フェイ彗星すいせい

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フェイ彗星すいせい
4P/Faye
仮かり符号ふごう・別名べつめい P/1843 W1 = 1843 III =
P/1850 W1 = 1851 I =
1858 V = 1866 II =
1873 III = 1873f =
1881 I = 1880c =
1888 IV = 1888d =
1896 II = 1895b =
1910 V = 1910e =
1925 V = 1925h =
1932 IX = 1932l =
1940 II = 1939m =
1947 IX = 1947f =
1955 II = 1954e =
1962 VII = 1961c =
1969 VI = 1969a =
1977 IV = 1976i =
1984 XI = 1984h =
1991 XXI = 1991n[1]
分類ぶんるい 周期しゅうき彗星すいせい
発見はっけん
発見はっけん日び 1843年ねん11月23日にち[2]
発見はっけん者しゃ エルヴェ・フェイ[2]
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
元もと期き:2008年ねん10月がつ2.0日にち (TDB 2454741.5)[1]
軌道きどう長ちょう半径はんけい (a) 3.8453 au[1]
近日きんじつ点てん距離きょり (q) 1.6654 au[1]
遠日点えんじつてん距離きょり (Q) 6.0252 au[1]
離はなれ心しん率りつ (e) 0.5669[1]
公転こうてん周期しゅうき (P) 7.54 年とし[1]
軌道きどう傾斜けいしゃ角かく (i) 009.036 °[1]
近日きんじつ点てん引数ひきすう (ωおめが) 204.962 °[1]
昇のぼり交点こうてん黄き経けい (Ωおめが) 199.290 °[1]
平均へいきん近きん点てん角かく (M) 089.735 °[1]
前回ぜんかい近日きんじつ点てん通過つうか 2014年ねん5月がつ29日にち[3]
次回じかい近日きんじつ点てん通過つうか 2021年ねん9月がつ9日にち[4]
最小さいしょう交差こうさ距離きょり 0.6785 au(地球ちきゅう)[1]
0.0866 au(木星もくせい)[1]
ティスラン・パラメータ (T jup) 2.752[1]
物理ぶつり的てき性質せいしつ
直径ちょっけい 3.54 km[1]
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フェイ彗星すいせい (英語えいご: 4P/Faye)は、1843年ねん11月にエルヴェ・フェイによりパリ王立おうりつ天文台てんもんだいで発見はっけんされた周期しゅうき彗星すいせい。前回ぜんかいは2014年ねん5月がつ29日にちに近日きんじつ点てんを通過つうかし[3]、次つぎに近日きんじつ点てんを通過つうかするのは2021年ねん9月がつ9日にちである[4]。

観測かんそく史し[編集へんしゅう]

フェイ彗星すいせいは11月23日にちにフェイにより初はじめて観測かんそくされたが、悪天候あくてんこうのため確認かくにんされたのは25日にちまで遅おくれた[2]。発見はっけんされる1ヶ月かげつ前まえには近日きんじつ点てんを通過つうかしていたが、地球ちきゅうと接近せっきんしていたため発見はっけんできる程度ていどの明あかるさであった。オットー・フォン・シュトルーベ（英語えいご版ばん）は11月終おわりまで肉眼にくがんで観測かんそくできたことを報告ほうこくした[2]。また、彼かれによると翌年よくねんの1月がつ10日とおかまでなら3.6インチ反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょうのような小ちいさい望遠鏡ぼうえんきょうで観測かんそくすることができ、1844年ねん4月がつ10日とおかになると15インチ反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょうのような大おおきい望遠鏡ぼうえんきょうでも観測かんそくできなくなったという[2]。

1843年ねんにフリードリヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダー[5]とトーマス・ヘンダーソン[6]はそれぞれ独立どくりつしてフェイ彗星すいせいが短たん周期しゅうき彗星すいせいであることを計算けいさんし、5月にはその周期しゅうきを7.43年ねんと計算けいさんした[2]。ユルバン・ルヴェリエは1851年ねんに出現しゅつげんするフェイ彗星すいせいの位置いちを計算けいさんし、4月がつに近日きんじつ点てんを通過つうかすると予測よそくした[2]。フェイ彗星すいせいは1850年ねん11月28日にちには彼かれの予測よそくに近ちかい場所ばしょにあることがジェームズ・チャリスにより確認かくにんされた[2]。

フェイ彗星すいせいは観測かんそくに適てきしていない状況じょうきょうであった1903年ねんと1918年ねんには観測かんそくされなかった[2]。2006年ねんには見みかけの等級とうきゅうが9に達たっすることがあった[7]。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

軌道きどう[編集へんしゅう]

フェイ彗星すいせいは周期しゅうき彗星すいせいであるため楕円だえん軌道きどうをとっており、その軌道きどう離はなれ心しん率りつは0.56程度ていどである[1]。近日きんじつ点てん距離きょりは火星かせいの遠日点えんじつてん距離きょりよりも少すこし長ながく、遠日点えんじつてん距離きょりは木星もくせいの遠日点えんじつてん距離きょりよりも長ながい[1]。公転こうてん周期しゅうきは7.54年ねんであり、発見はっけんから現在げんざいまでの近日きんじつ点てん通過つうかは以下いかの通とおりである[4][8]。

