摂動せつどう (天文学てんもんがく)

重力じゅうりょくシミュレーターによって計算けいさんされた水星すいせい（赤あか）、金星かなぼし（黄き）、地球ちきゅう（黒くろ）、火星かせい（ピンク）の軌道きどう離はなれ心しん率りつ。2007年ねんを0として5万まん年ねん後ごまで計算けいさん。左側ひだりがわの目盛めもりは地球ちきゅうと金星きんぼしの離はなれ心しん率りつを、右側みぎがわの目盛めもりは水星すいせいと火星かせいの離はなれ心しん率りつの値ねを示しめしている。

摂動せつどう（せつどう、英えい: perturbation）は、天文学てんもんがくの用語ようごで、ある天体てんたいとその母はは天体てんたい（例たとえば恒星こうせいと惑星わくせい、または惑星わくせいと衛星えいせい）の作つくる系けいに対たいし、その他たの物体ぶったいによる重力じゅうりょくなどの作用さようによって、その軌道きどうが乱みだされること。太陽系たいようけいでは、彗星すいせいの軌道きどうが特とくにガス惑星わくせいの重力じゅうりょく場じょうによってしばしば乱みだされる。例れいとして、1996年ねん4月がつに木星もくせいの重力じゅうりょくによって、ヘール・ボップ彗星すいせいの軌道きどう周期しゅうきは4206年ねんから2380年ねんに減少げんしょうした。

惑星わくせいの継続けいぞく的てきな摂動せつどうは軌道きどう要素ようそに小ちいさな変化へんかをもたらす。海王星かいおうせいは天王星てんのうせいの軌道きどうの摂動せつどうの観測かんそくに基もとづいて発見はっけんされた。金星かなぼしの軌道きどうは現在げんざい、惑星わくせいの中なかで最もっとも円形えんけいの軌道きどうであるが、2万まん5000年ねんのうちに地球ちきゅうは金星きんぼしより円形えんけいの軌道きどうに、つまり軌道きどう離はなれ心しん率りつがより小ちいさくなるだろう。

その他た、摂動せつどうの自然しぜん原因げんいんとして、他たの彗星すいせい、小惑星しょうわくせい、太陽たいようフレアなどがある。人工じんこう衛星えいせいでは、空気くうき抵抗ていこうや太陽たいよう輻射ふくしゃ圧あつが原因げんいんとなることもある。

関連かんれん項目こうもく

• ネレイド (衛星えいせい) - 海王星かいおうせいを回まわる衛星えいせいで0.75にもなる軌道きどう離はなれ心しん率りつを持もち、よく軌道きどうが乱みだされる。
• ティスラン・パラメータ

外部がいぶリンク

• Solex (by Aldo Vitagliano) predictions for the position/orbit/close approaches of Mars