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表紙ひょうし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
3かんほん『Illustreret norsk literaturhistorie』(1896)のハードカバー表紙ひょうし

表紙ひょうしひょうしは、ほんのページを結合けつごう保護ほごするおおいである。ほんひらきにいたときひょうる「おもて表紙ひょうし」、その裏面りめんの「裏表紙うらびょうし」、ていみのある側面そくめんの「表紙ひょうし」からるが、とくに「ほんかお」の部分ぶぶんであるおもて表紙ひょうしすこともおおい。表紙ひょうし製本せいほんほうによっては存在そんざいしない場合ばあいもある。

表紙ひょうしには、よくられているハードカバーペーパーバックのみならず、ブックカバーリングてい、さらに古風こふうでの製本せいほんなどさまざまな形態けいたいがある。日本にっぽんでは表紙ひょうしうえにさらにブックカバーをかけることがおおいが洋書ようしょではあまりおおくなく、英語えいごではbook cover表紙ひょうしし「ブックカバー」はdust jacketばれる。

歴史れきし

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ロルシュのアウレウス写本しゃほん象牙ぞうげ表紙ひょうし(810ねんごろ)。ヴィクトリア&アルバート博物館はくぶつかんぞう

中国ちゅうごく日本にっぽんでは、むかしからおおいもかみせいいとじていた(かずつづり)が、西洋せいようでは19世紀せいき初頭しょとうまではほんかわきむぎん宝石ほうせきなどのおも素材そざいもちいてじられていた。かずひゃくねんものあいだ装幀そうてい印刷いんさつまたは手製てせいによる高価こうかなページを保護ほごする手段しゅだんとして、またその文化ぶんかてき権威けんいしょうてるものとして機能きのうしてきた。1820年代ねんだいにはほんおおかたおおきな変化へんかはじまり、機械きかいてき製本せいほん技術ぎじゅつ徐々じょじょ導入どうにゅうされはじめた。蒸気じょうき機関きかんによるプレス機械きかいてき製造せいぞうされるによってほんがとても安価あんかなものになると、での製本せいほんほん自体じたい価格かかくわないものとなってゆき、まずぬのが、それからかみひょうかみ)が定番ていばん素材そざいとなっていった。

このあたらしいタイプの表紙ひょうし安価あんか製造せいぞうできるだけでなく、カラーのリトグラフや、のちにはハーフトーンの写真しゃしん製版せいはんによってイラストレーション写真しゃしん印刷いんさつすることができた。19世紀せいきのポスター制作せいさくしゃから借用しゃくようしてきた技法ぎほうと、グラフィックデザイン職業しょくぎょうてき実践じっせん徐々じょじょ出版しゅっぱんかい全体ぜんたい浸透しんとうした。表紙ひょうしはページを保護ほごするだけではなく、ほん宣伝せんでんし、ほん中身なかみかんする情報じょうほう伝達でんたつする機能きのうになうようになった。

表紙ひょうしデザイン

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20世紀せいき初頭しょとうアーツ・アンド・クラフツ運動うんどうアール・ヌーヴォー表紙ひょうしデザインに現代げんだいのルネサンスをこし、ヨーロッパ、ロンドン、ニューヨークの先進せんしんてき出版しゅっぱんしゃつうじて成長せいちょうにあった大衆たいしゅうてき出版しゅっぱん業界ぎょうかい全体ぜんたいへと浸透しんとうした。抜本ばっぽんてき現代げんだいてき表紙ひょうしデザインとしては1920年代ねんだいソ連それんアレクサンドル・ロトチェンコエル・リシツキーといったアヴァンギャルド芸術げいじゅつたちによってされたものがある。おおきな影響えいきょうりょくのあった初期しょき表紙ひょうしデザイナーにはに、「イエロー・ブック」(1894ねん-1895ねん)の最初さいしょの4かん目覚めざましい表紙ひょうしをデザインしたオーブリー・ビアズリーがいる。

戦後せんごには、表紙ひょうし書籍しょせき出版しゅっぱんかい競争きょうそう市場いちばとなったなかきわめて重要じゅうよう要素ようそとなった。今日きょうでは表紙ひょうしほんのスタイル、ジャンル、主題しゅだいくわしい手掛てがかりをあたえるものとなり、おおくの出版しゅっぱんしゃすこしでも顧客こきゃくこうと極限きょくげんまでデザインにこごるようになった。インターネット販売はんばい時代じだいになっても、表紙ひょうし次元じげんデジタル画像がぞうかたちほんがオンラインで識別しきべつされれるのをたすける機能きのうたしつづけており、その重要じゅうようせいはほとんどげんじていない。

記載きさい内容ないよう

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おもて表紙ひょうしには書名しょめいと、著者ちょしゃめいなど最低限さいていげん書誌しょし事項じこうはいっている。日本にっぽんでは、一般いっぱんてき書名しょめい一番いちばんじょう配置はいちされ、目立めだつようにされているが、洋書ようしょでは著者ちょしゃめい一番いちばんじょう配置はいちされ、書名しょめいより目立めだつこともおおい。

明治めいじ時代じだい和装わそうほんかずつづり

裏表紙うらびょうしにはISBN定価ていかなどの追加ついかてき書誌しょし情報じょうほうのほか、ほん概要がいようなどの宣伝せんでん事項じこうかれることがある。表紙ひょうしには書名しょめい著者ちょしゃめい出版しゅっぱん社名しゃめい簡潔かんけつ記載きさいされる。

