ヨウ素す酸さんカリウム

ヨウ素す酸さんカリウム
	IUPAC名めいヨウ素す酸さんカリウム
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	7758-05-6
PubChem	2366570
E番号ばんごう	E917 (その他た)
特性とくせい
化学かがく式しき	KIO3
モル質量しつりょう	214.001 g/mol
外観がいかん	白色はくしょくの結晶けっしょう状じょう粉末ふんまつ
密度みつど	3.89 g/cm3
融点ゆうてん	560 ℃（分解ぶんかい）
水みずへの溶解ようかい度ど	4.74 g/100 mL (0 °C) ; 9.16 g/100 mL (25 °C) ; 32.3 g/100 mL (100 °C)
溶解ようかい度ど	ヨウ化かカリウム溶液ようえきに可か溶; アルコール、液体えきたいアンモニアに不溶ふよう
危険きけん性せい
EU Index	Not listed
NFPA 704	0 2 1
引火いんか点てん	不燃ふねん性せい
関連かんれんする物質ぶっしつ
その他たの陰かげイオン	塩素えんそ酸さんカリウム; 臭素しゅうそ酸さんカリウム
その他たの陽ひイオン	ヨウ素す酸さんナトリウム
関連かんれん物質ぶっしつ	ヨウ化かカリウム; 過かヨウ素す酸さんカリウム
	特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

ヨウ素す酸さんカリウム (ヨウそさんカリウム、potassium iodate）は、化学かがく式しきが KIO₃ で表あらわされるカリウムのヨウ素す酸さん塩しおである。

反応はんのう[編集へんしゅう]

ヨウ素す酸さんと水酸化すいさんかカリウムとの反応はんのう、またはヨウ素もとと水酸化すいさんかカリウムとを加熱かねつすることにより生成せいせいする。

{\ce {HIO3\ + KOH -> KIO3\ + H2O}}

{\ce {3 I2\ + 6KOH -> KIO3\ + 5KI\ + 3H2O}}

性質せいしつ[編集へんしゅう]

強つよい酸化さんか性せいがあり、可燃かねん物ぶつや還元かんげん性せい物質ぶっしつとの接触せっしょくにより火災かさいを引ひき起おこす。保管ほかんの際さいは熱ねつや衝撃しょうげきを避さけ、可燃かねん物ぶつ・有機ゆうき化合かごう物ぶつ・硫化りゅうか物ぶつなどから離はなす。

用途ようと[編集へんしゅう]

一部いちぶの国くにでは、甲状腺こうじょうせん異常いじょう予防よぼうのため食卓しょくたく塩しおや乳児にゅうじ用よう粉こなミルクに添加てんかされる。また、臭素しゅうそ酸さんカリウムと同様どうよう、パンの改良かいりょう材ざいとして用もちいられる場合ばあいがある。

放射線ほうしゃせん対策たいさく[編集へんしゅう]

放射能ほうしゃのうで汚染おせんされたヨウ素もとが甲状腺こうじょうせんに集あつまる前まえに、甲状腺こうじょうせんのヨウ素もとを飽和ほうわ状態じょうたいにする効果こうかがあるため、放射線ほうしゃせん療法りょうほうや放射能ほうしゃのう漏洩ろうえいを伴ともなう原子力げんしりょく施設しせつ事故じこの際さいに使用しようされる^[1]。アイルランド、シンガポール、アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうなどでは錠剤じょうざいの形かたちで備蓄びちくされ^[2]、高温こうおん多湿たしつの環境かんきょう下かの貧困ひんこん層そうに届とどけられている^[3]。アイルランドでは、イギリスのセラフィールド再さい処理しょり施設しせつの事故じこの際さいには実際じっさいに国民こくみんにヨウ素す酸さんカリウム錠じょうが配布はいふされた。

放射線ほうしゃせん障害しょうがいに対たいする緊急きんきゅう摂取せっしゅの推奨すいしょう用量ようりょう^[4]
年齢ねんれい	ヨウ化かカリウム (mg)	ヨウ素す酸さんカリウム (mg)
12歳さい以上いじょう	130	170
3 - 12歳さい	65	85
1ヶ月かげつ - 3 歳さい	32	42
1ヶ月かげつ	16	21

「ヨウ素もと剤ざい」および「ヨウ化かカリウム#原子力げんしりょく災害さいがい時じの放射線ほうしゃせん障害しょうがい予防よぼう薬やくとして」も参照さんしょう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Astbury, John; Horsley, Stephen; Gent, Nick, Evaluation of a scheme for the pre-distribution of stable iodine (potassium iodate) to the civilian population residing within the immediate countermeasures zone of a nuclear submarine construction facility, 21, pp. 2008?10
^ K. Takegawa, K. Mitsumori, H. Onodera, T. Shimo, K. Kitaura, K. Yasuhara, M. Hirose and M. Takahashi (Sep 2008), Studies on the carcinogenicity of potassium iodide in F344 rats, 38, pp. 773?81, doi:10.1016/S0278-6915(00)00068-5
^ Pahuja, D.N.; Rajan, M.G.; Borkar, A.V.; Samuel, A.M. (Nov 2008), Potassium iodate and its comparison to potassium iodide as a blocker of 131I uptake by the thyroid in rats, 65, pp. 545?9, PMID 8225995
^ Guidelines for Iodine Prophylaxis following Nuclear Accidents, World Health Organization, Update 1999

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[1] Astbury, John; Horsley, Stephen; Gent, Nick, Evaluation of a scheme for the pre-distribution of stable iodine (potassium iodate) to the civilian population residing within the immediate countermeasures zone of a nuclear submarine construction facility, 21, pp. 2008?10

[2] K. Takegawa, K. Mitsumori, H. Onodera, T. Shimo, K. Kitaura, K. Yasuhara, M. Hirose and M. Takahashi (Sep 2008), Studies on the carcinogenicity of potassium iodide in F344 rats, 38, pp. 773?81, doi:10.1016/S0278-6915(00)00068-5

[3] Pahuja, D.N.; Rajan, M.G.; Borkar, A.V.; Samuel, A.M. (Nov 2008), Potassium iodate and its comparison to potassium iodide as a blocker of 131I uptake by the thyroid in rats, 65, pp. 545?9, PMID 8225995

[4] Guidelines for Iodine Prophylaxis following Nuclear Accidents, World Health Organization, Update 1999

[1]

[2]

[3]

[4]

表ひょう話はなし編へん歴れきカリウムのオキソ酸さん塩しお
正せい塩しお	AlK(SO₄)₂ KAlO₂ K₃AsO₄ KBrO₃ KClO KClO₂ KClO₃ KClO₄ K₂CO₃ K₂CrO₄ K₂Cr₂O₇ K₃Cr(O₂)₄ KCuO₂ K₂FeO₄ KIO₃ KIO₄ KMnO₄ K₂MnO₄ K₃MnO₄ K₂MoO₄ KNO₂ KNO₃ K₃PO₄ KReO₄ K₂SeO₄ K₂SiO₃ K₂SO₃ K₂SO₄ K₂S₂O₃ K₂S₂O₅ K₂S₂O₆ K₂S₂O₇ K₂S₂O₈
水素すいそ塩しお	KH₂AsO₄ K₂HAsO₄ KHCO₃ KH₂PO₄ K₂HPO₄ KHSeO₄ KHSO₃ KHSO₄ KHSO₅
カテゴリ:カリウムの化合かごう物ぶつ