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ピンク・パンサー3

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ピンク・パンサー3
The Pink Panther Strikes Again
監督かんとく ブレイク・エドワーズ
脚本きゃくほん フランク・ウォルドマン
ブレイク・エドワーズ
製作せいさく ブレイク・エドワーズ
出演しゅつえんしゃ ピーター・セラーズ
ハーバート・ロム
レスリー=アン・ダウン
バート・クウォーク
音楽おんがく ヘンリー・マンシーニ
撮影さつえい ハリー・ワックスマン
編集へんしゅう アラン・ジョーンズ
配給はいきゅう ユナイテッド・アーティスツ
公開こうかい アメリカ合衆国の旗 1976ねん12月15にち
イギリスの旗 1976ねん12月16にち
日本の旗 1977ねん03月12にち
上映じょうえい時間じかん 104ふん
製作せいさくこく イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご 英語えいご
製作せいさく $6,000,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $33,833,201[1]
世界の旗 $75,000,000
配給はいきゅう収入しゅうにゅう 日本の旗 日本にっぽん4.3おくえん
前作ぜんさく ピンク・パンサー2
つぎさく ピンク・パンサー4
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ピンク・パンサー3』(The Pink Panther Strikes Again)は、1976ねん製作せいさくイギリスアメリカコメディ映画えいがピーター・セラーズがクルーゾー警部けいぶえんじるピンク・パンサーシリーズだい4さくで、『ピンク・パンサー2』の続編ぞくへんである。

シリーズだい2さくだい3さくにクルーゾーの上司じょうしとして登場とうじょうしたドレフュス主任しゅにん警部けいぶハーバート・ロム)が、あくだい組織そしきつくげてクルーゾー抹殺まっさつたくらむ、ドレフュスの活躍かつやくへん。ドタバタとパロディてっした娯楽ごらく大作たいさくである。監督かんとくブレイク・エドワーズ音楽おんがくヘンリー・マンシーニ

ストーリー[編集へんしゅう]

クルーゾー警部けいぶ行動こうどうなやまされ、精神せいしんわずらって入院にゅういんしているドレフュスもと主任しゅにん警部けいぶだが、治療ちりょう甲斐かいあってほぼ全快ぜんかい。あとは退院たいいん許可きょかつばかりであった。しかし、ドレフュスにわり主任しゅにん警部けいぶいているクルーゾーが来院らいいん面会めんかいしてしまったためにふたた錯乱さくらん退院たいいん絶望ぜつぼうてきとなってしまった。

クルーゾーにくしがたかぶじて病院びょういんから脱走だっそうしたドレフュスは、クルーゾーのマンションの階下かいか部屋へやり、クルーゾー爆殺ばくさつくわだてるが失敗しっぱいしてしまう。まともな方法ほうほうではクルーゾーをころせないと判断はんだんしたドレフュスは、大物おおもの犯罪はんざいしゃあつめてあく組織そしき編成へんせいかり、つい世界せかい征服せいふくをもねらえるだい組織そしきをきずきあげる。さらにイギリスのファスベンダー博士はかせちちむすめ誘拐ゆうかいして物体ぶったい消去しょうきょ完成かんせいさせると、まずニューヨークの国連こくれんビル消滅しょうめつさせた。そしてアメリカをはじ世界せかい首脳しゅのうたいしクルーゾー抹殺まっさつ要求ようきゅうした。ドレフュスのねらいはみずからの組織そしきによりクルーゾーをころすのではなく、世界せかい国々くにぐにおどしてクルーゾーを抹殺まっさつさせることにあったのだ。

ドレフュスの脅迫きょうはくくっした各国かっこくは、捜査そうさのためにミュンヘンオクトーバーフェスト(ビールまつり)へかっていたクルーゾーにけてそれぞれ腕利うでききのころおくり、クルーゾー暗殺あんさつたばかる。しかし、かれらはにぎわうフェスト会場かいじょう舞台ぶたいに、つようんなクルーゾーのまえ同士討どうしうちをひろげた結果けっかじつに26ヶ国かこく失敗しっぱいのこるはソ連それんエジプトころのみとなった。エジプトの刺客しかくはクルーゾーをホテルの自室じしつ暗殺あんさつ。このらせはドレフュスをも歓喜かんきさせたが、クルーゾーはここでもつようんりを発揮はっきじつころされたのはクルーゾーに変装へんそうしたドレフュスの配下はいかであった。そのエジプトのころをクルーゾーと間違まちがえたソ連それん女殺おんなごろオルガが誘惑ゆうわくするが、ぎゃくにスパイの魅力みりょくとりこになってしまう。