  • 1843年ねん10月がつ17日にち(約やく1ヶ月かげつ後ごに発見はっけん)
  • 1851年ねん4月がつ2日にち
  • 1858年ねん9月がつ13日にち
  • 1866年ねん2月がつ14日にち
  • 1873年ねん7月がつ18日にち
  • 1881年ねん1月がつ23日にち
  • 1888年ねん8月がつ20日はつか
  • 1896年ねん3月がつ19日にち
  • 1903年ねん6月がつ5日にち(観測かんそくできず)
  • 1910年ねん11月2日にち
  • 1918年ねん3月がつ29日にち(観測かんそくできず)
  • 1925年ねん8月がつ7日にち
  • 1932年ねん12月6日にち
  • 1940年ねん4月がつ24日にち
  • 1947年ねん9月がつ28日にち
  • 1955年ねん3月がつ4日にち
  • 1962年ねん5月がつ14日にち
  • 1969年ねん10月がつ7日にち
  • 1977年ねん2月がつ27日にち
  • 1984年ねん7月がつ9日にち
  • 1991年ねん11月16日にち
  • 1999年ねん5月がつ6日にち
  • 2006年ねん11月15日にち
  • 2014年ねん5月がつ29日にち

木下きのした一男かずおの軌道きどう計算けいさんによれば、発見はっけん後ごのフェイ彗星すいせいは木星もくせいと地球ちきゅうへの接近せっきんによる摂動せつどうを繰くり返かえし受うけているため近日きんじつ点てんが接近せっきんしつつあり（発見はっけん当時とうじは1.692 au）、2102年ねんには近日きんじつ点てんが1.514 auとなり、周期しゅうきも7.25年ねんまで縮ちぢまると予想よそうされている[8]。また、次回じかいの近日きんじつ点てん通過つうか以降いこうの近日きんじつ点てん通過つうかは以下いかの通とおり[8]。

  • 2021年ねん9月がつ8日にち(9日にち[4])
  • 2029年ねん3月がつ9日にち
  • 2036年ねん9月がつ4日にち
  • 2044年ねん2月がつ13日にち
  • 2051年ねん7月がつ5日にち
  • 2058年ねん12月5日にち
  • 2066年ねん5月がつ17日にち
  • 2073年ねん10月がつ31日にち
  • 2080年ねん12月8日にち
  • 2088年ねん3月がつ29日にち
  • 2095年ねん7月がつ17日にち
  • 2102年ねん10月がつ25日にち

物理ぶつり的てき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

直径ちょっけいは3.54kmであると推定すいていされている[1]。

1991年ねん10月がつ10日とおか、スペースウォッチの0.9m望遠鏡ぼうえんきょうを用もちいてD. RabinowitzとJ. Scottiはダストトレイルらしきものを発見はっけんしたが、そうであることは証明しょうめいできなかった[9]。2006年ねんには木曽きそ観測かんそく所しょで観測かんそくされ、猿楽さるがく祐樹ゆうきらによって細長ほそながい構造こうぞうがダストトレイルであることが明あきらかにされた[9]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “JPL Small-Body Database Browser: 4P/Faye”. Jet Propulsion Laboratory. 2021年ねん9月がつ1日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e f g h i Kronk, Gary W.. “4P/Faye”. cometography.com. 2021年ねん9月がつ1日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b Syuichi Nakano (2011年ねん11月1日にち). “4P/Faye (NK 2145)”. OAA Computing and Minor Planet Sections. 2021年ねん9月がつ1日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c d “4P/Faye Orbit”. Minor Planet Center. 2021年ねん9月がつ1日にち閲覧えつらん。
  5. ^ Argelander, Friedrich Wilhelm August (1843). “Schreiben des Herrn Professors Argelander, Directors der Sternwarte in Bonn, an den Herausgeber”. Astronomische Nachrichten 21 (9): 135-136. Bibcode: 1843AN.....21..133A. doi:10.1002/asna.18440210903. 
  6. ^ Henderson, Thomas J. (1844). “On the Orbit of the Comet of Faye”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 6: 18. Bibcode: 1844MNRAS...6...18H. doi:10.1093/mnras/6.3.18. 
  7. ^ Seiichi Yoshida (2013年ねん6月がつ9日にち). “4P/Faye (2006)”. Seiichi Yoshida's Comet Catalog. 2021年ねん9月がつ1日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん9月がつ2日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c 木下きのした一男かずお (2015年ねん6月がつ12日にち). “4P/Faye”. 2021年ねん9月がつ2日にち閲覧えつらん。
  9. ^ a b Sarugaku, Yuki; Ishiguro, Masateru; Pyo, Jeonghyun; Miura, Naoya; Nakada, Yoshikazu; Usui, Fumihiko; Ueno, Munetaka (2007). “Detection of a Long-Extended Dust Trail Associated with Short-Period Comet 4P/Faye in 2006 Return”. Publications of the Astronomical Society of Japan 59 (4): L25-L28. Bibcode: 2007PASJ...59L..25S. doi:10.1093/pasj/59.4.L25. 

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