(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ネップ - Wikipedia コンテンツにスキップ

ネップ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ネップ: НЭПえい: Nep)は、ロシア内戦ないせん直後ちょくごロシア・ソビエト共和きょうわこく導入どうにゅうされたしん経済けいざい政策せいさく: Новая экономическая политика(Novaya Ekonomicheskaya Politika)、えい: New Economic Policy)をす。戦時せんじ共産きょうさん主義しゅぎによる国民こくみん疲弊ひへいすくうために1921ねん3月21にち施行しこうされた。

経緯けいい

[編集へんしゅう]

食料しょくりょうぜい導入どうにゅうぜい納付のうふ残余ざんよ農産物のうさんぶつ市場いちば自由じゆう売買ばいばいしてよいこと(市場いちば原理げんり部分ぶぶんてき導入どうにゅう)が特徴とくちょうであり、「国家こっか資本しほん主義しゅぎ」とレーニンによってばれた[1][2]。そうぶだけあって、ネップはトラスト量産りょうさんした[3]。ネップにおいて、ソビエト政府せいふ戦時せんじ共産きょうさん主義しゅぎ時代じだい(1918ねん - 1921ねん)に実施じっしされた産業さんぎょう完全かんぜん国有こくゆう部分ぶぶんてき撤回てっかいして混合こんごう経済けいざい移行いこうし、私人しじん中小ちゅうしょう規模きぼ事業じぎょういとなむことをみとめたが、一方いっぽうだい規模きぼ産業さんぎょう銀行ぎんこう外国がいこく貿易ぼうえきなどはつづこく支配しはいかれた[4][5]保有ほゆうする資産しさん/資金しきんの、処分しょぶんけん/使用しようけんたいする制約せいやくは、国営こくえい企業きぎょうから保有ほゆう動機どうきうばってご都合主義つごうしゅぎ運用うんようさせた。国営こくえい企業きぎょう資金しきん不足ふそく銀行ぎんこうかられた。信用しんよう計画けいかくかくトラストそのさまざまな利益りえき集団しゅうだんあいだまれる妥協だきょう産物さんぶつであったし、銀行ぎんこう計画けいかく経済けいざい不都合ふつごうめるように商業しょうぎょう手形てがた割引わりびきした。[6] 結果けっかとしてネップマン英語えいごばんばれる私的してき商人しょうにん私的してき実業じつぎょう出現しゅつげんゆるした。なお上述じょうじゅつ食糧しょくりょう市場いちば売買ばいばい認可にんかした政策せいさくにより、人々ひとびと市場いちば食糧しょくりょう購入こうにゅうする必要ひつようせまられ、1921ねん4がつから食糧しょくりょう価格かかく急騰きゅうとうした[7]投機とうき目的もくてき食糧しょくりょう売買ばいばいもあり、食糧しょくりょう全体ぜんたいわたらず、食糧しょくりょう偏在へんざい促進そくしんされた[7]

社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせい矛盾むじゅんしたネップは攻撃こうげきされた。ウラジーミル・レーニン死後しご1928ねん発表はっぴょうされただいいちヶ年かねん計画けいかくにおいてヨシフ・スターリン否定ひていてき評価ひょうかくだし、農業のうぎょう主体しゅたいコルホーズ移行いこうしていく。そのながらくかえりみられることはなかったが、ペレストロイカ時代じだいはいるとネップがさい評価ひょうかされることとなる。

ちなみに、生前せいぜんのレーニンにとっても、ネップは内戦ないせんによる疲弊ひへい回復かいふくさせるための一時いちじてき政策せいさくとらえていたふしがある。そのせつ裏付うらづけるように、レーニンは1922ねんレフ・カーメネフに「ネップがテロル(恐怖きょうふ政治せいじ)に終止符しゅうしふつとかんがえるのは最大さいだいあやまちである。我々われわれかならずテロルにもどる。それも経済けいざいてきテロルにだ」と書簡しょかんおくっている[8][9]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Lenin's Collected Works Vol. 27, p. 293, quoted by Aufheben
  2. ^ See also David S. Pena "Tasks of Working-Class Governments under the Socialist-oriented Market Economy", PoliticalAffairs.net
  3. ^ 木村きむら雅則まさのり ネップ国営こくえい工業こうぎょう組織そしき再編さいへん 松本歯科大学まつもとしかだいがく紀要きよう 35, pp.11-209, 2006
  4. ^ Kenez, Peter (2006). A History of the Soviet Union from the Beginning to the End. Cambridge: Cambridge University Press. pp. 47–48. https://archive.org/details/spacetimecodingt00libg_341 
  5. ^ Ellis, Elisabeth Gaynor; Anthony Esler (2007). “Revolution and Civil War in Russia”. World History; The Modern Era. Boston: Pearson Prentice Hall. pp. 483. ISBN 978-0-13-129973-3 
  6. ^ 木村きむら雅則まさのり ネップ国営こくえい工業こうぎょう信用しんよう制度せいど 松本歯科大学まつもとしかだいがく紀要きよう 37, pp.7-149, 2008
  7. ^ a b むら, みのりさん 「1920年代ねんだい初頭しょとうのロシアにおける飢饉ききん乳幼児にゅうようじ生存せいぞん養育よういく環境かんきょう」『青山學院女子短期大學あおやまがくいんじょしたんきだいがく紀要きようだい60かん青山学院女子短期大学あおやまがくいんじょしたんきだいがく 、2006ねん、177-199 、doi:10.34321/10984 
  8. ^ ドミトリー・ヴォルコゴーノフちょ白須しらす英子えいこわけ 『レーニンの秘密ひみつうえ〉』 日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、1995ねん11月。ISBN 9784140802380
  9. ^ ドミトリー・ヴォルコゴーノフちょ白須しらす英子えいこやく 『レーニンの秘密ひみつした〉』 日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、1995ねん11月。ISBN 9784140802397

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]