ブックカバー

ブックカバーは、日本にっぽんでは、書籍しょせきやノート等とうの表面ひょうめんを保護ほごあるいは飾かざるために表紙ひょうしの更さらに外側そとがわにかける覆おおいのこと。英語えいごでは"book jacket"、"dust wrapper"、"dust jacket"、"dust cover"などと呼よぶ。英語えいごで"book cover"は表紙ひょうしのことである。工場こうじょう出荷しゅっか時じからついているものと、購入こうにゅう時じまたは購入こうにゅう後ごにつけるものとがある。共ともにつけ二に重じゅうになることもある。中国ちゅうごく語ごでは書しょ皮がわと表記ひょうきするため、「書しょ皮がわ（しょひ）」という呼よび方かたをすることがある。

工場こうじょう出荷しゅっか時じのカバー

工場こうじょう出荷しゅっか時じから付ついているカバーで、流通りゅうつう時じや店頭てんとう陳列ちんれつ時じにもついている。本ほんという商品しょうひんの一部いちぶである。

カバーのある本ほんとない本ほん

上うえ製本せいほん（ハードカバー）では箱入はこいりのものとカバー付づけのものなどがある。箱入はこいりでも透明とうめいのカバーが付ついているものがある。皮かわ装そう本ほんでは皮かわ装そう自体じたいがカバーであり、手触てざわりが損そこなわれるためさらにカバーを付つけない。雑誌ざっしは、費用ひよう削減さくげんと製造せいぞう工程こうていの簡素かんそ化かのため、出荷しゅっか時じのカバーはない。洋書ようしょの並なみ製本せいほん（ペーパーバック）にはカバーがない。

文庫ぶんこ・新書しんしょなどの並なみ製本せいほんは、かつてはカバーはなかった。カバーと呼よばないがグラシン製せい（いわゆる「蝋ろう引びき紙し」）の薄うすい半はん透明とうめいのカバーが付ついていた。1950年代ねんだいにカッパブックスがそれぞれにデザインの異ことなったカバーを付つけて話題わだいとなり、カバーの付ついた新書しんしょが出ではじめた。文庫ぶんこの場合ばあいも映画えいが化かに合あわせて増刷ぞうさつする場合ばあいなどにカバーを付つけるなど徐々じょじょに増ふえはじめた。1990年代ねんだい以降いこうは文庫ぶんこ・新書しんしょのカバーをよく見みるようになった。

カバーの役割やくわり

カバーをかけると外観がいかんはカバーしか見みえない。販売はんばい時じのカバーは、本ほんの表紙ひょうし・裏表紙うらびょうし・背せ表紙ひょうしが果はたす機能きのうがカバーに必要ひつようとなる。カバーにはタイトル、著者ちょしゃ、出版しゅっぱん社しゃ、価格かかく、バーコード、ISBN、レーティングなど、本ほんを売うる上じょうで必要ひつような情報じょうほうを書かく。また、購入こうにゅう者しゃに訴求そきゅう力りょくのあるデザインを凝こらす。装幀そうてい家かは、その作品さくひんを理解りかいした上うえでカバーデザインする。それに対たいし、販売はんばい時じにカバーがつく全体ぜんたいの場合ばあいは、本体ほんたいの表紙ひょうし・裏表紙うらびょうし・背せ表紙ひょうしのデザインは非常ひじょうに簡素かんそになる。無地むじや、簡単かんたんな幾何きか学がく模様もよう、カバーをモノクロにしたデザインなどが多おおい。但ただし、漫画まんが単行本たんこうぼんの場合ばあいは本体ほんたいの表紙ひょうし・裏表紙うらびょうしをあたかも中なかのページの一部いちぶのように扱あつかい、書かき下おろし漫画まんがなどを掲載けいさいする場合ばあいもある。これらは紙かみのカバーだった場合ばあいで、透明とうめいフィルムのカバーの場合ばあいは、何なにもデザインしないものとその透明とうめい性せいを生いかし本体ほんたいの表紙ひょうしをいかしたデザインに二に分ふんできる。

カバーには本ほんを保護ほごする機能きのうがある。本ほんの汚よごれを取とる事ことは困難こんなんでもカバーの汚よごれは交換こうかんすれば良よい。そのために返本へんぽんされたものもカバーの交換こうかんによって本ほんは再ふたたび新品しんぴんに近ちかいものとなり、新あらたに流通りゅうつうに載のる。また、本ほんの価格かかく改定かいてい時じや消費しょうひ税率ぜいりつ改定かいていの際さいに、カバーの差さし替かえだけで対応たいおうできるよう、価格かかくはカバーにしか書かかない。カバーのない本ほんの場合ばあいは、箱はこがその役割やくわりを果はたすことがある。

文庫本ぶんこぼんの小説しょうせつなどでは、映画えいがやテレビドラマ化か時じに、提携ていけい（tie-up）のためにそのときに限かぎってカバーを（重要じゅうような役やくを演えんずる俳優はいゆうの写真しゃしんなどに）差さし替かえて販売はんばいすることもある。そのため、同おなじ本ほんでも、複数ふくすうのカバーが存在そんざいすることも珍めずらしくない。実際じっさいにジャケ買かいという言葉ことばがあり、表紙ひょうしだけ見みて購読こうどくする消費しょうひ者しゃ行動こうどうが存在そんざいする。

購入こうにゅう時じ・購入こうにゅう後ごのカバー

ブックカバー

本ほんの傷いたみや汚よごれを避さけるための、あるいは読よんでいる本ほんが何なにかを周囲しゅういに分わからせないようにするためにかける。書店しょてんで購入こうにゅうする際さいに店みせ側がわがかけてくれるもの、書店しょてんや文具ぶんぐ店てんなどで売うられているものに大別たいべつ出来できる。

購入こうにゅう時じのカバー

ほとんどの場合ばあい紙しだが、稀まれに透明とうめいフィルムのカバーも存在そんざいする。

その書店しょてんのオリジナルデザインのものや取次とりつぎ店てんが出だしているもの、出版しゅっぱん社しゃが出だしているもの、1990年代ねんだいより広ひろまった広告こうこくが印刷いんさつされているものなどがあり、変化へんか（variety）に富とんでおりブックカバーの収集しゅうしゅう家か（collector）なども存在そんざいする。経費けいひ削減さくげんのため、オリジナルのブックカバーを使つかう本屋ほんやは少すくなくなっている。書店しょてんでブックカバーのデザインを公募こうぼしている書店しょてんがある。書店しょてんでカバーをかけるのは日本にっぽんだけの習慣しゅうかんである。かつては韓国かんこくでも同おなじ習慣しゅうかんがあったが、1993年ねん頃ころに「ゴミ減量げんりょう運動うんどう」が起おこり、無なくなった。

購入こうにゅう後ごのカバー

書店しょてんや文具ぶんぐ店てんなどが販売はんばいしており、紙かみ、布ぬの、革かわ、プラスチック、ビニールなどで出来できている事ことがある。自作じさくのブックカバーを用もちいる者ものもいる。書店しょてんや出版しゅっぱん社しゃの中なかには、サイトでブックカバーの画像がぞうを配布はいふしているところもある。ブックカバー用ようのデザインをWebで公開こうかいしているサイトがある。そうした柄えを印刷いんさつし、使用しようする場合ばあいもある。

関連かんれん項目こうもく

• ジャケ買かい
• バックラム - 布ぬのを膠にかわなどで固かためて硬化こうかさせたもので本ほんを保護ほごするのに使用しようされた。
• クーダハ - 書物しょもつを納おさめるために用もちいられた箱はこ