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ムラサキ

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ムラサキ
分類ぶんるいAPG IV
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせいそう子葉しようるい core eudicots
階級かいきゅうなし : キクるい asterids
階級かいきゅうなし : シソるい Lamiids
: ムラサキ Boraginales

ムラサキ (ムラサキもく、Boraginales) は被子植物ひししょくぶつのひとつである。2009ねんAPG IIIでは帰属きぞくしめされていなかったムラサキぞくするもので、2016ねんAPG IV新設しんせつされた。

広義こうぎムラサキ1のみから構成こうせいされるが、これには狭義きょうぎのムラサキおよきんえんかずふくまれる。

概要がいよう

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ムラサキは、クロンキスト体系たいけいAPG体系たいけいといった主要しゅよう植物しょくぶつ分類ぶんるい体系たいけいでは、ながらくみとめられてはこなかったが、2014ねんごろのいくつかの科学かがく論文ろんぶんなかではすでにとして認識にんしきされていた[1]。ムラサキ定義ていぎは、APG体系たいけいにおけるムラサキ定義ていぎ本質ほんしつてき同質どうしつのものである。分子ぶんし系統けいとうがくてき研究けんきゅうでは、狭義きょうぎのムラサキ伝統でんとうてき認識にんしきされていたハゼリソウとレンノアたいしてがわ系統けいとうぐんになるため、APG IIIの分類ぶんるい体系たいけいでは広義こうぎのムラサキ採用さいようしている。APG IIIでは、ムラサキ真正しんしょうキクるいI(シソるい)のクレードぞくすことになったが、との正確せいかく系統けいとう関係かんけいからなかったため帰属きぞくするあたえられなかった。いくつかの遺伝子いでんし塩基えんき配列はいれつもちいた系統けいとう解析かいせきにより、ムラサキはAPG体系たいけいのシソ姉妹しまいぐんであるとされたが、最尤法さいゆうほうにおけるブートストラップかくりつはわずか65%であった[2]

2016ねんAPG IVにおいて、きゅうコドン(Codonaceae)を内包ないほうしたムラサキのみからる 「ムラサキ」 として位置付いちづけられた[3]

クロンキスト体系たいけいでは、(カキバチシャノキぞく・チシャノキ属きぞく・キダチルリソウぞくふくむ)ムラサキとレンノアはシソに、ハゼリソウナスぞくしていた。

ジャーナルにおいては2014ねんごろから、APG体系たいけいにおけるムラサキをムラサキとして、すなわちとしての階級かいきゅう認識にんしきしてきたれいがある。この認識にんしきしたでは、ムラサキ狭義きょうぎとらえ、カキバチシャノキ・チシャノキ・キダチルリソウ・ハゼリソウべつとしてどうないぞくさせた。著者ちょしゃによっては、コドンとウェルステディア狭義きょうぎムラサキからたんがたとして分割ぶんかつしたのこり、さい狭義きょうぎのムラサキとして定義ていぎした[4]狭義きょうぎムラサキは、コドンぞく(Codon)とウェルステディアぞく(Wellstedia)をふくめた場合ばあい植物しょくぶつ形態けいたいがくてき特徴とくちょう見出みいだすことがむずかしくなる[5]。コドンはながらくハゼリソウない特異とくい一群いちぐんなされていたが、1998ねんには分子ぶんし系統けいとうがく研究けんきゅうにより狭義きょうぎムラサキによりきんえんであるとあきらかにされた[6]

葉緑素ようりょくそいた完全かんぜん寄生きせい植物しょくぶつのレンノアぞくLennoa)とフォリスマぞくPholisma)はかつてレンノア(Lennoaceae)とされていたが、2014ねんいたりチシャノキ内部ないぶ位置いちするクレードとして認知にんちされるようになる[7]。いくつかの研究けんきゅうでは、ハゼリソウはナマれん(Nameae)をふくめた場合ばあいがわ系統けいとうになることをしめしているが、問題もんだい解決かいけつにはさらなる研究けんきゅう必要ひつようとされる[2]

