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メルリール

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
メルリール
衛星えいせい写真しゃしん中央ちゅうおう付近ふきんうすきみどり/白色はくしょくがメルリールみずうみだが、この写真しゃしんではだい部分ぶぶん干上ひあがっている。左下ひだりしたにはMeorouaneみずうみくろっぽくうつっている。
位置いち 座標ざひょう: 北緯ほくい3420ふん 東経とうけい620ふん / 北緯ほくい34.333 東経とうけい6.333 / 34.333; 6.333
しゅう水域すいいき面積めんせき 68,750km2[1][2]
流域りゅういきこく アルジェリア地図
メルリール湖の位置(アルジェリア内)
メルリール湖
メルリール
メルリール (アルジェリア)
面積めんせき 6,700km2
平均へいきん水深すいしん 52m
水面すいめん標高ひょうこう -40m
湖沼こしょうがた しおみずうみ
プロジェクト 地形ちけい
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メルリール(アラビア: شط ملغيغ‎, Chott Melrhir, Chott Melghir, Chott Melhir)は、アルジェリア北東ほくとうにあるしおみずうみ面積めんせきぶしによって変化へんかするが、最大さいだい面積めんせきは6,700km2でアルジェリア最大さいだいである[3]名称めいしょうふくまれるChott英語えいごの「dry lake」や「salt lake」を意味いみし、サハラ砂漠さはらさばく地域ちいきおおくみられる。

地理ちり

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チュニジア東岸とうがんガベスわんから西方せいほうサハラ砂漠さはらさばく内部ないぶ低地ていちびている。きたアフリカ最大さいだいしおみずうみであるジェリド(チュニジア)をえて内陸ないりくかい、低地ていちさい西端せいたんにメルリールがある。湖面こめん標高ひょうこう一定いっていではないが、海抜かいばつ下回したまわる-40m(-131ft)であり、みずうみ周辺しゅうへんはアルジェリアの最低さいてい地点ちてんである[4]。たいていの時期じきにおいて、みずうみ東西とうざいはばは130kmよりもなが[5]近隣きんりん都市としとしては、北東ほくとう60kmにビスクラがあり、みなみ85kmにはエル・ウェド英語えいごばんトゥーグラがある[6]

みずぶん

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ふゆ雨季うきにはきた北西ほくせいからすうおおくのワジ雨季うきのみみずながれるかわ)がながれ、みずうみはワジからながみずたされる。最大さいだいのワジはジェディがわとアラブがわであり[2][7]オーレス山地さんち英語えいごばん斜面しゃめん西にしからひがしりながらメルリールみずうみまでながれる[8]。そののワジにはアビオドだにやビスクラだになどがある[1][9]夏期かきにはみずうみとほとんどのかわかわきメルリール塩田しおだ変化へんかする[3][10]湖水こすい年間ねんかん蒸発じょうはつりょうは9.6km3から20km3あいだ変化へんかし、みずうみちかくの土壌どじょうからの蒸発じょうはつは14 km3たっする[2]。メルリール南西なんせい位置いちするちかくのメルアンとは、場所ばしょによっては4kmというせまさとなる恒久こうきゅうてき乾燥かんそうすじへだてられている[6]

地質ちしつ

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モロッコからアルジェリア北部ほくぶにかけてびるアトラス山脈さんみゃく形成けいせいされるさい大地だいち圧縮あっしゅくされた結果けっか中新ちゅうしん更新こうしん前期ぜんきにメルリール形成けいせいされた[11]湖底こていおも石膏せっこうどろ構成こうせいされ、夏期かきしおおおわれている。みずうみはニンニクのような臭気しゅうきはな[12]みずうみやその周辺しゅうへん乾燥かんそうした土壌どじょう耕地こうちえるが、そのこう濃度のうど塩分えんぶんのためにほとんど不毛ふもう土地とちである。同様どうよう理由りゆうで、土壌どじょういちばんかけておおくの水分すいぶんりこみ、いちにちだい部分ぶぶん部分ぶぶんてき湿しめった状態じょうたい維持いじしている[13]

