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万年自鳴鐘

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万年自鳴鐘

万年自鳴鐘(まんねんじめいしょう、きゅう字体じたい:萬秊自鳴鐘)は、江戸えど時代じだい発明はつめい田中たなか久重くしげによって製作せいさくされた機械きかいしきおけ時計とけいである。まんねん時計とけいひろられている。1000てんえる部品ぶひん(ほとんどが田中たなかによる手作てづくり)からつくられている。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

萬歳自鳴鐘の引札ひきふだ

機能きのう[編集へんしゅう]

ぜんまいばねにはあつさ2ミリメートル、ながさ4メートルの真鍮しんちゅう使つかい、このぜんまいを2装備そうび一度いちどけばいちねんうごくという機械きかいしき時計とけいとしては驚異きょういてき持続じぞく時間じかん実現じつげんしている[3][4][注釈ちゅうしゃく 1]六角ろっかくはしらさま本体ほんたい各面かくめんに7つの機能きのう配置はいちされ、それらが底部ていぶのぜんまい動力どうりょくによって連動れんどうして動作どうさする。

  • 天象てんしょう - 本体ほんたい上部じょうぶにあり、京都きょうとからた1年間ねんかん太陽たいようつきうごきを模型もけいあらわす。
  • かず時計とけい - 文字もじばん位置いち自動じどう変化へんかさせることで、昼夜ちゅうやながさの変化へんか対応たいおうして一時いちじこく(いっとき)のながさがわる定時ていじほう自動じどう対応たいおうする。久重くしげはこれを回転かいてん往復おうふく運動うんどう応用おうようすることで解決かいけつした。通常つうじょうぜんまい動力どうりょくからは一方向いちほうこう回転かいてんしかまれないが、虫歯むしばしゃ名付なづけられた独創どくそうてき歯車はぐるまたがちがいに2まいかた歯車はぐるまわせることによりこれを可能かのうにしている。この機構きこうはこのまんねん時計とけい以外いがいでは世界せかいのどの機械きかいでも使用しよう確認かくにんされておらず、セイコーの時計とけい技師ぎし戦後せんご数々かずかず独創どくそうてき技術ぎじゅつ開発かいはつして同社どうしゃ世界せかいてき企業きぎょう成長せいちょうさせることに貢献こうけんした土屋つちや榮夫ひでおも、このような機構きこうは「かんがえたこともなかった」と感嘆かんたんしている。
  • じゅうよん節気せっき表示ひょうじ
  • 曜日ようび時刻じこく表示ひょうじ - みじかはり曜日ようびしめし、いち週間しゅうかん一周いっしゅうする。ながはり時計とけい連動れんどうして時刻じこくしめす。
  • 十干じっかん十二支じゅうにし表示ひょうじ - 当時とうじいちにちごとにっていた60とおりの干支えとなかからその干支えと自動じどうしめす。
  • 月齢げつれい表示ひょうじ - 半球はんきゅう回転かいてんによってそのつきけのかたあらわす。
  • よう時計とけい - 現代げんだい一般いっぱんてき時計とけい機能きのう

このほかがね機能きのうもある。

ただし、当時とうじ力学りきがく成熟せいじゅくであったため、機械きかい一部いちぶおおきな負荷ふかがかかって歯車はぐるま変形へんけいしてしまい、田中たなか久重くしげ死後しごまもなく動作どうさしなくなった可能かのうせい見出みいだされている。また田中たなか西洋せいよう時計とけい専門せんもんではなかったため、改造かいぞうしたスイスせい懐中時計かいちゅうどけいよう時計とけいとしてみ、本体ほんたい機構きこう接続せつぞくしている。

外装がいそう[編集へんしゅう]

外装がいそうには、きょう指物さしもの木彫きぼりきょう七宝しっぽう蒔絵まきえ螺鈿らでん金属きんぞく工芸こうげいといった、様々さまざま伝統でんとう工芸こうげい技法ぎほうもちいられた。平成へいせい16ねん2004ねん)の復刻ふっこくプロジェクトでは、京都きょうとの6分野ぶんや職人しょくにんらによる外装がいそう復刻ふっこくおこなわれた。土台どだいには京都きょうと迎賓館げいひんかんでも使用しようされているしゅうのヒノキがもちいられ、細部さいぶには木彫きぼりほどこされた。また、六角形ろっかっけい台座だいざには、うるし金粉きんぷん定着ていちゃく乾燥かんそうさせたのち全体ぜんたいくろうるしり、駿河するがすみなどを使つかって表面ひょうめんみがく「蒔絵まきえ」という技法ぎほうもちいられた。そして、台座だいざ側面そくめんにはきょう七宝しっぽう(しっぽう)で6まい日本にっぽんえがかれ、周囲しゅういにはアワビや夜光やこうかい真珠しんじゅそうもちいた螺鈿らでん(らでん)がほどこされた。さらに、金属きんぞく部分ぶぶんにもかしりの装飾そうしょくほどこされた[6]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 実際じっさいには220にちほどしかうごかないともわれていたが、「まんねん時計とけい復元ふくげん複製ふくせいプロジェクト」での調査ちょうさによっていち年間ねんかんうご設計せっけいになっていることがかった[5]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b しん指定してい文化財ぶんかざい」『月刊げっかん文化財ぶんかざい』513(だいいち法規ほうき、2006)、p.44
  2. ^ 平成へいせい18ねん6がつ9にち文部もんぶ科学かがくしょう告示こくじだい79ごう
  3. ^ まんねん時計とけい機構きこう解明かいめい. 久保田くぼた裕二ゆうじ
  4. ^ xTECH(クロステック), 日経にっけい. “154ねんぶりに復活ふっかつ----からくりみぎ衛門えもんつくったまんねん時計とけいのレプリカが完成かんせい”. 日経にっけい xTECH(クロステック). 2018ねん12月8にち閲覧えつらん
  5. ^ "154ねんぶりに復活ふっかつ、からくりみぎ衛門えもんつくったまんねん時計とけいのレプリカ完成かんせい". 日経にっけいBP. 2005ねん3がつ9にち. 2014ねん5がつ17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん5がつ17にち閲覧えつらん
  6. ^ 外装がいそうふく復刻ふっこくばんは、東芝とうしば未来みらい科学かがくかんることができる。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]