堂にかいどう組ぐみで代だい貸かし・吉川よしかわのボディガード兼けん運転うんてん手しゅとして働はたらいていた。ある時とき、風間かざま組ぐみともめていた幹部かんぶの金田かねだが殺ころされ、順じゅん公こうは組くみを代表だいひょうして二に人にんの兄貴あにき分ぶん・菊池きくち、川村かわむらと共ともに、風間かざまを狙ねらう鉄砲玉てっぽうだまに指命しめいされてしまう。しかし順じゅん公こう以外いがいの2人ふたりは恐怖きょうふのあまり遁走とんそう。順じゅん公こう1人ひとりで向むかうことになった[4][7]。

キャスト[編集へんしゅう]

スタッフ[編集へんしゅう]

製作せいさく[編集へんしゅう]

1989年ねん3月がつ10日とおか発売はつばいの世良せら公則まさのり主演しゅえん・大川おおかわ俊道としみち脚本きゃくほん監督かんとくによる『クライムハンター 怒いかりの銃弾じゅうだん』の成功せいこうにより[8][9]、レーベルを「東映とうえいVシネマ」と名付なづけて、次々つぎつぎと劇場げきじょう公開こうかいのないオリジナルビデオ作品さくひんの製作せいさくを決定けっていした東映とうえいビデオは[2][9]、1988年ねん10月がつ7日にちから11月25日にちまでTBSで長渕ながぶち剛つよし主演しゅえんで放送ほうそうされたテレビドラマ『とんぼ』での哀川あいかわ翔しょうの好演こうえんを見みて[2]、新あたらしいスターを生うみ出だそうと[2]、哀川あいかわに白羽しらはの矢やを立たて、哀川あいかわの主演しゅえん作品さくひんの製作せいさくを決きめ[2]、東映とうえいビデオでの売うり出だしを決きめた[2]。東映とうえいとは無関係むかんけいの高橋たかはし伴ばん明あきら監督かんとくに主役しゅやくを決きめる権限けんげんはない[2]。当時とうじの日本にっぽん映画えいがは低迷ていめい期きで、東映とうえいVシネマの成功せいこうを見みて、多おおくの映画えいが人じんがオリジナルビデオに活路かつろを見出みいだした[2]。

元々もともと、東映とうえいVシネマの第だい一いち弾だんとして製作せいさくを予定よていしていたのは本ほん作さくであったが[10]、予定よていが変かわり『クライムハンター 怒いかりの銃弾じゅうだん』が第だい一いち弾だんとなった[10]。

作品さくひんの評価ひょうか[編集へんしゅう]

発売はつばいから1年ねん後ごの『映画えいが芸術げいじゅつ』で谷岡たにおか雅樹まさきは「哀川あいかわは人気にんきがある」と評価ひょうかする一方いっぽう、当時とうじのレンタルビデオ「友とも&愛あい」高井戸たかいど店てん店長てんちょう・友寄ともより陽造ようぞうは「青山あおやま知可子ちかこでもってると思おもう」と話はなしている[8]。

影響えいきょう[編集へんしゅう]