気候きこう

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メルリール周辺しゅうへんあつ乾燥かんそうしており、降水こうすいりょうすくなく湖面こめんからの蒸発じょうはつりょうおおい。平均へいきん最低さいてい気温きおん摂氏せっし11.4平均へいきん最高さいこう気温きおんは34.2だが、ぶしによっては最低さいてい気温きおんが0となることもある。年間ねんかん降水こうすいりょうは160mmを下回したまわる。風速ふうそくは2.7m/びょうから5.3m/びょうあいだであり、6がつから9がつには南東なんとうけて、あきから早春そうしゅんにかけては北西ほくせいけてくことがおおい。ふゆなつには頻繁ひんぱん砂嵐すなあらしこり、とし平均へいきん39にち発生はっせいする[1][2]

動植物どうしょくぶつ

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みずうみ浅瀬あさせ塩水えんすい適応てきおうした72しゅ植物しょくぶつ構成こうせいされる希少きしょう植物しょくぶつふくんでいる。ヒユシーラベンダーイグサアツケシソウフトイなどである。アルジェリアではここにしかないたねがいくつかあり、Fagonia microphyllaOudneya africanaZygophyllum cornutumLimoniastrum feiiAmmosperma cinereaなど14しゅ固有こゆうしゅである[2]。それらは30cmのたかさまで成長せいちょうし、おもカモサケイフサエリショウノガンオオフラミンゴなど比較的ひかくてきゆたかな鳥類ちょうるいしょう形成けいせいする[6][14]湖水こすいは0.4kg/lにもたっするこう濃度のうど塩分えんぶんちており[2]ブラインシュリンプなど少数しょうすう動物どうぶつしゅしか維持いじできない[15]みずうみ周辺しゅうへんではイノシシゴールデンジャッカルノウサギキツネなどが観察かんさつされている[2]。2003ねん6がつ、メルリールラムサール条約じょうやく登録とうろく湿地しっちとなり、水鳥みずとり生息せいそくとして国際こくさいてき重要じゅうよう湿地しっちとしてみとめられた[16][17]

ギャラリー

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関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c Benkhaled A., Bouziane M.T, Achour B. (June 2008). “Detecting trends in annual discharge and precipitation in the Chott Melghir basin in Southeastern Algeria”. Larhyss Journal 7: 103–119. ISSN 1112-3680. http://www.larhyss.net/pdf/journal/7/8_Benkhaled_et_al_Larhyss_Journal_7_Juin_2008.pdf. 
  2. ^ a b c d e f g Chott Melghir[リンク], Ministere de l’Agriculture. Direction Generale des Forets
  3. ^ a b В. М. Котляков Мельгир Словарь современных географических названий、2003–2006
  4. ^ CIA World Factbook 2010, Book 2010 ISBN 1-60239-727-9, p. 10
  5. ^ Chott Melrhir, Encyclopædia Britannica on-line
  6. ^ a b c Robert Mepham, R. H. Hughes, J. S. Hughes (1992) A directory of African wetlands, IUCN, ISBN 2-88032-949-3 pp. 23–24
  7. ^ Chott Melhrir
  8. ^ Jean-Louis Ballais (French). Des oueds mythiques aux rivières artificielles: l'hydrographie du Bas-Sahara algérien. pp. 107–127. http://physio-geo.revues.org/1173 
  9. ^ Annales des mines: Mémoires, Cadrilian-Gœury et Vor. Dalmont, 1880 pp. 154, 159, 172
  10. ^ Algérie. États et Territoires (in French)
  11. ^ Andrew Goudie (2002) Great warm deserts of the world: landscapes and evolution Oxford University Press, ISBN 0-19-924515-0, p. 113
  12. ^ The Annals and magazine of natural history: zoology, botany, and geology, Taylor and Francis (1871) p. 377
  13. ^ Henry Woodward Geological magazine, Volume 1, Cambridge University Press., 1864, p. 28
  14. ^ Erik Carp (1980) Directory of wetlands of international importance in the Western Palearctic, IUCN, ISBN 2-88032-300-2, p. 28
  15. ^ Samraoui, Boudjéma et al. (2006). “Large branchiopods (Branchiopoda: Anostraca, Notostraca and Spinicaudata from the salt lakes of Algeria”. J. Limnol. 65 (2): 83–88. http://www.iii.to.cnr.it/pubblicaz/jl65_2/02_samraoui.pdf. 
  16. ^ Chott Melghir | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2018ねん3がつ8にち). 2023ねん4がつ9にち閲覧えつらん
  17. ^ The List of Wetlands of International Importance, p. 5

外部がいぶリンク

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