ホプレスチグマぞくHoplestigma)をムラサキれることについてはしばしばうたがいがたれてきたが、2014ねん研究けんきゅうによってその位置いち確固かっこたるものとなった[1]。 ホプレスチグマぞくはカキバチシャノキ姉妹しまいぐんであり、カキバチシャノキはホプレスチグマぞくふくむように範囲はんい拡張かくちょうするようもとめられてきた。

ハゼリソウぞくHydrolea)は、エイサ・グレイによって分類ぶんるいされてから1世紀せいき以上いじょうものあいだ、ハゼリソウぞくするものとかんがえられていたが、いまではナスぞくナガボノウルシぞく姉妹しまいぐんとなることがかっている[2]

プテレオカルパぞくPteleocarpa)は例外れいがいてきなものとして、一般いっぱんてきにムラサキれられていたが、その分類ぶんるいについてはつようたがいがあった。分子ぶんし系統けいとう学的がくてきにはリンドウゲルセミウム姉妹しまいぐんにであることがつよ支持しじされたため[2]、ゲルセミウムがこれをふくむように拡張かくちょうされた[8]

系統けいとう

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キクるい

ミズキ

ツツジ

キキョウるい

シソるい

クロタキカズラ

メッテニウサ

ガリア

ムラサキ

リンドウ

ヴァーリア

シソ

ナス

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Maximilian Weigend, Federico Luebert, Marc Gottschling, Thomas L.P. Couvreur, Hartmut H. Hilger and James S. Miller. 2014. "From capsules to nutlets ? phylogenetic relationships in the Boraginales". Cladistics 30(5):508-518. doi:10.1111/cla.12061.
  2. ^ a b c d Refulio-Rodriguez, Nancy F.; Olmstead, Richard G. (2014). “Phylogeny of Lamiidae”. American Journal of Botany 101 (2): 287?299. doi:10.3732/ajb.1300394. 
  3. ^ Angiosperm Phylogeny Group (2016). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV”. Botanical Journal of the Linnean Society 181 (1): 1?20. doi:10.1111/boj.12385. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/boj.12385/abstract. 
  4. ^ Peter F. Stevens (2001 onwards). "Boraginaceae" At: Angiosperm Phylogeny Website. At: Missouri Botanical GardenWebsite. (外部がいぶリンク'参照さんしょうのこと)
  5. ^ James I. Cohen. 2014. "A phylogenetic analysis of morphological and molecular characters of Boraginaceae: evolutionary relationships, taxonomy, and patterns of character evolution". Cladistics 30(2):139-169. doi:10.1111/cla.12036
  6. ^ Diane M. Ferguson. 1998. "Phylogenetic Analysis and Relationships in Hydrophyllaceae Based on ndhF Sequence Data". Systematic Botany 23(3):253-268.
  7. ^ Marc Gottschling, Federico Luebert, Hartmut H. Hilger, and James S. Miller. 2014. "Molecular delimitations in the Ehretiaceae (Boraginales)". Molecular Phylogenetics and Evolution 72:1-6. doi:10.1016/j.ympev.2013.12.005
  8. ^ Lena Struwe, Valerie L. Soza, Sugumaran Manickam, and Richard G. Olmstead. 2014. "Gelsemiaceae (Gentianales) expanded to include the enigmatic Asian genus Pteleocarpa". Botanical Journal of the Linnean Society 175(4):482?496. doi:10.1111/boj.12182.

参考さんこう文献ぶんけん一覧いちらん

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  • Diane, N., H. Forther, and H. H. Hilger. 2002. A systematic analysis of Heliotropium, Tournefortia, and allied taxa of the Heliotropiaceae (Boraginales) based on ITS1 sequences and morphological data. American Journal of Botany 89: 287-295 (online abstract here).
  • Gottschling, M., H. H. Hilger 1, M. Wolf 2, N. Diane. 2001. Secondary Structure of the ITS1 Transcript and its Application in a Reconstruction of the Phylogeny of Boraginales. Plant Biology (Stuttgart) 3: 629-636 (abstract online here)

外部がいぶリンク

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