当初とうしょ東映とうえいVシネマは「ガン・アクション」或あるいは「正統せいとう派はアクション路線ろせん」を目指めざし、何なにか新あたらしいこと、これまでにないことをやろうという考かんがえで始はじめた物ものだった[8][11]。実際じっさいに『クライムハンター 怒いかりの銃弾じゅうだん』以降いこうも、ハードなアクション物ぶつがラインアップに並ならんでいたが、主人公しゅじんこうが一いち回かいも撃うたない本ほん作さくが[8]、最大さいだいのヒット作さくとなり[8]、初期しょきのVシネマで最もっとも成功せいこうを収おさめたことにより[5]、路線ろせんが外はずれ、本ほん作さくがVシネマの雛ひな型がたになった[3][11]。以後いご、各社かくしゃがオリジナルビデオ業界ぎょうかいに進出しんしゅつし[12]、群雄割拠ぐんゆうかっきょ状態じょうたいになったが、東映とうえいビデオの期待きたい通どおり、哀川あいかわ主演しゅえん物ぶつは通常つうじょう1万まん本ほん売うれれば大だいヒットと言いわれるビデオ業界ぎょうかいで[2]、コンスタントに2万まん～3万まん本ほん売うれる大だいヒットを続つづけ[2]、2004年ねん2月がつまでの東映とうえいVシネマ15年ねん（当時とうじ）の歴史れきしに於おいて、哀川あいかわの主演しゅえん作品さくひん99本ほんのうち、67本ほんを製作せいさくし[2]、累計るいけい約やく90万まん本ほんを売うり上あげた[2]。また哀川あいかわ自身じしんも以降いこうアウトロー路線ろせんを歩あゆんだ[2]。東映とうえいの歴史れきしに於おいても大おおきな貢献こうけんをした哀川あいかわの記念きねんすべき主演しゅえん100作さく目めを記念きねんし[2]、東映とうえいは『ゼブラーマン』を哀川あいかわ主演しゅえんで製作せいさくし、劇場げきじょう公開こうかいした[2]。「チンピラの悲かなしい性せいを演えんじさせたら右みぎに出でる者ものはいない」とも評ひょうされる哀あい川かわを見出みいだしたのは東映とうえいである[2]。黒澤くろさわ満みつる東映とうえいビデオ副ふく社長しゃちょう・セントラル・アーツ社長しゃちょうは、「Vシネマだからといって、作つくることに関かんしては映画えいがと苦労くろうは同おなじ。当然とうぜん手しゅを抜ぬいたことは一いち度どもない。翔しょうちゃんは、真面目まじめでひたむきに作品さくひんに関かかわってくれた。役者やくしゃとしても色いろんな役やくに挑戦ちょうせんしてとどまることを知しらない。常つねに前進ぜんしんしているところが彼かれの魅力みりょくです」と褒ほめた[2]。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e “ネオチンピラ 鉄砲玉てっぽうだまぴゅー”. 東映とうえいビデオ. 2022年ねん8月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。PLAYBACK 東映とうえいVシネマ25連発れんぱつ！｜作品さくひん解説かいせつ1
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 中山なかやま治美はるみ「主演しゅえん映画えいが100本ほん、ヒーローになった哀川あいかわ翔しょう」『AERA』2004年ねん2月がつ23日にち号ごう、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、46頁ぺーじ。 
  3. ^ a b “帝王ていおう・哀川あいかわ翔しょうが語かたる　イケイケなのに全然ぜんぜんイケてないからチンピラはおもしろい”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ (2014–10–12). 2022年ねん8月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c “ネオチンピラ 鉄砲玉てっぽうだまぴゅ～”. ファミリー劇場げきじょう. ファミリー劇場げきじょう (2010年ねん). 2010年ねん12月25日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b c “ネオチンピラ 鉄砲玉てっぽうだまぴゅ～”. WOWOWオンライン. WOWOW (2014–11–13). 2022年ねん8月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
  6. ^ キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ編へん 編へん「column 90年代ねんだいに活躍かつやくした現役げんえき監督かんとく 中堅ちゅうけん編へん／高橋たかはし伴ばん明あきら ピンク映画えいがから飛翔ひしょうした真しんのプロフェッショナル」『知しっておきたい21世紀せいきの映画えいが監督かんとく100』キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、2010年ねん、14–15頁ぺーじ。ISBN 9784873763354。 
  7. ^ “スカパー！Vシネマ特集とくしゅう「Vシネ四天王してんのう」哀川あいかわ翔しょう、竹内たけうち力つとむ、小沢おざわ仁志ひとし、白竜はくりゅうの代表だいひょう作さくにどっぷりハマれ！”. ZAKZAK. 産業経済新聞社さんぎょうけいざいしんぶんしゃ. 2020年ねん2月がつ19日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c d e 「original v–cinema 座談ざだん会かい 『伸のび悩なやむOVに今いま、何なにが求もとめられているのか』 佐治さじ乾いぬい×友寄ともより陽造ようぞう（「友とも&愛あい高井戸たかいど店てん店長てんちょう）×谷岡たにおか雅樹まさき×熊谷くまがい禄ろく朗ろう×荒井あらい晴彦はるひこ」『映画えいが芸術げいじゅつ』1991年ねん冬ふゆ号ごう No360、編集へんしゅうプロダクション映うつ芸げい、97-101頁ぺーじ。 
  9. ^ a b 若林わかばやし踏 (2014–11–13). “東映とうえいVシネマ誕生たんじょう25周年しゅうねん！カオスの歴史れきしに埋うずもれた傑作けっさく・怪かい作さくVシネマを発掘はっくつ！ 『90年代ねんだい狂くるい咲ざきVシネマ地獄じごく』”. ダ・ヴィンチweb. KADOKAWA. 2016年ねん2月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
  10. ^ a b 山根やまね貞男さだお『映画えいがはどこへ行いくか 日本にっぽん映画えいが時評じひょう'89‐'92』筑摩書房ちくましょぼう、1993年ねん、63-65頁ぺーじ。ISBN 978-4480872203。 
  11. ^ a b 「東映とうえいVS特集とくしゅう ビデオシネマの可能かのう性せいと現在げんざい」『『シナリオ』1990年ねん10月がつ号ごう、日本にっぽんシナリオ作家さっか協会きょうかい、5-9頁ぺーじ。 
  12. ^ 脇田わきた巧たくみ彦・川端かわばた靖男やすお・斎藤さいとう明あきら・黒井くろい和男かずお「映画えいが・トピック・ジャーナル "東映とうえいVシネマ"に続つづき、"にっかつビデオフィーチャー"がスタート。にっかつの新あらたなる映像えいぞう戦略せんりゃくとは…」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』1990年ねん4月がつ下旬げじゅん号ごう、キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、154-155頁ぺーじ。 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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