フランツ・レオポルド・ノイマン

フランツ・レオポルド・ノイマン

人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	(1900-05-23) 1900年ねん5月23日にち ドイツ帝国ていこくカトヴィッツ(現げん ポーランド カトヴィツェ)
死没しぼつ	1954年ねん9月2日にち(1954-09-02)（54歳さい） スイス ヴィスプ
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	社会しゃかい学がく
研究けんきゅう機関きかん	フランクフルト大学だいがく・コロンビア大学ころんびあだいがく

フランツ・レオポルド・ノイマン（Franz Leopold Neumann, 1900年ねん5月23日にち - 1954年ねん9月2日にち）は、ドイツ・アメリカの政治せいじ学がくおよび社会しゃかい学がく者もの、法律ほうりつ家か（弁護士べんごし）。

経歴けいれき

1900年ねん、ドイツ帝国ていこくカトヴィッツ（現げん：ポーランド領りょうカトヴィツェ）でユダヤ人じん家庭かていに生うまれた。労働ろうどう法ほう理論りろん家かとして、フーゴ・ジンツハイマーの助手じょしゅとして、フランクフルト大学だいがく労働ろうどうアカデミーで活動かつどう。しかし、ナチ政権せいけん樹立じゅりつ後ごは、1933年ねんにロンドンに亡命ぼうめい、ハロルド・ラスキに師事しじ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで政治せいじ学がく・社会しゃかい学がくの学位がくいを取得しゅとくした。

1936年ねんに渡米とべいし、コロンビア大学ころんびあだいがくに移転いてんしたフランクフルト学派がくはに合流ごうりゅうした。コロンビア大学ころんびあだいがくの政治せいじ学がく教授きょうじゅとなる。同僚どうりょうにオットー・キルヒハイマーがいる。フランクフルト大学だいがく社会しゃかい研究所けんきゅうじょ出身しゅっしん者しゃで、亡命ぼうめいしたテオドール・アドルノ、マックス・ホルクハイマー、ヘルベルト・マルクーゼと共ともに、亡命ぼうめい地ちアメリカでの活動かつどうを支ささえた。

1942年ねんに、ナチス・ドイツの体制たいせいは政治せいじ、軍事ぐんじ、経済けいざい、社会しゃかい・文化ぶんかのすべての面めんが統合とうごうされた独裁どくさい体制たいせいであると分析ぶんせきした『ビヒモス ナチズムの構造こうぞうと実際じっさい』を著あらわした。大戦たいせん前後ぜんこうはウィリアム・ドノバンが創設そうせつしたOSSのドイツ課かで手腕しゅわんを発揮はっきし、アメリカのロバート・H・ジャクソン連邦れんぽう裁判官さいばんかんと主席しゅせき検事けんじテルフォード・テイラーとの共同きょうどうで、いくつかの起訴きそ状じょうを書かき、1946年ねんのニュルンベルク裁判さいばんに協力きょうりょくした。また、ベルリン自由じゆう大学だいがく客員きゃくいん教授きょうじゅもつとめた。

1954年ねん9月がつ2日にち、スイスのヴィスプで自動車じどうしゃ事故じこにより死去しきょ。

訳書やくしょ

• フランツ・ノイマン『ビヒモス－ナチズムの構造こうぞうと実際じっさい 1933-1944』岡本おかもと友孝ともたか、小野おの英えい祐ゆう、加藤かとう栄一えいいち 訳わけ、みすず書房しょぼう、1963年ねん。ISBN 4-622-01701-6。https://www.msz.co.jp/book/detail/01701/。 度々たびたび再版さいはんされている
• フランツ・ノイマン『政治せいじ権力けんりょくと人間にんげんの自由じゆう』マルクーゼ編へん、河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、1971年ねん
  • 改題かいだい新版しんぱん『民主みんしゅ主義しゅぎと権威けんい主義しゅぎ国家こっか』内山うちやま秀夫ひでお・三さん辺へん博之ひろゆき・倉沢くらさわ康かん一郎いちろう・萬田まんだ悦夫えつお 訳やく、1977年ねん
• 『フランクフルト学派がくはのナチ・ドイツ秘密ひみつレポート』R・ラウダーニ編へん、野口のぐち雅弘まさひろ訳わけ、みすず書房しょぼう、2019年ねん

研究けんきゅう内容ないよう・業績ぎょうせき

• 当時とうじナチスに関かんする政治せいじ研究けんきゅうで第一人者だいいちにんしゃであったノイマンの授業じゅぎょうは、コロンビア大学ころんびあだいがくで人気にんき講義こうぎとなり、聴講ちょうこう者しゃが殺到さっとうして廊下ろうかまで立たち見みが出でるほどであった。

スパイ活動かつどう

フランツ・レオポルド・ノイマンはソ連それん軍ぐん情報じょうほう部ぶのスパイとしてアメリカで活動かつどうしていたことが、ベノナ文書ぶんしょの分析ぶんせきにより確認かくにんされている。「ラフ」というコードネームで暗号あんごう電文でんぶんに登場とうじょうしている。