ラバン

ラバン（לבן, Lāḇān, Lavan）は、旧約きゅうやく聖書せいしょに記しるされる人物じんぶつで、イサクの妻つまリベカの兄弟きょうだいで、ヤコブのおじに当あたる。ラバンとはへブル語ごで「白しろい」という意味いみである、主おもに男性だんせいの名前なまえに用もちいられる。

聖書せいしょの記述きじゅつ

アブラハムの兄弟きょうだいナホルの孫まごで、ベトエルの息子むすこでリベカの兄あにである。アブラハムの出身しゅっしん地ちであるカランに住すみ、多おおくの家畜かちくと奴隷どれいを所有しょゆうしていた。

ラバンはイサクの結婚けっこんにあたり、ベトエルと共ともに、アブラハムのしもべをむかえ、親切しんせつにもてなした。

後のちに、イサクの家いえで、長子ちょうしの権利けんりをめぐって、双子ふたごの息子むすこ、エサウとヤコブが争あらそった時とき、母ははリベカの勧すすめで、ヤコブは逃亡とうぼうして、ラバンのもとに身みを寄よせる。その際さいには、ラバンの娘むすめラケルへの好意こういを利用りようした。

ラバンは下したの娘むすめ、ラケルとの結婚けっこんの条件じょうけんとして、7年間ねんかんの労働ろうどうを要求ようきゅうした上うえ、7年ねん後ごに偽いつわって、レアと結婚けっこんさせた。ヤコブは抗議こうぎしたが、さらにラケルと結婚けっこんするためにもう7年間ねんかんの労働ろうどうを要求ようきゅうした。さらに、ヤコブの帰郷ききょうの申もうし出でも、家畜かちくの群むれを増ふやすために利用りようした。

やがて全ぜん家族かぞくをつれて逃亡とうぼうした、ヤコブ一いち行ぎょうを追おう。しかし、ヤコブとラバンは和解わかいして、ラバンの提案ていあんで、石いしの柱はしらを立たてて、契約けいやくを結むすぶ。ラバンはそれをアラム語ごでエガル・サハドタと名付なづけ、ヤコブはヘブル語ごでガルエデと名付なづけた。

ラバンはヤハウェ信仰しんこうだけはなく、占うらないをしたりティラフィムを拝おがんでいたり、異教いきょうの習慣しゅうかんも持もち合あわせていた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『新しん聖書せいしょ辞典じてん』いのちのことば社しゃ、1985年ねん