ホテルの自室じしつもどったクルーゾーは何故なぜ自分じぶん夢中むちゅうなオルガの存在そんざいおどろくが、彼女かのじょ情報じょうほうからアルプス山麓さんろく古城こじょうがドレフュスのアジトであることめ、現地げんちかう。近隣きんりんのホテルに部屋へやったクルーゾーはしろもうとするが、へいえられずなんほり転落てんらく悪戦苦闘あくせんくとうかえした。そのころ、クルーゾーがんだものとしんじてよろこびにひたるドレフュスだったが、あまものぎから歯痛しつうなやまされていた。それをったクルーゾーは医者いしゃ変装へんそうしてしろみ、見様見真似みようみまねでドレフュスを治療ちりょうするが、わるくないき、正体しょうたいがばれてしまう。いかくるったドレフュスは物体ぶったい消去しょうきょでイギリス全土ぜんど消滅しょうめつさせようとするが…。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ピンクのひょう』(1963ねん)、『暗闇くらやみでドッキリ』(1964ねん)、『ピンク・パンサー2』(1975ねん)につづくシリーズだい4さく。11ねんりの新作しんさくであった『ピンク・パンサー2』の好評こうひょうけて翌年よくねんはやくも製作せいさくされた新作しんさくで、内容ないようてきにも前作ぜんさく続編ぞくへん主題歌しゅだいか前作ぜんさく同様どうよう『ピンク・パンサーのテーマ』で、オープニングアニメーションにも「アニメキャラクターのピンクパンサー」が登場とうじょうするが、ストーリーにダイヤモンド「ピンク・パンサー」は登場とうじょうしない。タイトルと内容ないようがまったく関係かんけいのない作品さくひんとなっている。

前々まえまえさく前作ぜんさくでクルーゾーのため精神せいしん役柄やくがらであったドレフュスもと主任しゅにん警部けいぶハーバート・ロム)が、病院びょういんから脱走だっそうしてクルーゾー抹殺まっさつためあくだい組織そしきつくげ、世界せかい恐怖きょうふおとしいれるという奇想天外きそうてんがい物語ものがたり。ロムのかいえんじ際立きわだつドレフュスの活躍かつやくへんである。ストーリーは007シリーズなど1960年代ねんだいスパイアクション映画えいがパロディ基調きちょうとしている。

キャストは過去かこのシリーズとくらべてとく豪華ごうかともいえないが、フランスイギリスアメリカドイツにまでひろがったストーリー展開てんかい世界せかい最大さいだい規模きぼまつりであるミュンヘンのオクトーバーフェスト(ビールまつり)を再現さいげんした壮大そうだいなシーン、ドレフュスのアジトである古城こじょう豪華ごうかなセット、だいエキストラを動員どういんした国連こくれんビル周辺しゅうへんシーン、列車れっしゃやヘリコプターを使つかってのアクションなどもまれた、スケールのおおきいドタバタコメディとなっている。

上演じょうえん時間じかんめんでも、2あいだえるちょうしゃく想定そうていして撮影さつえいされた。しかし公開こうかいたり編集へんしゅうされ、とく前半ぜんはんのフランスからイギリスを舞台ぶたいとするシーンがおおくカットされた。この発表はっぴょうシーンちゅうのセラーズ登場とうじょう部分ぶぶんおおくが、セラーズの死後しご追悼ついとうさくとして製作せいさくされた『ピンク・パンサーX』に流用りゅうようされた。またこの大幅おおはばなカットにより、シリーズちゅうでもテンポの作品さくひんとなっためんもある。

様々さまざまなパロディがふくまれているのも特徴とくちょう。オープニングおよびエンディングアニメでは『ヒッチコック劇場げきじょう』、『バットマン』、『キングコング』、『じんドラキュラ』や、『あめうたえば』、『サウンド・オブ・ミュージック』(ほんさく監督かんとくブレイク・エドワーズ夫人ふじんジュリー・アンドリュース主演しゅえん)、『ジョーズ』など有名ゆうめいさくのパロディが満載まんさいされている。また本編ほんぺんちゅうにおいてもクルーゾーがカジモド(『ノートルダムのせむしおとこ』。はなし舞台ぶたいはパリ)に変装へんそうしたり、使用人しようにんのケイトーとカンフー対決たいけつ(『えよドラゴン』。その場面ばめんだけスロー映像えいぞうになる)をしている。さら当時とうじのアメリカのフォード大統領だいとうりょうキッシンジャー国務こくむ長官ちょうかんを、そっくりにふんした俳優はいゆうえんじている。

評価ひょうかかれるめんもあるが、サイレント映画えいが時代じだいのコメディを再現さいげんしたかのようなドタバタ活劇かつげきと、パロディにてっした娯楽ごらく大作たいさくとして、シリーズちゅうでも人気にんきたかい1ほんである。ほんさくのヒットをけて、シリーズはケイトーをフィーチャーした『ピンク・パンサー4』へとつづく。

備考びこう[編集へんしゅう]