雑誌ざっしでは表紙ひょうしについてはひょう1(いわゆる表紙ひょうし)、ひょう2(表紙ひょうしうら)、ひょう3(裏表紙うらびょうしうら)、ひょう4とう。ひょう1以外いがい広告こうこくはいことがほとんどである。

近年きんねんでは、漫画まんが単行本たんこうぼんのブックカバー本体ほんたいろし漫画まんが登場とうじょう人物じんぶつ紹介しょうかいといった付録ふろくてき情報じょうほう掲載けいさいするれいおおい。

類義語るいぎごしょかげ

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書籍しょせき出版しゅっぱん業界ぎょうかいでは、ほん外観がいかん、とくにその画像がぞうのことを「しょかげ」という。

ぜん5かんある叢書そうしょ立体りったいてきしょかげ
  • 広義こうぎの「しょかげ
    おびきのほんはこりのほん場合ばあいおびはこふくめた外観がいかんみぎ画像がぞうのような全集ぜんしゅう叢書そうしょ場合ばあい、その全巻ぜんかん立体りったいてきならべた外観がいかんふくめる。みぎじょうの「明治めいじ時代じだい和装わそうほん」の画像がぞうなどもふくむ。
  • 狭義きょうぎの「しょかげ
    おびきのほんはこりのほん場合ばあいでも、おびはこはずした状態じょうたい平面へいめんてき表紙ひょうしのみの外観がいかん全集ぜんしゅう叢書そうしょ場合ばあいでも個々ここ平面へいめんてき表紙ひょうしのみの外観がいかん限定げんていする[1]

出版しゅっぱんしゃでは複数ふくすうオンライン書店しょてん書評しょひょうサイトなどから「しょかげ」がもとめられることから、一般いっぱんてきには後者こうしゃ意味いみする。

表紙ひょうしまわり

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表紙ひょうしまわり(ひょうしまわり)とは、ほんとく雑誌ざっし表紙ひょうし4めんのことをいう。「おもてまわり」ともいう。

  • 定義ていぎ
    表紙ひょうしを「ひょう1」、表紙ひょうし裏側うらがわにあるめんを「ひょう2」、裏表紙うらびょうしを「ひょう4」、裏表紙うらびょうし裏側うらがわを「ひょう3」とび、これらをまとめて表紙ひょうしまわり、または「おもてまわり」と[2]出版しゅっぱん用語ようご印刷いんさつ用語ようごであると同時どうじ広告こうこく用語ようごでもある。
  • 印刷いんさつ出版しゅっぱん観点かんてんからの表紙ひょうしまわり
    • 表紙ひょうし
      ひょう1」、「ひょう2」、「ひょう3」、「ひょう4」にくわえて、表紙ひょうしふくめて表紙ひょうしまわりとする。表紙ひょうしは、リングてい製本せいほんちゅうてい製本せいほんでは、しょうじない[3]
    • 表紙ひょうしまわりの印刷いんさつ原稿げんこう作成さくせい・データにゅう稿こう
      表紙ひょうしまわりの印刷いんさつ原稿げんこう・データは一般いっぱんてきに4めんをセットでにゅう稿こうする。そのさいも、「ひょう1」(表紙ひょうし)と「ひょう4」(裏表紙うらびょうし)、「ひょう2」と「ひょう3」のそれぞれに表紙ひょうしぶんはばくわえて原稿げんこう・データを作成さくせいする。
  • 広告こうこく観点かんてんからの表紙ひょうしまわり
    • 雑誌ざっし場合ばあい表紙ひょうしまわりは、本文ほんぶん掲載けいさいする広告こうこくよりも目立めだつことから広告こうこく効果こうか期待きたいされ、料金りょうきん設定せっていたかめに設定せっていしてあるのが一般いっぱんてきである[4]
    • なかでも、裏表紙うらびょうしの「ひょう4」は、外側そとがわ露出ろしゅつしていることから、もっと注目ちゅうもくたか広告こうこく料金りょうきんたかくなっているのが一般いっぱんてきである[4]

回数かいすうけんの「表紙ひょうし

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冊子さっしじょうとなっている回数かいすうけんでは、つづりこんだ券面けんめんとはべつに「表紙ひょうし」がいていることがあるが、マルスから1まいずつてくるようなJR回数かいすうけんタイプの特別とくべつ企画きかく乗車じょうしゃけんなかにも、有効ゆうこう乗車じょうしゃけんとはべつに「表紙ひょうし」というけんがついてくる事例じれい存在そんざいする[5]。この「表紙ひょうし」は回数かいすうけんとして使用しようはできないが、はらもどしのさい表紙ひょうし必要ひつようとされることがある[5]

出典しゅってん

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  1. ^ Amazon.co.jpのeたく販売はんばいサービスの商品しょうひん画像がぞうのガイドラインでは、書籍しょせきおび画像がぞう優先ゆうせんされると規定きていされている。
  2. ^ 株式会社かぶしきがいしゃユニほうそう 雑誌ざっし広告こうこくについて
  3. ^ 無線むせんていじのはばについて/同人どうじん印刷いんさつ Comflex
  4. ^ a b 雑誌ざっし広告こうこくスペース 広告こうこく代理だいりてんメディアプロ
  5. ^ a b 東京とうきょう新幹線しんかんせん自由じゆうせき回数かいすうけん 東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう、2016ねん8がつ21にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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