  • くろマントをまつわったドレフュスが唐突とうとつパイプオルガンらすシーンがなんかあるが、これはハーバート・ロム自身じしん怪人かいじんやく主演しゅえんしたクラシックホラー名門めいもんハマー・フィルムはんオペラの怪人かいじんThe Phantom of the Opera)』(1962ねん)のセルフパロディである。この映画えいが欧米おうべいでの知名度ちめいど比較的ひかくてきたかいが、日本にっぽんでは劇場げきじょう公開こうかいされなかった(テレビでは放映ほうえい)。
  • セラーズのドタバタアクションが全編ぜんぺん炸裂さくれつしているが、セラーズは当時とうじ50さいぎており、さら心臓しんぞう持病じびょうがあったため過激かげきなアクションシーンはスタントのジョー・ダンがだいえんじしている。
  • 映画えいが序盤じょばん名物めいぶつとなったケイトーの奇襲きしゅうによるクルーゾーとの格闘かくとうシーンだが、ほんさくはクルーゾーたく破壊はかいつくほど猛烈もうれつあばれっぷりにくわえ、階下かいか部屋へや侵入しんにゅうしてクルーゾーをねらうドレフュスがからみ、シリーズ屈指くっし抱腹絶倒ほうふくぜっとうめいシーンとなっている。
  • ソ連それん女殺おんなごろオルガをえんじたレスリー・アン・ダウンはセクシーなつよ印象いんしょうのこしているが、出演しゅつえんシーンはわずか15ふんほどすくなくヒロインとは形容けいようがたい。ほんさく事実じじつじょうヒロイン不在ふざい映画えいがである。しかしダウンにとってはこののち『ベッツィー』『だい列車れっしゃ強盗ごうとう』『スフィンクス』など話題わだいさくへの出演しゅつえんつづき、出世しゅっせさくとなった。
  • オルガを夢中むちゅうにさせてしまうエジプトのころえんじたのは『ドクトル・ジバコ』などでられるエジプト出身しゅっしん名優めいゆうオマー・シャリフ。エンディングでも名前なまえがクレジットされない完全かんぜんなノンクレジットキャストであった。
  • ロンドンでクルーゾーの捜査そうさ同行どうこうするスコットランドヤードのドラモンド刑事けいじやくのコリン・ブレークリーは、ビリー・ワイルダー監督かんとくシャーロック・ホームズの冒険ぼうけん』(1970ねん)でワトスン医師いしえんじているが、このやく当初とうしょセラーズが予定よていされていた。
  • 毎回まいかい役柄やくがらえて出演しゅつえんするグレアム・スタークは、今回こんかいはミュンヘンとアルプス山麓さんろくのホテルのフロントがかりやく出演しゅつえんしている。ミュンヘンでは背後はいごしかうつらずかお確認かくにん出来できない。アルプスのホテルでは、クレジットを確認かくにんしなければまず識別しきべつ不可能ふかのうほどの、セラーズも顔負かおまけのやくえんじている。

キャスト[編集へんしゅう]

役名やくめい 俳優はいゆう 日本語にほんご吹替
TBSはん
ジャック・クルーゾー警部けいぶ ピーター・セラーズ 羽佐間はざま道夫みちお
チャールズ・ドレフュス警部けいぶ ハーバート・ロム 内海うつみ賢二けんじ
オルガ・ベリオシバ レスリー=アン・ダウン 高島たかしまみやび
ケイトー バート・クウォーク 千田せんだ光男みつお
ファスベンダー教授きょうじゅ リチャード・バーノン英語えいごばん 大久保おおくぼ正信まさのぶ
ドラモンド刑事けいじ コリン・ブレークリー
クインラン警視けいし レナード・ロシター
フランソワ刑事けいじ アンドレ・マランヌ
ホテルフロント グレアム・スターク英語えいごばん
エインズリー・ジャーヴィス
(ファスベンダーの執事しつじ
マイケル・ロビンス
歌唱かしょうジュリー・アンドリュース
(ノンクレジット)[2]
エジプトのころ オマル・シャリーフ
(ノンクレジット)
不明ふめい
その
石井いしい敏郎としお
増岡ますおかひろし
国坂くにさかしん
安田やすだたかし
塚田つかだただしあきら
加藤かとう正之まさゆき
小関おぜきはじめ
田口たぐちすばる
加川かがわさんおこり
山田やまだ礼子あやこ
広瀬ひろせただしこころざし
演出えんしゅつ 伊達だてかんすすむ
翻訳ほんやく 佐藤さとう一公かずきみ
効果こうか 遠藤えんどう堯雄
桜井さくらい俊哉としや
調整ちょうせい 前田まえだひとししん
制作せいさく 東北新社とうほくしんしゃ
解説かいせつ おぎ昌弘まさひろ
初回しょかい放送ほうそう 1980ねん4がつ7にち
月曜げつようロードショー
  • 日本語にほんごえはソフト収録しゅうろく本編ほんぺん104ふんちゅうやく93ふん

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ The Pink Panther Strikes Again”. Box Office Mojo. 2018ねん11月13にち閲覧えつらん
  2. ^ Cast and Crew AllMovie

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]